ホームページ制作では、デザインや原稿を作り始める前に競合調査を行います。競合調査をしないまま進めると、見込み顧客が比べる他社のホームページより情報が足りなかったり、検索エンジンで上位表示するための目安が分からないまま制作したりすることになります。一方で、調べた結果をそのまま取り入れるだけでは、競合と似たホームページになってしまいます。
この記事では、ホームページ制作の競合調査とは何かと必要な理由を解説したうえで、お客様と当社がホームページ制作前に行う競合調査の内容を紹介します。調査の結果を真似で終わらせないための注意点も説明するので、これからホームページ制作を依頼する方は参考にしてください。
ホームページ制作の競合調査とは
ホームページ制作の競合調査とは、自社と同じ商品やサービスを扱う他社のホームページを調べて、制作するホームページの内容や方向性を決める材料にする作業です。たとえば大阪の外壁塗装会社がホームページを制作する場合、同じ地域で外壁塗装を行う会社のホームページが、どのような情報を載せ、どのように見込み顧客を問い合わせへ導いているかを確認します。
競合調査という言葉はマーケティングでも使われ、他社の商品の価格や販売戦略まで含めて調べます。ホームページ制作の競合調査では、他社の事業全体ではなくホームページに絞って調べ、その結果をページの構成やコンテンツ、デザインを決める判断材料として使います。
ホームページ制作で競合調査が必要な理由

ホームページ制作で競合調査を行うと、制作するホームページの内容を感覚ではなく根拠をもって決められます。必要な理由は次の4つです。
見込み顧客は他社と比べてから問い合わせる
見込み顧客の多くは、1社のホームページだけを見て問い合わせることはなく、検索エンジンで複数の会社のホームページを開き、サービス内容や実績、料金などを比べてから問い合わせ先を選びます。
たとえばリフォーム会社を探すユーザーは、スマートフォンで上位の数社を順に開き、対応できる工事や担当者の雰囲気を見比べています。比べられたときに情報が少なかったり、知りたいことが見つからなかったりすると、ユーザーは他社のホームページへ移ってしまいます。
ホームページ制作の前に競合調査を行えば、見込み顧客がどのようなホームページと比べるのかを把握したうえで、比べられても選ばれる内容を用意できます。
業界で必要とされるコンテンツの抜けを防げる
業界ごとに、見込み顧客が当然あるものとして探す情報があります。
たとえば工務店なら施工事例、士業なら料金の目安、飲食店ならメニューと営業時間などです。こうした情報は自社では当たり前すぎて、ホームページ制作の打ち合わせで話題に出ないまま抜けてしまうことがあります。
競合調査で同じ業界のホームページを複数見ると、どの会社も載せているコンテンツが分かり、必要な情報の抜けを防げます。
検索エンジンで上位表示するための目安がわかる
検索エンジンで上位表示したいキーワードには、すでに上位に表示されているホームページがあります。
競合調査でそのホームページがどのようなページを持ち、どれくらいの量の情報を載せているかを調べると、同じキーワードで上位表示を狙うために必要なページ数や内容の目安が分かります。上位のホームページは何年もかけてページを増やし、数百ページになっていることも珍しくありません。
ホームページ制作の予算の中で同じ量を作るのは難しいため、目安をもとに、制作時に優先して作るページと公開後に少しずつ増やしていくページを分けて計画を立てます。
自社の強みが見えてくる
自社の強みは、自社の中だけで考えていてもなかなか見つかりません。
社内では普通だと思っていることが、競合と比べると他社にはない特徴だったということはよくあります。たとえば見積もりを当日に出している、職人が自社の社員であるといった点は、競合のホームページを見て初めて強みとして打ち出せると気づくことがあります。
競合調査は、ホームページ制作で何を前面に出すかを決めるきっかけになります。
お客様がホームページ制作前に行う競合調査の内容

