ホームページリニューアルや社名変更をきっかけに、ドメイン変更を検討している方は多いのではないでしょうか。しかしドメインを変えると、これまで積み上げてきたSEO評価が下落するのではと不安に感じる担当者様も少なくありません。
本記事では、ドメイン変更がSEOに与えるリスクから、評価を落とさずに移行するための手順、変更後に見落としがちな注意点までを解説します。
ドメイン変更によって起こりうるSEOリスク

ホームページのドメイン変更を行うと、これまで蓄積してきたSEO評価が失われ、検索順位やアクセス数に影響が及ぶことがあります。ここでは、その代表的な原因を解説します。
検索エンジンからの評価がリセットされる
Googleは、ホームページのSEO評価をURLやドメイン単位で蓄積しています。長期間運用してきたホームページほど、更新頻度やコンテンツの質、被リンクの実績などが積み重なり、いわゆるドメインパワーとして評価されている状態です。
ドメイン変更を行うと、このドメインパワーやドメインエイジと呼ばれる運用年数の実績がリセットされ、新しいドメインは実質的にゼロからのSEO評価でスタートすることになります。特に、これまで上位表示されていたキーワードほど、この評価のリセットによる検索順位下落の影響を大きく受けやすい傾向があります。
ドメイン変更を検討する際は、この仕組みを事前に理解しておくことが欠かせません。
被リンク評価が失われる
外部のホームページから自社サイトへ向けて設置されているリンク、いわゆる被リンクは、SEOの評価を左右する重要な要素のひとつです。信頼性の高いホームページから多くリンクされているほど、検索エンジンからのSEO評価は高まりやすくなります。
しかしドメイン変更を行うと、旧ドメインに向けて設置されていたリンクはすべてリンク切れの状態になってしまいます。301リダイレクトを設定すれば評価の一部は引き継げますが、リダイレクトを経由しない直接のリンクに比べると、伝わる評価はどうしても目減りします。
長年かけて獲得してきた被リンクの資産的価値が薄れてしまう点は、ドメイン変更における大きなリスクのひとつといえるでしょう。
インデックスの遅れが原因で一時的に検索順位が下落する
正しく301リダイレクトを設定していても、Googleが新しいドメインを認識し、インデックスに反映するまでには一定の時間がかかります。この期間は新ドメインの評価が検索結果に反映しきれず、アクセスや検索順位が一時的に落ち込むケースも珍しくありません。
ホームページの規模やページ数が多いほど、すべてのURLがクロールされ直すまでの期間は長引く傾向にあります。この下落は一時的なものですが、移行直後の数週間から数ヶ月は検索順位が不安定になることを見込んでおく必要があります。
焦って追加の対策を行うより、Googleによる再評価を待つ姿勢が求められます。
ブックマークやSNSシェアからの流入が減る
ドメイン変更によって、ブックマークやSNSに保存されていたリンクは旧ドメインを指したままとなり、そこからのアクセスができなくなります。
こうした流入の減少は検索エンジンからの直接評価ではありませんが、サイト全体のアクセス数や滞在時間、直帰率といったユーザー行動データの悪化につながり、間接的にSEO評価へ影響を及ぼす可能性があります。
特に、こうした経路からの流入割合が大きかったホームページほど、ドメイン変更後のアクセス減少がSEO評価にも波及しやすい点に注意が必要です。
SEO評価を落とさない安全なドメイン変更の方法

