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コーポレートサイトリニューアルの目的とコンセプト、費用を紹介
コーポレートサイトは、企業の顔として重要な役割を果たします。しかし、時代の変化や企業の成長に伴い、リニューアルが必要になることも多いです。
本記事では、コーポレートサイトリニューアルを検討中の企業担当者に向けて、その目的や進め方、リニューアル後にやるべきこと、さらには費用の目安について解説します。リニューアルの流れを把握することで、効率的かつ効果的にリニューアルを進められるでしょう。
目次
コーポレートサイトリニューアルとは
コーポレートサイトとは、企業の情報を発信し、ブランドイメージを形成するための重要なホームページです。
しかし、事業内容や市場環境の変化によって、現在のコーポレートサイトが企業の実態や目標に合わなくなることがあります。このような場合、リニューアルが必要になります。
リニューアルの主な目的は、情報の更新やデザインの刷新だけでなく、企業の価値やメッセージを効果的に伝えることです。さらに、現在のウェブ標準やSEOトレンドに対応することで、検索エンジンでの評価を向上させ、新たな顧客層の獲得を目指します。
コーポレートサイトについて詳しくは、コーポレートサイトとは?で、定義や役割について解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
コーポレートサイトをリニューアルする目的
コーポレートサイトのリニューアルは、単に見た目を変えるだけではなく、企業の課題解決や目標達成のために行う重要な施策です。ここでは、代表的な目的を紹介します。
企業やブランドイメージの刷新
企業の方向性が変わったり、ブランドを再構築したい場合、コーポレートサイトのデザインや構成を見直すことが必要です。古いままのサイトでは、現在の企業像と一致せず、顧客や取引先に誤った印象を与えてしまうこともあります。
たとえば、スタートアップから成長企業へとステージが変わった場合や、社名変更・ロゴ変更を伴うブランディングの再設計があった場合には、サイト全体をリニューアルし、企業の今を正しく伝えることが効果的です。
第一印象としての役割が大きいだけに、コーポレートサイトの刷新はブランディング強化に直結します。
ユーザビリティの改善
ユーザーが必要な情報にすぐアクセスできるよう、コーポレートサイトの構造や導線を見直すのもリニューアルの重要な目的です。
旧来のサイトでは、スマートフォンでの操作性が悪かったり、ページ内で迷いやすい構成になっているケースも少なくありません。そうした課題を解消することで、訪問者のストレスを軽減し、滞在時間やコンバージョン率の向上につながります。
また、ユーザー視点での改善は、企業の信頼性や親しみやすさにも影響するため、成果を上げるためには不可欠な要素です。
情報の最新化と整理
掲載している情報が古いままだと、訪問者に不信感を与えたり、機会損失につながることもあります。リニューアルを通じて、事業内容の変更、新製品やサービスの追加、スタッフの入れ替えなどに合わせて情報を更新・整理することで、訪問者にとって分かりやすく、有益なコーポレートサイトに生まれ変わります。
また、社内でもどこに何があるかが把握しやすくなるため、情報管理や運用の効率化という面でも大きなメリットがあります。
モバイル対応・セキュリティ強化
スマートフォンからのアクセスが主流となった現在、モバイルフレンドリーなサイト設計は必須です。また、常時SSLなどのセキュリティ対策も併せて行うことで、ユーザーの安心感を高めることができます。
古いままのコーポレートサイトでは、ページがスマホで崩れて見えたり、SSL未対応でブラウザに保護されていない通信と表示されるケースもあり、信頼性に影響します。Googleもモバイル対応やセキュリティ強化を検索評価の要因に含めているため、SEO対策としてもリニューアルは有効です。
SEO・集客効果の向上
検索順位の改善や新規ユーザーの獲得を目指す場合、SEOに配慮したサイト設計やコンテンツ構成が重要です。リニューアルの際に、構造化データの導入や内部リンクの最適化、ページ速度の改善などを行うことで、検索エンジンからの評価を高められます。
また、リニューアルに合わせてSNS連携やWeb広告との動線を整備することで、検索流入以外のチャネルからも集客力を高めることができます。これまで集客に課題があった企業にとって、リニューアルはWebマーケティング全体を見直す絶好のタイミングです。
