ホームページ制作のあとにデザインデータの引き渡しをお願いしたら、費用がかかると言われて戸惑った方もいるのではないでしょうか。デザインデータは制作会社が作業用に作っているもので、引き渡すには整理や変換の作業が必要になります。
この記事では、ホームページ制作のデザインデータの引き渡しが有料になる理由と、当社の料金例、依頼するときの注意点を紹介します。
ホームページ制作で納品されるものにデザインデータは含まれない
ホームページ制作で納品されるのは、公開されたホームページそのものです。具体的には、HTMLやCSS、WordPressのテーマなどのファイルと、ページに使っている写真やバナーなどの画像です。サーバーに公開した状態で引き渡すことが多く、ホームページの更新や運用はこれらのファイルがあればできます。
一方で、デザインデータは多くの制作会社で納品物に含まれていません。デザインデータは、ページの見た目を作るときに使う作業用の元データです。WebデザインはPhotoshopで作る制作会社が多く、その場合はPSD形式、Figmaで作る制作会社ならFigma独自のFIG形式のデータになります。どちらも、開いて編集するにはそれぞれのツールが必要です。
ページに使われているバナーなどの画像は、デザインデータから書き出したものです。書き出した画像は文字や写真が1枚にまとまっていて、そのままでは文字を直したりレイアウトを変えたりできません。デザインを修正したいときや、ホームページ以外に使いたいときに必要になるのが、パーツごとにレイヤーが分かれたデザインデータです。
デザインデータの引き渡しが必要になるのはどんなときか
デザインデータの引き渡しが必要になるのは、ホームページのデザインに手を加えたいときや、デザインをホームページ以外で使いたいときです。主な場面は次の3つです。
別の制作会社や社内でデザインを修正するとき
今の制作会社とは別の制作会社にデザインの修正を頼む場合や、バナーの文字を変える、写真を差し替えるなどの修正を社内で行いたい場合は、デザインデータがあると作業を進めやすくなります。ページに使われている画像は文字や写真が1枚にまとまっていて、そのままでは文字だけを直すことができません。
デザインデータがなければ、別の制作会社は公開されているページを見ながら、修正したい部分のデザインを作り直すことになり、その分の費用と時間がかかります。特に、今のデザインを生かしたまま一部だけ直したい場合は、元のデザインデータがあるかどうかで作業量が大きく変わります。
社内で修正する場合は、デザインデータを開いて編集できるPhotoshopやFigmaを扱える担当者がいることが前提になります。扱える人がいなければデータを受け取っても修正できないので、引き渡しを依頼する前に社内の体制を確認しておくことが大切です。
ホームページのデザインを印刷物に使うとき
ホームページと同じデザインでチラシやパンフレット、会社案内を作りたい場合は、デザインデータが必要です。
ホームページの画像は画面で見るための解像度で書き出されていて、そのまま印刷すると粗くなります。印刷物に使うには、デザインデータをIllustratorで扱えるAIデータに変換するのが一般的で、PSDならIllustratorで読み込み、FIGならSVGやPDFで書き出してからIllustratorで開き、色の設定などを印刷用に整えて使います。
ホームページ制作のデザインデータの引き渡しが有料になる理由
デザインデータの修正や印刷物への利用を考えて引き渡しをお願いすると、多くの制作会社では費用がかかると言われます。デザインデータの引き渡しが有料になる主な理由は次の2つです。
他社でも扱えるようデザインデータを整理する手間がかかる
デザインデータは、制作会社が自分たちで作業するためのデータです。デザインを作る段階では、色や配置を何度も試しながら進めるので、使わなかったパーツや非表示のレイヤーが残り、レイヤーの名前も作った本人が分かれば良い状態になっています。当社でも、デザインデータは引き渡しを前提とした整理された状態では作っていません。
別の制作会社や社内の担当者が開いても迷わないようにするには、デザインデータを整理し直す作業が必要です。レイヤーやグループに中身が分かる名前を付けてページの上から順に並べ直す、使っていないパーツを削除する、文字を編集できる状態で残す、使っている画像素材をまとめるといった作業を、ページごとに行います。
ページ数が多いほど作業時間が増えるので、デザインデータの引き渡しは有料になります。
印刷物に使う場合はAIデータへの変換が必要になる
ホームページのデザインデータは、画面で見るために作っています。色は画面用のRGBで、解像度も画面に合わせているので、そのまま印刷すると色味が変わったり、文字や写真が粗くなったりします。印刷会社によってはPSDで入稿できるところもありますが、Web用のデザインデータのままでは印刷に向きません。