ドメイン変更に伴うSEO評価の下落は、正しい手順を踏むことである程度防げます。ここでは、旧サイトのURL洗い出しから旧ドメインの保持まで、実務で押さえるべき4つのステップを解説します。
STEP1. 旧サイトと新サイトのURLを洗い出す
ドメイン変更を進める前に、まず旧サイトに存在するすべてのURLを一覧化します。トップページだけでなく、下層ページや画像ファイル、PDFなども含めて漏れなく把握することが重要です。
次に、新ドメインでの対応URLを一つずつ紐づけ、対応表を作成します。この対応表がリダイレクト設定の元データとなるため、ここでの抜け漏れはそのままSEO評価の引き継ぎ漏れに直結します。
特にアクセス数の多いページやGoogleサーチコンソールで評価の高いページは、優先的にリストへ含めておきましょう。ページ数が多いホームページほど、この洗い出し作業に十分な時間を確保する必要があります。
STEP2. 適切に301リダイレクトを設定する
URLの対応表が完成したら、旧URLから新URLへ301リダイレクトを設定します。301リダイレクトは恒久的な転送であることを検索エンジンに伝える設定で、SEO評価の大部分を新ドメインへ引き継ぐために欠かせません。
トップページだけをリダイレクトし、下層ページを放置しないよう注意しましょう。検索エンジンはページ単位で評価を蓄積しているため、下層ページのリダイレクトが漏れると、そのページが積み上げてきた評価がそのまま失われてしまいます。全ページを対象に、対応表通りのリダイレクトが機能しているか確認することが欠かせません。
STEP3. Googleサーチコンソールでアドレス変更を届け出る
301リダイレクトの設定が完了したら、Googleサーチコンソールのアドレス変更ツールを使い、旧ドメインから新ドメインへの移行をGoogleに届け出ます。この届出により、Googleが新旧ドメインの対応関係を早期に認識し、SEO評価の引き継ぎとインデックスの更新がスムーズに進みやすくなります。
届出には旧ドメイン・新ドメインの両方でサーチコンソールの登録と所有権確認が完了している状態が前提となるため、事前に準備を済ませておく必要があります。届出後もクロール状況やインデックス登録の推移を定期的に確認しましょう。
アドレス変更ツールについて詳しくは、アドレス変更ツールとは?の記事をご覧ください。
STEP4. 旧ドメインを一定期間保持する
リダイレクトの設定と届出が済んだ後も、旧ドメインはすぐに手放さず、保持しておくことが望ましいです。旧ドメインの契約を解除してしまうと、それまで機能していたリダイレクトが無効になり、評価の引き継ぎが途中で断ち切られてしまいます。
Googleは、再クロール・再インデックスが完了するまでの目安として数ヶ月程度としています。しかし実務では、検索順位が完全に安定するまでにはより長い期間を要するケースが多く、数年単位で旧ドメインを維持しておくのが現実的な対応です。
特にアクセス数の多かったホームページほど、評価の引き継ぎに時間がかかる傾向があるため、余裕を持った保持期間を見込んでおきましょう。保持期間中も、旧ドメインへのアクセスが正しく新ドメインへ転送され続けているか、定期的に確認してください。
ドメイン変更後に見落としがちなSEOの注意点

301リダイレクトの設定やサーチコンソールへの届出を終えても、それでドメイン変更の対応が完了したとは言えません。ここでは、SEO評価を維持するために見落とされがちな4つのポイントを解説します。
外部リンク先に新URLへの変更を依頼する
リダイレクトによって被リンクの評価はある程度引き継げますが、リンク元のURLを直接新ドメインへ更新してもらう方が、SEOの観点では確実に評価を維持できます。
特にアクセス数の多いメディアや取引先など、影響力の大きいリンク元から優先的に連絡し、URLの張り替えを依頼しましょう。すべてのリンク元に対応してもらうのは難しい場合もありますが、可能なだけ対応することで、評価の目減りを最小限に抑えることにつながります。
連絡先が不明なリンクについては無理に追わず、リダイレクトによる評価の引き継ぎに委ねる判断も必要です。
内部リンクやサイトマップを新ドメインに統一する
新しいホームページを公開した後も、内部リンクやXMLサイトマップの中に旧ドメインを指すURLが残っていることがあります。これらを放置すると、検索エンジンが正しくサイト構造を認識できず、クロールやインデックスの効率が下がる原因になります。
ナビゲーションメニューやフッター、記事内のリンクなど、サイト全体を確認し、旧ドメインへのリンクをすべて新ドメインに書き換えましょう。あわせてXMLサイトマップも新ドメインのURLで作り直し、サーチコンソールへ送信しておくと、Googleへの新しい構造の伝達がスムーズになります。
SNSやビジネス系サービスの登録情報を更新する
外部リンク先への依頼だけでなく、自社で管理しているSNSやGoogleビジネスプロフィール、業界ディレクトリなどの登録URLも、新ドメインへの更新を忘れずに行いましょう。
旧ドメインのまま放置すると、ユーザーがそこから流入した際にアクセスできず、機会損失につながります。特にGoogleビジネスプロフィールに登録しているURLは、地域検索での評価にも関わるため、優先的に確認し更新を済ませておく必要があります。
アクセス解析ツールを新ドメインで再設定する
ドメイン変更後は、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールについても、新ドメイン用のプロパティを新たに作成し、計測タグを正しく設置し直す必要があります。
旧ドメインのプロパティのまま計測を続けてしまうと、移行前後のデータが正しく記録されず、SEO施策の効果測定ができなくなってしまいます。あわせてサーチコンソールとの連携設定も新ドメインで再度行い、検索パフォーマンスのデータが途切れず取得できる状態を整えておきましょう。
まとめ
ドメイン変更はSEO評価のリセットや被リンクの消失、インデックスの遅れなど、さまざまなリスクを伴います。
しかし、URLの洗い出しから301リダイレクトの設定、サーチコンソールでの届出、旧ドメインの保持まで、正しい手順を踏めば評価を大きく落とさずに移行することが可能です。
加えて、外部リンク先への依頼や内部リンクの統一、SNS・ビジネス系サービスの登録情報の更新、解析ツールの再設定といった移行後の対応まで一つずつ済ませることで、SEO評価を維持したまま新ドメインへ移行できます。
ドメイン変更は一度きりの作業だからこそ、事前準備と移行後の対応まで含めて計画的に進めることが大切です。