さらに、サイト全体のデザインや導線を見直すことで、訪問者が必要な情報に素早くたどり着けるようになり、直帰率の低下やコンバージョン率の向上が期待できます。ターゲット層に合わせたビジュアル設計やコピーライティングを工夫することで、ブランドに共感するユーザーの獲得にもつながります。
コーポレートサイトリニューアルのコンセプト
コーポレートサイトのリニューアルでは、企業の目的や方向性をどう表現するかが鍵になります。その軸となるのがコンセプトです。ここでは、代表的なコンセプトの方向性を紹介します。
信頼感・安心感を重視
金融・医療・法律・製造業など、誠実さや正確さが求められる業種では、信頼感や安心感を中心に据えたコンセプトが効果的です。
色合いとしては落ち着いたブルーやグレーを基調にし、整ったレイアウトやフォント選びにより、情報の正確性や誠実さを視覚的に訴求します。また、沿革やスタッフ紹介、資格や実績の表示なども、信頼性を補完するコンテンツとして有効です。
見る人がこの会社なら任せられると感じるような、慎重で整然とした印象づくりが求められます。
革新性・先進性の打ち出し
IT企業やスタートアップ、研究開発型の事業などでは、先進性をアピールすることで企業の価値を高めることができます。大胆なアニメーションや斬新なタイポグラフィを取り入れ、最先端であることを直感的に伝える設計が求められます。
また、製品・技術紹介ページにおいても、ビジュアルやコピーに一貫した未来志向のトーンを持たせることで、閲覧者に業界を牽引する存在という印象を与えることができます。
変化や挑戦を象徴するコンセプトは、特に若年層やグローバル市場を意識したブランディングに向いています。
親しみやすさ・人間味のある設計
採用を重視する企業や、地域密着型の事業では、親しみやすさや人柄の伝わる温かみを前面に出した設計が効果的です。
柔らかい色合い、丸みのあるフォント、スタッフの写真や社内風景を積極的に使うことで、企業の人間味を伝えることができます。どんな人が働いているのか、どんな雰囲気なのかが伝わることで、求職者の応募意欲が高まるほか、地域のユーザーや取引先にも安心感を持ってもらえます。
無機質な企業サイトではなく、顔の見える会社にしたいときに適したコンセプトです。
実績・専門性を強調
BtoBや専門性の高いサービスを提供している企業では、信頼感だけでなく実績や技術力、専門性を明確に打ち出すことが重要です。導入事例やお客様の声、受賞歴、対応業種の幅などを積極的に掲載し、説得力のあるコンテンツ構成にします。
また、ホワイトペーパーや技術コラムなどの発信も、知見の深さを伝える有効な手段です。選ばれている理由が一目でわかるような設計にすることで、比較検討中のユーザーに対して強いアピールとなり、リード獲得につながります。
ホームページリニューアルに必要な期間
コーポレートサイトリニューアルに必要な期間は、プロジェクトの内容や規模によって異なります。一般的には4~6ヶ月程度が目安です。ただし、複雑なデザインや新機能の実装を伴う場合には、さらに長期間を要することもあります。そのため、スケジュールには十分な余裕を持ち、早めに依頼を行うことが重要です。
スムーズなリニューアルを進めるためには、初期段階の計画が鍵となります。具体的には、リニューアルの目的を明確にし、コンセプトをしっかりと考えた上で、提案依頼書を作成することが推奨されます。この準備が整うことで、制作会社とのやり取りが効率的になり、作業期間の短縮に繋がります。
さらに、ホームページ制作では、SEOへの配慮も欠かせません。リニューアル時には検索順位の変動を最小限に抑えるために、現在のSEO状況を分析し、適切な移行作業を行うことが大切です。こうした作業をしっかり行うことで、リニューアルの成功率を高めることができます。
リニューアルにかかる期間は、目的や規模、関係者との調整状況によって変動します。制作会社と相談しながら、具体的なスケジュールを立てることで、効率的なプロジェクト進行が可能になります。
コーポレートサイトリニューアルの進め方
コーポレートサイトのリニューアルを計画的に進めることは、成功のカギです。ここでは、リニューアルのプロセスを段階的に解説し、ポイントを押さえた進め方をご紹介します。
1. 目的を明確にする
コーポレートサイトリニューアルの第一歩は、目的を明確にすることです。
目的が曖昧なままだと、方向性がぶれてしまい、結果的に期待通りの成果を得られない可能性があります。具体例として、ブランドイメージの刷新や製品やサービス情報の見やすさの向上、訪問者数や問い合わせ数の増加などが挙げられます。
