ホームページの公開後、制作会社からレンタルサーバーやドメイン、CMSの管理画面などのIDとパスワードを受け取ります。ただ、受け取ったメールを担当者の受信箱に残したままにしていたり、どこに保管したか分からなくなったりして、いざ必要になったときにログインできないことがあります。IDとパスワードはホームページを管理するうえで欠かせない情報です。
この記事では、制作会社から受け取るホームページのIDとパスワードの種類や受け取ったら確認すること、当社がおすすめする保管方法を紹介します。
ホームページのIDとパスワードは制作会社任せにせず自社で保管する
ホームページのIDとパスワードを制作会社だけが持っていると、いざというときに自社では何もできない状態になります。ここでは、制作会社任せにした場合に困ることを紹介します。
制作会社と連絡が取れなくなるとホームページを管理できなくなる
制作会社が廃業したり、担当者が退職して連絡がつかなくなったりすると、ホームページのIDとパスワードを確認する手段がなくなります。レンタルサーバーやドメインの管理画面に入れなければ、契約の更新や支払い方法の変更もできません。更新の期限が過ぎるとホームページが表示されなくなり、ドメインを他社に取得されてしまうおそれもあります。
小さな制作会社や個人で活動しているフリーランスに依頼した場合、年数がたつうちに連絡が取れなくなることがあります。制作会社が続いているかどうかに関係なく、ホームページのIDとパスワードを自社で持っておけば、管理が止まることはありません。
制作会社を変えるときにホームページを引き継げない
別の制作会社にホームページの修正やリニューアルを頼むときは、新しい制作会社にIDとパスワードを渡して作業してもらいます。前の制作会社だけがIDとパスワードを持っていると、まず前の制作会社に問い合わせて教えてもらわなければなりません。
前の制作会社との関係によっては、返事が遅かったり、情報の一部しか出てこなかったりして、引き継ぎに時間がかかります。ドメインを移せなかった場合は新しいドメインでホームページを作り直すことになり、これまでのURLや検索順位を引き継げなくなります。自社でIDとパスワードを保管していれば、制作会社を変えるときもすぐに引き継ぎを始められます。
トラブルが起きたときに自社ですぐに対応できない
ホームページが表示されない、問い合わせフォームのメールが届かない、改ざんされたといったトラブルは、制作会社の営業時間外や休業日に起きることがあります。制作会社任せにしていると、連絡がつくまでレンタルサーバーの状況を確認したり、管理画面のパスワードを変更したりといった対応ができません。
特に改ざんや不正ログインの疑いがあるときは、すぐにパスワードを変更して被害が広がるのを防ぐことが大切です。自社でホームページのIDとパスワードを保管しておけば、制作会社に連絡を取りながら、自社でできる対応を先に進められます。
制作会社から受け取るホームページのIDとパスワード
ホームページの公開後に制作会社から受け取るIDとパスワードは、ホームページの制作法や契約内容によって変わります。当社の場合は、IDとパスワードに加えて、バックアップやセキュリティ設定などホームページの管理に必要な情報もまとめてお渡ししています。当社がお渡ししている主な情報は次の表のとおりです。
| 情報の種類 | 主な項目 |
| サーバー・ドメイン情報 | レンタルサーバー会社、プラン、ドメイン管理会社、ドメイン名、アカウントID、パスワード、登録メールアドレス、契約更新日、支払い方法、2段階認証、バックアップコード |
| PHP・FTP・データベース情報 | PHPのバージョン、サポート期間、FTPホスト、FTPユーザー名、FTPパスワード、データベース名、データベースユーザー名、データベースパスワード、データベースホスト名 |
| メール情報 | メールアドレス、パスワード、転送先 |
| メールフォームの送信先 | 問い合わせ、資料請求、申し込み、カート、採用などの各フォームの送信先 |
| CMS管理画面 | ログインURL、ユーザー名、パスワード、権限、2段階認証 |
