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canonicalタグとは?SEO効果と設定が必要なケース

canonicalタグとは

canonical(カノニカル)タグは、検索エンジンに正規のURLを伝えるための重要なHTMLタグです。canonicalタグを正しく設定することで、SEO評価の向上やクローラーの巡回効率に良い影響を与えます。

本記事では、canonicalタグの基本からSEO効果、書き方、設定が必要なケース、注意点までわかりやすく解説します。自社サイトのSEO対策にぜひ役立ててください。

canonicalタグとは

canonicalタグとは、同じ内容のページが複数のURLで存在する場合に、どのURLを正規ページとして扱うかを検索エンジンに伝えるHTMLタグです。

ホームページでは、URLにパラメーターが付いたり、CMSで1つのページを作成しても異なるURLが自動的に生成されることがあります。こうした状態を放置すると、同じ内容のページ同士が競合して順位が下がるキーワードカニバリゼーション(カニバリ)が起きてしまいます。

そこで canonicalタグを設置すると、「このページが正規のURLです」と検索エンジンに明示できます。 検索エンジンは余分なURLを無視し、指定されたURLを基準としてサイト全体を理解するようになり、効率的にページを評価できるようになります。

言い換えると、canonicalタグはサイトを整理整頓し、検索エンジンに正しく評価させるための仕組みです。

canonicalタグのSEO効果

canonicalタグを正しく設定することで、検索エンジンはページをより適切に理解し、サイト全体のSEO効果が高まります。ここでは具体的な3つのSEO効果を解説します。

SEOのマイナス評価を防げる

同じ内容のページが複数のURLで存在すると、検索エンジンは「どのページをインデックスすべきか」を正しく判断できず、最悪の場合は重複コンテンツとみなされます。重複コンテンツが増えると、検索エンジンから低品質なホームページと評価され、全体の順位が下がるリスクがあります。

また、似たようなページ同士が競合して検索結果で順位を食い合うカニバリが発生することもあります。カニバリは発生しているページの順位が下がるリスクがあります。

canonicalタグを設置すれば、「このURLが正規ページ」と検索エンジンに明示でき、余分なページは無視されます。その結果、重複やカニバリによるマイナス評価を防ぎ、サイト全体のSEO効果を高めることが可能です。

リンク効果を集中できる

検索順位を大きく左右する要素のひとつがリンク効果です。

外部サイトからの被リンクはもちろん、サイト内部で張られた内部リンクもページ評価に大きく関わります。ところが、同じ内容のページが複数存在すると、せっかく得られたリンク効果が分散し、本来強化したいページに十分な力が集まりません。

canonicalタグを設定すれば、こうしたリンク効果を指定した正規URLに集約できます。これにより、外部リンクの評価も内部リンクの評価も無駄なく正規ページに集中し、検索順位の向上につながります。

たとえば、SNSで拡散されても、そこから得られた被リンクはcanonicalタグによって正規ページに統合されます。これにより、プロモーション施策や自然発生的な被リンクの効果を最大限に活かせます。

クロールの巡回効率を改善できる

検索エンジンのクローラーは、サイト内のリンクを辿ってページを読み込みます。もし重複ページやパラメーター違いのページが多いと、クローラーはそれらを無駄に巡回し、本当に重要なページの発見やインデックスが遅れる可能性があります。

canonicalタグを設置すれば、クローラーは正規ページを優先的にアクセスするようになり、余分な巡回を省くことができます。その結果、新規ページや更新したページがより早く検索結果に反映されやすくなるのです。

特にページ数が膨大なECサイトやメディアサイトでは、クロール効率の改善が重要なページのインデックス速度や検索順位に直結します。

canonicalタグの書き方

canonicalタグは、検索エンジンに正規URLを伝えるためのHTMLタグです。ここでは、canonicalタグの書き方として、HTMLに直接記述する方法と、WordPressでの設定方法を紹介します。

HTMLでの書き方

HTMLでcanonicalタグを設置する場合は、<head>タグの中に以下のように記述します。

<link rel="canonical" href="https://www.example.com/page/" />

記述する際には、相対パスではなく必ず絶対パスを指定することが大切です。相対パスを使うと検索エンジンが誤って解釈するため注意が必要です。

また、1ページにつきcanonicalタグは1つだけにする必要があります。複数設置すると、どのURLを正規と判断すべきか検索エンジンが混乱してしまうからです。

さらに、特別な理由がない限りは、そのページ自身を正規URLとして指定する自己参照canonicalを設定するのが推奨されます。

このように正しく記述することで、検索エンジンに正規URLを確実に伝えられ、評価の分散を防げます。

WordPressでの設定方法

WordPressでは、多くのテーマや、Yoast SEOとAll in One SEOなどのSEOプラグインが自動的にcanonicalタグを生成してくれるため、基本的には特別な設定をする必要はありません。

