ホームページ制作の営業で、月々の支払いだけでホームページが持てると勧められ、内容をよく確認しないままリース契約を結んでしまう企業があります。リース契約は月額制のように見えても契約相手がリース会社になり、途中で解約できません。
この記事では、リース契約と月額制の違いや契約前に確認することを解説し、リース中にホームページを作り直すときの注意点も紹介します。
ホームページ制作のリース契約とは
ホームページ制作のリース契約は、毎月決まった金額を払う点では月額制と似ていますが、契約の仕組みは大きく違います。
リース契約は機器を長期間借りるための契約
リース契約は、コピー機や電話機、業務用の機械などの設備を、リース会社が代わりに購入し、企業が毎月リース料を払って借りる契約です。設備を一度に買うと大きな費用がかかるので、毎月の支払いに分けて使えるのがリース契約のメリットです。
リース契約の期間は5年など長く設定されるのが一般的です。コピー機や機械は数年たっても同じように使えるので、長い期間借りる契約でも困ることはあまりありません。
ホームページではソフトや機器と組み合わせてリース契約にしている
ホームページは形のないものなので、本来はリース契約の対象になりません。そこで、ホームページ制作のリース契約では、ホームページ作成ソフトやパソコン、タブレットなどの形のある物をリース物件として契約し、ホームページ制作はそれに付いてくる形にしています。
この形では、依頼者はホームページを作ってもらう契約のつもりでも、契約書の上ではソフトや機器を借りる契約になっています。契約書を見ると、金額の多くがソフトや機器の代金として書かれていて、ホームページの制作費はほとんど書かれていないこともあります。
こうしたホームページのリース契約をめぐる相談は多く、経済産業省や自治体の消費生活センターが注意を呼びかけています。月々の支払いでホームページが持てると勧められたときは、まず何をリースする契約なのかを確認することが大切です。
リース契約と月額制ホームページ制作の違い
リース契約と月額制ホームページ制作は、どちらも毎月支払う点は同じですが、誰と契約するかと、途中でやめられるかが違います。
契約する相手が制作会社かリース会社か
月額制ホームページ制作は、依頼者と制作会社が直接結ぶ契約です。毎月の料金は制作会社に払い、ホームページの更新やサポートも同じ制作会社が行います。対応に不満があれば、契約している制作会社と話し合って内容を見直せます。
リース契約では、依頼者が契約する相手はリース会社です。制作会社はソフトや機器を販売する会社として間に入り、リース会社が制作会社に代金をまとめて支払います。依頼者は、その代金をリース会社に毎月返していく形になります。
リース会社はお金を立て替えているだけなので、ホームページの更新やサポートはリース会社の仕事ではありません。制作会社が約束した更新をしてくれない、連絡が取れなくなった、倒産したという場合でも、リース会社への支払いは続きます。支払う相手と作業をする相手が別の会社になる点が、月額制ホームページ制作との大きな違いです。
途中で解約できるかどうか
月額制ホームページ制作は、最低契約期間が決められていることはありますが、期間が過ぎれば解約できるのが一般的です。途中で解約する場合の条件も、制作会社との契約の中で決められています。
リース契約は、原則として途中で解約できません。リース会社は契約した時点で制作会社に代金を支払っていて、その代金を契約期間の中で回収する前提で契約が組まれています。リース会社と話し合って解約できたとしても、残りの期間のリース料をまとめて払うことになります。
たとえば5年のリース契約で、1年でホームページを作り直したくなっても、残り4年分の支払いはなくなりません。ホームページの内容に満足していなくても、事業の内容が変わっても、契約期間が終わるまで支払いに縛られることになります。
リース契約か見分けるために契約前に確認すること
リース契約は、営業の説明だけでは月額制ホームページ制作との違いが分かりにくい契約です。契約書や見積もりの中に、リース契約かどうかを判断できるポイントがあります。
契約書の相手が制作会社以外になっていないか
月額制ホームページ制作であれば、契約書の相手は制作会社です。契約書の相手の欄にリース会社の名前が書かれていれば、制作会社との契約ではなくリース契約になっています。
注意したいのは、契約のときに出される書類が1枚とは限らないことです。制作会社の申込書と一緒にリース会社の契約書を出され、まとめてサインや押印を求められることがあります。書類が複数あるときは、それぞれの相手が誰になっているかを確認してください。
また、リース契約ではなくビジネスクレジットという形で、信販会社と契約させるケースもあります。この場合は契約書にリースという言葉が出てきませんが、支払う相手が制作会社以外になる点はリース契約と同じです。リースと書かれていないかではなく、契約の相手が制作会社かどうかで判断することが大切です。
ソフトや機器が契約に含まれていないか
ホームページ制作のリース契約では、ホームページ作成ソフトやパソコン、タブレットなどがリース物件として契約に含まれています。見積もりや契約書の明細に、こうしたソフトや機器の名前が書かれていないかを確認してください。
通常のホームページ制作では、ホームページを作るために依頼者がソフトや機器を契約する必要はありません。ホームページの更新も、管理画面からブラウザで行うのが一般的です。ホームページを作ってもらう契約なのに、ソフトや機器が含まれている場合はリース契約を疑ったほうがいいです。
月額料金で5年などの長い契約期間になっていないか
リース契約は、月額料金で5年などの長い契約期間になっているのが特徴です。営業では月々の金額だけが説明され、契約期間や支払いの総額は契約書を見るまで分からないこともあります。
月額制ホームページ制作でも最低契約期間が決められていることはありますが、数年にわたって途中解約ができない契約は一般的ではありません。月額料金で5年などの長い期間に縛られ、途中で解約できないと書かれている場合は、リース契約やビジネスクレジットの可能性があります。
