内部リンクは、SEOと成約率の両方に良い影響を与えます。ただし、数を増やせば良いわけではなく、どのページからどのページへとリンクするかを検討して、戦略的に設置する必要があります。また、内部リンクの設置で、成果が大きく伸びるケースはほぼなく、検索順位が上がりやすい土台を作り、ユーザーの回遊率を高めた結果、成約率が微増するといった効果です。
この記事では、内部リンクの基本や効果、種類、設置場所、成果につながる使い方、効果測定の方法、設置時の注意点まで解説します。
内部リンクとは
内部リンクとは、同じサイト内にある関連性の高いページとページをつなぐリンクのことです。トップページから下層ページへ、あるいはブログ記事から関連するサービスページへと、サイト内を移動するための道筋を作る役割を担っています。
内部リンクによって関連するページをつなぐことで、ユーザーは知りたい情報をより深く理解することが可能になるため、ユーザー体験の向上につながります。さらに、検索エンジンも内部リンク先のページを同一サイト内で評価されているページと判断し、検索順位を押し上げる効果があります。
ただし、その効果は飛躍的に高いわけではなく、サイト全体で内部リンクを充実させることで、検索順位が上がりやすくなったり、成約率が微増するといった効果になります。これまでの経験から見ると、内部リンクが充実しているホームページほど、安定した成果を実現しているケースが多いため、全ての企業が取り組むべき施策と言っても過言ではありません。
似た用語に外部リンクがありますが、外部リンクは他のホームページからの被リンクと、他のホームページへの発リンクのことです。内部リンクは、外部リンクのように他社の協力を必要とせず、自社の判断だけで今すぐ着手できる数少ない成果に直結する施策の一つです。
内部リンクの効果

内部リンクを整えると、SEO効果やサイト内の回遊のしやすさ、成約率が高まっていきます。ここでは、内部リンクの効果について解説します。
SEO効果を高める
内部リンクを適切に設置すると、リンク元とリンク先の両方のページでSEO評価が高まりやすくなります。
内部リンク先ページは、関連ページから支持されている情報源として認識され、検索順位が上がりやすくなります。リンク元ページは、訪問者が求める情報へ的確に案内できることで、そのページ単体ではなくサイト全体で検索意図に応えていると評価されます。
また、検索エンジンのクローラーは内部リンクをたどってサイト内を巡回しています。リンクが整っているホームページほどクローラーがリンク先ページを見つけやすく、インデックスされるまでの速度が早まります。
ただし、内部リンクを数本設置しただけで検索順位が劇的に上がるわけではありません。あくまで検索順位が上がりやすい状態を作る施策であると認識しておく必要があります。
ちなみに、内部リンクを使って効率的にSEO効果を高めるためには、内部リンク先のコンテンツの品質を高めた上で、関連するページから内部リンクを集中させることで、大きく検索順位を向上させることが可能です。
ファンの獲得につながる
内部リンクを整えることで、より多くの情報提供が可能になり、ユーザーがホームページのファンになってくれる可能性があります。
訪問者がページを読み進める中で、新たな疑問が生まれた際に、内部リンクがあることで、関連するページを閲覧してくれるようになります。そこで、内部リンク元や先ページの品質が高ければ、ユーザーは「このテーマであれば、このホームページを見ればよい」と感じてくれます。
ホームページの成果において、このファンの獲得は非常に重要な要素になっており、そのタイミングでは問い合わせなどの成果につながるアクションを行ってくれなかったとしても、中長期的に見れば、問い合わせにつながったり、さらにはSNSなどでホームページの情報を拡散してくれる可能性があります。
ファンの獲得は、中長期的にホームページの成果を支えてくれる要素です。
成約率を高める
訪問者は1ページを見ただけで、問い合わせなどの成果につながる行動を起こしてくれるケースは稀です。トップページから訪れた訪問者は、「トップページ→サービス→料金→実績→問い合わせ」という流れで成果につながる行動を起こしてくれます。
もちろん、内部リンクを設置しただけで成約数が大きく伸びることはありませんが、ユーザーが求めている情報を適切に提供することが可能になるため、これまで取りこぼしていた見込み顧客を成果へと誘導することが可能になり、成約率を高めることができます。
内部リンクの種類

内部リンクには、テキストリンクと画像リンクがあります。それぞれ特徴が異なるため、設置する場所や目的に応じて使い分けます。
テキストリンク
テキストリンクは、文章内にある単語やフレーズにリンクを設置します。
検索エンジンはテキスト情報を重視するため、最もSEO効果が高い内部リンクになり、さらにユーザーも文章を読んでいる中で内部リンクが出てくることで、自然な流れで他のページへと移動することができます。
