ホームページ制作の方法を調べていると、コーディングの知識がなくてもホームページが作れるSTUDIOというツールにたどり着くことがあります。操作性やデザイン性に優れる一方、機能面には得意・不得意があり、選ぶプランによって使える範囲も変わります。
このページでは、STUDIOの特徴やメリット・デメリット、できないこと、料金プランの違いを整理し、自社のホームページ制作に向いているかどうかを判断するための材料をまとめました。
STUDIOとは
STUDIOは、コードを書かずにホームページを制作できる国産のクラウド型ツールです。運営元はSTUDIO株式会社で、管理画面やサポート体制はすべて日本語に対応しています。
仕組みとしては、テキストや画像などの要素をドラッグ&ドロップで配置し、パーツごとに余白や色、フォントを調整していく形式で、HTMLやCSSを直接記述する必要はありません。サーバーの契約や管理もSTUDIO側に含まれているため、独自ドメインを接続すればそのまま公開でき、別途レンタルサーバーを用意する手間もかかりません。
プロが制作した高品質なテンプレートも豊富に用意されており、ゼロからデザインを組み立てるだけでなく、既存のテンプレートを土台にすることもできます。
ホームページ制作の専門知識がない担当者でも、直感的な操作でコーポレートサイトやランディングページの骨組みを組み立てられる点が、STUDIOの大きな特徴です。
STUDIOでホームページを制作するメリット

STUDIOには、ホームページの制作から公開後の運用まで、担当者の負担を軽くする機能が数多く備わっています。専門知識が浅くても扱いやすい点など、代表的なメリットを紹介します。
サーバー管理が不要になる
STUDIOでは、サーバーの契約や管理を別途行う必要がありません。
ホームページの公開に必要なサーバー環境は月額プランに含まれており、契約後すぐに公開作業へ進められます。セキュリティ対策やシステムのアップデートもSTUDIO側で行われるため、専門知識がなくても安定した運用が可能です。
レンタルサーバーの選定や更新作業といった、従来のホームページ制作で発生していた手間がまとめて省けるため、担当者はデザインやコンテンツ作成に集中できます。
テンプレートが豊富にある
STUDIOには、プロのデザイナーが手がけた高品質なテンプレートが数多く用意されています。
コーポレートサイトやランディングページなど、目的に合わせたデザインを選ぶだけで、短時間でも見栄えの整ったホームページが仕上がります。テンプレートはすべて無料で使えるうえ、そのまま公開するだけでなく、配色やレイアウトを自社に合わせて調整することも可能です。
デザインの経験が浅い担当者にとっては、ゼロから組み立てるより完成イメージを描きやすく、制作の負担を大きく減らせます。
写真素材が豊富にある
STUDIOには、商用利用が可能な写真素材が内蔵されており、別途契約や購入をしなくてもホームページ制作に必要な画像をそろえられます。
検索機能を使って目的に合った素材を探し、ドラッグ&ドロップで配置するだけなので、画像選定にかかる時間を大幅に短縮できます。自社で撮影した写真が少ない、あるいは撮影の予算を確保しにくい個人商店や中小企業にとっては、見栄えのするページを低コストで作れる点が実用的なメリットです。
直感的に更新ができる
STUDIOの編集画面はマウス操作を中心に設計されており、専門知識がなくても直感的に扱えます。
テキストや画像、レイアウトの変更もクリックとドラッグだけで完結するため、公開後の更新も自社スタッフだけで対応しやすくなります。ホームページ制作に不慣れな担当者でも感覚的に作業を進められるので、更新のたびに制作会社へ依頼する必要がなく、キャンペーン情報や営業時間の変更といった細かな修正をタイムリーに反映できる点がメリットです。
日本語に対応している
STUDIOは国内の企業が運営するサービスで、管理画面やヘルプ、サポート対応がすべて日本語でそろっています。
海外製のツールに多い英語表記の管理画面に戸惑うことなく、操作方法や不明点をそのまま日本語で調べたり問い合わせたりできます。チャットサポートも用意されているため、疑問点をすぐに解消しながら制作を進められる点は、ホームページ制作の経験が少ない担当者にとって安心材料になります。
