Googleサーチコンソールにあるクロールの統計情報レポートは、Googleのクローラーがホームページをどのように巡回しているかを確認できるデータです。名前は知っていても、実際の見方や改善への活かし方まで把握している方は多くありません。クロール頻度の変化はSEO評価にも関わるため、放置しておくのはもったいない情報でもあります。
当ページでは、クロールの統計情報レポートの基本的な見方から、ホームページの改善につながる具体的な活用方法までをわかりやすく解説します。
クロールの統計情報レポートとは
クロールの統計情報レポートは、Googleサーチコンソールに搭載された機能の一つです。
クロールの統計情報レポートでは、Googleクローラーがホームページをどのように巡回しているかを、数値やグラフで確認できます。具体的には、クロールリクエストの合計数、1日あたりのダウンロードサイズ、サーバーからの平均応答時間が中心です。これらは過去90日間分のデータとしてさかのぼって確認できるため、直近の巡回状況だけでなく、過去の推移も把握できます。
また、これらの基本データに加えて、サーバーエラーの有無を示すホストのステータスや、ファイル形式別のクロール状況など、より細かい切り口のレポートも用意されています。
Googleサーチコンソールの中でも上級者向けの機能とされており、日常的に開くホームページ管理者は多くありません。しかし、クロールの統計情報を使って巡回状況を把握することは、ホームページのSEO状況を客観的な数値で確認する手段の一つになります。
クロールの統計情報レポートの改善がSEOに与える影響

クロールの統計情報を使って巡回状況を改善すると、ホームページのSEO評価に良い影響が期待できます。具体的にどのような変化につながるのかを解説します。
ページの新規公開や更新の発見が早くなる
クロールの統計情報を使って巡回状況を改善すると、Googleクローラーがホームページを訪れる頻度が高まります。
クローラーは訪問のたびにページの情報を収集しているため、巡回頻度が高いほど、新しく公開したページや更新した内容が発見されやすくなります。反対に、クローラーの巡回頻度が低いホームページでは、情報を発信しても気づかれるまでに時間がかかってしまうことがあります。定期的に情報を発信している場合は特に、巡回状況の改善が発見の早さに直結します。
検索順位が上がりやすくなる
クロールの統計情報を使って巡回状況を確認すると、検索順位が高いホームページほど、クローラーの巡回頻度も高い傾向にあることがわかります。
これは、ページ数や被リンク数、コンテンツの質といった、検索順位に関わる要素が、クローラーの巡回頻度にも同様に影響しているためです。巡回状況の改善そのものが直接順位を押し上げるわけではありませんが、良質なホームページ運営を続けた結果として、両方の数値が並行して伸びていくケースは少なくありません。
エラーを解消すると評価が下がりにくくなる
クロールの統計情報を使うと、サーバーエラーやページが見つからない状態など、クロールを妨げる問題を数値で把握できます。
こうしたエラーが多いホームページでは、クローラーが巡回を途中で諦めてしまい、情報収集が十分に行われなくなることがあります。結果として、更新した内容が正しく評価されにくくなる場合があります。定期的にエラーの有無を確認し、早めに解消しておくことが、ホームページのSEO評価を守るうえで欠かせません。
クロールの統計情報レポートの見方

クロールの統計情報を使うには、まずレポートへのアクセス方法と、各項目が何を示しているかを理解しておく必要があります。ここでは、アクセス手順から6つのレポートまで、それぞれの見方を解説します。
クロールの統計情報レポートへのアクセス方法
クロールの統計情報は、Googleサーチコンソールの左側ナビゲーションにある「設定」から確認できます。
設定画面を開くと「クロールの統計情報」という項目が表示されるので、「レポートを開く」をクリックするとレポート画面に移動します。この機能はドメインプロパティでのみ利用でき、URLプレフィックスプロパティで登録している場合はレポート自体が表示されません。
