ホームページを運営していると、ウイルス感染や操作ミス、サーバー障害など、予期せぬトラブルに見舞われることがあります。そのような事態が起きたとき、バックアップがあれば迅速に復旧できますが、バックアップデータがなければ復元に多くの時間と労力を要することになります。
この記事では、ホームページのバックアップが必要な理由から、保存すべきデータの種類、制作環境別のバックアップ手順、保存場所まで、ホームページ担当者が知っておくべき基本をまとめました。
ホームページのバックアップが必要な理由
ホームページのバックアップは、トラブルが発生した際にデータを迅速に復元するために欠かせない対策です。
ウイルス感染や不正アクセスによる改ざん、操作ミスによるデータ削除、サーバー障害など、ホームページに関わるトラブルはいつ起きるかわかりません。こうした事態が発生したとき、バックアップがあれば元の状態に戻すことができますが、バックアップがなければ原因の調査から復旧作業まで多くの時間を費やすことになり、その間ホームページが閲覧できない状態が続きます。
ホームページは会社やお店の情報を発信する重要な窓口です。長時間にわたって閲覧できない状態が続けば、機会損失につながる可能性があります。定期的なバックアップを習慣にすることが、安定したホームページ運営の基盤となります。
バックアップすべきデータの種類

ホームページのバックアップを取る際には、保存すべきデータの種類を把握しておくことが重要です。必要なデータが揃っていなければ、トラブルが発生しても完全な復旧ができません。
サーバー上のファイル
サーバー上のファイルとは、HTML・CSS・JavaScriptファイル、画像データなど、ホームページの見た目や動作を構成するデータです。これらが失われると、ページが正常に表示されなくなります。
FTPソフトを使ってサーバーに接続し、ファイル一式をダウンロードして保存しておくことが基本的な対応です。
データベース
CMSを利用している場合、投稿記事や固定ページ、各種設定などのテキスト情報はデータベースに保存されています。サーバー上のファイルが無事でも、データベースが失われると記事が表示されなくなったり、管理画面にログインできなくなったりと、ホームページ運営に深刻な影響が出ます。
CMSを利用しているホームページは、サーバー上のファイルと合わせて必ずバックアップ対象に含めてください。
契約・FTP・パスワードなどの管理情報
サーバーやドメインの契約情報、FTPアカウント、各種パスワードが記載されたファイルも、バックアップ対象に含めるべき重要なデータです。これらの情報が失われると、サーバーへのアクセスやドメイン更新といった基本的な管理作業ができなくなります。
ホームページのバックアップデータと合わせて保管しておくと安心です。
ホームページのバックアップ方法

ホームページのバックアップ方法は、制作環境によって異なります。自社のホームページがどの方法で作られているかを確認したうえで、適切な手順を選んでください。
HTMLサイトの場合
HTMLファイルやCSS、JavaScriptファイル、画像データなどをサーバー上に直接アップロードして運営しているホームページは、FTPソフトを使ったバックアップが基本です。
FileZillaやCyberduck、FFFTPなどのFTPソフトでサーバーに接続し、ホームページを構成するファイル一式をまとめてダウンロードします。フォルダ構造を維持したままダウンロードできるため、再アップロード時にも元の状態に戻しやすいのが特徴です。
バックアップ後はファイルの構造を変更しないよう注意してください。フォルダの階層が崩れると、再アップロード時にページが正しく表示されなくなる場合があります。
CMSを利用している場合
CMSを利用している場合、サーバー上のファイルに加えてデータベースのバックアップも必要です。
記事や固定ページ、各種設定といった情報はデータベースに保存されているため、ファイルだけをバックアップしても完全な復元はできません。
代表的なCMSであるWordPressでは、バックアッププラグインを活用することで、専門的な知識がなくても管理画面から手軽にバックアップを取得できます。具体的な手順はWordPressのバックアップ方法のページで詳しく解説しています。
ホームページ制作ツールを利用している場合
JimdoやWixなどのホームページ制作ツールを利用している場合、多くのツールでバックアップ機能が標準搭載されています。
管理画面からバックアップ設定を確認し、自動バックアップが有効になっているかどうかを確認しておきましょう。ツール専用の形式でデータが保存されるため、同じツール内であれば簡単に復元できます。
ただし、プラットフォームのサービスが終了した場合、データの移行や復元が困難になるリスクがある点は理解しておく必要があります。
サーバーのバックアップ機能を利用する場合
エックスサーバーやさくらのレンタルサーバー、ロリポップなど、多くのレンタルサーバーでは自動バックアップ機能が標準で提供されています。
サーバーの管理画面からバックアップ設定を確認し、自動バックアップが有効になっているかどうかを確かめておきましょう。一般的に日次や週次でバックアップが実行され、管理画面から任意の日付のデータを復元できます。サーバーのバックアップ機能はあくまでサーバー側の仕組みであるため、サーバー自体に重大な障害が発生した場合には利用できないケースもあります。
その他のバックアップ方法と組み合わせて活用することで、より確実なデータ保全が実現できます。
バックアップデータの保存場所

