ホームページ制作や運用に生成AIを活用したいというご相談が増えています。便利なツールが次々と登場していますが、任せる範囲を見極めないと期待した成果が得られないケースも少なくありません。
この記事では、デザインやコーディングに生成AIをおすすめしない理由と、文章と画像作成やデータ分析など効果的な活用方法、おすすめのAIツール、AIに頼る際の注意点を解説します。
生成AIでデザインとコーディングはやめた方が良い

生成AIはホームページ制作や運用を効率化できる便利なツールですが、すべての作業に向いているわけではありません。特にデザインとコーディングについては、現時点では生成AIに任せるべきではないと当社は考えています。
生成AIが力を発揮するのは、原稿や画像の作成、制作会社が作った成果物の内容確認といった用途です。ここでは、デザインとコーディングをAIに任せるべきでない理由を解説します。
デザイン上の問題点
生成AIにデザインを任せると、自社の特徴や雰囲気を打ち出しにくくなります。
AIは学習データをもとに平均的なデザインを出力するため、長年培ってきたこだわりや地域に根ざしたサービスの空気感といった、訪問者の印象に残る要素を表現するのが苦手です。結果として、どこかで見たような無個性なホームページに仕上がり、他社との差別化が図れません。
また、複数ページにわたる一貫性の確保も課題です。配色やボタンの形、余白の取り方といった細かな部分でページごとに微妙なずれが生じやすく、サイト全体で見たときに違和感のある仕上がりになることがあります。後からページを追加した際に、既存ページとの整合性が取れなくなるケースも珍しくありません。
さらに、操作性やユーザー導線の設計もAIには難しい領域です。どこにボタンを置けば問い合わせにつながるか、どの順番で情報を見せれば離脱を防げるかといった、成果から逆算した設計には、ターゲットや事業内容を深く理解したうえでの判断が求められます。
見た目はきれいでも問い合わせにつながらないホームページでは意味がないため、デザインはプロに任せることをおすすめします。
コーディング上の問題点
生成AIが出力するコードには、セキュリティ上の脆弱性が含まれるリスクがあります。これは静的なHTMLの話ではなく、WordPressなどのCMSや問い合わせフォームの処理など、サーバー側で動くプログラムが対象です。生成AIが作ったコードに脆弱性が含まれるケースは少なくないとされており、そのまま使えば個人情報の漏洩や不正アクセスにつながる恐れがあります。
脆弱性以外にも、ページごとに微妙なミスが大量に発生しやすいという問題があります。特定のブラウザやスマートフォンで表示が崩れたり、不要なコードが増えて読み込み速度が遅くなったりするケースが起こりがちです。1ページだけなら修正できても、サイト全体で同様の問題が散在していると、後から対処するのに膨大な時間がかかります。
サイト全体の統一感を保つのも難しいポイントです。ページごとにコードの書き方や構造がバラバラになるため、後からページを追加したり修正したりする際に、どこを直せばよいのかが分かりません。ホームページは公開して終わりではなく、継続的に更新していくものです。運用のしやすさまで考えると、コーディングは経験のある制作会社に依頼するのが安全です。
生成AIを使ってホームページ制作・運用を効率化する方法

デザインやコーディングには向かない生成AIですが、補助的に活用すれば制作や運用にかかる作業を大幅に効率化できます。ここでは、中小企業や個人商店でも取り入れやすい具体的な活用方法を紹介します。
文章の下書きに利用する
ホームページに掲載する文章をゼロから書くのは時間も労力もかかりますが、生成AIを使えば下書きを短時間で用意できます。
基本的には見出しごとに分けて依頼するのがおすすめで、まとめて長文を作らせるよりも内容の精度が上がります。さらに、自社の経験やエピソード、事例をAIに伝えたうえで下書きを作らせると、ありきたりな内容にならず説得力のある文章に仕上がります。
たとえば、過去の事例や顧客の反応を共有してから書かせることで、自社らしさのある文章が出てきます。AIが作った下書きをそのまま使うのではなく、自社の言葉で調整を加えることで、読者に響く原稿が効率よく完成します。
アイデア出しに活用する
ホームページに掲載するコンテンツのテーマやキャッチコピー、サービスの切り口など、アイデアが浮かばずに悩む場面は多いものです。
