ECサイト

公開日:2026.10.24最終更新日:2026.10.24

ECサイトに会員登録は必要?顧客の囲い込みと買いやすさを両立する方法

ECサイトに会員登録は必要?

ECサイトを制作するとき、会員登録を必須にするかどうかで迷う企業は少なくありません。会員登録は顧客の囲い込みに役立ちますが、ユーザーにとっては負担になり、会員登録が面倒で購入をやめてしまう人もいます。

このページでは、ECサイトの運営者にとって会員登録が必要な理由と、ユーザーの負担になる理由を整理したうえで、ゲスト購入を導入するメリットや、会員登録が欠かせないECサイトを解説します。あわせて、ゲスト購入と会員登録を併用して会員を増やす方法や、会員登録を入れるときの注意点、当社がECサイト制作で提案している会員登録の形も紹介します。

ECサイトの運営者にとって会員登録が必要な理由

ECサイトの会員登録は、ユーザーの情報や購入履歴を運営者が持てる仕組みです。会員登録をしてもらうことで、一度購入したお客様との関係を続けやすくなります。

顧客を囲い込んでリピート購入につなげられる

会員登録をしたユーザーは、住所や電話番号、支払い方法などがECサイトに保存されるので、2回目以降の購入では入力の手間がほとんどなくなります。

同じ商品が他のECサイトで売られていても、毎回情報を入力し直すより、ログインするだけで買える自社のECサイトを選んでもらいやすくなります。ポイントや購入履歴が会員ごとにたまっていくことで、ほかのECサイトに移る理由も少なくなります。

新規のお客様を集めるには広告やSEOなどの費用と手間がかかるので、一度買ってくれたお客様にリピートしてもらえる仕組みを作れることは、ECサイトの売上を安定させるうえで大きな意味があります。

購入履歴から顧客のニーズを把握できる

会員登録があると、どの会員がいつ何を買ったかという購入履歴が会員ごとに残ります。

会員全体の購入履歴を見ると、よく一緒に買われる商品や、季節によって売れ方が変わる商品、年代や地域ごとに人気の商品などの傾向が分かります。こうした傾向は、品ぞろえを見直したり、仕入れの量を決めたり、新しい商品を企画したりするときの判断材料になります。

会員登録なしの購入だと、同じお客様が何度買っているのかが分かりにくく、リピートされている商品と一度きりで終わっている商品の区別もつけにくくなります。

メールマガジンで新商品やセールを直接案内できる

会員登録の際にメールマガジンの受け取りに同意してもらえれば、新商品の入荷やセールの開始を会員へ直接案内できます。

検索結果や広告からECサイトに来てもらうのを待つのではなく、運営者からお客様に声をかけられるのがメールマガジンの強みです。広告のようにクリックされるたびに費用がかかることもなく、購入履歴に合わせて案内する商品を変えることもできます。

しばらく購入がない会員にクーポンを送るなど、お客様が離れそうなタイミングで呼び戻すきっかけを作れるのも、会員登録があるからこそできる施策です。

購入履歴に合わせて関連商品をおすすめできる

会員登録があれば、ログインしたお客様ごとに購入履歴に合わせた商品をECサイト上で見せられます。

たとえば、プリンターを買ったお客様にはインクを、化粧水を買ったお客様には同じシリーズの乳液を表示すると、お客様が自分で探さなくても必要な商品にたどり着けます。消耗品であれば、前回の購入からなくなりそうな時期に買い替えの案内を出すこともできます。こうしたおすすめはクロスセルやアップセルにつながり、1回あたりの購入金額を上げる効果が期待できます。

会員登録なしの購入では、お客様が次に来たときに誰なのかが分からないため、一人ひとりに合わせたおすすめは難しくなります。

ECサイトの会員登録がユーザーの負担になる理由

ECサイトを利用する消費者を対象にした調査では、半数以上が会員登録が面倒で購入をやめた経験があると回答しています。ECサイトの担当者側でも9割以上が、会員登録はユーザーの負担になっていると感じています。

入力する項目が多く購入までに時間がかかる

会員登録では、名前や住所、電話番号、メールアドレス、パスワードなど、多くの項目を入力しなければなりません。

生年月日や性別、アンケートまで必須にしているECサイトもあり、欲しい商品をカートに入れてから購入を終えるまでに時間がかかります。スマートフォンの小さな画面で入力するのは特に手間がかかり、途中で入力ミスのエラーが出ると、購入したい気持ちが冷めてしまうユーザーも少なくありません。

