シニア向けのホームページ制作は、一般的なホームページ制作よりも細部まで意識した設計が求められます。文字サイズや色使いはもちろん、ボタンの操作性やコンテンツの構成まで、シニアが迷わず読み進められる配慮が必要です。設計が不十分なままでは、せっかく訪問したシニアユーザーがページを読む前に離脱してしまいます。
当ページでは、シニア向けホームページ制作のポイントと実際の制作事例を紹介します。
シニア向けホームページ制作とは
シニア向けホームページ制作とは、60歳以上のシニア層をターゲットにしたホームページを制作することです。
総務省の通信利用動向調査(令和7年)によると、60〜64歳のインターネット利用率は93.5%、65〜69歳は88.9%に達しており、シニア層はもはや無視できないWeb上のユーザー層になっています。
一般的なホームページ制作との違いは、視力や色覚の低下、手先の操作性の衰えなど、加齢による身体的な変化を前提に設計しなければならない点です。若い世代向けに作ったホームページをそのままシニアに見せても、文字が読みにくい、ボタンが押しにくい、情報が多すぎて何をすべきかわからないといった問題が生じます。
デザイン・制作・コンテンツの3つの観点で、通常よりも細部まで意識した設計が求められます。
シニア向けWebデザインのポイント

シニア向けホームページ制作において、Webデザインは成果を左右する重要な要素です。視力や色覚、手先の操作性など、加齢による身体的な変化を踏まえたうえで、見やすさと使いやすさを優先した設計が求められます。
文章が読みやすい文字サイズ・行間・フォントを選ぶ
シニア向けホームページ制作では、本文の文字サイズは16px以上を基準にしてください。それ以下のサイズでは、視力が低下したシニアにとって文字の判別が難しくなります。見出しはさらに大きく設定し、本文との差をはっきりつけることで、Webデザイン全体の読みやすさが向上します。
行間はフォントサイズの1.5〜1.75倍程度を目安にとることで、文字の詰まりが解消され、長い文章でも読み疲れしにくくなります。フォントは明朝体よりもゴシック体が適しています。線の太さが均一で、かすんだ視界でも文字の輪郭がつかみやすいためです。
色使いとコントラストの設定に気をつける
シニア向けWebデザインで見落としやすいのが、色使いとコントラストの設定です。
シニアは加齢とともに水晶体が濁り、黄みがかって見えるようになるため、青系やパステルカラーなど彩度の低い色が識別しにくくなります。背景と文字のコントラスト比は、JIS規格(JIS X 8341-3)でも4.5対1以上が推奨されており、ホームページ制作の際はこの基準を満たす配色を意識してください。
黄色は特に識別しにくくなる色のひとつです。目立たせたい箇所への使用は避け、明暗の差がはっきり出る色を選ぶようにしましょう。
ボタンサイズとタップ操作に配慮する
シニア向けWebデザインでは、ボタンの大きさと配置が成果に直結します。
加齢により手先の細かい動きが苦手になるため、ボタンは十分な大きさを確保することが重要です。特にスマートフォンでは、タップ操作のしやすさが離脱率に影響するため、ホームページ制作の段階からボタン同士の間隔を広めに設定し、誤タップを防ぐ設計にしてください。
また、ボタンがリンクであることを視覚的にわかりやすくする工夫も必要です。矢印や「詳しくはこちら」といったテキストを添えることで、シニアでも迷わずクリックできるボタンになります。
余白を使い視覚的なゆとりを持たせる
シニア向けホームページ制作において、余白はWebデザインの空きではなく、読み手の認知負荷を下げるための重要な設計要素です。
情報と情報の間に十分な余白がないと、シニアは画面を見ただけで情報量の多さに圧倒され、離脱してしまいます。
テキストブロックの周囲、画像とテキストの間、セクションとセクションの境目など、各所に余白をしっかり確保することで、どこに注目すればよいかが自然と伝わるページになります。
シニア向けホームページ制作のポイント

シニア向けホームページ制作では、Webデザインだけでなく、サイト全体の構造や設計にも細かい配慮が必要です。どれだけ見た目を整えても、構造が複雑であればシニアは目的の情報にたどり着けず、離脱につながります。
情報を詰め込まずシンプルなレイアウトにする
シニア向けホームページ制作で意識したいのが、1つのページに詰め込む情報量です。
認知機能の低下により、情報が多すぎるページはシニアにとって処理が追いつかず、何を見ればよいかわからなくなります。1ページで伝えることを絞り、視線が自然に流れるシンプルなレイアウトを心がけてください。
レイアウトを整理する際は、1カラム構成を基本にするのが効果的です。複数のカラムに情報を並べると、シニアはどこから読めばよいか迷いやすくなります。重要な情報を上から順番に配置し、読み進めるだけで内容が理解できる構成にすることで、離脱を防ぐことができます。
また、画像やバナーを詰め込みすぎると視覚的な混乱を招くため、必要な要素だけを厳選して配置するようにしましょう。
高齢者でも直感的に操作できるレスポンシブ対応を行う
シニア向けホームページ制作では、スマートフォンでの閲覧を前提としたレスポンシブ対応が欠かせません。
シニア層でもスマートフォンの利用が急速に広まっており、PC向けにしか最適化されていないホームページはシニアが操作しづらい状態になります。レスポンシブ対応では、画面サイズに応じてレイアウトが自動的に切り替わるだけでなく、ボタンの大きさや文字サイズがスマートフォンでも適切に表示されるか確認することが重要です。
PCでは問題なく見えていても、スマートフォンでは文字が小さすぎたりボタンが押しにくくなったりするケースは少なくありません。
シニア向けホームページ制作では、必ず実機でスマートフォン表示を確認したうえで公開するようにしてください。
迷わず目的のページにたどり着けるナビゲーションを設計する
シニア向けホームページ制作において、ナビゲーションの設計は特に重要です。
メニュー項目が多すぎたり、階層が深すぎたりすると、シニアは自分がどこにいるのかわからなくなります。現在地を示すパンくずリストを設置したり、トップページへ戻るリンクをわかりやすい場所に置いたりすることで、シニアが迷わず操作できる導線を確保できます。
また、ハンバーガーメニューのようにアイコンだけで機能を示すナビゲーションは、インターネットリテラシーが高くないシニアには伝わりにくい場合があります。テキストで補足するなどの工夫を加え、見ただけで何ができるかが伝わるナビゲーションを設計することが、シニア向けホームページ制作では求められます。
シニア向けコンテンツ作成のポイント