ホームページ運用で新しいページを作成するのであれば、積極的に利用したいリンクの形式といえます。
画像リンク
画像リンクは、バナーやアイコンなどの画像にリンクを設定します。
画像を使うことで、ユーザーの目につきやすくなるため、自然と注目を集めることが可能です。キャンペーンページやお問い合わせなど積極的に誘導したいページへのリンクに活用します。
ただし、検索エンジンは画像内のテキスト情報を読み取れないため、alt属性がアンカーテキストの代わりになります。画像リンクを利用するのであれば、必ずalt属性を記述しましょう。
内部リンクの設置場所

内部リンクは、グローバルナビゲーション、パンくずリスト、サイドバーとフッター、コンテンツ内の4箇所に設置します。大半はホームページ制作会社が設置してくれますが、コンテンツ内はホームページ運用にも関わる要素になっています。
グローバルナビゲーション
ホームページの全ページに共通して表示されるのがグローバルナビゲーションです。グローバルナビゲーションに内部リンクを設置する際の注意点は以下になります。
- アンカーテキストを長くなりすぎないように端的にする
- リンク数を増やしすぎてユーザーを迷わせない
- 重要なページへのリンクに厳選する
- レスポンシブデザインではテキストを利用する
レスポンシブデザインでは、ハンバーガーメニューを利用することが一般的で、画像を利用していると縮小されるため、スマホユーザーの利便性が低下する恐れがあり注意が必要です。
上記の4点に気をつけることで、検索エンジンやユーザーはリンク先ページの重要性を正しく理解できるようになり、SEO効果と成約率の向上を実現することができます。
パンくずリスト
パンくずリストは、「トップ>サービス>ホームページ制作」のように、訪問者が今サイト内のどの位置にいるかを示すコンテンツです。
パンくずリストに内部リンクを設置することで、下層ページを入り口にしたユーザーが、現在自分が見ているページがどの位置にあるページかを瞬時に把握できたり、上位の階層のページへとスムーズに移動することができます。さらに構造化データを実装すれば、検索エンジンがサイト構造を詳しく認識できるようになり、SEOとしての効果も期待できます。
ただし、現在地に内部リンクを設置してはいけません。今見ているページから今見ているページに内部リンクを設置してもユーザーにとっても検索エンジンにとってもメリットにならないため、現在地以外に内部リンクを設置するようにしましょう。
また、パンくずリストにある内部リンクのアンカーテキストも端的に記述することが重要で、長い文章だとSEO評価の低下や、スマホで見た時に大量に折り返しが発生してしまい、見栄えとしても良い状態ではありません。
サイドバーとフッター
サイドバーは同じカテゴリー内の別ページへの内部リンクが設置されます。例えば、会社案内コンテンツであれば会社概要や代表挨拶、沿革などのページへの内部リンクを設置します。サイドバーに同じカテゴリーのページへのリンクを設置することで、ユーザーは関連する別ページへとスムーズに移動することが可能です。
また、サイドバーには、同じカテゴリー内にある別ページへの内部リンクの下に、お問い合わせやキャンペーンページなど重要なページへの画像リンクを設置することもあります。ここに重要なページへの画像リンクを設置することで、サイト内の全てのページに内部リンクを設置しても不自然さがないため、ユーザーがスムーズにクリックしてくれるようになります。
フッターは会社情報やプライバシーポリシーなど、サイト全体に関わる補足的なページに厳選して内部リンクが設置されます。さらに、サイト内の全ページへのリンクを並べるサイトマップ型フッターにするホームページもあります。どちらが正解というわけではなく、ホームページの規模や目的に応じて選ぶのがよいでしょう。
コンテンツ内
コンテンツ内の内部リンクは、本文中に自然に組み込むことができるため、ユーザーが最もクリックしてくれる可能性の高い内部リンクです。
ホームページ制作時は制作会社が設置してくれますが、運用時は自社で設置しなくてはなりません。重要なのは、内部リンクの数ではなく、ユーザーがクリックしてくれそうかどうかです。テキストや画像といった形式、アンカーテキストやalt、設置場所など、ユーザーに価値ある内部リンクを設置することで、SEOや成約率の向上に役立ちます。
効果的な内部リンクの使い方

内部リンクは、ただ設置すればよいわけではありません。訪問者の行動や、リンクを取り巻く文脈まで意識することで、初めて成果につながる導線になります。
ユーザーが次に気になるであろうページへ内部リンクを行う
内部リンクを設置する際には、文章を上から読んだユーザーが次に気になるであろうページへ内部リンクを設置することが大切です。
