ホームページ制作を依頼するとき、完成したホームページのほかに何を受け取れるのかを、あらかじめ把握している方は多くありません。納品物の範囲は契約内容や制作会社の考え方によって異なり、契約の段階で確認しておかないと、公開後に必要なデータが手元にないと気づくこともあります。
このページでは、自社のサーバーでホームページを公開する一般的な契約を前提に、ホームページ制作の納品物に含まれるものと含まれないもの、制作会社によって扱いが違うものを解説します。一般的な納品の仕方と当社の納品内容も紹介するので、ホームページ制作会社に依頼する前の確認に役立ててください。
ホームページ制作の納品物は契約内容で決まる
ホームページ制作の納品物に何が含まれるかは、法律や業界のルールで決まっているわけではなく、制作会社との契約内容しだいです。そのうえで、一般的にはホームページをどこで公開する契約かによって、受け取れるものが大きく変わります。
自社のサーバーでホームページを公開する契約
自社で契約したサーバーにホームページを公開する契約は、ホームページ制作の依頼としてもっとも一般的な形です。制作費を支払い、完成したホームページを自社のサーバーに公開してもらうことで、ホームページを構成するファイルや管理画面のログイン情報などが自社の手元に残ります。
この契約であれば、公開後にホームページの更新を自社で行うことができます。契約で制限されていなければ、別の制作会社に保守や修正を依頼したり、サーバーを別の会社に移したりすることも可能です。このページで紹介するホームページ制作の納品物は、この自社のサーバーで公開する契約を前提にしています。
制作会社のサーバーを使う契約やリース契約
制作会社が用意したサーバーでホームページを公開し、毎月の費用を支払う契約では、ホームページを自社のものとして受け取るのではなく、制作会社から借りて使う扱いになっていることが多くあります。
初期費用を抑えられる反面、ホームページを構成するファイルが自社の手元に渡らず、解約するとホームページが使えなくなる場合があります。解約時にデータを受け取れるかどうか、受け取るのに費用がかかるかどうかも制作会社によって異なります。
リース契約は、リース会社を通して制作費を分割で支払う形です。ホームページの所有権はリース会社にあることが多く、契約期間中は途中で解約できないのが一般的です。契約期間が終わっても自社のものにならない場合もあるため、こうした契約を選ぶときは、解約や契約終了のときにホームページ制作の納品物として何を受け取れるのかを、契約書で必ず確認しておきましょう。
ホームページ制作の納品物に含まれるもの
自社のサーバーで公開する契約であれば、ここで紹介するものは多くの制作会社で受け取れます。依頼する制作会社の納品物と比べる基準として押さえておきましょう。
公開したホームページのファイル一式
ホームページ制作の納品物の中心は、公開したホームページを形づくっているファイル一式です。主なものは、ページの文章や見出しを記述するHTML、色やレイアウトを指定するCSS、メニューの開閉などの動きをつけるJavaScript、ページに載せている写真などの画像ファイルです。
自社のサーバーに公開する契約では、これらはすべて公開した時点で自社のサーバーの中にあります。受け取らなくても手元にあるので、サーバーを移すときやトラブルの復旧、将来のリニューアルにもそのまま使えます。
ホームページを更新するための管理画面のログイン情報
WordPressなどのCMSで制作したホームページでは、管理画面にログインするためのIDとパスワードも納品物に含まれます。お知らせの追加や文章の修正、写真の差し替えなどを自社で行うには、このログイン情報が欠かせません。ログイン情報がなければ、ちょっとした更新でも毎回制作会社に依頼することになり、費用も時間もかかります。
ログイン情報は、公開前後のやり取りの中でメールなどで受け取るのが一般的です。受け取ったら、更新の担当者が変わっても分かるよう社内で決めた場所に保管しておきましょう。担当者の個人的なメールの中にしか残っていないと、異動や退職のときにログインできなくなり、制作会社に問い合わせることになります。
アクセス解析ツールのアカウント
ホームページの制作時にGoogleアナリティクスやサーチコンソールなどのアクセス解析ツールを設定した場合は、そのアカウントや閲覧の権限も納品物に含まれます。どのページがよく見られているか、どのような言葉で検索されているかを確認できるので、公開後の更新や改善の判断に役立ちます。
アクセス解析ツールの設定は、制作の範囲に含まれていない場合もあります。設定を依頼したときは、自社のGoogleアカウントで管理できる状態になっているかを確認しておきましょう。制作会社のアカウントだけで管理されていると、制作会社を変えたときにそれまでのデータを見られなくなることがあります。
ホームページ制作の納品物に含まれないもの
次のものは、一般的にホームページ制作の納品物には含まれません。ただし、制作会社によっては別途費用を支払えば受け取れるものもあるので、必要な場合は依頼する前に相談しておきましょう。
提案のための調査データ
制作会社は、ホームページの構成やデザインを提案するために、競合他社のホームページやよく検索されている言葉などを調べています。こうした調査の結果は、提案書の中で要点が紹介されることはあっても、調査データそのものは制作会社の社内資料として扱われ、納品物には含まれないのが一般的です。