先ほどの調査でも、ECサイトの担当者が会員登録の負担を感じる点として、会員登録ページでの離脱率の高さやカゴ落ち率の高さが上位に挙がっています。

不要な案内メールが届くようになる

ECサイトに会員登録をすると、注文確認や発送連絡だけでなく、メールマガジンやセールの案内が届くようになるケースがほとんどです。

一度だけ買いたかったユーザーにとっては、興味のない案内メールが毎週のように届くのは負担になります。会員登録をしない理由を聞いた調査でも、不要な案内メールが増えることは、個人情報の扱いへの不安に次いで多い回答でした。

配信を止める方法が分かりにくいECサイトでは、案内メールが嫌で会員登録そのものを避けるユーザーが増えます。

個人情報の扱いに不安がある

会員登録をすると、名前や住所、電話番号などの個人情報をECサイトに預け続けることになります。

企業の個人情報漏洩のニュースを目にする機会が増え、初めて使うECサイトに自分の情報を残すことに抵抗を感じるユーザーは少なくありません。調査でも、会員登録をしない理由として最も多かったのは個人情報の扱いが心配という回答で、半数のユーザーが挙げています。

知名度の高い大手のECサイトに比べて、初めて知った企業のECサイトでは、この不安がより大きくなりやすいです。

ECサイトにゲスト購入を導入するメリット

ゲスト購入とは、会員登録をしなくても、配送先や支払い方法を入力するだけで商品を購入できる仕組みです。ECサイトにゲスト購入を導入すると、会員登録の手間や不安を理由に購入をやめていたユーザーに、そのまま商品を買ってもらえるようになります。

ゲスト購入の一番のメリットは、初めてECサイトを訪れたお客様の購入を逃さずに済むことです。初めてのお客様は、そのECサイトで今後も買い物をするかどうかがまだ分かりません。その段階で会員登録を求められると、商品が気に入っていても、入力の手間や個人情報への不安から購入をやめてしまうことがあります。

ゲスト購入があれば、まずは一度買ってもらい、商品やECサイトの使いやすさを知ってもらうところから関係を始められます。

カゴ落ちを減らせることもゲスト購入のメリットです。カートに商品を入れたあとに会員登録の画面が出てくると、そこで離脱するユーザーが多くなります。ゲスト購入を選べるようにしておけば、購入までの手順が短くなり、カートに入れた商品がそのまま注文につながりやすくなります。

広告やSEOで集めた訪問者が購入の直前で離れてしまうのは、集客にかけた費用や手間が無駄になることでもあります。

ただし、ゲスト購入だけでは、購入したお客様の情報や購入履歴が会員ごとに残らないので、顧客の囲い込みにはつながりにくくなります。ゲスト購入は買いやすさを高める仕組みで、囲い込みとは役割が違うと考えておくことが大切です。

会員登録が欠かせないECサイト

ゲスト購入にはメリットがありますが、すべてのECサイトに向いているわけではありません。購入後もお客様とのやり取りが続き、会員情報がないと取引が成り立たないECサイトでは、会員登録が欠かせません。

お届け周期や解約をマイページで管理する定期購入のECサイト

定期購入やサブスクのECサイトでは、一度申し込んだお客様に、決まった周期で商品を届け続けます。お届け周期の変更やお休み、配送先の変更、解約などの手続きは、お客様自身がマイページで行えるようにしておくのが一般的で、会員登録がないとこうした管理ができません。

ゲスト購入で定期購入を受けると、変更や解約のたびにメールや電話でやり取りが必要になり、お客様にとっても運営者にとっても手間が増えます。継続して利用してもらうことが前提の商品なので、最初の申し込みの段階で会員登録をしてもらうほうが自然です。

取引先ごとに価格や支払い条件が違うBtoBのECサイト

企業向けに商品を販売するBtoBのECサイトでは、取引量や契約内容によって、取引先ごとに価格や支払い条件が違うことがよくあります。掛け払いや請求書払いに対応する場合は、事前に審査をしてから取引を始めることもあります。

こうしたECサイトでは、ログインした取引先にだけその会社向けの価格を表示し、決められた支払い方法で注文してもらう必要があるので、会員登録が欠かせません。だれでも購入できる状態にしてしまうと、取引先向けの価格が外部に見えてしまうおそれもあります。