プラグインを利用すれば、自己参照canonicalが標準で出力されるだけでなく、投稿や固定ページごとに正規URLを手動で指定することもできます。

たとえば、記事を複製したときに元記事を正規ページとして扱いたい場合や、キャンペーン用のページを特定のURLに統一したい場合に便利です。

注意点は、テーマとプラグインが同時にcanonicalタグを出力すると二重記述になることがあります。その場合はどちらか一方を停止し、必ず1ページにつき1つだけcanonicalタグが設定されるようにしておきましょう。

canonicalタグの設定が必要なケース

canonicalタグは普段から設定しておくべきですが、特に同じ内容のページが複数URLで存在する状況では欠かせません。ここでは、canonicalタグの設定が必要なケースを解説します。

効果測定用のパラメーターが付いている場合

アクセス解析や広告の効果測定で、URLに「?utm_source=xxx」のようなパラメーターを付けることがあります。この場合、パラメーターが違うだけで同じページが複数のURLで存在することになり、検索エンジンからは重複ページとみなされる可能性があります。

こうした場合は、パラメーターの付いていないURLをcanonicalタグで指定するのが基本です。これにより、正規URLに評価を集約できるため、効果測定を行いつつ、SEOへのマイナス影響を避けることができます。

重複コンテンツが生成される場合

カテゴリページやタグページ、並び替え機能などによって、同じ内容のページが複数生成されることがあります。たとえば、商品一覧を「価格順」「人気順」で切り替えると、URLは異なっても内容はほぼ同じになるケースです。

このような場合にcanonicalタグを設定しておくと、検索エンジンが「正しい代表ページ」を認識できるため、重複コンテンツによる評価の低下を防げます。

サイト移転時にリダイレクトができない場合

本来、サイト移転やURL変更の際には301リダイレクトで移行先を示すのが理想です。しかし、技術的な制約やサーバー設定の都合でリダイレクトが難しいケースもあります。

そうした場合は、canonicalタグを使って新しいURLを正規ページとして指定すれば、検索エンジンに移転先を伝えることができます。リダイレクトほど強力ではありませんが、少なくとも旧URLと新URLの評価が分散するのを防げます。

PCとスマホでURLが異なる場合

レスポンシブデザインが主流になる前は、PC用とスマートフォン用でURLを分けて運用する方法が一般的でした。たとえば、以下のようにPCとスマホで異なるURLを持つケースです。

  • PCサイト:https://www.example.com/
  • スマホサイト:https://sp.example.com/

この場合、スマホサイト側には canonicalタグを記述し、PCサイトを正規URLとして指定する必要があります。

<link rel="canonical" href="https://www.example.com/">

さらに、検索エンジンにスマホ版のページも存在することを伝えるために、PCサイトにはalternateタグを設置します。

<link rel="alternate" media="only screen and (max-width: 640px)" href="https://sp.example.com/">

このように canonical+alternateを併用することで、検索エンジンはPC版を正規ページとして認識しつつ、スマートフォンユーザーにはスマホ版を適切に表示できるようになります。

ECサイトでカラーやサイズだけが違う場合

ECサイトでは、同じ商品の「色違い」や「サイズ違い」で個別のURLが生成されることがよくあります。たとえば /product-red/ と /product-blue/ のような場合です。商品説明や写真、スペックなどは同じで、色やサイズのバリエーションだけが異なるケースが典型です。

このような場合、canonicalタグでメインの商品ページを正規URLとして指定しておけば、類似するバリエーションページの評価を1つに集約できます。

結果として、検索結果に代表ページを安定的に表示でき、余計な重複判定を避けられます。特に商品数が多いECサイトでは、この設定がSEO効果に直結します。

canonicalタグの確認方法

canonicalタグは正しく設定したつもりでも、実際には誤ったURLを指していたり、ページごとに抜け漏れがあったりすることがあります。こうしたミスはSEO評価の分散や検索順位の低下につながるため、定期的にチェックすることが大切です。ここでは、代表的な確認方法を紹介します。

