WordPressのバージョンアップは、ホームページを安全に運用するうえで欠かせない作業です。しかし、正しい手順を踏まずに更新すると、プラグインの不具合やレイアウト崩れが起きることもあります。
この記事では、WordPressのバージョンアップの重要性と具体的な方法、リスクへの対処法、外注した場合の費用例まで解説します。
WordPressのバージョンアップとは
WordPressのバージョンアップとは、WordPress本体を最新バージョンに更新する作業のことです。WordPressは定期的に新バージョンがリリースされており、セキュリティの強化や機能の改善、不具合の修正などが含まれています。
バージョンアップには、大きな機能追加を伴うメジャーアップデートと、細かな修正を中心とするマイナーアップデートの2種類があります。メジャーアップデートは手動での対応が必要ですが、マイナーアップデートはデフォルトで自動更新される設定になっています。
古いバージョンのまま放置すると、セキュリティの脆弱性が残り続け、不正アクセスや情報漏洩のリスクが高まります。なお、バージョンアップはWordPress本体だけでなく、プラグインも合わせて更新する必要があります。ホームページを安全に運用するためには、バージョンを最新の状態に保つことが基本的なメンテナンスの一つです。
WordPressのバージョンアップが重要な理由

WordPressのバージョンアップを怠ると、セキュリティリスクの増大やホームページの動作不良につながる可能性があります。ここでは、定期的なバージョンアップが重要な理由を解説します。
セキュリティの脆弱性を塞げる
WordPressは世界中で広く使われているCMSであるため、悪意のある攻撃者に狙われやすい特性があります。古いバージョンには既知の脆弱性が残ったままになっており、その情報は公開されているため、対策を取っていないホームページは攻撃の標的になりやすい状態です。
WordPressをバージョンアップすることでこれらの脆弱性が修正され、不正アクセスや情報漏洩のリスクを下げることができます。
ホームページのパフォーマンスが維持される
WordPressの新バージョンには、処理速度の改善やデータベースの最適化といったパフォーマンス向上の改修が含まれることがあります。古いバージョンを使い続けると、こうした改善の恩恵を受けられないだけでなく、PHPや使用しているサーバー環境との相性問題が生じ、ページの読み込みが遅くなるケースもあります。
表示速度はユーザー体験だけでなくSEOにも影響するため、WordPressを最新バージョンに保つことが安定した運用につながります。
プラグインの互換性を保てる
WordPressのプラグインは、特定のバージョンに合わせて開発・更新されています。バージョンアップを怠ってWordPress本体が古いままだと、新しいプラグインが正常に動作しなかったり、セキュリティ対応済みの最新プラグインに切り替えられなかったりする場合があります。
定期的に更新することで互換性を保ち、機能面でもセキュリティ面でも安定した状態を維持できます。
WordPressのバージョンアップの種類

WordPressのバージョンアップには、メジャーアップデートとマイナーアップデートの2種類があります。それぞれ更新の規模や対応方法が異なるため、違いを把握しておくことが大切です。
メジャーアップデート
メジャーアップデートは、新機能の追加やエディターの刷新など、WordPressの大きな変更を伴うバージョンアップです。
バージョン番号が「6.4」から「6.5」のように変わる更新がこれにあたります。デフォルトでは自動更新されないため、管理画面から手動で実行する必要があります。プラグインやテーマへの影響が大きい場合があるため、事前にテスト環境で動作確認を行ってから本番サイトに適用することが推奨されます。
マイナーアップデート
マイナーアップデートは、セキュリティの修正や軽微な不具合の改善を目的とした小規模なバージョンアップです。
バージョン番号が「6.5.1」から「6.5.2」のように変わる更新がこれにあたります。デフォルトで自動更新される設定になっており、基本的には手動での対応は不要です。ただし、自動更新のタイミングによってプラグインとの予期しない競合が起きる場合があるため、自動更新を無効にして手動で対応することをおすすめします。
WordPressのバージョンアップを行う前の準備

バージョンアップを行う前に、まず管理画面で更新が必要かどうかを確認します。管理画面にログインすると、画面上部にWordPress本体の更新通知が表示されます。プラグインの更新状況は左メニューの「プラグイン」から確認できます。更新が必要な項目を把握したうえで、以下の準備を行ってください。
バックアップを取得する
バージョンアップを行う前に、WordPressのデータベースとファイル一式のバックアップを取得しておきます。
万が一、更新後にホームページが正常に動作しなくなった場合でも、バックアップがあれば元の状態に戻すことができます。バックアップにはAll-in-One WP MigrationやUpdraftPlusといったプラグインを活用すると、専門知識がなくても簡単に取得できます。
取得したバックアップデータは、サーバー上だけでなくローカル環境やクラウドストレージにも保存しておくと、サーバー障害が起きた場合に対応できます。
テスト環境を用意する
テスト環境とは、本番サイトとは別に用意する検証用のホームページのことです。
バージョンアップをテスト環境で先に実行することで、プラグインの動作不良やレイアウト崩れといった問題を本番サイトに影響を与えずに確認できます。WP Stagingなどのプラグインを使えば、本番サイトを複製したテスト環境を比較的簡単に構築できます。テスト環境での確認が完了し、問題がないと判断できた段階で本番サイトのバージョンアップを実施してください。
テスト環境を省略して本番サイトで直接作業を行うと、不具合が発生した際の影響範囲が大きくなるため、面倒でも省略しないことが重要です。
WordPressのバージョンアップの方法