全くユーザーが興味を持たないページへ内部リンクを設置しても、誰もクリックしませんし、検索エンジンもその内部リンクを評価することはありません。ユーザーが気になる箇所を見極めた上で、適切なアンカーテキストを設定し、該当ページへ内部リンクを設置することで、ユーザーや検索エンジンから評価されるようになります。
リンクの上下にある文章で関連性を示す
内部リンクは、リンク先の内容を前後の文章で軽く説明してから繋ぐことで、より高い効果を発揮します。
例えば、あるページから別のページへ内部リンクを送る場合、リンクを貼る箇所の前後でリンク先の内容を一言二言でも説明しておくと、訪問者はリンク先に何が書かれているかを事前に把握でき、安心してクリックできます。
検索エンジンにとっても同様です。内部リンクの前後にある文章がリンク先のテーマと一致していることで、両ページの関連性が明確に伝わり、検索エンジンにも正しく認識されやすくなります。
適切なアンカーテキストを設定する
アンカーテキストとは、内部リンクが設定された文字列のことです。「詳しくはこちら」といった曖昧な言葉では、訪問者にも検索エンジンにも、リンク先に何が書かれているかが伝わりません。
内部リンク先のページで扱っている内容を具体的に示し、なおかつリンク先の中身と一致した言葉をアンカーテキストに使うことで、訪問者は必要な情報かどうかをクリック前に判断でき、検索エンジンもリンク先のテーマを正しく認識できます。
当社がサポートするお客様の中に、ほとんどの内部リンクのアンカーテキストを「詳しくはこちら」で統一していたケースがありました。アンカーテキストをリンク先の内容が伝わる言葉に整えたところ、サイト全体の平均掲載順位が2位ほど上昇しました。小さな変更でも、サイト全体で積み重なると、確実に成果につながる施策と言えます。
ただし、検索エンジン向けにキーワードを詰め込みすぎると、文章として不自然になり、検索エンジンからスパムと認識されてしまうため、あくまで自然に読める範囲で言葉を選ぶことが大切です。
検索順位を上げたいページに内部リンクを集める
サイト内のさまざまなページから、検索順位を上げたいページへ向けて意図的に内部リンクを設置することで、ページのSEO評価を集めることができます。検索エンジンは、内部リンクが集まっているページを、サイト内で多くのページから推薦されているページと認識するため、検索順位が上がりやすくなります。
特に、サービスページや商品ページなど成果に直結するページは、関連するブログ記事など複数のページから優先的に内部リンクを送ることで、評価を集中させやすくなります。逆に、リンク先をあちこちに分散させてしまうと、本来検索順位を上げたいページに渡るSEO評価が薄まります。
内部リンクの効果測定と改善法

内部リンクが与えるSEO効果は1本単位で見ると限定的で、リンクを1本差し替えたからといって検索順位が大きく動くことはまずありません。それよりも、実際にどの内部リンクがどれだけクリックされているかという訪問者の動きを確認し、成果につながっていないリンクを見直していく方が重要です。
STEP1. 内部リンクを複数並べて設置する
内部リンクを設置する際に、複数の候補がある場合は、それら全てを同じ箇所に設置しましょう。最初から効果的な内部リンク先を決め切るのは難しいため、いくつかの候補を用意して公開し、どれが選ばれているかをデータで確認する方が、確実にリンク先を絞り込めます。
その際には、どの内部リンクがクリックされているかを計測する仕組みが必要です。そこで、Googleタグマネージャーでトリガー設定を行うか、内部リンク先のURLにパラメーターをつける必要があります。
Googleタグマネージャーを使う場合は、クリックされたことをきっかけにデータを送るトリガーを作っておけば、どの内部リンクがクリックされたかがGA4に表示されるようになります。
パラメーターをつける場合は、内部リンク先のURLの末尾に「?」を付け、その後ろにリンク元のページ名と、そのページの何本目のリンクかを示す番号を入れておきます。
例えば「https://sample.com/blog/page2?=page1-1」というURLへの内部リンクであれば、page1というページに設置された1本目のリンクからpage2へ遷移したことを表します。この状態でGA4のページビューを確認すれば、どのページのどのリンクから訪問者が流れてきたかを区別できます。
ただし、パラメーターをつける場合は、必ずcanonicalタグを設定しておかなければ、検索エンジンから重複コンテンツと見なされてしまい、SEO評価が落ちてしまいます。
STEP2. GA4で内部リンクのクリック状況を確認する
内部リンクを設置した後、1ヶ月間はデータを蓄積する必要があります。
そこで注意しておきたいのが、社内または関係者がリンクをクリックしないように気をつけることです。関係者がクリックしたとしても、それがGA4にデータとして落ちてしまうと正確な効果測定を行うことができません。