また、ターゲットユーザーがどのような情報を求めているのかをリサーチし、そのニーズに応じた目的を設定することも重要です。目的を明確にすることで、制作会社に伝える要件が具体化し、効率的なリニューアルが可能になります。
2. コンセプトを考える
目的が明確になったら、その目的を実現するためのコンセプトを考えます。
コンセプトは、リニューアル全体の軸となる重要な要素です。たとえば、シンプルで信頼感のあるデザインやターゲット層に合わせたユーザー体験など、具体的なテーマを設定しましょう。
その際に、現状のサイトの課題や競合サイトの特徴を分析することが有効です。また、企業のビジョンや強みをしっかりと反映させたコンセプトにすることで、リニューアル後のコーポレートサイトが一貫性を持ったものになります。
3. 提案依頼書を作成する
リニューアルをスムーズに進めるためには、提案依頼書の作成が欠かせません。この書類には、プロジェクトの目的、サイトに必要な機能、納期、予算などを具体的に記載します。提案依頼書を作成することで、制作会社が具体的な提案を行いやすくなり、ミスマッチを防ぐことができます。
また、作成時には現在のコーポレートサイトのアクセスデータや改善点も盛り込むことで、より適切な提案を受けられるでしょう。
提案依頼書について詳しくは、ホームページ制作の提案依頼書(RFP)!をご覧ください。
4. 制作会社との打ち合わせ
提案依頼書を基に、制作会社との打ち合わせを行います。
この段階では、提案依頼書に記載した要件をさらに詳細化し、自社の具体的な要望をしっかりと伝えることが重要です。例えば、デザインの方向性やターゲットユーザー像、リニューアル後に期待する成果などを共有することで、制作会社が提案の精度を高めることができます。
打ち合わせはコーポレートサイトリニューアルの成功の基盤を築く重要なステップです。ここでのやり取りを通じて、自社の意図を正確に伝えることで、質の高い提案が得られ、リニューアルを円滑に進めるための土台を整えることができます。
5. 発注業者を選定する
コーポレートサイトリニューアルでは、複数の制作会社から提案を受け、その中から最適な業者を選定することが重要です。提案内容を比較する際には、以下のポイントを考慮してください。
- これまでの実績
特にコーポレートサイトのリニューアル経験が豊富な制作会社は信頼性が高いと言えます。 - コミュニケーションのスムーズさ
質問や要望への対応が早く適切であることはリニューアルを進める上で重要な要素です。 - 提案内容の具体性と創造性
自社の要望に合った具体的なプランや他にはない創造的なアイデアがあるかを確認しましょう。 - 費用対効果
予算内で期待する成果を実現できるかのコストパフォーマンスをしっかりと見極めることが必要です。
これらのポイントを総合的に判断することで、信頼できる制作会社を選ぶことができます。選定は、リニューアルの成功に直結する重要なプロセスです。十分に検討した上で最適な業者を選びましょう。
6. テストアップ完了後の最終確認
コーポレートサイトのリニューアルが完了したら、公開前にテストアップされた段階で最終確認を行います。その際に、以下の項目を重点的に確認してください。
- デザインやコンテンツの正確さ
- ページが正しく表示されるか
- URL変更時のリダイレクト設定の適切性
特にリダイレクト設定はSEOに大きな影響を与えるため、必ずチェックしてください。適切な設定が行われていない場合、検索順位が大幅に下落する可能性があります。
7. コーポレートサイトを公開
すべての確認が完了したら、いよいよコーポレートサイトを公開します。公開のタイミングは、訪問者への影響を最小限に抑えるため、アクセスの少ない時間帯を選ぶことが望ましいです。
公開後は、動作確認を徹底的に行い、意図しないエラーやリンク切れがないか確認します。また、新しいコーポレートサイトが検索エンジンに正しく認識されるよう、サイトマップの送信やクロールの状況をチェックすることも忘れないでください。
公開作業はリニューアルの最終段階であり、ここでの細かい確認が成果を最大化するために重要です。
コーポレートサイトリニューアル後にやるべき内容
コーポレートサイトのリニューアルが完了した後に、必要な対応を適切に行うことで、リニューアルの効果を最大化できます。ここでは、リニューアル後に実施すべき重要な内容を紹介します。
お知らせを更新