調査の内容は提案の質を左右する制作会社のノウハウでもあり、お客様に渡す前提では作られていません。調査の結果を自社の営業や今後の運用に活かしたい場合は、提案の段階で、どこまで共有してもらえるかを確認しておくとよいでしょう。
デザインの元データ
デザインの元データは、PhotoshopやIllustrator、Figmaなどで作成した、ホームページのデザインデータです。公開したホームページはこの元データをもとにコーディングして作られているので、ホームページ制作の納品物には含まれないのが一般的です。
元データが必要になるのは、パンフレットやチラシなどの印刷物に同じデザインを使いたいときや、別の制作会社にデザインの修正を依頼したいときです。制作中の元データは、制作会社が作業しやすい状態で作られていて、他の人が扱える形に整理されていないことがほとんどです。
整理や印刷物向けの変換に手間がかかるので、受け取る場合は別途費用がかかることが多くなります。
制作会社が撮影した写真の元データ
制作会社がホームページ用に写真を撮影した場合、ホームページに載っているのは、明るさや色味を整え、表示に合った大きさに加工した写真です。撮影したままの元データや、ホームページに使わなかった写真は、一般的に納品物には含まれません。
撮影した写真は、パンフレットや会社案内、SNSなどにも使いたくなることがあります。ホームページに載っている写真は画面で見る用に小さくしてあるので、印刷物に使うと粗くなってしまいます。他の用途にも使いたい場合は、撮影を依頼する段階で元データがほしいことを伝え、受け取れるかどうかと費用を確認しておきましょう。
有料の画像素材やテーマ、プラグインのライセンス
ホームページには、写真素材サイトで購入した画像や、WordPressの有料のテーマやプラグインが使われていることがあります。これらを制作会社のアカウントで購入している場合、使う権利であるライセンスを持っているのは制作会社です。画像やテーマ自体はホームページの中に入っていても、ライセンスまではホームページ制作の納品物に含まれません。
制作会社が購入した画像は、そのホームページの中では問題なく使えますが、チラシなど別の用途に使うことは認められていない場合があります。有料のテーマやプラグインも、更新やサポートを受ける権利は購入した制作会社にあるので、制作会社を変えたときに自社で購入し直す必要が出てきます。
後から困らないよう、有料の素材やテーマ、プラグインを使うときは、誰の名義で購入するかを制作の段階で決めておきましょう。
ホームページ制作会社によって納品されるものとされないもの
次のものは、ホームページ制作会社の考え方によって、納品物に含まれるかどうかが分かれます。依頼する制作会社がどちらの扱いなのかを、契約の段階で確認しておきましょう。
管理画面の管理者アカウント
WordPressなどの管理画面には、ページの更新だけができるアカウントのほかに、サイト全体の設定やプラグインの追加、ユーザーの登録まで行える管理者のアカウントがあります。制作会社によっては、操作ミスでホームページが崩れるのを防ぐために、お客様には更新用のアカウントだけを渡し、管理者のアカウントは制作会社だけが持つことがあります。
管理者のアカウントがないと、自社でできる作業が限られるうえ、制作会社を変えるときに新しい会社へ管理を引き継げなくなるおそれがあります。普段は使わなくても、管理者のアカウントを受け取れるかどうかは確認しておき、受け取った場合は社内で大切に保管しておきましょう。
ドメインやサーバーの名義
ホームページ制作を依頼すると、ドメインとサーバーも必要だと説明され、制作会社が代わりに契約して毎月の費用を請求する形をとることがあります。この場合、ドメインやサーバーの名義は制作会社になっていて、自社のホームページでありながら、契約上は制作会社のものという状態です。
名義が制作会社のままだと、制作会社を変えたいときに、ドメインやサーバーを自社の名義に移す手続きが必要になります。移すのに費用がかかったり、手続きに時間がかかったりすることもあるので、誰の名義で契約するのかは制作を依頼する段階で確認しておきましょう。
ホームページの操作マニュアル
ホームページの操作マニュアルは、管理画面でのお知らせの追加や文章の修正など、公開後の更新の手順をまとめた資料です。制作費に含めて渡す制作会社もあれば、操作の説明だけで済ませる会社、別途費用で作成する会社もあります。
更新を担当する方がホームページの操作に慣れていない場合や、担当者が変わる可能性がある場合は、操作マニュアルがあると安心です。必要な場合は、マニュアルが納品物に含まれるか、どのような形でもらえるかを依頼する前に確認しておきましょう。
ホームページの著作権
ホームページのデザインや文章、プログラムの著作権は、作った制作会社に生まれます。制作費を支払っただけでは自動的にお客様のものにはならず、契約で譲渡すると決めた場合にだけお客様に移ります。制作会社によっては著作権を自社に残し、お客様にはホームページを使う権利だけを認めることもあります。
著作権が制作会社に残っていると、別の制作会社にデザインの修正を頼んだり、ホームページのデザインを印刷物に流用したりすることが、契約上できない場合があります。著作権を譲渡してもらえるのか、譲渡されない場合はどこまで自由に使えるのかを、契約書で確認しておきましょう。
ホームページ制作の納品の仕方
ホームページの納品の仕方は、主に次の3つです。どの方法で納品されるかによって、自社で準備することや、納品のときに受け取るものが変わります。