シニア向けホームページ制作では、Webデザインや構造と同様に、コンテンツ作成の質が成果を左右します。どれだけ見やすいデザインに仕上げても、文章が読みにくければシニアは内容を理解できないまま離脱してしまいます。
冗長な説明を省き簡潔でわかりやすい文章を書く
シニア向けホームページ制作では、文章の長さに注意が必要です。シニアは視覚的な負担が大きいため、長々と続く文章を最後まで読み切ることが難しくなります。1文を短くまとめ、1つの段落で伝えることを1つに絞ることを意識してください。
説明が必要な内容であっても、冗長な表現を省いて要点だけを伝えることで、シニアが無理なく読み進められる文章になります。読んでもらえるコンテンツを作成するためには、書いた後に不要な言葉を削る作業が欠かせません。
専門用語や横文字を使わず平易な言葉で伝える
シニア向けコンテンツ作成で避けるべきなのが、専門用語や横文字の多用です。
ホームページ制作の現場では当たり前のように使われる言葉でも、シニアには伝わらないケースが多くあります。意味がわからない言葉が出てきた時点で、シニアはページの内容を理解することをあきらめて離脱してしまいます。
例えば、「コンバージョン」ではなく「お問い合わせ」、「レスポンシブ」ではなく「スマートフォンでも見やすい」といった具合に、シニアが日常的に使う言葉に置き換えることが大切です。どうしても専門用語を使う必要がある場合は、直後に補足説明を添えるようにしましょう。
結論から伝えて迷わず理解できる順番でコンテンツを構成する
シニア向けホームページ制作では、情報を伝える順番が特に重要です。シニアは情報を一度に処理する力が低下しているため、結論が最後に来る文章構成では、読み終わる前に何が言いたいのかわからなくなってしまいます。
結論を最初に伝え、その理由や補足を後から添える構成にすることで、シニアは迷わず内容を理解できます。そのページが自分に関係あるかどうかが冒頭で伝わるコンテンツを作成することが、シニアの離脱を防ぐうえで欠かせません。
シニア向けホームページ制作の事例
ここでは、当社が実際に手がけたシニア向けホームページ制作の事例を紹介します。ポイントとして挙げてきた内容が、実際にどのように活かされているかの参考にしてください。
見やすさと操作性を重視した制作事例

60歳以上のシニアがメインの顧客となる治療院サイトの制作事例です。
文字サイズや色使い、リンクボタンの設計まで、シニアが迷わず操作できるホームページを目指してクライアントと細部まで話し合いながら制作しました。
スマートフォンからのアクセスが多いホームページだったため、レスポンシブ対応にも力を入れています。ハンバーガーメニューにはトップページへ戻るリンクを設置し、シニアがどのページを閲覧していても迷わず起点に戻れる導線を確保しました。
公開後、多くのシニアのお客様から使いやすいという声がクライアントに届いているとのことです。
ユーザーの立場に立ったコンテンツを作成した制作事例

シニアがメインターゲットとなる葬儀社サイトの制作事例です。
利用者の中には精神的に余裕がない状態でホームページを訪れる方も多いため、わかりやすい表現とリンクボタンの設計を徹底し、必要な情報にすぐたどり着けるコンテンツ構成を意識しました。
公開後、クライアントからは「ホームページに書いてあった内容について詳しく聞きたい」という問い合わせが増えたという報告をいただいています。コンテンツをしっかり読んだうえで連絡してくれるユーザーが増えたことは、シニアの立場に立ったホームページ制作が成果につながった結果といえます。
ユーザーの立場に立ったコンテンツを作成した葬儀社サイトはこちら
まとめ
シニア向けホームページ制作では、Webデザイン・サイト構造・コンテンツ作成の3つの観点で、一般的なホームページよりも細部まで意識した設計が求められます。
文字サイズや色使い、ボタンの操作性といったデザイン面の配慮はもちろん、シンプルなレイアウトや迷わないナビゲーション設計、結論から伝えるコンテンツ構成まで、シニアが無理なく使えるホームページを目指すことが大切です。
シニア層のインターネット利用は年々増加しており、シニアをターゲットにしたビジネスにとってホームページの質は集客と成約に直結します。当ページで紹介したポイントを参考に、シニアに伝わるホームページ制作に取り組んでください。
