LPのファーストビューとは?重要性や作り方のポイント
LPの成果を大きく左右するのがファーストビューです。ユーザーが最初に目にする部分であり、ここで関心を引けなければ、ページをスクロールされる前に離脱されてしまいます。
本記事では、LPのファーストビューとは何か、その重要性、効果的な構成要素や最適なサイズ、作り方のポイント、注意点を解説します。さらに、デザインの参考になるギャラリーサイトも紹介するので、自社LPを改善するヒントにしていただけます。
目次
LPのファーストビューとは
LP(ランディングページ)のファーストビューとは、ユーザーがページを開いた直後に最初に目にする画面領域を指します。スクロールをしなくても視認できる範囲のことを意味し、主にキャッチコピー・ビジュアル・CTAといった要素で構成されます。
LPのファーストビューは、訪問者にとってページ全体の第一印象となる部分であり、商品やサービスに対する期待感を一瞬で形成します。言い換えれば、ここで関心を持たれなければ、スクロールして詳しい情報を見てもらうことすら叶わないのです。
また、ファーストビューは単なる見た目ではなく、マーケティング戦略と直結しています。どのようなターゲットに対して、どんな価値を提示し、どう行動を促したいのか、その答えを最初の数秒で伝える必要があります。
だからこそ、デザインやコピーはもちろん、情報の優先順位や視線誘導が欠かせません。LPのファーストビューを正しく理解することで、「なぜ成果が出ないのか」「どう改善すべきか」といった判断も明確になります。
LPのファーストビューは、成果につながる仕組みを持った戦略的な入り口と意識することが重要です。
LPにおけるファーストビューの重要性
LPの成果は、ファーストビューの出来栄えで大きく変わります。ユーザーは数秒でページを評価し、関心を持てなければすぐに離脱してしまいます。そのため、ファーストビューを最適化することは、LP全体の成果を高める上で欠かせない取り組みです。ここでは、LPにおけるファーストビューの重要性を紹介します。
ファーストビューでの離脱率は60%以上もある
ファーストビューが魅力的でなければ、ユーザーの6割以上はページを離れてしまうと言われています。つまり、せっかく広告からLPに訪問しても、最初の画面で興味を失えば、その後にどれだけ魅力的な情報があっても見てもらえません。
これは、中身を読んでもらうための入り口を失っているのと同じで、商品やサービスの良さを伝えるチャンスを逃すことになります。逆に言えば、ファーストビューを改善するだけで離脱率を大幅に下げ、後半の情報を見てもらえる確率を高められるのです。
コンバージョン率を左右する最初の接点になる
ファーストビューは単なる最初の見た目ではなく、コンバージョン率に直結する最初の接点です。
ここで「自分に関係のある情報だ」と思わせられるかどうかで、その後の行動が大きく変わります。たとえば、実績数やベネフィットを一目で確認できるコピーや、直感的に魅力が伝わるビジュアルを配置することで、ユーザーは安心してページを読み進めるようになります。
結果として、資料請求・問い合わせ・購入など、最終的なコンバージョンにつながる可能性が高まります。
広告費を無駄にしないための鍵になる
LPは多くの場合、広告からの流入を前提に設計されます。しかし、ファーストビューが弱ければ、広告クリックにかけた費用は成果に結びつかず、無駄になってしまいます。
たとえば、クリック単価が数百円でも、訪問者の半分以上がファーストビューで離脱してしまえば、1件のコンバージョンに必要な広告費は一気に膨れ上がります。逆にファーストビューを改善して離脱を減らせば、同じ広告費でも獲得できるリードや売上が増え、投資効率が格段に向上します。
つまり、LPのファーストビューは、広告費の効果を最大化するための入口であり、費用対効果を改善するために最も注力すべきポイントなのです。
LPのファーストビューの構成要素