バックアップデータをどこに保存するかは、いざというときに確実に復元できるかどうかを左右する重要な選択です。それぞれの特徴を把握したうえで、複数の場所に分散して保管することをおすすめします。
外付けHDD・USBメモリ
外付けHDDやUSBメモリは、インターネット環境がなくてもデータにアクセスできる点が特徴です。
手軽に持ち運べるため、オフラインでのバックアップ保管として広く利用されています。ただし、物理的な衝撃や経年劣化によってデータが読み取れなくなるリスクがあるため、定期的に状態を確認することが大切です。
自社サーバー
バックアップ専用のサーバーを別途用意する方法です。
メインのサーバーとは独立した環境にデータを保管できるため、サーバートラブルが発生した場合でもバックアップデータを安全に保持できます。大容量のデータを安定して管理したい場合に適した方法です。
クラウドストレージ
Google DriveやDropboxなどのクラウドストレージは、インターネット経由でデータを保存する方法です。
物理的なデバイスに依存しないため、パソコンや外付けHDDが故障した場合でもデータを守ることができます。複数のデバイスからアクセスできる利便性も高く、担当者が複数いる場合の共有にも適しています。
自社のパソコン内
自社のパソコン内への保存は、インターネット接続が不要でデータの管理がしやすい点がメリットです。
ただし、パソコン自体が故障・紛失した場合にバックアップデータも失われるリスクがあります。パソコン内への保存だけで完結させず、外付けHDDやクラウドストレージと組み合わせて運用することが重要です。
バックアップを取るべきタイミング

バックアップは取得すること自体が目的ではなく、トラブルが発生したときに確実に復元できる状態を維持することが重要です。適切なタイミングで取得する習慣を身につけることが、安定したホームページ運営につながります。
システムなどのバージョンアップの前に実施
CMSやプラグイン、テーマのバージョンアップを行う前には、必ずバックアップを取得してください。
バージョンアップはセキュリティや機能面で重要な作業ですが、既存の環境との互換性によって管理画面が開けなくなったり、ページの表示が崩れたりといったトラブルが発生することがあります。事前にバックアップを取っておけば、問題が起きても速やかに元の状態に戻せます。
決まったサイクルでの実施
バージョンアップがない時期でも、定期的なバックアップを習慣にすることが大切です。
バックアップの間隔が長すぎると、トラブル発生時に古いデータからしか復元できず、その後に追加・更新したコンテンツがすべて失われることになります。ホームページの更新頻度に合わせて週次や月次などサイクルを決め、継続して実施する体制を整えておきましょう。
まとめ
ホームページのバックアップは、予期せぬトラブルからデータを守るための基本的な備えです。
バックアップすべきデータはサーバー上のファイルとデータベース、そして契約情報などの管理情報の3種類です。制作環境によってバックアップの手順は異なりますが、いずれの場合も複数の保存場所に分散して保管することで、より確実なデータ保全が実現できます。
バージョンアップ前の実施と定期的なサイクルでの取得を習慣にすることで、万が一のトラブルが発生しても迅速に復旧できる環境を整えることができます。