ホームページ制作の競合調査は、制作会社に任せるだけでなく、お客様に行っていただきたい調査もあります。業界や取引先のことを一番よく知っているのはお客様自身なので、次の3つはお客様が行うことで調査の精度が上がります。
競合他社を定める
まず、どの会社を競合とするかを決めます。
競合調査で見るべき相手は、実際の商談や見積もりの場面で比べられる会社です。過去に相見積もりになった会社や、失注したときに見込み顧客が選んだ会社、同じ地域で同じサービスを扱う会社などを思い出して書き出します。業界の大手や有名な会社を競合にしがちですが、規模や地域が違う会社は見込み顧客の比較対象にならないことも多くあります。
ただし、商談で比べられる会社でも、ホームページにほとんど力を入れていない会社は、見ても参考になる情報が少ないので省いてかまいません。
3〜5社ほどに絞ると、次の確認も進めやすくなります。
どんなデザインやコンテンツ、機能かを確認する
競合他社を定めたら、それぞれのホームページを見込み顧客になったつもりで見ていきます。
デザインは色使いや写真の雰囲気がどのような印象を与えているか、コンテンツはサービス内容や料金、実績、会社の情報がどこまで載っているか、機能は問い合わせフォームや予約、資料請求などの窓口がどう用意されているかを確認します。
良いと感じた点だけでなく、分かりにくい点や探しても見つからなかった情報もメモしておくと、制作するホームページで補うべき点が見えてきます。パソコンだけでなくスマートフォンでも確認すると、見込み顧客に近い目線で比べられます。
調査の結果から自社の強みを明確にする
競合調査の結果がまとまったら、自社と競合を比べて、自社にしかない点や自社のほうが優れている点を書き出します。
サービスの内容だけでなく、対応の早さや担当者の人柄、アフターフォローなども強みになります。自社だけで判断するのが難しい場合は、既存のお客様に自社を選んだ理由を聞くと、競合と比べたときの強みが具体的になります。
強みは1つに絞る必要はなく、思いつくものをすべて書き出してから、見込み顧客にとって価値が大きいものを選ぶと、ホームページ制作で何を前面に打ち出すかが決めやすくなります。
当社がホームページ制作前に行う競合調査の内容

当社では、お客様の調査結果を受け取ったうえで、検索エンジンからの見え方を中心に競合調査を行います。ホームページ制作前に当社が行う競合調査の内容は次の5つです。
お客様の調査結果を整理する
最初に、当社がお客様の調査結果を伺い、整理します。
お客様には、定めた競合他社と、競合のホームページで良いと感じた点や分かりにくかった点、自社の強みなどをヒアリングでお話しいただきます。当社はその内容を競合他社ごとにまとめ、デザインやコンテンツ、機能のどこに差があるかが一目で分かる形にします。
整理した結果は、この後に当社が行う検索エンジン上の競合調査と照らし合わせて使います。
トップページで狙うキーワードの上位サイトを競合に定める
次に、トップページで上位表示を狙うキーワードを決め、そのキーワードで検索エンジンの上位に表示されているホームページを競合に定めます。
たとえば大阪で税理士事務所を営むお客様なら、【大阪 税理士】のような地域と業種を組み合わせたキーワードが候補になります。検索結果にはポータルサイトが並ぶこともありますが、ポータルサイトは複数の事務所をまとめて紹介するホームページで、お客様と同じ立場で比べられる相手ではないので競合から外し、税理士事務所のホームページを競合にします。
検索エンジン上の競合は、お客様が商談で比べられる会社と一致しないことも多くあります。お客様の調査結果と検索エンジン上の競合の両方を見ることで、見込み顧客が実際に比べるホームページを漏れなく押さえられます。
競合が下層ページで上位表示を狙っているキーワードを調べる
トップページの競合が決まったら、その競合が下層ページでどのようなキーワードの上位表示を狙っているかを調べます。
サービスページや事例、よくある質問、ブログ記事などのページタイトルや見出しを見ると、競合がどのような検索キーワードで見込み顧客を集めているかが分かります。たとえば美容室なら、縮毛矯正やヘアカラー、メンズカットといったメニュー名に地域名を組み合わせたキーワードで、下層ページを上位表示させていることがよくあります。
