賃貸物件は、複数の不動産会社のホームページに同じ物件情報が掲載されます。賃貸物件を探す人の92.5%が物件写真を確認しており、間取りや家賃、築年数といった基本情報はどの会社のホームページを見ても変わらないため、物件写真の見せ方が入居希望者の印象を大きく左右します。
この記事では、入居希望者が物件写真のどこを見ているのか、そして競合サイトと差別化するための撮影やホームページへの掲載のポイントを解説します。
賃貸物件は複数のホームページに掲載されている

賃貸物件のホームページでは、物件写真が入居希望者の判断に大きく関わっています。多くの人が写真を確認しており、写真の見せ方が他社との差別化につながります。
賃貸物件のWebページの写真は入居希望者の92.5%が確認している
アットホーム株式会社が実施した不動産ポータルサイトに関する調査によると、賃貸物件を探す人の92.5%が物件写真を確認していると回答しています。
居室・バス・トイレ・キッチンそれぞれの写真で、窓やコンセントの位置、設備の有無など細部までチェックしている実態が明らかになりました。この調査はポータルサイトを対象にしたものですが、写真を細かく確認するという行動は、不動産会社のホームページでも変わらないと考えられます。
賃貸不動産会社は写真が差別化のカギになる
賃貸物件は複数の不動産会社のホームページに同じ情報が掲載されるため、間取りや家賃、築年数といった基本的なスペックだけでは、他社との違いを打ち出すことが困難です。一方で、物件写真は各社が独自に撮影・選定・掲載するものであり、掲載する写真の質や見せ方次第で、入居希望者に与える印象を変えられる数少ない要素の一つです。
同じ物件を扱っていても、写真の見せ方で、わかりやすさや住むイメージの伝わりやすさに差が生まれ、競合他社との差別化につながります。
入居希望者は物件写真のどこを見ているのか
入居希望者が物件写真で確認しているポイントは、部屋ごとに以下の通りです。
| 居室 | コンセントの位置・窓の位置・フローリングのきれいさ・部屋の形・壁の出っ張り |
| バス | 清潔さ・鏡の有無・排水溝の位置 |
| トイレ | 収納棚の有無・ペーパーホルダーの高さ・温水洗浄便座の有無 |
| キッチン | コンロの数・IHかガスか・まな板を置ける広さか |
これらのポイントを踏まえて撮影することで、入居希望者が求める情報を的確に伝えられ、他社との比較でも選ばれやすくなります。
賃貸物件の写真を撮る時のポイント
物件写真は、撮り方次第で部屋の印象が大きく変わります。撮り方にこだわる、または撮影後に画像編集アプリやソフトでトリミングを行う想定であれば、スマートフォンでの撮影でも魅力的な写真に仕上げられます。
基本的な撮影のポイントは以下の通りです。
| 部屋を掃除してから撮る | 洗濯物やゴミ箱、私物が写り込むと部屋の印象が悪くなります。撮影前に片付けを済ませ、床や棚の上をすっきりさせた状態で撮影しましょう。 |
| 部屋を明るくして撮る | 日中、できれば午後2〜3時頃の明るい時間帯に撮影します。部屋の照明だけで撮ると夜に撮影したような印象になりやすいため、自然光が入る時間帯を選ぶのが望ましいです。 |
| 見下ろし・見上げの傾きは編集アプリで補正する | 見下ろす・見上げる角度で撮ると、壁や柱が斜めに傾いて見えることがあります。気になる場合は、撮影後に写真編集アプリやソフトで傾きを補正しましょう。 |
| グリッド線で左右の傾きを防いで撮る | スマホやデジカメのグリッド線機能をオンにし、カメラを左右に傾けないよう意識して撮影します。傾きを防ぐことで、安定感のある写真に仕上がります。 |
| 見せたい部屋を広く写す | 部屋の隅に立ち、一番奥まで見渡せる位置から撮影します。広角モードを活用すると、狭い空間でも広さが伝わりやすくなります。広角モードが使えない場合は、少し高い位置から見下ろして撮ると全体を収めやすくなりますが、壁や柱が傾いて見えることがあるため、撮影後に写真編集アプリやソフトで傾きを補正しましょう。 |
| 設備は寄って撮る | コンロ、鏡、コンセントなど、特定の設備を見せたい場合は、部屋全体ではなくその設備に寄って撮影すると、細部がしっかり伝わります。 |
| 人が写らないように撮る | 鏡やガラスなどの反射する場所を撮影する際に、撮影者自身が映り込んでいると、設備ではなく人に目が行ってしまいます。反射する角度を避けて撮影するか、映り込んだ場合は編集アプリで消しましょう。 |
| 縦向きではなく横向きで撮る | 横向きで撮影すると、Webページの写真枠に収まりやすくなります。部屋の広がりも伝わりやすいため、基本的には横向きでの撮影がおすすめです。 |
| 同じ場所を複数アングルで撮っておく | 1つの場所につき正面・斜め・低い位置など、複数アングルで撮影しておきます。掲載時により魅力が伝わる写真を選びやすくなります。 |
多少の傾きや写り込みであれば、写真編集アプリやソフトを使わなくても、ChatGPTなどの画像生成AIを使うと、簡単な指示だけで編集できる場合があります。
これらのポイントを押さえて撮影しておくと、ホームページへの掲載時に写真を選びやすくなるだけでなく、入居希望者に部屋の魅力を伝えやすくなります。
賃貸物件の写真をWebページに掲載する時のポイント

撮影した写真をホームページに掲載する際も、見せ方次第で入居希望者への伝わりやすさが変わります。掲載時に意識したいポイントは以下の通りです。
画像の並び順を意識する