効果的なファーストビューを作るには、単に目立つデザインを作成すれば良いわけではありません。ユーザーの視線を捉え、行動につなげるためには、いくつかの要素をバランス良く組み合わせる必要があります。ここでは、LPのファーストビューの構成要素を解説します。
キャッチコピー
キャッチコピーは、ユーザーが最初に読むテキストであり、ページ全体の印象を決定づける重要な要素です。効果的なキャッチコピーは「誰に」「何を」「どう良くするのか」を一目で伝えます。
たとえば、「導入企業1,000社突破!業務効率を50%改善するクラウドサービス」のように、実績+ベネフィットを短い文章に凝縮すると、ユーザーは瞬時にメリットを理解できます。
逆に曖昧で抽象的な言葉だと自分には関係ないと判断され、すぐに離脱されてしまいます。
サブコピー
キャッチコピーだけでは伝えきれない情報を補足するのがサブコピーの役割です。ここでは、「安心感」や「具体性」を追加することで、ユーザーの理解と納得を深めます。
たとえば、キャッチコピーで「最短翌日導入」と伝えた場合、サブコピーで「初期費用ゼロ、専任サポート付き」と補足すれば、ユーザーは不安を解消しつつ利用シーンをイメージできます。
短いながらも、次の行動に進んでも良さそうだと思わせる具体性が重要です。
メインビジュアル
メインビジュアルは、言葉では伝わりにくい情報を直感的に伝える力を持っています。商品写真やサービスの利用シーン、人物の表情などを効果的に使うことで、ユーザーに自分事としてイメージさせやすくなります。
たとえば、宅配弁当サービスであれば「笑顔の家族と料理の写真」、ビジネスツールであれば「パソコン画面と作業する社員」のように、サービス利用後の理想的な姿を見せるのがポイントです。
高品質な画像を使いつつ、余白やレイアウトで見やすさを確保することが欠かせません。
CTAボタン
CTAボタンは、ファーストビューでユーザーに次の一歩を示す最重要のアクションポイントです。配置・色・文言の3つを工夫することでクリック率が大きく変わります。
たとえば、色は背景とコントラストを持たせて目立たせ、文言は「無料で試す」「30秒で登録」など具体的な行動を表すものが効果的です。
また、スクロールせずに目に入る場所に設置することで、迷わず行動に移してもらいやすくなります。
信頼性を伝える要素
ファーストビューで不安を払拭するには、信頼性を示す要素が欠かせません。ここでは「導入実績」「メディア掲載」「認証マーク」など、信頼を裏付ける情報を視覚的に示すことが効果的です。
たとえば、「累計10万ユーザー突破」「大手企業〇〇社に導入済み」といった実績をロゴとともに掲載するだけで、ユーザーは多くの人が使っているなら安心と感じます。
信頼性を補強することで、ファーストビューの説得力は格段に高まり、離脱率の低下につながります。
LPのファーストビューに最適なサイズ
ファーストビューは、どれだけ良い内容を作ってもユーザーの画面に正しく表示されなければ効果を発揮できません。特にパソコンとスマートフォンでは表示領域が大きく異なるため、それぞれに最適なサイズ設計が欠かせません。ここでは、LPのファーストビューに最適なサイズを解説します。
パソコンの推奨サイズ
パソコンのファーストビューは、一般的に高さ550〜650px、横幅1,000〜1,200px程度が目安とされています。この範囲に収めることで、主要な情報をスクロールせずに表示でき、デザインの安定感を保てます。
ただし、PCはモニターの解像度やブラウザの表示倍率によって見え方が変わります。特にノートPCでは画面が小さいため、広いレイアウトを組むと重要情報が折り返されてしまうリスクがあります。
そのため、デザイン段階から複数の解像度でプレビュー確認を行い、どの環境でも最低限の訴求要素が収まるよう調整することが大切です。
スマートフォンの推奨サイズ
スマートフォンでは縦長の表示になるため、幅は350〜375px、高さは600〜650px程度が目安です。この範囲を基準に設計すれば、主要な情報がスクロールなしで伝わりやすくなります。