会員だけが買える価格や商品があるECサイト

会員限定のセールや先行販売、会員だけが買える限定商品などを売りにしているECサイトでは、会員であることが購入の条件になります。会員限定の価格や商品は、会員登録をしてもらう大きな理由になり、お客様に特別感を持ってもらえます。

ゲスト購入でも同じ価格や商品を買えるようにしてしまうと、会員になるメリットがなくなり、会員限定という仕組みそのものが成り立ちません。会員向けの特典を中心に販売を考えているECサイトでは、会員登録をなくすことはできません。

再ダウンロードや返却など購入後の管理が続くECサイト

電子書籍や動画、音楽、ソフトウェアなどのデジタルコンテンツは、購入したあとに何度も閲覧したり、端末を変えて再ダウンロードしたりします。購入した商品をいつでも利用できるようにするには、お客様ごとに購入した内容を管理する必要があり、会員登録が前提になります。

レンタルのECサイトでは、商品を届けてから返却されるまで、貸出期間や返却状況、延長の手続きなどの管理が続きます。購入して届けたら終わりではない商品を扱うECサイトでは、会員登録がないと購入後のサービスを提供できません。

ゲスト購入と会員登録を併用して会員を増やす方法

顧客の囲い込みと買いやすさを両立するには、ゲスト購入と会員登録を併用するのが基本です。ただし、併用しただけでは手軽なゲスト購入を選ぶユーザーが多くなるので、会員登録を選んでもらうための工夫が必要になります。

購入完了後に会員登録できるようにする

購入の手続きの途中で会員登録を求めるのではなく、購入が終わった画面で会員登録を案内する方法です。ゲスト購入で入力してもらった名前や住所、メールアドレスをそのまま使い、パスワードを設定するだけで会員登録できるようにしておけば、ユーザーが改めて情報を入力する手間はほとんどありません。

購入前のユーザーは早く注文を終えたい気持ちが強く、会員登録の画面が出てくると負担に感じやすくなります。一方、購入が終わったあとであれば気持ちに余裕があり、次回の買い物が楽になるならと会員登録をしてくれるユーザーが増えます。購入完了画面だけでなく、注文確認メールに会員登録の案内を入れておくのも効果的です。

GoogleやLINEのアカウントで会員登録できるようにする

GoogleやLINEなど、ユーザーが普段使っているサービスのアカウントを使って、ECサイトの会員登録やログインができるようにする方法です。ボタンを押してアカウントを選ぶと、そのサービスに登録している名前やメールアドレスを引き継いで会員登録できるので、ユーザーが入力する項目を減らせます。

ユーザーにとっては、新しいパスワードを考えて覚える必要がなく、ボタンを押してアカウントを選ぶだけで会員登録が終わります。初めて利用するECサイトでも、なじみのあるサービスを通して登録できるので、会員登録への心理的なハードルが下がりやすくなります。

GoogleやLINEのアカウントでの会員登録を導入するには、利用するカートシステムが対応しているかを事前に確認しておく必要があります。

会員登録の入力項目を最小限にする

会員登録で入力してもらう項目は、注文と配送に必要な情報だけに絞るのが基本です。生年月日や性別、職業、アンケートなどは、マーケティングに使えるからと必須にしがちですが、項目が増えるほど会員登録の途中で離脱するユーザーが増えます。必要な場合は任意の項目にするか、会員登録のあとにマイページで入力してもらう形にします。

入力のしやすさを高める工夫も大切です。郵便番号から住所を自動で入力できるようにしたり、入力ミスがあればその場でエラーを表示したりするだけでも、会員登録にかかる時間と手間を減らせます。スマートフォンで入力するユーザーが多いことを考えて、小さな画面でも入力しやすいフォームにしておくと、会員登録を最後まで進めてもらいやすくなります。

会員になるメリットを購入前に見せる

ゲスト購入を選べるECサイトでは、ユーザーは会員登録をするメリットが分からなければ、手軽なゲスト購入を選びます。ポイントがたまる、会員価格で買える、送料が無料になる、次回から入力が不要になるなど、会員になると何が得なのかを購入前に伝えておくことが大切です。

会員のメリットは、ECサイトの専用ページに載せるだけでなく、カートの画面や購入手続きの画面など、ユーザーが会員登録をするかゲスト購入にするかを決める場所で見せるのが効果的です。今回の購入で何ポイントもらえるかを表示したり、初回の会員登録で使えるクーポンを用意したりすると、会員登録を選ぶ理由がよりはっきりします。