外観、間取り図、居室、水回り、キッチンの順に並べると、入居希望者が実際に内見するときの動線に近い順番で物件のイメージを掴みやすくなります。
特に最初の1枚は、スクロールせずに目に入る位置に表示されることが多いため、物件の第一印象を左右する外観写真や、部屋全体が分かる居室の写真を優先的に配置しましょう。逆に、コンセントの位置やコンロの数などの設備の細部を写した写真は、物件全体のイメージを掴んだ後に見る情報のため、後半に配置するのが自然な流れです。
画像サイズや容量を最適化する
画像の容量が大きいままアップロードすると、ページの表示速度が遅くなり、特にモバイル回線では表示までに時間がかかり、途中で離脱される原因になります。目安として、1枚あたりの容量は200KB〜300KB程度に収まるよう圧縮するのが望ましいでしょう。
圧縮の際は、次世代フォーマットであるWebP形式に変換すると、画質を保ちながら従来のJPEGより容量を抑えられます。WordPressの場合は、EWWW Image Optimizerなどの画像圧縮プラグインを使えば、アップロード時に自動で圧縮・変換が行われるため、手作業の手間がかかりません。
alt属性を必ずつける
alt属性とは、画像が何らかの理由で表示されない場合に代わりに表示されるテキストで、視覚に障害のある方が音声読み上げソフトを利用する際にも読み上げられるアクセシビリティ上重要な要素です。
「写真」「image1」のような機械的な名前ではなく、「1LDK 南向き 居室 8畳」のように、部屋の種別・方角・広さなど具体的な情報を入れておくと、検索エンジンが画像の内容を理解しやすくなり、画像検索からの流入だけでなく、ページのSEO評価にもつながります。
枚数が多いならスライダー表示を活用する
1つの物件で20〜30枚といった多くの写真を掲載したい場合、すべて縦に並べて表示すると、ページが極端に長くなり、ユーザーが目的の写真にたどり着くまでにスクロールの手間がかかってしまいます。
その場合、画像をスライダー形式にすれば、限られたスペースの中で写真を横方向に切り替えながら見せられるため、ページ全体がすっきりまとまります。
写真だけではなく動画も有効活用しよう
写真だけでは伝わりにくい部屋の広さや生活動線も、動画であればより具体的に伝えられます。特別な機材は必要なく、スマートフォンでの撮影で十分です。玄関から入って各部屋を順番に映していくだけでも、入居希望者が実際に内見しているような感覚で物件を確認できます。
動画は写真と違い、撮影後の編集にある程度のスキルが必要になります。編集をしなくても掲載できるよう、事前に部屋の片付けを済ませ、明るい時間帯を選び、どの順番で映すかを決めてから、丁寧に撮影しましょう。
動画をホームページに掲載する際は、動画ファイルを直接アップロードするのではなく、YouTubeにアップロードしてから埋め込む方法がおすすめです。自社サーバーの容量を圧迫せずに済むほか、表示速度の低下も防げます。
賃貸物件のWebページの写真に関するよくある質問
賃貸物件のWebページの写真に関して、よくいただく質問にお答えします。
写真を変えればホームページの効果は高まりますか?
写真を変えただけで、お問い合わせなどの成果が大きく増えることはほとんどありません。
弊社がこれまで携わった案件でも、写真を差し替えた後に、アクセス解析の数値にやや改善が見られたものの、それだけで問い合わせ数が大きく伸びるケースはありませんでした。写真の改善はユーザーの行動を良くする一つの要素であり、説明文や価格表示、問い合わせ導線といった他の要素とあわせて改善することで、はじめて成果につながります。
写真の枚数はどれくらい掲載すればいいですか?
決まった枚数の基準はありませんが、居室・バス・トイレ・キッチンなど、入居希望者が知りたい情報を網羅できる枚数を目安にすると良いでしょう。
外観、間取り図、各部屋、設備の細部まで含めると、1物件あたり10〜20枚程度になることが一般的です。
プロのカメラマンに依頼すべきですか?
本文で紹介したポイントを押さえれば、スマートフォンでの撮影でも十分魅力的な写真に仕上げられます。
ただし、より訴求力の高い写真が必要な場合は、プロのカメラマンに依頼することで、構図や光の使い方など、自社撮影では出しにくいクオリティの写真に仕上げられます。
一方で、物件写真は部屋ごとに異なるため、他の間取りや設備の部屋を募集する際は、その部屋を新たに撮影する必要があります。継続的にコストがかかる点を踏まえ、主力物件のみプロに依頼し、それ以外は自社で撮影するといった使い分けをするのがおすすめです。
ポータルサイトと自社サイトで写真を変えてもいいですか?
変えても問題ありません。
ポータルサイトは掲載できる写真の枚数に上限が設けられている場合がありますが、自社サイトであればその制約を受けにくいため、ポータルサイトには載せきれない写真やアングルを自社サイトに追加で掲載することができます。
まとめ
賃貸物件は複数の不動産会社のホームページに同じ情報が掲載されるため、物件情報だけでは他社との違いを打ち出しにくいのが実情です。入居希望者の92.5%が物件写真を確認しているというデータがあり、写真の見せ方が入居希望者に与える印象を左右します。
居室・バス・トイレ・キッチンのそれぞれで見られているポイントを押さえ、部屋を明るく掃除した状態で、傾きに注意しながら撮影しましょう。撮影後は、画像サイズの最適化やalt属性の設定など、ホームページへの掲載方法にも気を配ることで、入居希望者に物件の魅力をより正確に伝えられます。