ソースコードで確認する

最も基本的な確認方法は、ページのソースコードを直接チェックすることです。

ブラウザで対象ページを開き、右クリックして「ページのソースを表示」を選ぶとHTMLコードが確認できます。 その中で <head> タグ内に以下のような記述があるかどうかを探します。

<link rel="canonical" href="https://www.example.com/" />

ここで確認すべきポイントは3つです。

  • 正しいURLを指しているか
  • 絶対パスで記載されているか
  • 1ページにつき1つだけ記述されているか

ソースコードを直接確認すれば、そのページで出力されているcanonicalタグの有無と内容を正確に把握できます。特に公開前のサイトテストや、外部業者が作成したページを確認する際に役立ちます。

SEOツールで確認する

大量のページを効率的に確認するには、SEOツールを活用するのがおすすめです。

Googleサーチコンソールでは、URL検査ツールを使えば自分で指定したURLとGoogleが認識しているURLを個別に確認できます。また、インデックスカバレッジレポートを参照すれば、Googleが選んだcanonicalタグとユーザーが指定したcanonicalタグの不一致を検出できます。

さらに、Screaming FrogやAhrefsなどのSEOツールを使えば、サイト全体をクロールしてcanonical設定の有無や指定先を一覧で確認できます。

ページ数の多いECサイトやメディアサイトでは、こうしたツールを利用することで設定漏れや誤設定を素早く発見できます。

canonicalタグ設定時の注意点

canonicalタグはSEOで効果的な手段ですが、設定を誤ると本来評価されるべきページが検索結果に出なくなるなど、かえって逆効果になることもあります。ここでは特に注意すべきポイントを解説します。

内容が違うページには設定しない

canonicalタグは「同じ内容」または「ほぼ同じ内容」のページに対して正規URLを示すためのものです。

そのため、まったく内容が異なるページを正規URLとして指定すると、本来評価されるべきページがインデックスされず、検索結果から消えてしまう恐れがあります。

たとえば、「商品Aの詳細ページ」にcanonicalで「商品Bの詳細ページ」を指定してしまうと、商品Aは検索結果に表示されなくなり、さらに検索エンジンは設定を間違えていると評価するため、SEO効果も十分に集中させることができません。

canonicalタグは、あくまで重複や類似コンテンツの調整に使うのが原則であり、異なる内容を統合する用途には使わないよう注意しましょう。

ページネーションで1ページ目に設定しない

ブログ記事一覧や商品一覧など、複数ページに分割されるページネーションでは、1ページ目に2ページ目以降のcanonicalタグをまとめる設定は避けるべきです。

たとえば、/page/2 や /page/3 をすべて /page/ へcanonicalタグを指定してしまうと、2ページ目以降が検索結果に出なくなり、ユーザーが深いページの情報を見つけられなくなります。その結果、検索流入の機会を自ら失うことになります。

正しい方法は、各ページごとに自己参照canonicalを設定することです。これにより、2ページ目以降もインデックスされ、ユーザーが検索経由で適切なページにアクセスできるようになります。

まとめ:canonicalタグの正しい利用はSEOで重要

canonicalタグは、検索エンジンに「どのURLを正規ページとして評価してほしいか」を伝えるシンプルな仕組みですが、その効果は非常に大きいものです。

重複コンテンツのリスクを回避し、リンク効果を集約し、クローラーが効率よくホームページを巡回できるようにすることで、サイト全体のSEO効果を高めることができます。

大切なのは、ただ設置するだけでなく「正しいURLを指定できているか」を確認し、必要なケースに応じて使い分けることです。特にECサイトやメディアサイトのようにページ数が多いホームページでは、canonicalタグの精度がそのまま検索エンジンからの評価に直結します。

自社のホームページを整理整頓するつもりでcanonicalタグを運用すれば、検索エンジンからの評価を最大限に活かし、ユーザーにとってもわかりやすいホームページを実現できます。

今日からでも設定を見直し、SEOの基盤を固めていきましょう。

canonicalタグは、重複コンテンツを防ぎSEO評価を集中させるための重要な仕組みです。正しく活用することで検索順位の向上につながります。当社のホームページ制作では、こうしたSEOの基本を踏まえたサイト設計を行っており、公開後も安心して運用できる仕組みづくりをサポートしています。
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