ホームページリニューアルやURL変更を繰り返すうちに、気づかないところでリダイレクトが何重にも連なってしまうことがあります。これがリダイレクトチェーンです。放置するとページの表示速度低下など、SEOに悪影響を及ぼします。
この記事では、リダイレクトチェーンの基本とSEOへの悪影響、発生原因、確認・修正方法を解説します。あわせて、実際に当社が解消した際の効果についても紹介します。
リダイレクトチェーンとは
リダイレクトチェーンとは、1つのURLから目的のページにたどり着くまでに、複数回のリダイレクトが連続して発生している状態のことです。本来は1回の転送で完了するはずが、途中に不要な中継ページを挟んでしまうことで起こります。
例えば、ページAをページBへリダイレクトする設定をした後、別のタイミングでページBをさらにページCへリダイレクトする設定を加えたとします。この場合、ページAにアクセスすると、A→B→Cという2回の転送を経てようやくページCにたどり着くことになります。これがリダイレクトチェーンです。
リニューアルやURL変更のたびにリダイレクトを追加していくと、こうした連鎖は少しずつ積み重なっていきます。1件ずつの設定を見ているだけでは気づきにくく、サイト全体を俯瞰して確認しない限り発見しづらいのが特徴です。
リダイレクトチェーンによるSEOへの悪影響

リダイレクトチェーンを放置すると、検索エンジンとユーザーの両方にとって不利な状態が生まれます。ここでは悪影響を紹介します。
クロールバジェットの浪費
Googleのクローラーには、1つのホームページをクロールする際に使える時間やページ数に上限があり、これをクロールバジェットと呼びます。
リダイレクトチェーンがあると、クローラーは最終ページへたどり着くまでに何度も転送を追いかける必要があり、その分クロールバジェットを余計に消費してしまいます。特にページ数の多いホームページでは、本来インデックスしてほしい重要なページのクロールが後回しにされる可能性があります。
リンク評価の希薄化
他サイトからの被リンクや、サイト内の内部リンクによるSEO評価は、リダイレクトを経由するたびにわずかずつ目減りしていくと考えられています。
中間ページを複数経由するリダイレクトチェーンでは、最終ページに引き継がれる評価がその分弱まってしまう可能性があります。
ページ表示速度の低下
リダイレクトが発生するたびに、ブラウザはサーバーへ新たなリクエストを送り直す必要があります。
リダイレクトチェーンが長くなるほどこのやり取りが増え、ページが表示されるまでの時間が延びてしまいます。表示速度の低下はユーザー体験を損なうだけでなく、Core Web VitalsのSEO評価指標にも悪影響を与えます。
リダイレクトチェーンが発生する原因

リダイレクトチェーンは、意図的に作られるものではなく、日々の運用の積み重ねの中で気づかないうちに発生することがほとんどです。ここでは2つの原因を紹介します。
ホームページリニューアルやURLの変更を繰り返し行なった
ホームページリニューアルやURL構造の変更を行うたびに、旧URLから新URLへのリダイレクトを設定します。
この作業を複数回にわたって行っていると、過去に設定したリダイレクト先が、さらに別のリダイレクトの起点になっているケースが出てきます。例えば、1回目のリニューアルでページAからページBへ、2回目のリニューアルでページBからページCへとリダイレクトを設定すると、意図せずA→B→Cのリダイレクトチェーンが完成してしまいます。
様々な方法でリダイレクトを管理している
リダイレクトの設定方法は、.htaccessファイル、WordPressのリダイレクト用のプラグインなど複数存在します。
これらを併用していると、それぞれの設定を個別に見ているだけでは全体像がつかめません。例えば、.htaccessでページAからページBへのリダイレクトを設定し、プラグインでページBからページCへのリダイレクトを設定していた場合、.htaccessの設定だけを見てもプラグインの設定だけを見ても、A→B→Cのリダイレクトチェーンには気づけません。
リダイレクトチェーンを確認する方法