準備が完了したら、次の手順でWordPressのバージョンアップを進めます。テスト環境で問題がないことを確認してから、同じ手順を本番サイトで実施してください。
プラグインを最新バージョンにする
WordPress本体のバージョンアップを行う前に、使用しているプラグインをすべて最新バージョンにアップデートします。
管理画面の「プラグイン」から更新が必要なプラグインを確認し、一括で更新することができます。プラグインが古いバージョンのままWordPressだけをバージョンアップすると、互換性の問題が発生しやすくなります。また、プラグインの中には開発が終了しているものもあるため、長期間更新されていないプラグインは代替のプラグインへの切り替えも検討してください。
すべてのプラグインを無効化する
プラグインを最新バージョンにアップデートしたら、WordPressのバージョンアップを実行する前に一時的にすべてのプラグインを無効化します。
管理画面の「プラグイン」から全選択して一括で無効化できます。この状態でバージョンアップを行うことで、万が一エラーが発生した場合にプラグインが原因かどうかを切り分けやすくなります。問題なくバージョンアップが完了したことを確認してから、次の手順に進んでください。
WordPress本体を最新バージョンにする
プラグインを無効化した状態で、WordPress本体のバージョンアップを実行します。
管理画面のダッシュボードに表示されている更新通知から最新バージョンへの更新を実行してください。バージョンアップ中はページを閉じたり操作を中断したりせず、完了のメッセージが表示されるまで待ちます。更新が完了したら、管理画面に正常にアクセスできるかどうかをまず確認してください。
プラグインを有効化して動作確認する
WordPressのバージョンアップが完了したら、無効化していたプラグインを一つずつ有効化して動作確認を行います。
一括で有効化するのではなく、一つ有効化するごとにホームページの表示や機能に問題がないかを確認することで、不具合が発生した場合にどのプラグインが原因かを特定しやすくなります。問題のあるプラグインが見つかった場合は、そのプラグインを無効化したまま開発元のサポートページで対応状況を確認するか、代替プラグインへの切り替えを検討してください。
すべてのプラグインで問題がないことを確認できたら、バージョンアップは完了です。
WordPressのバージョンアップのリスクと対処法

WordPressのバージョンアップ後に不具合が発生するケースは少なくありません。あらかじめ起こりやすいトラブルと対処法を把握しておくことで、問題が発生した際にも落ち着いて対応できます。
プラグインが動作しなくなる
WordPressをバージョンアップした後、特定のプラグインが正常に動作しなくなるケースがあります。
これはプラグインが新しいWordPressのバージョンに対応していないことが原因です。該当するプラグインを一時的に無効化し、開発元のサポートページやプラグインの更新履歴を確認して、対応バージョンがリリースされるまで待つか、同じ機能を持つ別のプラグインへの切り替えを検討してください。事前にテスト環境でバージョンアップを試しておくことで、本番サイトへの影響を防ぐことができます。
画面が真っ白になる
WordPressのバージョンアップ後に画面が真っ白になる場合、プラグインやテーマがバージョンアップに対応していないことが主な原因として考えられます。
まずバックアップから元の状態に戻し、テスト環境で原因となっているプラグインやテーマを特定してください。バックアップを事前に取得していない場合は、自力での復旧が難しくなるため、制作会社に相談することをおすすめします。
レイアウトが崩れる
WordPressをバージョンアップした後、ページのデザインやレイアウトが崩れることがあります。
テーマのCSSやテンプレートファイルが新しいバージョンのWordPressと競合していることが原因です。使用しているテーマに更新がある場合はテーマも合わせてアップデートし、それでも解消しない場合はテーマの開発元に問い合わせるか、バックアップから元の状態に戻して原因を調査してください。
WordPressのバージョンアップを外注する場合の費用例
WordPressのバージョンアップを制作会社に外注する場合、スポット対応であれば10万円からが費用の目安です。月額の保守契約に含める形であれば、1万円前後から対応している会社もあります。ただし、プラグインの数やホームページの規模、PHPのバージョンアップが必要かどうかによって費用は変わるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。
依頼先としては、そのホームページを制作した会社に相談するのが最善です。制作会社はホームページの構造やプラグインの構成を把握しているため、バージョンアップ時のリスクを正確に判断でき、トラブルが発生した場合の対応もスムーズです。
制作会社が廃業していたり連絡が取れなかったりする場合は、WordPressの保守・運用を専門に扱う会社に依頼することを検討してください。
WordPressのバージョンアップに関するよくある質問
WordPressのバージョンアップに関してよく寄せられる質問をまとめました。
バージョンアップの頻度はどのくらいが目安ですか?
制作会社と保守契約を結んでいる場合は、毎月バージョンアップを行うのが一般的です。スポットで対応している場合は、少なくとも半年から1年に1回を目安に実施してください。
更新を長期間放置するほど脆弱性が蓄積され、バージョンアップ時のトラブルも発生しやすくなります。
バージョンアップだけサポートしてもらえますか?
WordPressのバージョンアップのみのスポット対応も承っています。
バージョンアップに伴うテスト環境の制作やプラグインの動作確認まで対応しますので、自社での作業に不安がある場合はお気軽にご相談ください。
まとめ
WordPressのバージョンアップを怠ると、脆弱性が放置されたまま攻撃のリスクにさらされ続けることになります。定期的にバージョンアップを行うことで、セキュリティの強化やプラグインとの互換性を保つことができます。
作業前にはバックアップの取得とテスト環境での確認を徹底し、プラグインの更新から順を追って進めることが重要です。自社での対応が難しい場合は、ホームページの構造を把握している制作会社への外注を検討してください。