レスポンシブに対応済み
STUDIOはレスポンシブ対応が標準機能として組み込まれており、PC・タブレット・スマートフォンなど画面幅ごとの表示を個別に調整できます。
PCサイズのデザインを基準に作成した後、ブレイクポイントを切り替えながらタブレットやスマートフォン向けのレイアウトを整えていく仕組みで、追加のコーディングは必要ありません。画面サイズを切り替えてプレビューを確認しながら作業できるため、どの端末で見ても崩れにくいホームページに仕上げられます。
STUDIOでホームページを制作するデメリット

STUDIOは直感的な操作性が魅力ですが、機能や運用の面ではいくつか知っておくべき制約もあります。ここでは、導入前に把握しておきたいデメリットを紹介します。
HTML・CSSの知識がまったくないと使いづらい
STUDIOはコーディング不要をうたっていますが、要素のレイアウトやパーツ配置を細かく調整する場面では、HTML・CSSの基礎的な考え方を理解しているかどうかで操作のしやすさが変わります。
マウス操作が中心とはいえ、STUDIOの画面には余白や配置の概念がそのまま反映されるため、ホームページの構造をまったく知らないと、意図しないレイアウト崩れが起きたときに原因を特定しづらくなります。
直感的に扱えるツールではありますが、最低限のWeb知識があるほうが快適に運用できるのが実情です。
プランによって編集履歴の保存期間が異なる
STUDIOには編集内容を時点ごとに保存し、後から復元できるバージョン管理機能がありますが、保存期間はプランによって差があります。
Freeプランは1日、Miniプランは5日、Personalプランは30日、Businessプランは120日、Business Plusプランは360日までさかのぼれる仕組みです。無料プランのまま運用していると、誤ってデザインを崩してしまっても1日前の状態にしか戻せず、大きな修正が必要になるケースもあります。
復元できる範囲は契約プランに直結するため、更新頻度に応じたプラン選びが欠かせません。
スマホやタブレットからの更新ができない
STUDIOの編集操作は、PC版のGoogle Chromeブラウザからのみ対応しています。
iPadなどのタブレット端末やスマートフォンからログインして状況を確認することはできますが、テキストの修正や画像の差し替えといった編集作業そのものはできません。外出先で軽微な更新をしたい場合でも、パソコン環境が整っていなければ対応できない点は不便です。
SNSやブログのようにスキマ時間で更新したいと考える担当者にとっては、運用の柔軟性に欠ける部分といえます。
STUDIOでできないこと

ノーコードで多くのことができるSTUDIOですが、機能面ではいくつか対応していない領域があります。導入後に思っていたことができないとならないよう、代表的な制約を紹介します。
固定ページの本文に表を直接挿入できない
STUDIOのデザインエディタには、固定ページの本文にテーブル(表)を直接挿入する機能がありません。
料金表や比較表を作りたい場合は、リストやボックスを組み合わせて表のように見せるか、画像として作成したものを貼り付ける方法で代用することになります。なお、STUDIO CMSの記事本文で使うリッチテキストのプロパティでは表の挿入に対応しているため、ブログ記事やお知らせページでは通常の表組みが利用できます。
固定ページで複雑な表を多用したいホームページには不向きです。
動的なUIパーツは標準機能では実装できない
アコーディオンやタブ切り替え、ページネーションといった動きのあるUIパーツは、STUDIOの標準機能ではドラッグ&ドロップで実装することができません。
これらの要素は通常JavaScriptで構築されますが、STUDIOの基本操作にはコードを書く工程が含まれていないためです。有料プランで使えるカスタムコード機能を使えば、Embedボックスにコードを追加することで一部再現は可能ですが、コーディングの知識が必要になります。