小さな画面でも「キャッチコピー+メインビジュアル+CTA」が視認できるように配置するのが理想です。
スマホは表示領域が限られるため、文字数が多いとすぐに詰まった印象を与えてしまいます。キャッチコピーは短く簡潔に、サブコピーも改行を工夫して読みやすさを優先しましょう。また、CTAボタンは親指でタップしやすいサイズが効果的です。
ファーストビューに入れる要素を絞り込み、主要情報が一画面で伝わるように最適化することが大切です。
LPのファーストビューの作り方のポイント
効果的なファーストビューを作るには、戦略的な準備と検証が必要です。ターゲットに合わせて設計し、伝える内容を整理し、適切な表現で形にしていくことで、離脱率を下げてコンバージョンを高めるLPに仕上げられます。ここでは、LPのファーストビューの作り方のポイントを解説します。
ペルソナを設計する
ファーストビューを考える最初のステップは、誰に向けて作るのかを明確にすることです。年齢・性別・職業・課題・価値観などを具体的に設定したペルソナを作ることで、メッセージやデザインの方向性が定まります。
たとえば、「忙しい30代の共働き家庭の母親」がペルソナなら、ファーストビューでは「時短」「安心」「家族」というキーワードを自然に盛り込むべきです。
ターゲットを曖昧にしたままでは、誰の心にも刺さらないLPになってしまうため、最初にしっかりとターゲット像を固めることが成果を左右します。
ユーザーに伝えたい情報が何かを検討する
ファーストビューは限られたスペースしかないため、最初に何を一番伝えるべきかを明確に決める必要があります。商品の特長なのか、ベネフィットなのか、信頼性なのかをあらかじめ優先順位を整理することで、不要な情報を削ぎ落とせます。
たとえば、「初期費用が無料」という強みを推したいなら、その情報をキャッチコピーに盛り込み、補足をサブコピーで伝えます。逆に「価格・機能・事例」を全部並べると情報過多で混乱を招くため、ファーストビューの目的を1つに絞ることが重要です。
表現方法を考える
伝えたい内容が決まったら、それをどう表現するかを考えます。テキストだけでなく、写真・アイコン・動画などのビジュアル要素を組み合わせることで、短時間で情報を理解してもらいやすくなります。
たとえば、「簡単に使える」というメッセージは、文章よりも「スマホ操作中の画面キャプチャ」や「実際の利用シーン動画」を入れた方が直感的です。
文字よりも視覚で伝える工夫を加えることで、理解と共感を同時に得られます。
CTAボタンを最適化する
ファーストビューに必ず置きたいのがCTAボタンです。配置場所、色、文言を最適化するだけでクリック率が大きく変わります。
配置は、キャッチコピーやビジュアルを見てすぐ行動できる位置に置くのが基本です。色は背景とコントラストを持たせ、視線が自然に集まるようにします。
文言は「無料で試す」「30秒で登録完了」など、具体的なアクションがイメージできる表現が効果的です。小さな工夫でも成果に直結するため、テストを繰り返して最適化する価値があります。
PCとスマホ表示の両方を確認する
どんなに良いデザインでも、デバイスによって崩れてしまえば効果は激減します。特にスマホでは、キャッチコピーやCTAボタンがスクロールしないと見えない位置にあると、ユーザーは離脱してしまいます。
必ずPCとスマホの両方で表示を確認し、文字サイズ・改行・画像の見切れなどをチェックしましょう。さらに、実機でタップ操作や読み込み速度も確認し、ユーザー体験をシミュレーションすることが重要です。
ここを怠ると、PCでは完璧なのにスマホでは使いにくいという致命的な落とし穴に陥ります。
LPのファーストビューを作成する時の注意点
ファーストビューはユーザーの第一印象を左右する極めて重要な部分ですが、作り込みすぎて逆効果になるケースも少なくありません。ここでは、LPのファーストビューを作成する時の注意点を紹介します。
情報過多になっていないか