生成AIに業種や目的、ターゲット層を伝えれば、複数のアイデアを短時間で提示してくれます。たとえば、新商品のキャンペーン名やブログ記事のタイトル案、よくある質問の項目など、自分一人では思いつかなかった発想が得られることもあります。
出てきたアイデアをすべて採用する必要はなく、使えそうなものを選んだり組み合わせたりして自社のホームページに活かすのが効果的です。一度の指示で完結させず、出てきた案に対して質問や追加の指示を重ねていくことで、より具体的で使えるアイデアにたどり着けます。
アクセス解析データの分析にAIを活用する
Googleアナリティクスやサーチコンソールから得られるデータは膨大で、どの数値に注目すればよいか分からず活用しきれていない方も多いはずです。
生成AIにデータを読み込ませて分析を依頼すれば、訪問者の傾向や流入経路、離脱しやすいページなどを整理してくれます。さらに、数値をもとに改善の方向性まで提案してくれるため、専門知識がなくてもホームページ改善のヒントが得られます。
たとえば、特定のページで離脱率が高い場合に、アクセス解析とヒートマップの結果を送信すれば、原因と対策案をAIが示してくれるといった使い方も可能です。データを眺めるだけで終わらせず、改善行動につなげるためのパートナーとして活用することで、運用の質を高められます。
問い合わせ内容や購入データを整理してホームページ改善に活かす
ホームページに届く問い合わせや、ECサイトの購入データには、ホームページ改善のヒントが詰まっています。
たとえば、すでにサイト内に書かれている内容について問い合わせが来る場合、その情報が見つけにくい場所にあったり、説明が分かりにくかったりする可能性があります。生成AIに問い合わせ内容をまとめて読み込ませれば、よくある質問や共通する不満点、追加すべき情報などを整理してくれます。ECサイトであれば、会員情報や売上データ、購入回数などを分析させることで、どの商品がリピートにつながりやすいか、どの年齢層に売れているかといった傾向も把握できます。
こうしたデータをもとに、料金ページの説明を補強したり、商品の見せ方を変えたりすることで、訪問者にとって使いやすく成果につながるホームページに育てていけます。
ソースコード上の課題をAIに指摘してもらう
ホームページのソースコードは、訪問者には見えない部分ですが、SEOや表示速度、アクセシビリティに大きく影響します。
とはいえ、専門知識がない方が自分でコードの良し悪しを判断するのは難しいものです。生成AIにソースコードを読み込ませれば、SEO面の問題点や読み込みを遅くしている要素、改善すべき記述などを指摘してくれます。指摘された内容をそのままホームページ制作会社に伝えれば、修正の依頼もスムーズに進みます。
これまでは制作会社に任せきりだった部分にも発注者側がチェックを入れられるようになり、ホームページの品質を客観的に見直せます。セカンドオピニオンとして生成AIを使うことで、安心してホームページを運用できるようになります。
画像やイラストを生成してもらう
ホームページの印象を左右する画像やイラストも、生成AIを活用すれば短時間で作成できます。
これまでは素材サイトで探したりデザイナーに依頼したりする必要がありましたが、生成AIに作りたいイメージを伝えるだけでオリジナルの画像やイラストを用意できるようになりました。たとえば、ブログのアイキャッチ画像やサービス紹介ページの挿絵など、専門知識がなくても作成できます。フリー素材では見つからない自社専用の画像を作れるため、他社との差別化にもつながります。
ただし、商用利用の可否はツールごとに異なるため、利用規約を確認したうえで使うようにしましょう。
当社がおすすめするホームページ制作・運用に役立つ生成AIツール
ホームページ制作や運用に使える生成AIツールは数多くありますが、目的に合わないものを選ぶと十分な効果が得られません。ここでは、当社が実際に使ったうえでおすすめできるツールをまとめました。
| ツール名 | 用途 | 注意点 |
| Claude | 最も日本語が上手い文章作成用の生成AIツールです。 他のAIツールではAIらしさがどうしても出てくるため、多少の修正が必要になるのですが、ClaudeではAIっぽさがほとんどありません。 さらに、CoworkやCodeを使えば、ビジネスに関する様々な内容を実行することができます。 |
全く知識がない方であれば原稿作成用として利用するのがおすすめです。 CoworkやCodeを使うと、PC内の重要なファイルが消されてしまったり、セキュリティリスクに侵される恐れがあります。 CoworkやCodeを利用する場合は、最低限の知識を持ってから利用するようにしましょう。 また、Claudeはトークン消費量が多く、利用頻度が高い場合はMaxプランを契約する必要があります。 |