リダイレクトチェーンは目視で気づきにくいため、ツールを使って確認するのが確実です。ここでは無料で使える2つの方法を紹介します。
サーチコンソールのURL検査ツールで確認する
GoogleサーチコンソールのURL検査ツールでは、対象のURLをGooglebotがどのように認識しているかを確認できます。
リダイレクトが発生しているURLを検査すると、最終的にたどり着くURLが表示されるため、想定していたページと異なる場合や、複数回のリダイレクトを経由している形跡がある場合は、リダイレクトチェーンが発生している可能性があります。
ラッコキーワードのリダイレクトチェッカーを利用する
ラッコキーワードが提供する無料のリダイレクトチェッカーを使うと、対象のURLを入力するだけで、リダイレクトの経路を一括で確認できます。
何回のリダイレクトを経由して最終的なURLにたどり着いているかが一目でわかるため、.htaccessやプラグインの設定を個別に見に行かなくても、リダイレクトチェーンの有無をすぐに把握できます。
サーチコンソールで把握するには手間なので、当社ではリダイレクトチェッカーをおすすめしています。
リダイレクトチェーンの修正方法

リダイレクトチェーンが見つかったら、放置せずに早めに解消することをおすすめします。ここでは基本的な修正の流れを紹介します。
中間のリダイレクトを削除し最終URLへ直接飛ばす
修正の基本は、起点となるURLのリダイレクト先を、最終的なURLへ直接向け直すことです。
例えば、A→B、B→CというチェーンであればB→Cの設定はそのまま残し、A→Bとなっている設定をA→Cへ書き換えます。.htaccessで設定している場合は該当行を書き換え、プラグインを使っている場合はリダイレクトルールの転送先を直接修正します。
複数の方法でリダイレクトを管理している場合は、どちらか一方に集約しておくと、今後同じような重複が起きにくくなります。
修正後に正しく反映されているかテストする
設定を変更したら、実際にそのURLへアクセスするか、前述のリダイレクトチェッカーで再確認し、1回のリダイレクトで最終URLに到達しているかをテストします。
あわせてGoogleサーチコンソールのURL検査ツールで、Googlebot側から見た際の転送先も確認しておくと安心です。
リダイレクトチェーンを改善した効果事例
実際に当社クライアントのホームページで、リダイレクトチェーンを解消したことで検索順位に変化があった事例を紹介します。
このホームページでは、過去のリニューアルや変更が積み重なった結果、リダイレクトの設定が約500件にまで膨れ上がっており、その中には複数のリダイレクトチェーンが含まれていました。
中間のリダイレクトも含めて設定を整理し、最終的な移転先へ直接転送されるように修正したところ、3ヶ月後に【メインキーワード+地域名】の掛け合わせで検索順位1位、【メインキーワード】単体でも5位前後まで上昇しました。
あわせて、リダイレクトの設定自体は変更していないにもかかわらず、サーチコンソールにあるページのインデックス登録レポートの「ページにリダイレクトがあります」が5件まで減少しています。
中間のURLを経由しなくなったことで、Googleがページの評価を正しく認識できるようになった結果ではないかと考えています。
ただし、他の要因が影響していた可能性もあり、検索順位上昇がリダイレクトチェーンの解消だけによるものと断定はできません。とはいえ、リダイレクトを触っていないのにエラーが減ったという事実は、リダイレクトチェーンの解消が何らかの形で影響した可能性を示していると言えそうです。
まとめ
リダイレクトチェーンは、ホームページリニューアルやURL変更を繰り返す中で、気づかないうちに積み重なっていくものです。クロールバジェットの浪費やリンク評価の希薄化、ページ表示速度の低下といった形でSEOに悪影響を及ぼすため、放置は避けたいところです。
サーチコンソールのURL検査ツールやラッコキーワードのリダイレクトチェッカーを使えば、リダイレクトチェーンの有無を手軽に確認できます。発見した場合は、起点となるURLの転送先を最終URLへ直接向け直すことで解消できます。
実際にリダイレクトチェーンを解消したホームページでは、検索順位の上昇やサーチコンソール上のエラー減少が見られました。断定はできないものの、リダイレクトの管理状況を見直すことは、SEOにとって意味のある取り組みだと言えそうです。