| 導入ツール | GoogleアカウントやMicrosoftアカウントのID、パスワード、使用ツール、有料のテーマやプラグインのアカウント、パスワード、ライセンスキー |
| テストサイト | テストサイトのURL、ID、パスワード、noindexの有無、認証の有無 |
| ホームページのバックアップ | バックアップの方法、頻度、保存先 |
| ホームページのセキュリティ設定 | サーバー側の対策、CMS側の対策、更新の方針、個人情報の削除 |
レンタルサーバーとドメインの管理画面は、契約が止まるとサイト全体が表示されなくなる重要な情報です。FTPやデータベースの情報は普段使うことはありませんが、制作会社を変えるときや不具合を調べるときに必要になります。
Googleアナリティクスや有料のテーマ・プラグインは、自社で契約している場合は制作会社から受け取らないこともあります。その場合も、どのアカウントで契約しているかを把握し、ほかのIDとパスワードと一緒に保管しておきます。受け取った情報が表の項目と比べて足りないときは、早めに制作会社に確認しておきましょう。
ホームページのIDとパスワードを受け取ったら確認すること
ホームページのIDとパスワードは、受け取って保管するだけでは安心できません。受け取った時点で、次のことを確認しておきます。
実際にログインできるか
受け取ったIDとパスワードで、レンタルサーバーやドメイン、CMSの管理画面などに実際にログインできるかを確認します。入力ミスや、制作会社が公開前にパスワードを変更していたなどの理由で、受け取った情報が間違っていることがあります。
ログインできないことに気づくのが数年後だと、当時の担当者が分からず、制作会社に問い合わせても情報が残っていない場合があります。受け取ったら早めにすべての管理画面にログインし、問題がなければ確認した日を記録しておくと安心です。
登録メールアドレスが会社のものになっているか
レンタルサーバーやドメイン、Googleアカウントなどに登録されているメールアドレスが、会社で管理しているものになっているかを確認します。パスワードを忘れたときの再設定や、契約更新のお知らせは登録メールアドレスに届きます。
登録メールアドレスが制作会社のものや担当者個人のものだと、パスワードの再設定ができず、更新のお知らせも会社に届きません。info@などの会社で共有しているメールアドレスにしておけば、担当者が変わってもお知らせを受け取れます。
2段階認証の認証先が担当者個人だけになっていないか
2段階認証を設定している場合は、確認コードがどこに届くかを確認します。担当者個人のスマートフォンだけに届く設定になっていると、その担当者が異動や退職をしたときにログインできなくなります。
認証先を会社のスマートフォンや共有のメールアドレスにするか、複数の認証先を登録しておくと安心です。2段階認証のバックアップコードがある場合は、IDとパスワードと一緒に保管しておきます。
CMSの管理画面のアカウントが管理者権限になっているか
WordPressなどのCMSには、管理者や編集者などの権限があります。自社のアカウントが編集者などの権限になっていると、ページの更新はできても、ユーザーの追加やプラグインの設定はできません。
制作会社を変えるときや、退職した担当者のアカウントを削除するときに、管理者権限がないと自社では対応できません。日常の更新に使うアカウントとは別に、管理者権限のアカウントを自社で1つ持っておくことが大切です。
レンタルサーバーとドメインの契約更新日と支払い方法
レンタルサーバーとドメインは、1年ごとなどの期間で契約を更新します。契約更新日と支払い方法を確認し、更新を忘れないようにしておきます。
支払いが制作会社のクレジットカードや担当者個人のカードになっていると、カードの有効期限切れや担当者の退職で支払いが止まり、気づかないうちに契約が切れることがあります。契約が切れるとホームページもメールも使えなくなるので、会社名義の支払い方法になっているかを確認しておきます。
PHPのバージョンとサポート期間
PHPは、WordPressなどのCMSを動かしているプログラムです。PHPのバージョンにはサポート期間があり、サポートが終わったバージョンはセキュリティの修正が行われません。