初めて開こうとして見つからない場合は、まずプロパティの登録形式を確認しておくと迷わずにたどり着けます。
クロール概要の見方
クロール概要では、過去90日間のクロールリクエストの合計数、1日あたりのダウンロードサイズ、サーバーからの平均応答時間が、それぞれグラフで表示されます。
グラフにカーソルを合わせると、特定の日にどれくらいクロールが行われたかを日別に確認できます。3つの数値は連動して動くことが多く、クロールリクエスト数が増えればダウンロードサイズも比例して増加する傾向にあります。
平均応答時間だけが突出して悪化している場合は、サーバー側の処理速度に問題が生じている可能性を疑う目安になります。
ホストのステータスの見方
ホストのステータスでは、過去90日間にサーバー側で発生したクロールエラーの有無を確認できます。
ここに問題が表示されている場合、Googleクローラーがホームページへのアクセスに支障をきたしていることを意味します。エラーが一定の割合を超えると、Googleはクロール自体を控えるようになるため、サイト全体の巡回状況に影響が及びます。
表示が正常であっても油断せず、定期的に確認しておくことで、サーバー側の不調にいち早く気づける体制を保てます。
レスポンス別レポートの見方
レスポンス別レポートでは、クロールに対するHTTPステータスコードの内訳を確認できます。
正常にページが表示された場合は「OK(200)」として計上され、この割合が全体の9割前後を占めていれば、健全な状態と判断できます。一方で「見つかりませんでした(404)」や「サーバーエラー(5xx)」の割合が高い場合、リンク切れや表示不具合が起きているページが多く存在する可能性があります。
該当ページを特定し、リダイレクト設定や修正を行うことが、クロールの統計情報を改善する第一歩になります。
目的別レポートの見方
目的別レポートでは、クロールが「発見」と「更新」のどちらの目的で行われたかの内訳を確認できます。
発見は、これまでGoogleに認識されていなかった新しいURLへのクロールを指し、更新は、既にインデックスされているページへの再クロールを指します。
新規ページを公開した直後は発見の割合が高まりやすくなりますが、更新はリライトを行っていない期間でも、Googleが既存ページの状態を定期的に確認するために発生します。そのため、更新の割合が高いこと自体は、リライトの成果とは限りません。
新規ページの公開に力を入れている時期は、発見の割合が伸びているかを確認することが重要です。更新ばかりが高く発見の割合に変化が見られない場合、公開したページがクローラーに気づかれていない可能性があります。
ファイル形式別レポートの見方
ファイル形式別レポートでは、HTML、画像、JavaScript、CSSなど、ファイルの種類ごとのクロール状況を確認できます。
多くのホームページではHTMLへのクロールが中心を占めますが、画像検索からの流入を狙っている場合は、HTMLだけでなく画像の割合も伸びているかを合わせて確認することが大切です。
画像のクロールがHTMLに比べて極端に少ないと、掲載した画像が画像検索に反映されにくくなることがあります。反対に、想定していないファイル形式へのクロールが目立つ場合は、不要なファイルがクロールされていないか、サイト構造を見直すきっかけにもなります。
Googlebotタイプ別レポートの見方
Googlebotタイプ別レポートでは、スマートフォン用やパソコン用など、クロールに使われたGooglebotの種類ごとの内訳を確認できます。
現在の検索エンジンはスマートフォン用のGooglebotを優先して評価するモバイルファーストインデックスを採用しているため、スマートフォン用のクロールが中心になっているかを確認しておくことが大切です。パソコン用のクロールばかりが目立つ場合は、モバイル表示に何らかの不具合が生じ、正しく巡回できていない可能性も考えられます。
クロールの統計情報レポートを使ってホームページを改善する方法

ここまで解説してきたクロールの統計情報の見方を踏まえて、実際にホームページを改善する具体的な方法を紹介します。レポートで見つかった問題の解消から、新規ページ作成、リライト、効果検証まで、4つの改善法を紹介します。