ノーコードのまま動きのあるホームページを制作したい場合は、あらかじめ制限を理解しておく必要があります。
会員サイトやECサイトの制作には向かない
STUDIOには、会員登録やログイン機能、商品をまとめて購入するカート、決済機能が標準搭載されていません。
BASEやStripeなど外部サービスと連携し、購入ボタンを埋め込む形であれば簡易的な販売は可能ですが、在庫管理や注文履歴の管理まで含めた本格的なECサイトの制作には対応していません。
会員限定コンテンツを持つホームページやECサイトを運営したい場合は、Shopifyやカラーミーショップ、WordPress+プラグインといった他の選択肢を検討したほうが現実的です。
ディレクトリ単位・ページ単位のアクセス制限・Basic認証に対応していない
STUDIOには、サイト全体をパスワードで保護する公式機能がありますが、対象はサイト単位に限られ、特定のディレクトリやページだけを制限することはできません。
一部のページのみ非公開にしたい場合は、そのページ自体を非公開設定にする方法で対応する必要があります。また、Webサーバーで一般的に使われるBasic認証にも対応していません。制作中のテストサイトを一部のクライアントだけに公開したいといった限定公開のニーズには、STUDIO単体では応えきれない部分です。
STUDIOの料金プラン

STUDIOの料金プランは、個人向けのFree・Mini・Personalと、法人向けのBusiness・Business Plus・Enterpriseを合わせた6種類です。ページ数や、ブログ・お知らせなどのコンテンツを何種類管理できるか、サポート体制などがプランごとに異なるため、ホームページの規模に合わせて選ぶ必要があります。
Freeプラン(無料)
Freeプランは、月額0円でSTUDIOの基本機能を試せるプランです。
ページ数は50ページまで、ブログやお知らせなど管理できるコンテンツの種類は3つまで、ストレージ容量は5GBまで利用できます。
ただし、バージョン管理による編集履歴の保存期間は1日分と短く、独自ドメインの接続やSTUDIOバナーの非表示にも対応していません。本格的な運用にはそのまま使いにくい面がありますが、操作感を確認したり、試作サイトを作ったりする段階では十分な機能がそろっています。
Miniプラン(月額590円〜)
Miniプランは、年払いで月額590円(月払いの場合は1,290円)から利用できるプランです。
ページ数は2ページと自動生成される404ページのみに限られており、シングルページやランディングページ向けの構成になっています。管理できるコンテンツの種類は3つまで、ストレージ容量は10GBまで利用でき、独自ドメインの接続やGoogleアナリティクス・GTM連携にも対応しています。
バージョン管理の保存期間は5日間で、有料プラン専用のサポートも受けられます。ページ数を増やしたい場合は、上位のPersonalプラン以上への移行が必要です。
Personalプラン(月額1,190円〜)
Personalプランは、年払いで月額1,190円(月払いの場合は1,720円)から利用できるプランです。
ページ数は150ページまで作成でき、管理できるコンテンツの種類は5つまで、ストレージ容量は10GBまで対応しています。
バージョン管理の保存期間は30日間に伸び、誤操作からの復元もしやすくなります。追加機能としてサイト全体のパスワード制限が使えるため、公開前の確認用サイトや限定公開のポートフォリオにも活用できます。複数ページで構成する個人事業主や小規模事業者のホームページに適したプランです。
Businessプラン(月額3,980円〜)
Businessプランは、年払いで月額3,980円(月払いの場合は5,460円)から利用できる法人向けのプランです。
ページ数は300ページまで作成でき、ストレージ容量は100GB、管理できるコンテンツの種類は10種類まで利用できます。バージョン管理の保存期間は120日間に延び、外部システムと連携できるAPI連携が1件、リダイレクト機能やアクティビティログ(30日間)も備わっています。