当社では、印刷物に使う場合はIllustratorでAIデータに変換し、文字や図形をくっきり印刷できるように作り直しています。色を印刷用のCMYKに変える、写真を印刷に耐える解像度に差し替える、塗り足しを付けるなど、整理とは別の作業が加わることも、引き渡しが有料になる理由の1つです。
当社がデザインデータを引き渡すときの料金
当社では、デザインデータの引き渡し費用をページごとに決めています。
PC版のデザインデータは、トップページが15万円、下層ページが1ページあたり1万5,000円です。スマートフォン版のデザインデータは、PC版の6掛けの金額で、トップページが9万円、下層ページが1ページあたり9,000円になります。印刷物に使うためのAIデータへの変換も、この料金に含まれます。
たとえば、トップページ1ページと下層ページ9ページのホームページの場合、PC版のデザインデータは28万5,000円、スマートフォン版のデザインデータは17万1,000円で、両方を引き渡すと45万6,000円です。トップページは、ほかのページで使うパーツやデザインのルールが多く含まれていて、整理する作業量が下層ページより大きくなるので、金額にも差を付けています。
デザインデータの引き渡し費用は制作会社によって異なりますが、当社では相場から大きく外れていない金額と考えています。
デザインデータの引き渡しを依頼するときの注意点
デザインデータの引き渡しは、依頼するタイミングや伝え方によって、受け取れるまでの期間や使いやすさが変わります。依頼するときは次の3つに注意してください。
制作前に伝える
デザインデータが必要になりそうなら、ホームページ制作を始める前に、引き渡しを希望することを制作会社に伝えておきましょう。制作前に分かっていれば、制作会社は最初から引き渡すつもりでデザインデータを作れるので、レイヤーの名前や並び順を整えながら進められます。
制作が進んでから、あるいは納品前になってから依頼すると、試行錯誤しながら作ったデザインデータを後から整理し直すことになり、作業がほぼ作り直しになることもあります。
当社では、制作前に伝えてもらえれば、引き渡しまでの期間を短くできるうえ、引き渡しの費用も少しお値引きしています。値引きの金額は、デザインの複雑さに応じてご相談のうえ決めています。
利用目的を伝える
デザインデータの引き渡しを依頼するときは、何に使いたいのかを具体的に伝えましょう。別の制作会社で修正したいのか、社内で修正したいのか、チラシやパンフレットに使いたいのかによって、適したデータの形式や整え方が変わります。
たとえば、Webで修正するならPhotoshopで扱えるPSD形式のまま整理し、印刷物に使うならIllustratorで扱えるAIデータに変換して、色や解像度を印刷用に整えます。利用目的が分からないまま引き渡すと、受け取ったデータが使いたい用途に合わず、あらためて変換を頼むことになりかねません。
当社でも、引き渡しの前に用途を伺い、その用途に合った形式でデザインデータをお渡ししています。
ホームページの著作権を確認する
デザインデータを受け取っても、ホームページのデザインを自由に使えるとは限りません。デザインデータを受け取るのはファイルを持つことで、著作権を持つこととは別です。ホームページの著作権が制作会社に残っている場合、別の制作会社がデザインを修正したり、デザインを印刷物に流用したりするには、元の制作会社の許可が必要になります。
ホームページの著作権の扱いは、制作会社との契約で決まります。著作権を依頼者に譲渡する契約もあれば、著作権は制作会社に残したまま、印刷物への利用など使える範囲を決めて認める契約もあります。
著作権を譲渡してもらう場合でも、デザインを改変されない権利は制作会社に残るので、修正まで自由にしたいなら、その権利を行使しないという取り決めが契約に入っているかを確認しておきましょう。
将来、別の制作会社に修正を頼んだり、ホームページのデザインを印刷物に使ったりする可能性があるなら、デザインデータの引き渡しと合わせて、ホームページの著作権の扱いを契約前に確認しておくことが大切です。デザインに使っている写真やイラスト、フォントは、素材ごとのライセンスで使える範囲が決まっている場合もあるので、合わせて確認しておくと安心です。
まとめ
ホームページ制作で納品されるのは公開されたホームページで、デザインデータは基本的に納品物に含まれません。デザインデータは制作会社が作業用に作っているもので、別の制作会社や社内で扱えるように整理したり、印刷物に使うためにAIデータへ変換したりする作業が必要になり、その手間がデザインデータの引き渡しが有料になる理由です。
デザインの修正や印刷物への利用でデザインデータが必要になりそうなら、ホームページ制作を始める前に、引き渡しを希望することと利用目的を制作会社に伝えておきましょう。最初から引き渡すつもりで作ってもらえれば、引き渡しまでの期間を短くできます。
あわせて、ホームページの著作権の扱いを契約前に確認しておくと、デザインデータを受け取った後に使い方で困ることを防げます。