調べたキーワードは、お客様のホームページで制作する下層ページの候補になります。
お客様に必要なデザインやコンテンツ、機能を検討する
ここまでの競合調査の結果をもとに、お客様のホームページに必要なデザインやコンテンツ、機能を検討します。
競合のほとんどが載せているコンテンツは、見込み顧客が当然あるものとして探す情報なので、基本として取り入れます。そのうえで、お客様の強みが見込み顧客に伝わるか、見込み顧客の課題を解決できるかを基準に、デザインの方向性や必要な機能を選んでいきます。
競合のページ数から目標のページ数を決める
最後に、トップページの競合のページ数を調べ、お客様のホームページで目指すページ数を決めます。
トップページで狙うキーワードの上位表示には、そのテーマに関するページがサイト全体にどれだけあるかも影響すると当社は考えており、競合のページ数はその目安になります。目標には、公開後にどのくらいの期間でどこまで増やすかという期限も合わせて設定します。
検討したコンテンツを優先度の高い順に並べ、制作時に作るページと公開後に追加していくページへ振り分けておくと、公開後に何を作ればよいかで迷わなくなります。
競合調査の結果を真似で終わらせないための注意点

競合調査の結果は、使い方を間違えると競合と似たホームページを制作するだけになってしまいます。調査の結果を活かすために、次の3つに注意します。
競合サイトのデザインをそのまま取り入れない
競合調査で上位のホームページを見ると、そのデザインを参考にしたくなります。
しかし、色使いやレイアウトまで競合とそろえると、見込み顧客が比べたときにどの会社のホームページか区別がつかなくなります。また、競合のデザインはその会社の強みや雰囲気に合わせて作られており、そのまま取り入れても自社の魅力は伝わりません。
競合のデザインからは、業界で見込み顧客に好まれる雰囲気や、情報の見せ方の傾向をつかむ程度にとどめ、デザイン自体は自社の強みが伝わるように考えます。
競合と同じコンテンツを並べるだけにしない
競合のほとんどが載せているコンテンツは取り入れるべきですが、同じ項目を同じように並べるだけでは、見込み顧客にとって競合との違いが見えません。
たとえば料金のページを作るなら、競合が金額だけを載せているところに、料金に含まれる作業内容や追加費用がかかる場合の例を加えると、比べたときに分かりやすいホームページになります。
競合調査で見つけたコンテンツは、競合が載せていない情報を足したり、自社の実績や経験を交えたりして、自社ならではの内容に仕上げます。
競合のページ数に合わせて質の低いページを増やさない
競合のページ数を目標にすると、数を増やすこと自体が目的になりがちです。
内容の薄いページや、似たような内容のページを数だけ増やしても、検索エンジンからは評価されず、見込み顧客の役にも立ちません。似たページが増えると、同じキーワードで複数のページが競い合い、どちらも上位表示されにくくなることもあります。
ページを増やすときは、1ページずつ見込み顧客の疑問に答えられる内容になっているかを確認し、競合のページ数に届かなくても、良質なページを着実に増やすことを優先します。
まとめ
ホームページ制作の競合調査は、他社のホームページを調べて、制作するホームページの内容や方向性を決める材料にする作業です。見込み顧客は他社と比べてから問い合わせるので、競合調査を行うことで、比べられても選ばれる内容や、業界で必要とされるコンテンツ、検索エンジンで上位表示するためのページ数の目安が分かり、自社の強みも見えてきます。
競合調査は、お客様と制作会社がそれぞれの立場で行うと精度が上がります。
お客様は商談で比べられる競合や自社の強みを、制作会社は検索エンジン上の競合やキーワード、ページ数を調べます。調査の結果はデザインやコンテンツを真似するために使うのではなく、自社ならではのホームページを制作し、公開後も良質なページを着実に増やしていくための判断材料として活かすことが大切です。