優先サポートにも対応しているため、コーポレートサイトやサービスサイトなど、継続的な更新と一定の信頼性が求められる中小企業のホームページに向いています。
Business Plus(月額9,980円〜)
Business Plusプランは、年払いで月額9,980円(月払いの場合は12,900円)から利用できる、法人利用の標準パッケージです。
ページ数は300ページ、ストレージ容量は100GBとBusinessプランと同水準ですが、管理できるコンテンツの種類は30種類まで増え、API連携は無制限に利用できます。バージョン管理の保存期間は360日間と長く、同時接続数も1,000件まで保証されます。
優先サポートも継続して受けられるため、CMSを使ったコンテンツ発信を本格的に行いたい企業や、アクセス数が多いホームページ
の運用に向いた設計です。
Enterpriseプラン(料金:個別見積もり)
Enterpriseプランは、料金が個別見積もりとなる、大規模組織向けの特別なプランです。
ページ数や管理できるコンテンツの種類・件数に上限がなく、稼働率99.9%を保証するSLAやIPアドレス制限、360日間のアクティビティログなど、高度なセキュリティ要件にも対応しています。支払い方法として銀行振込にも対応し、専任担当によるフルサポートも受けられます。
上場企業や官公庁、大規模メディアなど、厳格なセキュリティ対応とカスタマイズが求められる組織向けのプランで、中小企業や個人商店が選ぶケースは多くありません。
STUDIOとその他のCMSとの違い

STUDIOと比較されることが多いCMSに、WordPressとWixがあります。どちらもホームページ制作でよく使われるツールですが、運用の仕組みや向いている用途はSTUDIOとは異なります。それぞれの違いを紹介します。
WordPressとの違い
WordPressは世界中で幅広く使われているCMSで、テーマやプラグインを組み合わせることで、機能やデザインを細かくカスタマイズできます。その一方で、レンタルサーバーの契約やセキュリティ対策、プラグインの選定・更新など、運用にかかる手間はSTUDIOより多くなります。
STUDIOはサーバー管理や保守がサービス側に含まれているため運用の負担は小さく抑えられますが、実現できる機能はSTUDIOが提供する範囲に依存します。カスタムコード機能の追加で以前より自由度は広がったものの、プラグインで拡張し続けられるWordPressほどの柔軟性はありません。
長期的な拡張性を重視するならWordPress、運用の手軽さを優先するならSTUDIOが向いています。
Wixとの違い
Wixも、サーバー管理が不要なノーコードのホームページ制作ツールです。テンプレートの豊富さや直感的な操作性など基本的な使い勝手は近く、どちらも編集履歴を保存して復元できるバージョン管理機能を備えています。
違いが出やすいのは連携できる外部アプリの数で、Wixは対応アプリの種類が多く、予約システムや会員機能など拡張性を求める場合に選択肢が広がります。一方STUDIOは国内企業が運営しているため、管理画面やサポートがすべて日本語で提供されており、操作でつまずいたときに日本語でそのまま相談できる安心感があります。
海外製ツールに不慣れな担当者には、STUDIOのほうが取り組みやすいでしょう。
まとめ
STUDIOは、コーディングの知識がなくても、サーバー管理や高品質なテンプレートを活用しながらホームページを制作できるノーコードツールです。
直感的な操作性や日本語サポートの手厚さは大きな魅力ですが、HTML・CSSの基礎知識がないと細かい調整に戸惑う場面があり、スマホやタブレットからの更新にも対応していません。ページ本文への表の直接挿入や、会員サイト・ECサイトの制作など、標準機能でできないことも一定数あります。
料金プランはFreeから法人向けのEnterpriseまで6種類あり、運用規模や必要な機能に応じて選ぶ形です。
WordPressほどの拡張性やWixほどの外部アプリ連携数は求めないものの、手軽にデザイン性の高いホームページを制作したい場合には検討に値する選択肢といえます。
