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ホームページの著作権とは?誰に帰属するのかを解説

ホームページ制作を依頼した際に、うちのホームページの著作権は誰に帰属するのだろう?と疑問に感じたことはありませんか?制作会社とクライアントの間でトラブルを防ぐためには、著作権の基本的なルールを理解しておくことが重要です。

この記事では、ホームページ制作における著作権の基本から、誰に帰属するのかや侵害行為に当たる内容、さらに著作権を保護する方法までを分かりやすく解説します。このページを読むことで、トラブルを未然に防ぐための知識を身につけられ、安心してホームページ制作を進めるためのヒントを得られるでしょう。

ホームページの著作権とは

ホームページの著作権とは、ホームページに含まれるデザイン、文章、画像、動画、音楽など、創作性のあるコンテンツに対して付与される権利のことです。これにより、創作者は自身の作品を利用したり管理したりする法的な権利を持つことができます。

日本の著作権法では、ホームページ制作時に作成されるコンテンツも著作物として保護されます。ただし、具体的にどの部分が著作権の対象になるか、またその権利が誰に帰属するのかは、制作の流れや契約内容によって異なります。

この点を明確にしておくことは、制作過程でのトラブル防止や法的リスクを回避する上で重要です。

ホームページの著作権は誰に帰属するのか

ホームページの著作権は、制作の工程や契約内容によって帰属先が異なります。ここでは、ホームページの著作権が誰に帰属するのかについて解説します。

制作会社への帰属

ホームページの制作段階や公開直後は、著作権が制作会社に帰属するのが一般的です。制作会社がデザインやコーディングを担当するため、特別な取り決めがない限り、著作権は制作会社側にあると考えられます。

契約書による著作権の譲渡

多くのケースでは、契約書に著作権の譲渡に関する条件が記載されています。通常、制作料金の全額が支払われた後に、著作権がクライアントへ譲渡される仕組みになっていることが多いため、契約内容をしっかり確認することが重要です。

画像の著作権

ホームページ内で使用される画像の著作権は、画像の提供元によって異なります。外部から提供された画像は、元の権利者に著作権が帰属するため、使用許可やライセンス契約を確認する必要があります。無断で使用すると著作権侵害に該当する可能性があるため慎重に取り扱いましょう。

デザインの著作権

Webサイトのデザインが制作会社のテンプレートを利用している場合、テンプレート自体の著作権は制作会社に残ることが一般的です。そのため、サイトのデザインを自由にカスタマイズできるのか、または特定の条件下でのみ利用できるのかをライセンス契約の内容とあわせて確認することが重要です。

ホームページの著作件に該当するもの

ホームページは、さまざまな要素で構成されており、それぞれが著作権の対象となります。以下は、ホームページ制作において注意すべき著作権の要素です。

画像 ホームページに使用される写真、イラスト、グラフィックデザインなどは、すべて著作権法で保護される対象です。他者が作成した画像は、無断で使用すると著作権の侵害に該当する可能性があります。
文章 ブログ記事、製品説明などの文章も、オリジナリティがある場合に著作権の対象となります。創作性が認められれば保護されます。
音楽 バックグラウンドミュージックは、著作権の対象です。これには市販の楽曲だけでなく、フリー素材でも特定の条件が付随する場合があります。
動画 映像コンテンツは、映像そのものだけでなく、音声や音楽も含めたすべての構成要素が著作権で保護されます。
ソースコード ホームページを構築するための設計書やHTML、CSS、JavaScriptなどのソースコードも著作権法で保護される対象です。
デザイン・テンプレート ホームページ全体のデザインやテンプレートも著作権の対象です。これにはレイアウトや配色、ユーザーインターフェースなどが含まれます。
キャッチコピー キャッチコピーやスローガンといった短い文章も、オリジナリティが高い場合には著作権で保護されます。

ホームページの著作権を侵害する行為

ホームページで使用されるコンテンツには、多くの場合、著作権が付与されています。そのため、無断で使用する行為は著作権侵害に該当する可能性があります。ここでは、主な侵害行為について解説します。

文章の無断転載

他人が作成した文章を許可なく自分のホームページに掲載する行為は、著作権侵害に該当します。たとえば、ブログ記事、ニュースサイトの記事、商品説明文などをコピーして使用することは違法です。