お客様のサーバーにアップロードして公開する
お客様が契約したサーバーに、制作会社がホームページのファイルをアップロードして公開する方法で、ホームページ制作ではもっとも一般的な納品の仕方です。制作中は、制作会社が用意したテストサイトでホームページを確認し、問題がなければお客様のサーバーにアップロードして公開します。
この方法では、お客様が契約したサーバーやドメインのログイン情報を、事前に制作会社へ伝えておく必要があります。公開した後は、管理画面のログイン情報を受け取り、実際の表示やお問い合わせフォームの動作などを自社でも確認して納品完了となるのが一般的な流れです。
制作会社のサーバーで公開する
制作会社が用意したサーバーにホームページを公開する方法です。サーバーの準備や公開の作業はすべて制作会社が行うので、お客様はできあがったホームページを確認するだけで済みます。
サーバーやドメインの手続きをしなくてよい分、手間はかかりませんが、ホームページは制作会社の管理下に置かれます。納品のときに受け取れるのは、更新用の管理画面のログイン情報などに限られることが多いので、何を受け取れるのかを公開前に確認しておきましょう。
ホームページのデータ一式を納品する
ホームページのファイル一式をデータで受け取り、自社でサーバーにアップロードして公開する方法です。データは、ファイル転送サービスやクラウドストレージを使って、ZIPなどにまとめて渡されるのが一般的です。社内にシステムの担当部署があり、サーバーの管理を自社で行っている企業などで選ばれます。
この方法では、サーバーへのアップロードや公開後の動作確認を自社で行う必要があります。WordPressで制作したホームページの場合は、ファイルのほかにデータベースのデータも必要になるので、受け取ったデータで問題なく公開できるかを、納品の前に制作会社と確認しておきましょう。
当社のホームページ制作における納品内容
当社では、お客様の名義で契約したサーバーにホームページを公開する契約を基本にしています。当社のホームページ制作における納品の方法と、納品するもの、別途費用で納品するもの、納品しないもの、お客様に用意していただくものは次のとおりです。
納品の方法
当社では、お客様の名義で契約したサーバーにホームページをアップロードして公開する方法で納品しています。公開した時点でホームページのファイル一式がお客様のサーバーの中にあるので、納品のために別途データを受け渡す必要はありません。
社内でサーバーを管理されている場合など、ご要望があれば、ホームページのファイル一式をデータとして納品することも可能です。一方で、当社のサーバーにお客様のホームページを公開することは基本的に行っていません。ホームページを当社の管理下に置かず、最初からお客様のものとしてお使いいただけるようにしています。
納品するもの
当社では、公開したホームページのファイル一式、管理画面のログイン情報、管理画面の管理者アカウントを納品しています。管理画面のアカウントは、お客様用と当社用の管理者アカウントを1つずつ作成し、更新の担当者ごとに権限を分けたアカウントも用意しています。
担当者ごとにどのような権限を設定しているかは、WordPressのユーザー権限の設定例の記事で紹介しています。
ホームページの著作権は、制作費のお支払いをいただいた時点ですぐにお客様へ譲渡しています。公開後に別の制作会社へ修正や保守を依頼される場合も、著作権のことで困ることはありません。
別途費用で納品するもの
デザインの元データ、当社が撮影した写真の元データ、ホームページの操作マニュアルは、別途費用で納品しています。デザインの元データは、他の会社でも扱えるように整理したり、印刷物向けに変換したりする作業が必要になるので、ご依頼いただいた場合は用途をお聞きしたうえで最適な形式でお渡しします。
撮影した写真の元データは、パンフレットなどにも使いたいというご要望をいただいたことがあり、ご依頼に応じてお渡ししています。操作マニュアルは、更新を担当される方の慣れ具合や体制によって必要かどうかが変わるので、ご要望があった場合に作成しています。
納品しないもの
当社では、ホームページの構成やデザインを提案するために行った競合調査などの調査データは納品していません。調査の結果は提案書やヒアリングの中でご説明し、ホームページの構成やデザインに反映しています。
お客様に用意してもらうもの
ドメインやサーバー、有料の画像素材やテーマ、プラグイン、Googleアナリティクスやサーチコンソールは、お客様の名義で契約や購入、作成をしていただいています。最初からお客様のものとして用意しておけば、制作会社を変えるときに名義を移す手続きや、ライセンスを購入し直す必要がありません。
契約や設定の手順が分からない場合は、当社がサポートしますので、ホームページの知識がなくても心配はいりません。
まとめ
ホームページ制作の納品物は、契約内容や制作会社の考え方によって大きく変わります。公開後に必要なものが手元にないと気づくことがないよう、依頼する前に何を受け取れるのかを確認しておくことが大切です。
当社では、お客様の名義で契約したサーバーにホームページを公開し、管理者アカウントや著作権まで含めてお渡ししています。最初から御社のものとして使い続けられるホームページを制作しますので、ホームページ制作をご検討の際はお気軽にご相談ください。
御社の目的や更新の体制をヒアリングしたうえで、公開後も困らない形をご提案します。
