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ブログ記事の削除とSEOの関係とは?効果的な手順と注意点
ブログの記事が増えるにつれて、更新されていない古い記事や、似た内容の記事が目立つようになります。こうした状態を放置すると、SEO評価に悪影響を及ぼすこともあります。
この記事では、ブログ記事の削除によってSEO効果を高める理由や適切な削除の進め方、注意点を紹介します。
ブログ記事の削除でSEO効果が高まる理由とは
SEO対策といえば、記事を増やして情報を充実させるという考え方が一般的です。しかし、すべての記事がホームページにとってプラスに働くわけではありません。質の低い記事や役割を終えた古い記事が残っていると、かえってSEOの足を引っ張ってしまうことがあります。
ここでは、なぜ記事を削除することでSEO効果が高まるのかを解説します。
サイト全体のSEO評価を下げていた価値の低いコンテンツがなくなる
Googleはサイト全体の品質を評価する際に、ページ単位ではなくドメイン全体のコンテンツ傾向を見ています。つまり、一部に優れた記事があっても、他の記事が明らかに品質の低いものであれば、サイト全体の評価に悪影響を及ぼすことがあります。
たとえば、読者の滞在時間が極端に短い、内容が浅く目的が明確でない記事などが該当します。こうした記事を削除すれば、サイト全体の品質評価が高まり、他の記事のSEO効果が改善される可能性があります。
重複コンテンツの削除でカニバリゼーションを防げる
ブログを長く運用していると、似たような内容の記事が増えてしまうことがあります。これが原因で、検索エンジンはどの記事を評価すべきか判断できず、いわゆるカニバリゼーションが起こります。
この状態では、いずれの記事も上位に表示されにくくなります。重複度の高いコンテンツや目的が似通った記事は、より内容が充実した記事に統合するか、不要であれば削除することで、検索エンジンに明確な評価軸を示すことができ、特定の記事の検索順位を高めることができます。
古くなった情報の削除でユーザー満足度と信頼性が向上する
古い情報を放置していると、ユーザーが最新情報を得られずに不信感を抱く原因になります。たとえば、過去のキャンペーン情報や古い技術解説、すでに終了したサービスの紹介記事などが該当します。
こうした情報は検索経由で訪問したユーザーにとって無意味であり、直帰率や滞在時間の悪化につながります。ユーザー体験が低下することで記事の評価も下がり、結果として検索順位が落ちる可能性があります。
不要な古い記事を削除し、常に最新かつ有益なコンテンツだけを公開している状態を保つことが、ユーザーの満足度向上とSEO対策の両面で重要です。
SEO効果を高めるブログ記事削除の手順
ブログ記事を削除してSEO効果を高めるためには、やみくもに削除するのではなく、目視とデータに基づいた判断が欠かせません。ここでは、実際にどのように記事を削除していくべきか、その手順を解説します。
記事の内容を目視で確認して削除の可否を判断する
記事の削除を検討する際には、まず実際の内容を目視で確認することが重要です。アクセス数や検索順位などの数値では判断できないコンテンツとしての質は、人の目で見てこそ分かる部分があります。特に、次のような特徴がある記事は、削除候補として検討に値します。
- 内容が薄く、独自性や具体性に乏しい
- 他の記事と重複しており、統合が望ましい
- 情報が古く、現在の状況と一致していない
- タイトルと本文が一致しておらず、ユーザーの期待を裏切っている
これらに該当する記事は、そのまま残しておくことでユーザー体験を損ね、SEOにも悪影響を与える可能性があります。ただし、すぐに削除を決断するのではなく、いったん候補としてリストアップしておきましょう。
このあと行うアクセス状況の分析やリライトの検討を通じて、最終的に削除すべきかを判断していきます。
データを使って削除候補の記事を洗い出す
目視で記事を確認したあとは、データを活用して、パフォーマンスが低い記事を客観的に洗い出します。
Googleサーチコンソールの検索パフォーマンスレポートでは、ページごとの表示回数・クリック数・平均掲載順位などを確認できます。この数値が極端に低い、たとえば、「検索結果にほとんど表示されていない」「平均掲載順位が50位以下」といった記事は、検索流入の見込みがほとんどないため、削除候補として検討できます。
あわせて、Googleアナリティクスなどのアクセス解析を使えば、直帰率や滞在時間といったユーザー行動の指標も把握できます。極端に滞在時間が短い、または直帰率が非常に高い記事は、ユーザーにとって有益な情報を提供できていない可能性が高く、SEOに悪影響を及ぼすリスクがあります。
ただし、数値が悪い記事でもすぐに削除を決めるのは早計です。たとえば、外部から被リンクを獲得している記事や、検索意図にしっかり応えている内容を持つ記事は、リライトによって改善できる可能性があります。