文章の著作権は、その表現に対して発生するため、単語やフレーズ単位ではなく、まとまった文章や独自性のある表現が保護対象になります。そのため、他サイトの記事をコピー&ペーストして自分のサイトに掲載するのはもちろん、内容を少し書き換えただけの転載も著作権侵害にあたる可能性があります。

他のサイトの情報を参考にする場合は、引用のルールを守ることが重要です。引用する際には、以下の点を守る必要があります。

  • 出典を明示する
  • 必要最小限の範囲にとどめる
  • 自分のオリジナルの文章と明確に区別する

適切な方法で情報を活用し、著作権を侵害しないよう注意しましょう。

音楽や動画の無断使用

著作権で保護された音楽や動画を無断で使用することは、著作権侵害に該当します。たとえば、YouTubeなどの動画を許可なくダウンロードして再アップロードする行為や、他人が作成した楽曲をバックグラウンドミュージックとして使用することは違法です。

また、アーティストの楽曲を無断で編集し、独自のコンテンツとして配信することや、映画やアニメの映像を部分的に切り取ってホームページ上で紹介することも、著作権侵害となる可能性があります。

音楽や動画の著作権は厳しく管理されており、無断使用が発覚するとコンテンツの削除要求や法的措置が取られることがあります。特に、JASRACなどの著作権管理団体が関与する楽曲は、商用利用だけでなく個人利用でも規制が厳しいため、注意が必要です。

適切に音楽や動画を使用するには、以下の方法を検討することが重要です。

  • 著作権フリーの音楽・動画を利用する
  • クリエイティブ・コモンズライセンスの素材を使用し規約を守る
  • 使用許可を得る
  • YouTubeの公式埋め込み機能を利用する

YouTubeの公式埋め込み機能を使用すること自体は問題ありませんが、許可なくダウンロードして再配布する行為は著作権侵害に該当するため、注意が必要です。

デザインやテンプレートの無断利用

ウェブサイトのデザインやテンプレートを無断でコピーして使用する行為も著作権侵害に該当します。たとえば、他社サイトのデザインをそのまま模倣し自社サイトに適用することや、有料または配布制限のあるテンプレートを無断でダウンロード・利用する行為などは違法となる可能性があります。

ウェブデザインの著作権は、そのデザインが独創的で創作性がある場合に保護されます。単に似た色合いやレイアウトを採用するだけでは著作権侵害にならないこともありますが、デザイン要素やコードをそのままコピーすることは違法となる可能性が高いです。

特に、テンプレートを使用する際はライセンス規約を確認することが大切です。無料配布のテンプレートでも、再配布禁止や商用利用不可の制限がある場合があるため、誤って無断利用してしまうとサイトの運営に支障をきたす可能性があります。

適切にデザインやテンプレートを活用するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

  • 公式サイトや正規のマーケットプレイスからダウンロードする
  • ライセンス規約を確認して使用範囲を守る
  • オリジナルのデザイン要素を加え独自性を出す

ウェブデザインを取り入れる際は、単なる模倣ではなく、自社独自の要素を加えることで、著作権侵害のリスクを避けながらオリジナリティを発揮することができます。

ホームページの著作権を侵害した場合の罰則

ホームページの著作権を侵害した場合には、民事や刑事の責任を問われることがあります。ここでは、主な罰則を紹介します。

民事上の損害賠償

著作権侵害により被害を受けた著作権者は、侵害者に対して損害賠償を請求することができます。損害賠償の金額には、侵害行為によって生じた経済的損失や、精神的苦痛に対する補償が含まれます。

たとえば、無断使用による収益の損失が認められた場合、損害額を算定し、具体的な金額として請求できます。

刑事罰

悪質な著作権侵害には、刑事罰が科される場合があります。日本の著作権法では、最大10年の懲役刑に加え、罰金として最大1000万円の金額が科されることがあります。

これは、故意に著作権を侵害した場合や、営利目的で侵害行為を行った場合が該当します。

差止請求

著作権者は、裁判所に対して侵害行為の差止を求めることができます。

これにより、侵害者は著作権を侵害する行為を直ちに停止しなければなりません。たとえば、無断使用されたコンテンツが公開されている場合、その削除が命じられることがあります。

著作権侵害の時効

著作権侵害の時効には、民事と刑事の2種類があります。それぞれの適用条件や期間について解説します。

民事の場合

著作権侵害に対する損害賠償請求の時効は、民法第724条に基づき、被害者が侵害の事実と加害者を認識してから3年で時効となります。また、著作権侵害の発生から20年が経過すると、被害者が侵害の事実を知らなかった場合でも、請求権は消滅します。