リニューアルしたことを訪問者に伝えるために、コーポレートサイトに、リニューアルしましたというお知らせを公開しましょう。その際に、リニューアルの目的や新たに追加された機能など、利用者に向けたメッセージを記載すると、より訪問者に親しみを持たれやすくなります。
お知らせは、新規の訪問者だけでなく、既存顧客や取引先への情報共有としても効果的です。
プレスリリースの配信
コーポレートサイトリニューアルの内容を広く周知するために、プレスリリースを配信しましょう。
プレスリリースは、ニュースメディアや検索エンジンなどで露出を増やす役割を果たします。新しいサービスや事業戦略がリニューアルに関連する場合、その意図を明確に記載することで、企業イメージを向上させることができます。
SNSでの告知
SNSは、リニューアル情報を効率的に拡散するための有力な手段です。
企業の公式アカウントで、コーポレートサイトリニューアルの背景や新しいデザインのポイントを紹介する投稿を行いましょう。画像や動画を活用すると、視覚的にわかりやすく伝えることができます。
また、フォロワーとのインタラクションを促進するため、新しいサイトをご覧ください!といった行動喚起のメッセージを含めると効果的です。
分析ツールを活用した継続的な改善
リニューアル後は、Googleアナリティクスやサーチコンソールなどの分析ツールを活用して、コーポレートサイトのパフォーマンスをモニタリングすることが重要です。
アクセス数、訪問者の行動、検索キーワードなどを定期的に確認し、改善点を特定しましょう。特に、SEO効果やコンバージョン率が想定通りかを分析し、必要に応じて調整を行うことで、リニューアルの効果を長期的に維持できます。
コーポレートサイトリニューアルの費用例
コーポレートサイトのリニューアルには、規模や内容によってさまざまな費用がかかります。ここでは、一般的な費用例を紹介し、どのような要素が費用に影響するのかを解説します。リニューアルを計画する際の参考にしてください。
50万~100万円:一般的な規模の費用
この範囲の費用は、比較的小規模なリニューアルに該当します。主にページ数やコンテンツ数が限定され、基本的な機能の追加や調整が中心です。
たとえば、10~20ページ規模のコーポレートサイトで、フォーム機能や必要最低限のプログラムを備えたリニューアルがこの価格帯に含まれます。また、この価格帯では詳細な市場調査や戦略的な分析を行わず、現状の課題を解決することを目的としています。
そのため、3ヶ月前後という比較的短期間で進行できるのが特徴です。
100万~300万円:複雑で規模が少し大きな場合の費用
この価格帯は、より高度な機能や独自の要件を盛り込んだリニューアルに適しています。たとえば、フルスクラッチCMSの開発や多言語対応、複数種類の問い合わせフォームの設置などが含まれます。さらに、SEO対策を含めた戦略的な設計や、特定のターゲット層に合わせたコンテンツの最適化が求められることもあります。
この価格帯では、プロジェクトの規模が大きくなるため、要件定義や詳細な調査・分析が重要となります。コーポレートサイトリニューアルの完成までにかかる期間は、4~6ヶ月程度が一般的で、より緻密な計画と進行管理が必要です。
300万円~:自由度を意識した規模が大きい場合の費用
この価格帯は、大規模なリニューアルや特定の要件を反映した企業独自のプロジェクトに適しています。たとえば、フルスクラッチのEC機能の実装や業務効率化を目的とした連携機能の構築などが含まれます。
また、コーポレートサイトリニューアル前の詳細な市場調査や競合分析、ターゲットユーザーの行動データをもとにした戦略的な設計が必要となるケースが多いです。
これらのプロセスにより、リニューアルの効果を最大化し、長期的な成果を見込むことができます。リニューアルの規模や内容によって制作期間は6ヶ月以上かかることが一般的であり、綿密な計画と進行管理が成功のカギを握ります。
コーポレートサイトリニューアルのまとめ
コーポレートサイトのリニューアルは、企業の成長や市場の変化に対応するために必要な施策です。
目的やコンセプトを明確にし、適切な制作会社を選定することで、より効果的なリニューアルを実現できます。リニューアル後も、定期的な更新や分析を行い、コーポレートサイトの価値を高め続けることが重要です。
また、費用や期間についても事前にしっかりと把握し、計画的に進めることで、スムーズなリニューアルが可能となります。この記事が、コーポレートサイトリニューアルを検討する際の参考になれば幸いです。