レポートの問題点を改善する
クロールの統計情報を使って見つかった問題点は、種類に応じて対処法が異なります。
ホストのステータスにエラーが多い場合は、サーバーの安定性やレスポンス速度の改善が必要です。レスポンス別レポートで404やサーバーエラーが目立つ場合は、リンク切れの修正やリダイレクト設定を行いましょう。目的別レポートで発見の割合が低い場合は、新規ページへの内部リンクを増やすことが有効です。
ファイル形式別レポートで画像のクロールが少ない場合は、画像の掲載方法を見直します。Googlebotタイプ別レポートでスマートフォン用のクロールが少ない場合は、モバイル表示に不具合がないか確認しましょう。
新規ページを作成してクロール頻度を伸ばす
クロールの統計情報を使って巡回頻度を伸ばすには、新規ページの継続的な作成が有効です。
単に公開ページ数が増えた分だけクロール数が増えるのではなく、継続的に情報を発信しているホームページだと判断されると、Googleがそのサイト全体に割り当てるクロールの訪問機会が増えていきます。結果として、新しく公開したページだけでなく、既存ページの巡回頻度も底上げされやすくなります。
訪問頻度の低いページを見つけてリライトする
クロールの統計情報を使って、クロール概要や目的別レポートを確認すると、更新クロールの少ないページを見つけることができます。
こうしたページは、Googleから見て情報の更新価値が低いと判断されている可能性があります。該当ページの内容を見直し、情報を追加したり、古い情報を修正したりするリライトを行いましょう。あわせて、該当ページへのリンクを増やすことで、クローラーが辿り着きやすい導線を作ることができ、訪問頻度の改善につながります。
施策後にレポートで数値の変化を確認する
新規ページの作成やリライトなどの施策を行った後は、クロールの統計情報を使って数値の変化を確認しましょう。
クロールリクエストの合計数や、目的別レポートの発見・更新の割合に変化が見られれば、施策がクローラーの動きに反映されている目安になります。数値はすぐには変わらないこともあるため、数日単位ではなく、1ヶ月程度の期間で推移を追うことをおすすめします。定期的に確認する習慣をつけておくと、ホームページ運営の改善サイクルを回しやすくなります。
クロールの統計情報レポートを使う時の注意点

クロールの統計情報を使ってホームページを改善する際には、あらかじめ知っておきたい注意点が2つあります。効果を正しく見込むためにも、事前に押さえておきましょう。
改善しても検索順位は大きく上がらない
クロールの統計情報を改善したからといって、検索順位が大きく上がるわけではありません。
クロール頻度の高さは、検索順位が高いホームページに見られる傾向の一つではありますが、検索順位を直接決定づける要素ではないためです。クロール頻度を伸ばすことは、あくまでクローラーがホームページの情報を正しく収集しやすくなるための土台づくりと捉え、検索順位への影響は副次的なものと考えておくのが実態に近い見方です。
闇雲な対策では改善されない
クロールの統計情報を伸ばそうとして、低品質なページを大量に作成したり、不自然な被リンクを獲得したりしても、数値は改善されません。
Googleは、内容の薄いページや自作自演の被リンクを見抜いて評価しないため、こうした対策はクロール頻度にも良い影響を与えないのです。むしろ、低品質なページが増えることで、サイト全体のSEO評価が下がってしまうおそれもあります。クロールの統計情報を改善する際は、量よりも質を意識した対策を心がけましょう。
まとめ
クロールの統計情報レポートについて、見方から改善方法まで解説しました。
Googleサーチコンソールの設定メニューから確認できるクロールの統計情報レポートは、クロールリクエストの合計数やホストのステータス、ファイル形式別の内訳など、複数の切り口でホームページの巡回状況を把握できるデータです。
新規ページの継続的な作成や、訪問頻度の低いページのリライトを通じて巡回頻度を伸ばすことはできますが、検索順位への影響は副次的なものであり、低品質な対策では改善につながらない点に注意が必要です。