契約期間が書かれていたら、月額料金に月数をかけて支払いの総額も確認しておくと、ホームページにいくら払う契約なのかが分かります。
リース契約をしてしまったときにできること
リース契約は原則として途中で解約できませんが、契約してしまったあとでも、状況によってはできることがあります。
制作会社が約束した作業をしているか確認する
リース会社への支払いは、制作会社の対応に関係なく続くのが基本です。ただ、ホームページが完成していない、約束した更新やサポートが行われていないなど、制作会社が契約で約束した作業をしていない場合は、相談するときの大事な材料になります。
まずは契約書や申込書、営業のときに受け取った資料を見直し、制作会社が何を約束していたかを確認します。作るページの内容や更新の回数、サポートの範囲などが書かれていれば、実際に行われていることと比べられます。
約束されていたのに行われていないことがあれば、いつ何を頼んで、どう対応されたかを整理しておきます。制作会社とのメールや、ホームページの今の状態を画面で残したものがあれば、口頭だけの説明より状況を正確に伝えられます。
弁護士や公的な相談窓口に相談する
リース契約は事業者同士の契約なので、クーリング・オフが使えません。自社だけで制作会社やリース会社と話し合いを進めると、不利な条件で話がまとまってしまうこともあるので、契約に問題があると感じた時点で、弁護士や公的な相談窓口に相談するのがいいです。
弁護士に相談すれば、契約の内容や営業のされ方に問題がなかったかを法律の面から判断してもらえます。そのうえで、解約や残りの支払いを減らす交渉を代わりに進めてもらうこともできます。ただし、相談すれば必ず支払いが減ったり止まったりするわけではなく、結果は契約の内容や状況によって変わります。
弁護士に相談する前の窓口としては、日本弁護士連合会の中小企業向けの法律相談窓口であるひまわりほっとダイヤルや、自治体の消費生活センターがあります。消費生活センターは本来は消費者向けの窓口ですが、ホームページのリース契約について注意を呼びかけている自治体もあります。
相談するときは、契約書や申込書、制作会社とのやり取りの記録を用意しておくと、状況を正確に伝えられます。
リース期間中にほかの制作会社でホームページを作り直すときの注意点
リース契約に満足できず、リース期間が終わる前にほかの制作会社でホームページを作り直す企業もあります。作り直す前に、今の契約やホームページの状態で確認しておきたいことがあります。
作り直してもリースの支払いは続く
ほかの制作会社でホームページを作り直しても、リース契約が終わるわけではありません。リース会社への支払いは契約期間が終わるまで続くので、新しいホームページの制作費と、今のリース料を同時に払う期間が出てきます。
作り直す前に、契約書でリース期間がいつ終わるのかと、残りの支払いがいくらあるのかを確認してください。リース期間の終わりが近ければ、終わる時期に合わせて新しいホームページを公開できるように準備を進める方法があります。
リース期間が長く残っている場合は、リース会社と話して途中解約するにしても、残りのリース料をまとめて払うことになります。支払いを続けながら作り直すか、途中解約して作り直すかは、残りの金額と、今のホームページを使い続けることで困っている度合いを比べて決めることになります。
ドメインを移せるか確認する
ホームページを作り直すときに、制作会社が最初に確認するのがドメインです。今のURLをそのまま使えるかどうかは、ドメインを誰の名義で、誰が管理しているかで決まります。
リース契約で作ったホームページでは、ドメインの取得や管理を制作会社が代わりに行い、制作会社の名義になっていることが多くあります。この場合、自社の名義に移すには今の制作会社の協力が必要ですが、応じてもらえることはあまりありません。移せなければ、作り直すときにURLを変えるしかなくなります。
URLが変わると、名刺やチラシ、看板などに載せているURLを直す必要があり、検索エンジンでの今のホームページの評価も引き継げません。作り直す前にドメインの名義を確認し、移せない場合はURLを変える前提で準備を進めることになります。
ドメインを自社で管理していれば、どの制作会社に作り直しを頼んでも、今のURLのまま新しいホームページを公開できます。
今のホームページの原稿や写真を使えるか確認する
作り直すときに、今のホームページに載っている文章や写真をそのまま使いたいと考える企業は多いです。ただ、すべてを自由に使えるとは限りません。
自社で書いた原稿や、自社で撮影して渡した写真であれば、新しいホームページでもそのまま使えます。一方、今の制作会社が書いた文章や、制作会社が撮影した写真、制作会社が用意したイラストなどは、著作権が制作会社にあることがあります。その場合、制作会社の許可なく新しいホームページに使うことはできません。
契約書に著作権の取り決めが書かれていないかを確認し、分からない場合は今の制作会社に使ってよいかを問い合わせてください。使えないものがあれば、新しい制作会社と原稿や写真を用意し直すことになるので、作り直しに入る前に分けておくと制作が進めやすくなります。
まとめ
ホームページ制作のリース契約は、月額制に見えても契約相手がリース会社になり、途中で解約できない契約です。契約前に契約書の相手と契約期間を確認し、ホームページを作ってもらう契約になっているかを確かめることが大切です。
当社ではリース契約は扱っておらず、ホームページ制作は御社と当社の直接の契約で進めています。制作費用を一度に払うのが難しい場合は、月々に分けたお支払いにも対応しています。リース契約中のホームページを作り直したい場合も、ドメインや原稿、写真の状況を確認したうえで、進め方をご提案します。契約の内容に納得したうえで、ホームページ制作を進められます。
月々の支払いでホームページを作りたい、リース契約のホームページを作り直したいといったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