ファーストビューでありがちな失敗の一つが盛り込みすぎです。
サービスの特長、料金、実績、事例など、すべてを詰め込みたくなる気持ちは分かりますが、限られた画面内に多くの情報を置くと、ユーザーは何を見ればよいのか分からない状態になり、結果的に離脱率が高まります。
特にスマートフォンの表示では、1画面に入れられる要素が限られるため「情報過多=見にくい=離脱」の悪循環が顕著に現れます。
改善のコツは、ファーストビューは入り口に過ぎないと割り切ることです。1つのメッセージに絞り、詳細はスクロールした先で伝える設計にしましょう。
たとえば、最短翌日導入という強みを訴求したいなら、ファーストビューではその一点だけを大きく打ち出し、料金表や事例は下部で見せる方がユーザーにとって理解しやすくなります。
表示速度が遅くなっていないか
どれだけデザインが美しくても、表示が遅ければユーザーは待ってくれません。特にモバイル環境では、3秒以上読み込みにかかると半数近くが離脱するとも言われています。
表示速度を損なう大きな原因は、重い画像や動画ファイルです。ファーストビューに高解像度の画像やフルHD動画をそのまま使うと、体感速度が遅くなり離脱につながります。
改善のコツは、画像をWebPやAVIFなど軽量なフォーマットに変換したり、動画は自動再生ではなくクリック再生に切り替えるなどの工夫が効果的です。また、キャッシュの活用やサーバーの応答速度改善も見逃せません。
表示速度を改善すれば、ユーザー体験が向上し、コンバージョン率に好影響を与えます。
LPのファーストビューを確認できるギャラリーサイト
LPのファーストビューを作成するには、成功しているデザインを参考にすることが効果的です。ここでは、LPのファーストビューを確認できるギャラリーサイトを紹介します。
WebDesignClip
WebDesignClipは、国内外のLPを幅広く集めたギャラリーサイトです。
主なカテゴリーには「アプリ・ソフトウェア」「ファッション・アクセサリー」「建築・住宅・不動産」「採用サイト・転職・求人」などがあり、業界別に探すことが可能です。
さらに、タグ検索やキーワード検索も充実しているため、自社の業種や目的に合ったデザインを効率的に見つけられます。LPのデザインをリサーチしたい方にとって、実用性の高いホームページです。
Web Design Garden
Web Design Gardenは、毎日更新されている国内最大級のWebデザインギャラリーのひとつです。
カテゴリーは大きく5種類に整理されており、「サイト種別」「業種・業界」「機能・要素」「印象・レイアウト」「色」「フォント」からデザインを探せます。
更新頻度が高いため、最新のデザイン傾向をつかむのに最適なホームページです。
SANKOU!
SANKOU!は、国内のWebデザイン事例を多数収録したギャラリーサイトです。
カテゴリーは「種類」「特徴」「業種」などに細かく分類されているため、特定のデザイン要素を参考にしたいときに非常に便利です。
幅広い切り口からデザインを探せるため、デザイナーにもマーケティング担当者にも役立つホームページです。
まとめ:LPのファーストビューを改善してコンバージョンを高めよう
LPのファーストビューは、ユーザーが最初に触れる入口であり、成果を左右する重要なポイントです。キャッチコピーやビジュアルの見せ方を少し変えるだけでも、離脱率やコンバージョン率には大きな差が生まれます。
重要なのは、一度作ったら終わりではなく、定期的に改善を繰り返すことです。A/Bテストで複数パターンを比較したり、アクセス解析でスクロール率やクリック率を確認したりすることで、自社のターゲットに最も響くファーストビューを見つけられます。
ファーストビューを最適化することは、広告費の効率化や売上の最大化に直結します。小さな調整の積み重ねが、大きな成果の違いにつながるのです。
ぜひ本記事を参考に、LPのファーストビューを見直し、コンバージョン率の向上を実現してください。