モバイルファーストインデックス(MFI)という言葉を耳にしても、自社サイトへの影響がよくわからないまま放置しているケースは少なくありません。Googleはスマホ版ページを評価基準にしており、対応が不十分だと検索順位に影響が及ぶこともあります。
この記事では、モバイルファーストインデックスの基本から、自社サイトが対応できているかの確認方法、今から取り組める具体的な対策までをまとめました。
モバイルファーストインデックス(MFI)とは
Googleが検索順位を決める際に、評価対象とするページをパソコン版からスマートフォン版へ切り替える仕組みが、モバイルファーストインデックス(MFI)です。
従来はパソコン版のコンテンツをもとにクロールとインデックス登録が行われてきましたが、モバイルファーストインデックス導入後はスマホ版のコンテンツが評価の基準になります。導入の背景には、スマートフォン経由の検索がパソコンを上回るようになったことがあります。
Googleは2018年3月にモバイルファーストインデックスの本格展開を発表し、対象サイトを段階的に切り替えました。2023年11月にはすべてのホームページへの移行が完了しており、現在ホームページを運営しているなら、すでにモバイルファーストインデックスの対象になっていると考えて差し支えありません。
モバイルファーストインデックスとSEOの関係
Googleは、モバイルファーストインデックスで収集したスマホ版のコンテンツが、パソコン版のコンテンツよりランキング上で優遇されることはないと公式に説明しています。つまりモバイルファーストインデックス自体は、検索順位を左右するSEOの評価要因ではありません。あくまでもどちらを評価対象にするかという、クロールとインデックスの仕組みに関する話です。
一方で、モバイル対応が不十分なホームページには、間接的な影響が及ぶ可能性があります。これはモバイルファーストインデックスが原因ではなく、2015年に導入されたモバイルフレンドリーという別の評価基準によるものです。
スマホで見づらいホームページはモバイル検索での検索順位が下がりやすく、パソコン版とスマホ版でコンテンツ量に差があると、評価対象となるスマホ版の情報が不十分だと判断されることもあります。
モバイルファーストインデックスとモバイルフレンドリーは別物ですが、両方を意識したホームページ運営が結果としてSEO効果の向上につながります。
モバイルファーストインデックスで影響を受けるホームページの特徴

モバイルファーストインデックスの評価対象はスマホ版のページです。スマホ版が用意されていない、またはパソコン版と内容に差があるホームページは、検索エンジンからのSEO評価に影響が及びやすくなります。具体的にどのような特徴のホームページが該当するかを紹介します。
スマホ版のページが存在しないホームページ
モバイルファーストインデックスでは、スマホ版のページが存在しない場合でも、Googleはパソコン版のコンテンツを引き続き評価対象として使用します。スマホ版の用意はGoogle検索結果に表示されるための必須条件ではなく、この状態自体が直接的な評価対象からの除外や検索順位の低下を招くわけではありません。
ただし、Googleはモバイル版ページの用意を強く推奨しており、スマートフォン用のクローラーによる巡回が中心になっている現状を踏まえると、パソコン版のみで運用し続けることが今後も同じ扱いを受け続ける保証はありません。
パソコン版とスマホ版でコンテンツが異なるホームページ
パソコン版とスマホ版の両方を用意していても、スマホ版だけ文章量を減らしていたり、一部のコンテンツを省略していたりするホームページは少なくありません。
モバイルファーストインデックスでは、あくまでスマホ版のコンテンツが評価の基準になるため、パソコン版に充実した情報があっても、スマホ版にそれが反映されていなければ十分に評価されない可能性があります。
特に更新を重ねるたびにパソコン版だけ情報が増え、スマホ版との差が広がっているホームページほど、この影響を受けやすくなります。
モバイルファーストインデックスの対応状況を確認する方法