受け取った時点で、今のPHPのバージョンとサポート期間がいつまでかを確認しておきます。あわせて、サポート期間が終わる前のバージョンアップを自社で行うのか、制作会社に依頼するのかを決めておくと、期限が近づいたときに慌てずに済みます。
当社がおすすめするホームページのIDとパスワードの保管方法
当社がお客様におすすめしている、ホームページのIDとパスワードの保管方法を紹介します。
紙に印刷して鍵のかかる場所で保管する
受け取ったホームページのIDとパスワードは、紙に印刷して保管します。紙であれば、パソコンがウイルスに感染したり不正アクセスを受けたりしても、情報を盗まれることはありません。パソコンが壊れたときやデータが開けなくなったときにも、紙を見ればすぐにログインできます。
ただし、印刷した紙を誰でも見られる場所に置いておくと意味がありません。机の上やキャビネットに置いたままにせず、金庫や鍵のかかる引き出しなど、限られた人しか開けられない場所で保管します。
エクセルなどにはパスワードをつける
IDとパスワードをエクセルなどのファイルで管理する場合は、ファイル自体にパスワードをつけます。ファイルにパスワードがついていないと、ファイルを開くだけで中のIDとパスワードがすべて見えてしまいます。
ファイルのパスワードは、ファイルと同じ場所に保存したり、同じメールで送ったりしないようにします。ファイルとパスワードを別々に保管しておけば、ファイルだけが流出しても中身を見られずに済みます。ファイルのパスワードは紙に印刷して、IDとパスワードの紙と一緒に保管しておくと忘れません。
エクセルなどのデータはパソコンから削除してフラッシュメモリに保存する
エクセルなどのデータをパソコンに保存したままにしていると、パソコンがウイルスに感染したときに一緒に盗まれるおそれがあります。データはパソコンから削除し、フラッシュメモリなどの外部の記録媒体に移して保管します。
フラッシュメモリは、ウイルススキャン機能が付いたものを選ぶと安心です。印刷した紙と同じ鍵のかかる場所に入れておけば、紙とデータをまとめて管理できます。データを削除したあとは、パソコンのごみ箱に残っていないかも確認しておきます。
制作会社から受信したメールは削除する
制作会社からIDとパスワードを受け取ったメールは、紙やフラッシュメモリに保管したあとで削除します。メールが受信箱に残っていると、メールのアカウントに不正ログインされたときやパソコンがウイルスに感染したときに、IDとパスワードを見られてしまいます。
受信箱から削除しただけでは、ごみ箱にメールが残っている場合があります。ごみ箱からも削除し、ファイルを添付したメールやファイルのパスワードを知らせるメールなど、関係するメールをすべて消しておきます。
情報を変更したら保管しているデータと紙も更新する
パスワードの変更や担当者の交代などでIDとパスワードを変更したときは、保管しているデータと紙も更新します。古い情報のまま保管していると、いざ必要になったときに紙を見てもログインできません。
データを修正したら最終更新日も書き換え、印刷し直した紙と差し替えます。古い紙はそのまま捨てずに、シュレッダーで処分します。最終更新日を記録しておけば、どの紙が最新の情報なのかがすぐに分かります。
まとめ
ホームページのIDとパスワードは、制作会社任せにせず自社で保管しておくことで、制作会社と連絡が取れなくなったときやトラブルが起きたときにも自社で対応できます。受け取ったら実際にログインできるかなどを確認し、紙とデータを安全な場所で保管しておきましょう。
当社では、ホームページの公開後に、IDとパスワードに加えてバックアップやセキュリティ設定など、管理に必要な情報をまとめてお渡ししています。保管方法もあわせてご案内し、公開後も御社でホームページを管理できる状態にしています。
ホームページ制作をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。御社の体制や公開後の管理の予定をお聞きしたうえで、公開後まで安心して使えるホームページをご提案します。