どうしても、リンクをクリックする必要がある場合は、社内のIPアドレスを除外対象にする、または固定IPを持っていない企業であればブラウザにGoogle Analytics オプトアウト アドオンを導入し、社内や関係者のアクセスが集計されないようにしましょう。
STEP3. 効果がない内部リンクは差し替えるか削除する
効果測定を行った結果、ほとんどクリックされていない内部リンクが見つかった場合は、そのままにせず見直します。
クリックされていない内部リンクは、アンカーテキストが訪問者の関心とズレている、あるいは設置場所が訪問者の目に入りにくい可能性があります。アンカーテキストが原因であれば、リンク先の内容がより伝わる言葉に変更します。設置場所が原因であれば、訪問者の目に留まりやすい位置へ移動します。
また、アンカーテキストや設置場所を変えても効果がない場合は、その内部リンク先の内容自体に訪問者が興味を示していない可能性があります。この場合は改善のしようがないため、無理に残さず削除しましょう。
内部リンクを設置する時の注意点

内部リンクは効果的な施策ですが、扱い方を誤るとかえって訪問者の離脱を招いたり、検索エンジンからの評価を下げたりする原因になります。ここでは、設置する際に気をつけておきたい注意点を解説します。
ホームページ制作会社に任せきりにしない
内部リンクの多くは、グローバルナビゲーションやパンくずリストなど、ホームページ制作会社が制作段階で設置してくれます。しかし、ブログ記事などコンテンツ内の内部リンクは、公開後の運用の中で自社が設置しなくてはなりません。
すべてを制作会社に任せきりにしていると、いざ自社で記事を公開して内部リンクを設置しようとした時、どのページに繋げばよいのか、どう判断すればよいのかが分からず手が止まってしまいます。
当社では、制作段階から内部リンクの考え方をお客様と共有するようにしています。制作段階から関わっておくことで、どのページとどのページを繋ぐべきか、どんな言葉で案内すればクリックされやすいかといった判断力が社内に蓄積されていきます。
このノウハウは、運用フェーズで新しいページを作る際に、どこに内部リンクを設置すべきかを自分たちで判断する力につながります。
1ページ内に内部リンクを貼りすぎない
1つのページから渡せる評価には限りがあり、内部リンクを貼りすぎると、1つひとつのリンクが持つ効果が分散して弱まってしまいます。また、選択肢が多すぎると訪問者はどれを選べばよいか迷ってしまい、結果的にどのリンクもクリックされないまま離脱されてしまうこともあります。
本当に必要なリンクだけに絞り込み、訪問者が次に進むべき道を明確に示すことが大切です。
リンク切れを放置しない
内部リンク先のページが削除されていたり、URLが変更されていたりする状態で内部リンクを放置すると、訪問者は404エラーページに案内されてしまいます。せっかく興味を持ってクリックした訪問者に不便な思いをさせるだけでなく、検索エンジンの巡回も妨げてしまいます。
サイト内の内部リンクが正しく機能しているか定期的にチェックし、リンク切れを見つけたら早めに修正することが大切です。
WordPressサイトであれば、プラグインのBroken Link Checkerを導入すれば、定期的にリンク切れを自動で検出してくれます。
隠しリンクを使わない
背景と同じ色に設定したり、文字サイズを極端に小さくしたりして、訪問者の目には見えない形で内部リンクを埋め込む行為は避けなければなりません。
これらは隠しリンクとして検索エンジンのガイドライン違反にあたり、ペナルティを受けるリスクがあります。正当な手段でSEO評価を積み上げることが、長期的な成果につながります。
内部リンクにno follow属性は不要になる
nofollowは、検索エンジンに対してリンク先へSEO評価を渡さないことを伝える属性です。かつては内部リンクにもnofollowを使ってページ間の評価を調整する手法がありましたが、現在この方法は主流ではありません。
内部リンクにnofollowを付けてしまうと、自社サイト内でのSEO評価の受け渡しを自ら断ち切ることになりかねません。例えばプライバシーポリシーのように、それ自体で上位表示を狙うページでなくても、ホームページの信頼性を支える重要なページには変わりありません。こうしたページも通常のリンクでしっかり案内しておくことが、サイト全体のSEO評価につながります。
まとめ
内部リンクは、SEO評価、ファンの獲得、成約率のそれぞれに影響を与える施策です。数を増やせば効果が出るものではなく、テキストリンクと画像リンクの使い分け、設置場所ごとの役割、訪問者の行動を想定したリンク先の選び方まで意識することで、初めて成果につながります。
設置して終わりにせず、GA4でクリック状況を確認しながら、反応の良いリンクへと見直していくことが欠かせません。1ページ内に貼りすぎない、リンク切れを放置しないといった基本を守りながら、内部リンクを着実に育てていくことが、SEOと成約率の両方を底上げする近道です。