自社のホームページがモバイルファーストインデックスに対応済みかどうかは、Googleサーチコンソールを使えば誰でも確認できます。ページ単位とサイト全体、それぞれの確認方法を紹介します。
URL検査ツールでページ単位を確認する
サーチコンソールのURL検査ツールを使うと、特定のページがモバイルファーストインデックスに対応しているかを個別に確認できます。
確認したいページのURLを入力し、インデックス登録の詳細を開くと、ユーザーエージェントという項目が表示されます。ここがスマートフォン用Googlebotと表示されていれば、そのページはすでにモバイルファーストインデックスの対象になっています。逆にデスクトップ用Googlebotと表示されている場合は、まだパソコン版のコンテンツが評価対象になっている状態です。
この方法は1ページずつの確認になるため、まずはトップページや主要なサービスページなど、優先度の高いページから確認していくとよいでしょう。
クロールの統計情報でサイト全体を確認する
ページ単位ではなく、サイト全体の対応状況をまとめて把握したい場合は、サーチコンソールのクロールの統計情報レポートを使います。左側のメニューから設定を開き、クロールの統計情報レポートを表示すると、Googlebotのタイプ別に、どのくらいの割合でクロールが行われているかを確認できます。
モバイルファーストインデックスに対応済みのホームページでは、スマートフォン用Googlebotによるクロールが、パソコン用Googlebotを明確に上回るのが一般的です。逆にパソコン用の割合がスマートフォン用と同等かそれ以上になっている場合は、サイト全体としてまだモバイル版が十分に評価対象になっていない可能性があります。
具体的な割合の基準は公式には示されていないため、絶対値ではなく両者の比率で判断するのがポイントです。
モバイルファーストインデックスの対策方法

対策の多くはレスポンシブデザインへの対応で解決します。ただしパソコン版とスマホ版でURLが分かれているホームページは、モバイルファーストインデックスへの対応として別途確認すべき項目があります。
レスポンシブデザインに対応する
レスポンシブデザインとは、パソコンとスマホで同じHTML・同じURLを使い、画面幅に応じてCSSで表示を切り替える仕組みです。
この方式であれば、構造化データやコンテンツも自動的にパソコン版とスマホ版で共通になるため、モバイルファーストインデックスへの対応としてはこれだけで大部分が満たされます。近年のWordPressテーマの多くは標準でレスポンシブ対応しているため、すでに対応済みのホームページも少なくありません。
まずは自社のホームページがレスポンシブ形式になっているかを確認することが、最初のステップになります。
PC版とモバイル版でコンテンツを統一する
パソコン用とスマホ用でページを別々に制作しているホームページでは、スマホ版だけ文章量が少なかったり、一部の情報が省略されていたりすることがあります。
モバイルファーストインデックスではスマホ版のコンテンツが評価対象になるため、パソコン版にしかない情報は正しく評価されません。見出し、本文、画像、内部リンクなど、パソコン版に掲載している内容はスマホ版にも同じように反映させることが必要です。
構造化データをPC版とモバイル版で揃える
構造化データは、ページの内容を検索エンジンに正確に伝えるための重要な要素です。
パソコン版に構造化データを設定している場合、スマホ版にも同じ構造化データを実装する必要があります。モバイルファーストインデックスではスマホ版のみが評価対象になるため、スマホ版に構造化データがないと、パソコン版でどれだけ充実させていても見落とされてしまいます。
meta robotsタグをPC版とモバイル版で揃える
meta robotsタグは、検索エンジンに対してページをインデックスしてよいかどうかを伝えるタグです。
パソコン版とスマホ版でURLが異なるホームページでは、スマホ版にだけ誤ってnoindexが設定されているケースがあります。パソコン版はインデックスを許可していても、モバイルファーストインデックスではスマホ版が評価対象になるため、この場合はページ自体が検索結果から除外されてしまいます。
両方のページで同じrobotsタグを使用しているか、確認しておく必要があります。
スマホサイトの場合はアノテーションの設定を確認する
パソコン版とスマホ版で別々のURLを使用しているホームページでは、アノテーションと呼ばれる設定で両者の関係を検索エンジンに伝える必要があります。
具体的には、パソコン版のページにはrel=”alternate”で対応するスマホ版のURLを、スマホ版のページにはrel=”canonical”で対応するパソコン版のURLを指定します。モバイルファーストインデックスではこの設定が抜けていると、パソコン版とスマホ版が別々のページとして扱われ、SEO評価が分散してしまう可能性があります。
レスポンシブデザインを採用している場合はURLが共通のため、この対応は不要です。
まとめ
モバイルファーストインデックスは、Googleがスマホ版のページを評価基準にする仕組みです。
すでに全サイトへの移行が完了しており、モバイルファーストインデックス自体は検索順位を直接左右するものではありませんが、モバイル対応の不備は間接的に検索順位へ悪影響を与えることがあります。
自社のホームページがスマホ版を用意できているか、パソコン版と内容に差がないかを確認したうえで、レスポンシブデザインへの対応やコンテンツの統一といった対策を進めることが、安定したSEO評価につながります。
モバイルファーストインデックスへの対応は一度で終わるものではなく、コンテンツを更新するたびにパソコン版とスマホ版の内容を揃え続けることが、長期的なSEO評価につながります。