データはあくまでも判断材料のひとつです。目視による内容確認と組み合わせながら、総合的に削除の是非を見極めることが重要です。
リライトによる改善が可能かを検討する
削除を検討している記事の中には、リライトによってSEO効果が高まるものも少なくありません。
たとえば、表示回数が少ない場合は、検索ニーズに合った内容を追加することで改善が期待できます。また、直帰率が高い記事は、ユーザーの期待に応えられていない可能性があるため、導入文や構成、見出しの改善が効果的です。
リライトによって記事の質が高まり、検索意図にマッチした内容になるのであれば、削除よりも価値のある対策になります。削除は最終手段とし、その前にリライトという選択肢を必ず検討しましょう。
リダイレクトすべきページがないかを探す
どうしても削除が必要な場合は、その記事と似たテーマの記事があるかを確認します。関連性が高い記事があるなら、301リダイレクトを設定することで、SEOの評価を引き継ぐことができます。
適切なリダイレクト先が見つからない場合は、404ページとして削除しても構いませんが、ユーザーに不便を与えないよう、オリジナルの404ページを作成しておきましょう。
内部リンクを調整してからブログ記事を削除する
記事を削除する際には、内部リンクしている他のページを確認し、不要なリンクを事前に削除または差し替えましょう。リンク切れはユーザー体験を損ねるだけでなく、クローラーの巡回効率にも悪影響を与えます。
ナビゲーションやサイトマップページであれば、すぐに気が付くと思いますが、コンテンツ内の内部リンクは見落としてしまう恐れがあるので、目視やツールを使って慎重な確認が必要です。リンク先を修正せずに記事だけを削除すると、思わぬリンク切れが残ってしまうため、SEOに悪影響を及ぼします。
リダイレクトと内部リンクの調整を終えてから、不要な記事の削除を実行するようにしましょう。
ブログ記事を削除する際に注意すべきポイント
ブログ記事を削除することでSEOに良い効果が期待できる反面、手順を誤ると逆に評価を落とす原因にもなります。ここでは、削除前に確認したい注意点を紹介します。
削除しすぎるとサイト全体のSEOに悪影響が出る
記事を一度に大量に削除してしまうと、サイト全体のSEO評価に悪影響が出る場合があります。特に、削除によって404ページが急増したり、無理に301リダイレクトを繰り返すと、検索エンジンからの評価が不安定になることがあります。
不要と判断した記事でも、まずはリライトによって改善できないかを優先的に検討し、削除は最終手段とするのが安全です。1本ずつ丁寧に判断する姿勢が重要です。
被リンクがある記事は削除しない方がよい
外部サイトから被リンクを獲得している記事は、たとえ内容が古かったりアクセスが少なかったとしても、ドメイン全体の評価に良い影響を与えている可能性があります。そのため、こうした記事は基本的に削除せず、内容をアップデートする方向での対応が望まれます。
被リンクの有無は、Googleサーチコンソールのリンクレポートや、外部の被リンクチェックツールなどで確認することができます。
アクセスが少なくても検索意図を満たしている記事は残す
アクセス数が少ないという理由だけで記事を削除するのは危険です。なぜなら、特定のニッチなキーワードや、限られた読者層に向けた記事は、表示回数やアクセス数が少なくても検索意図をしっかり満たしており、ユーザーの満足度に貢献している可能性があるからです。
検索意図に対して適切に情報提供できているかどうかを基準にし、単純なアクセス数ではなく記事の質で判断することが重要です。
削除の目的が記事数を減らすことになっていないか見直す
記事が多すぎるから減らしたいといった理由で削除を進めるのは本質的ではありません。SEO対策においては、記事の数ではなく、サイト全体の質や構造が評価されます。
削除の目的が数を減らすことそのものになっていないかを見直し、必ずホームページの品質向上やユーザーにとって不要な情報の排除といった、SEOに効果的な目的に沿っているかを確認しましょう。
まとめ:SEOを強化するためのブログ記事削除の考え方
ブログ記事の削除は、正しく行えばサイト全体のSEO評価を改善する効果的な手段です。しかし、やみくもに記事を減らすのではなく、目視とデータに基づいた判断と丁寧な対応が求められます。
目視とアクセス解析を活用し、パフォーマンスが悪いページを特定しましょう。そのうえで、リライトによる改善の余地があるかを見極め、削除が本当に必要かどうかを慎重に判断することが大切です。
削除する場合も、リダイレクトや内部リンクの調整を忘れずに行うことで、SEOへの悪影響を最小限に抑えられます。価値のあるコンテンツを見極め、不要な記事を適切に整理していくことが、結果的に検索順位やユーザー満足度の向上につながります。