| Gemini | Geminiを最も利用したいポイントはNano Bananaです。 Nano Bananaは生成AIツールの中で最も画像生成が上手く、簡潔でわかりやすいプロンプトを記述すれば理想通りの画像を生成してくれます。 さらに、NotebookLMも利用することができるため、自社が指定したソースからのみで優れた文章を生成するのにも役立ちます。 |
GeminiはGoogle検索を行った上で回答をしてくれるため、精度の高い文章生成を行うことが可能ですが、検索結果に表示された誤情報を拾ってくる恐れもあります。 そのため、Geminiで文章作成を行う際には、自分が分からない内容が書かれている場合、必ず信頼性の高いホームページで記述している内容が適切かどうかを判断する必要があります。 |
| ChatGPT | ChatGPTは全ての業務を平均的にこなせる生成AIツールです。 文章と画像作成、コードの記述と確認など、一通りのことを実施することが可能です。 ChatGPTでおすすめする利用方法は、アイデア出しになっています。 ChatGPTは満遍なく全てをこなすことができるため、偏った情報が出づらいイメージがあります。 |
ChatGPTでアイデア出しや文章作成、画像生成を行なった場合には全てのAIツールの中で最も多くの時間を確認に費やすようにしなくてはなりません。 優れたアイデアや文章が出てくるケースもありますが、間違えた情報をベースに生成されるケースも少なくありません。 他の生成AIツールも同様ですが、特に気をつけたいツールであると言えます。 |
| Grok | GrokはX内での投稿をベースに文章作成を行える生成AIツールです。 そのため、リアルタイム性の高い文章作成は全てのAIツールの中で最も優れていると言えます。 |
GrokはXでの投稿がベースになっているため、情報が偏っているという注意点があります。 Xに投稿がほとんどない内容で文章作成を依頼すると、一部のユーザーが言っている内容が大きな影響を与える文章が生成されます。 |
どの生成AIツールも無料プランから試せるため、まずは実際に使ってみて自社の目的に合うものを選ぶのがおすすめです。
生成AIに頼ったホームページ制作・運用の注意点

生成AIを活用すればホームページ制作や運用の効率は大きく上がりますが、頼りすぎると思わぬ問題につながることがあります。ここでは、生成AIを使ううえで知っておきたい注意点を紹介します。
AIが生成した内容には誤りが含まれることがある
生成AIが作り出す文章や情報には、事実と異なる内容が含まれていることがあります。
学習データの古さや解釈のずれが原因となり、もっともらしい表現でありながら正確性に欠けるケースは珍しくありません。たとえば、自社のサービス内容を説明させたつもりが、実在しない機能や料金プランが書かれていたり、業界の数値が誤って記載されていたりすることもあります。
こうした誤りをそのまま公開すると、訪問者の信頼を失うだけでなく、場合によってはクレームにつながる恐れもあります。生成AIが作った内容は下書きとして受け取り、必ず人の目で事実確認を行ったうえで公開するようにしましょう。
成果を出すには目視での確認と調整が必須になる
生成AIが作った文章に誤りがなかったとしても、そのままホームページに掲載して成果が出るとは限りません。
SEOで上位表示を狙うには、検索意図に合った構成や競合との差別化、キーワードの配置といった戦略的な調整が必要です。また、問い合わせや購入につなげるには、ターゲットに響く表現や、ページ内での情報の見せ方にも工夫が求められます。
生成AIは文章の土台を作るのは得意ですが、こうした成果に直結する調整までは行えません。検索順位の向上や成約率の改善を目指すなら、AIが作った内容を人の目で確認し、目的に合わせて手を加えることが欠かせません。
まとめ
生成AIを活用すれば、ホームページ制作や運用にかかる手間を大幅に減らせます。ただし、デザインやコーディングのようにプロの判断が求められる領域には向いておらず、文章の下書きやアイデア出し、データ分析、画像作成といった用途で補助的に使うのが効果的です。
AIが生成した内容には誤りが含まれることもあるため、必ず人の目で確認し、検索意図や成約につながる調整を加えることが成果を出すための条件になります。自社の目的に合ったツールを選び、無理のない範囲から取り入れていきましょう。
