自社名でGoogle検索をするユーザーは、自社の商品やサービスを求めている購買意欲の高い層です。しかし、その検索結果に競合他社の広告が表示されていると、本来獲得できたはずの見込み顧客を奪われてしまう恐れがあります。
本記事では、競合他社が自社名でGoogle広告を出稿するデメリットと具体的な対処法を解説します。正しく対応することで、見込み顧客の流出を防ぎ、確実な集客につなげられます。
競合他社が自社名でGoogle広告を出しても問題はない

結論からお伝えすると、競合他社が自社名でGoogle広告を出稿しても、規約違反には該当しません。Googleは検索ユーザーに幅広い選択肢を提供することを目的とし、特定のキーワードを自由に使える環境を整えています。
実際、Google広告のポリシーでは、キーワードとしての商標利用そのものは調査や制限の対象外とされており、社名や商品名を入札キーワードに設定する行為自体は禁止されていません。
このルールはGoogle広告のヘルプページでも明記されており、今後大きく見直される見込みは今のところありません。そのため、自社名で広告を出されたことを理由に掲載停止を申し出ても、対応してもらえないケースがほとんどです。
納得しがたい状況ではありますが、これが現在のルールです。Googleが取り締まってくれない以上、感情的に相手を責めるのではなく、冷静に自社のブランドと顧客を守るための対策へと意識を切り替える必要があります。
自社名でGoogle広告を出されるデメリット

競合他社による自社名での広告出稿はルール違反ではありませんが、放置は禁物です。本来自社サイトを訪れるはずだったユーザーが、検索結果上部の他社広告をきっかけにそちらへ流出してしまうためです。
指名検索のユーザーを横取りされる
指名検索を行うユーザーは、すでに商品やサービスへの興味を持ち、購入や問い合わせの一歩手前まで検討が進んだ熱量の高い見込み客です。本来であれば、そのまま自社サイトへ訪れて成約に至る可能性が高い層といえます。
しかし、検索結果の上部に競合他社の広告が表示されていると、目的の会社を探していたはずのユーザーが、つい他社の広告リンクをクリックしてしまうケースが少なくありません。指名検索という最も購買意欲の高いタイミングで比較検討の機会を与えてしまうことで、成約に近い層をそのまま競合他社へ奪われる結果を招きます。
他社サイトで比較されてしまうと、価格やサービス内容を見比べた末に離脱されてしまい、売上を落としてしまう原因になります。
将来自社で広告を出す際にクリック単価が釣り上がる
今は自社で広告を出していないから実害はないと油断するのは禁物です。
Google広告はオークション形式を採用しているため、入札する競合が存在しなければ、最低限の価格で検索結果の1位を獲得できます。しかし、他社が1社でも自社名に入札していると、その競合に競り勝つためのクリック単価がシステムによって自動的に釣り上げられていきます。この状態が長く続くほど、自社名というキーワードの相場そのものが吊り上がっていきます。
いざ将来自社で集客を強化しようと広告出稿を始めた際に、本来であれば低コストで獲得できたはずの指名検索の枠を、割高なクリック単価で買わなければならなくなります。
自社名でGoogle広告を出された時の対処法

競合他社に自社名でGoogle広告を出されていても、規約違反ではないからと諦める必要はありません。完全に排除するのは難しくても、被害を抑えて自社のブランドと顧客を守るための現実的な手立てがあります。
自社名で広告を出して競合よりも上位を死守する
検索結果の最上部を競合他社に奪われている状況では、自社でも自社名で広告を出稿することが、最も確実で即効性のある防衛策です。
たとえ自然検索で1位を獲得していても、その上にライバルの広告が表示されている限り、大切な見込み客を奪われるリスクは消えません。自社の社名に対する広告出稿は、Googleから関連性が極めて高いと評価されるため、他社よりも低いクリック単価で最も目立つ位置を確保できます。
広告費は発生するものの、成約に近いユーザーを競合へ流出させる損失に比べれば、十分に見合う投資といえます。守りの広告を展開して競合の表示順位を押し下げ、見込み客を迷わず自社サイトへ誘導する導線を整えましょう。
競合他社に連絡を入れて広告の停止を交渉する
自社名での広告出稿をやめてもらえないか、競合他社へ直接掛け合ってみるのも有効な方法です。相手に悪意があるとは限らず、Google広告のシステムが関連ワードを部分一致で自動的に拾い、意図せず表示されているケースも少なくありません。
そうした背景を踏まえ、無駄な広告費を互いに削減したいという共通の目的を丁寧に伝えれば、案外あっさりと掲載が止まることもあります。もちろん相手に応じる義務はなく、強制力を持たせることもできませんが、無用な対立を避けてコストを抑えたいという利害は双方に共通しているため、話し合いによって解決へ至る余地は十分にあります。
連絡する際は感情的な指摘を避け、事実に基づいた提案として伝えることが、円滑に進めるポイントです。
タイトルや説明文に自社名が入っていたらGoogleに通報する
広告のキーワード設定だけでなく、相手の広告のタイトルや説明文の中に自社の社名がそのまま使われている場合は、より強力な対抗措置を取ることができます。これはユーザーに公式サイトだと誤認させる表示であり、商標権の侵害にあたる可能性が極めて高いためです。
この対応を取るには、あらかじめ自社名を商標登録していることが前提となります。該当の広告を見つけたら、表示された広告文をスクリーンショットで保存し、証拠として残しておきましょう。そのうえで、Googleへ商標権侵害の申し立てを行ってください。
申し立てには広告の表示URLや商標登録情報などの入力が必要になるため、事前に商標登録番号を確認しておくとスムーズです。審査によって規約違反が認められれば、相手の広告を強制的に停止させることが可能になります。
トップページのタイトルに公式サイトと記載する
費用をかけずに今すぐ実行できる対策が、自社サイトのトップページのタイトルを見直すことです。Googleの検索結果では、広告枠に必ずスポンサーというラベルが表示されます。多くのユーザーはこのラベルが付いたリンクを無意識に避け、信頼できる本物のホームページを探そうとする心理を持っています。
タイトルに公式サイトである旨を明記しておけば、たとえ上に競合の広告が表示されていても、ユーザーは一目でこちらが本物だと判断できます。結果として他社サイトへの流出を防ぎ、クリック率の回復にも直結します。
特別なツールや費用は必要なく、管理画面からタイトルタグを編集するだけで対応できるため、思い立ったその日から着手できる点が大きなメリットです。
まとめ
競合他社が自社名で広告を出稿する行為は、残念ながらGoogleの規約では禁止されていません。しかし、放置すれば最も成約に近い見込み顧客を逃し、将来的な広告コストが増加するリスクを抱え続けることになります。
解決策として、自社でも守りの広告を出す、相手に直接交渉を持ちかける、広告文に社名がある場合は通報する、サイト名に公式サイトと追記するといった具体的な手を打つべきです。機会損失につながる状態を放置せず、現実的な自衛策を講じて自社のブランドを守りましょう。
サイトタイトルの変更など、今すぐできる対策から速やかに着手し、大切なお客様を確実に自社サイトへ導く導線を整えていくことが重要です。