刑事の場合

刑事罰に関する時効は、刑事訴訟法第250条の規定により7年と定められています。そのため、著作権侵害の違法行為が発生してから7年が経過すると、刑事責任を問うことができなくなります。

著作権侵害に当たらないコンテンツの引用ルール

コンテンツを作成する際に、他のサイトの情報を引用することは珍しくありません。しかし、適切なルールに従わずに引用を行うと、著作権侵害と見なされる可能性があります。ここでは、著作権を侵害せずに適切に引用を行うためのルールを解説します。

引用は必要最低限にとどめる

引用は、自社コンテンツを補足する目的で行うものであり、文章の大部分を引用に頼るべきではありません。可能な限り、自分の言葉で要点をまとめ、引用は必要最低限に抑えることが重要です。

引用元の明示とリンクを設定する

引用を行う場合は、どの情報をどこから引用したのかを明確にし、引用元ページへのリンクを設置する必要があります。引用元を適切に明示することで、著作権者の権利を尊重し、引用の正当性を確保できます。

引用文はそのまま使用する

引用した文章は、原文の意味を変えたり、勝手に修正してはいけません。引用は原則として、そのままの形で掲載することが求められます。カギ括弧や引用タグを使用し、改変しない形で掲載するようにしましょう。

自社ホームページの著作権を保護する方法

自社ホームページの著作権を適切に保護することは、コンテンツの無断使用や侵害を防ぐために重要です。ここでは、具体的な保護方法を紹介します。

コピーライトを書く

ホームページにコピーライトを書くことで、著作権が誰に帰属しているかを明確に示すことができます。

たとえば、ホームページのフッターに© 2025 ○○会社 All Rights Reservedのように記載します。この表記を正しく行うことで、第三者への明確な著作権の主張となります。

詳細な書き方や必要性はホームページにあるコピーライトとは?をご覧ください。

DMCAに基づく削除申請

著作権が侵害された場合、該当するコンテンツに対して削除申請を行いましょう。

GoogleやYouTubeなどのプラットフォームでは、DMCAに基づいて対応が可能です。Googleでの削除申請手順や詳細は、DMCAとは?で解説しています。

また、FacebookやXなどの他のプラットフォームでも、それぞれ専用の削除申請フォームを提供しています。具体的な手続きは各プラットフォームのガイドラインを確認してください。

ホームページの著作権侵害の事例

ホームページを運営する際には、著作権の取り扱いに注意が必要です。意図せず著作権を侵害してしまうケースも多く、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、実際に発生した著作権侵害の事例を紹介します。

許諾範囲を超えてイラストをホームページに掲載した事例

企業が過去に購入し、社内機関誌に掲載していたイラストを、ウェブサイトにも使用したケースです。

しかし、契約上の許諾範囲は機関誌のみに限定されており、ウェブサイトへの掲載は無許諾使用に該当しました。著作権管理会社から侵害の指摘を受けた後、企業は正規のライセンス料金を支払い、問題を解決しました。

この事例は、購入したコンテンツの使用範囲を契約書で確認することの重要性を示しています。

この事例について詳しくは、鈴木総合法律事務所のイラストをホームページに目的外使用した著作権侵害の事例をご覧ください。

フリー素材と誤認して写真をWebサイトに掲載した事例

インターネット上で見つけた写真をフリー素材だと思い込み、許諾を得ずにブログへ掲載したケースです。

実際には写真の著作権者が明確に存在し、使用には許可が必要でした。この問題は裁判に発展し、著作権侵害の過失責任が認められました。この事例は、画像を使用する際には、出典やライセンス情報を十分に確認することの大切さを示しています。

この事例について詳しくは、内田・鮫島法律事務所のフリー素材であると誤信して写真著作物を利用した場合の過失をご覧ください。

ホームページの著作権のまとめ

ホームページには、画像や文章、デザイン、音楽など、さまざまな要素が著作権で保護されています。これらを正しく理解し管理することは、トラブルを防ぎ、安全にホームページ運営を行うために欠かせません。

著作権の帰属や対象範囲を明確にするだけでなく、無断使用や侵害を防ぐための対策を講じることが重要です。また、万が一著作権侵害が発生した場合には、適切な手続きを迅速に行うことが求められます。ホームページ制作に関わる方は、著作権の基本を把握し、正しい対応を心がけましょう。

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