ECサイトに会員登録を入れるときの注意点

会員登録は、入れれば効果が出る仕組みではありません。会員登録を入れる前に、運営の体制や会員への対応まで考えておくことが大切です。

会員データの使い道を決めてから会員登録を入れる

会員登録を入れる前に、集めた会員データを何に使うのかを決めておくことが大切です。

先ほどの調査では、ECサイトの担当者の約6割が、会員データを活用できていない、または活用しているものの有効には活用できていないと回答しています。会員登録を入れただけで、メールマガジンも送らず、購入履歴も見ていないのであれば、ユーザーに入力の負担をかけているだけになってしまいます。

メールマガジンでセールを案内するのか、ポイントでリピート購入を促すのか、購入履歴から関連商品をおすすめするのかによって、会員登録で集める項目や、ECサイトに必要な機能が変わります。使い道を先に決めておけば、必要のない項目を入力させずに済み、会員登録の負担を減らすことにつながります。

会員の個人情報を管理する体制を用意する

会員登録を入れると、名前や住所、電話番号などの個人情報をECサイトで預かり続けることになります。会員情報を見られる担当者を限定し、管理画面のパスワードを使い回さない、担当者ごとにアカウントを分けるなど、社内で個人情報を扱うルールを決めておく必要があります。

カートシステムやプラグインを古いまま使っていると、脆弱性を狙われて会員情報が漏洩するおそれがあります。公開後も定期的に更新できる体制を用意しておくことが欠かせません。会員の個人情報が漏洩すると、お客様からの信用を失い、ECサイトの売上にも大きく影響します。

プライバシーポリシーで個人情報の利用目的や管理方法を分かりやすく示しておくことも、ユーザーが安心して会員登録できることにつながります。

退会の手続きを分かりやすくしておく

会員登録の手続きだけでなく、退会の手続きも分かりやすくしておくことが大切です。退会の方法がどこにも書かれていなかったり、問い合わせをしないと退会できなかったりすると、ユーザーはECサイトに不信感を持ちます。一度でも退会しにくいECサイトだと感じると、次からは会員登録を避けてゲスト購入しか使わなくなるおそれがあります。

マイページから自分で退会できるようにしておき、退会するとポイントや購入履歴がどうなるかを事前に案内しておくと、ユーザーが安心して会員登録できます。退会まではしたくないが案内メールだけ止めたいというユーザーのために、メールマガジンの配信停止をマイページから簡単にできるようにしておくことも大切です。

当社がECサイト制作で提案している会員登録の形

当社では、ECサイトを制作するとき、基本的にゲスト購入と会員登録を併用する形を提案しています。

最近は企業の個人情報漏洩がニュースになることが多く、ECサイトに個人情報を預けることを気にするユーザーが増えています。会員登録を必須にすると、そうしたユーザーにも個人情報を預けてもらうことになり、購入をためらわせる原因になります。そこで、まずは会員登録をしなくても購入できるように、ゲスト購入を用意しています。

ゲスト購入の注文については、購入履歴に残る名前や住所、電話番号などの個人情報を削除するようにしています。ゲスト購入を選ぶユーザーは、そのECサイトに情報を残したくないと考えていることが多く、注文後も個人情報を持ち続ける理由はありません。

会員登録をしたユーザーの情報についても、マイページの表示や利用に影響がない範囲で、購入履歴に含まれる個人情報を定期的に削除しています。

個人情報の漏洩対策というと、セキュリティを強化して情報を守ることが思い浮かびますが、当社の提案では、守ることはもちろん、そもそも個人情報を持たないことに力を入れています。

ECサイトに残っていない個人情報は漏洩することがありません。会員になりたいユーザーには最小限の情報で会員登録をしてもらい、そうでないユーザーの個人情報は残さないことで、顧客の囲い込みと買いやすさに加えて、ユーザーが安心して利用できるECサイトを目指しています。

まとめ

ECサイトの会員登録は、顧客の囲い込みには欠かせない一方で、ユーザーにとっては購入をためらう原因にもなります。会員登録が欠かせないECサイトを除けば、ゲスト購入と会員登録を併用し、会員登録してもらう工夫を重ねることが、囲い込みと買いやすさを両立する近道です。

当社では、ECサイト制作の際にゲスト購入と会員登録の併用を基本とし、個人情報をできるだけ持たない形での運用を提案しています。扱う商品や販売の方法、運営の体制をお伺いしたうえで、御社に合ったECサイトの形をご提案しますので、ECサイトの制作やリニューアルをお考えの方はお気軽にご相談ください。

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