ホームページのドメイン名には英数字を使うのが一般的ですが、日本語で取得することもできます。日本語ドメインは覚えやすく、内容がひと目で伝わるというメリットがある一方、SNSシェア時にピュニコードへ変換されるなど、運用面での注意点も存在します。
この記事では、日本語ドメインのメリット・デメリットとSEOへの影響を整理したうえで、名刺や看板への掲載といった効果的な使い方まで解説します。
日本語ドメインとは
日本語ドメインとは、「ホームページ制作.com」「飲食店.jp」のように、ひらがな・カタカナ・漢字を含むドメインのことです。従来ドメインに使用できる文字は英数字とハイフンのみでしたが、国際化ドメイン名という技術によって、日本語を含む各国の言語がドメインとして使えるようになりました。
日本では2001年にサービスが開始され、20年以上の運用実績があります。ただし、当社が受けるホームページ制作の相談では、日本語ドメインを希望されるケースはほとんどなく、多くの場合「example.jp」のようなローマ字表記のドメインが選ばれています。
取得できるトップレベルドメインは「.jp」「.com」「.net」など複数あり、取得の手順や費用は英語ドメインとほぼ変わりません。年間数百円〜数千円程度で取得できるため、コスト面でのハードルは低いドメインです。
日本語ドメインのメリット

日本語ドメインには、英語ドメインにはない視認性の高さという特徴があります。ここでは取得することで得られるメリットを紹介します。
日本語で覚えやすい
英語ドメインはアルファベットの組み合わせになるため、一度で覚えるのが難しく、電話や口頭でURLを伝える場面では、聞き手が正確に書き取れないことがあります。日本語ドメインであれば「整骨院.jp」のように、耳で聞いた音がそのまま文字として再現できるため、聞き間違いや入力ミスが起きにくくなります。
特に、電話でのお問い合わせ対応やラジオCMなど、URLを音声だけで伝える機会が多い業種では、この記憶のしやすさが実務上のメリットとして働きます。
ホームページの内容が一目で伝わる
英語ドメインは「orthopedics-clinic.jp」のように専門用語を含む英語表記になることがあり、URLを初めて見たユーザーが業種や内容を瞬時に判断するのは難しい場合があります。日本語ドメインであれば「整形外科.jp」のように、URLを見ただけで何のホームページかが伝わります。
検索結果やリンク経由で初めてホームページに訪れるユーザーにとって、クリック前に内容を把握できるかどうかは、そのままホームページへの安心感につながります。特に業種名がそのままドメインになっている場合、初見でもミスマッチのない訪問者を集めやすくなります。
検索結果でURLが日本語表示される
GoogleやYahoo!の検索結果では、日本語ドメインのURLがそのまま日本語で表示されます。英語ドメインのURLは英数字の羅列で表示されるため、日本語ドメインの方がページ内容と一致していることが一目でわかり、クリック前に内容を把握しやすくなります。
ただしこれはあくまでクリック率に影響する視認性の向上であり、検索順位そのものを引き上げる効果とは別物です。両者を混同しないよう注意が必要です。
日本語ドメインのデメリット

日本語ドメインには視認性の高さというメリットがある一方、運用面ではいくつかの見落としやすい注意点があります。ここでは具体的なデメリットを紹介します。
ピュニコードに変換される
日本語ドメインのURLをメールやホームページに貼り付ける際、ブラウザのアドレスバーから直接コピーすると、ピュニコードと呼ばれる英数字の文字列が貼り付けられることがあります。たとえば、「https://セブンデザイン.biz」であれば「https://xn--eck9ao2c3dwid.biz」に変換されます。
これは、貼り付け先が変換しているのではなく、コピー元のブラウザがすでにピュニコード形式でコピーしているためです。実際に検証したところ、日本語のまま手入力すればそのまま表示され、アドレスバーからコピーした場合のみピュニコードに変換された状態で貼り付けられることを確認しています。
なお、Xでは手入力・コピペのどちらの方法でも日本語表記のまま表示され、変換は確認されませんでした。共有先によって挙動が異なるため、URLを貼り付ける際は表示を確認することをおすすめします。
メールアドレスが使いにくい
日本語ドメインを取得しても、「info@セブンデザイン.biz」のように日本語表記のままメールアドレスとして送受信することはできません。実際に利用するには「info@xn--eck9ao2c3dwid.biz」のようなピュニコード表記に変換したアドレスを使う必要があります。
これは、インターネットの住所録にあたるDNSが、もともと半角の英数字しか扱えない仕組みになっているためです。日本語ドメインは、裏側で自動的に英数字に変換して処理することで利用できるようにした技術で、ブラウザは変換後すぐに日本語表示へ戻してくれますが、メールのように変換に対応していない場面では利用することができません。
ピュニコード表記のメールアドレスは、意味がわからない文字列のため、名刺やパンフレットに掲載するのには適していませんし、すでに取引のある企業であったとしても入力の手間が発生してしまいます。
そのため、メールを利用したい場合は、日本語ドメインはあまりおすすめできません。
海外ユーザーに伝わらない
日本語ドメインは、日本語を読める人にしか内容が伝わりません。
海外からのアクセスが見込まれるホームページでは、URLを見ても何のホームページか判断できず、訪問のきっかけを作れない可能性があります。
インバウンド需要を取り込みたい飲食店や宿泊業、海外向けに商品を販売するネットショップなど、外国人からのアクセスを想定するホームページでは、英語ドメインの方が適しています。国内向けのみで完結するビジネスであれば、この影響は限定的です。
日本語ドメインのSEOへの影響
日本語ドメインを取得しても、それだけで検索順位が直接上がることはありません。
かつては、検索されるキーワードとドメイン名をそのまま一致させる手法がSEOに有利とされ、日本語ドメインもこの発想で活用されてきました。しかし2012年にGoogleのEMDアップデートにより、こうしたキーワードと一致するだけのドメインを優遇しないようアルゴリズムを見直し、コンテンツの質が伴わないホームページは評価されなくなりました。
現在、検索順位を左右するのはドメイン名ではなく、タイトルや見出し、本文に含まれる情報の質と専門性です。日本語ドメインのSEO効果に期待して導入を検討するのであれば、その効果は限定的であると理解したうえで判断することが重要です。
日本語ドメインを使っている有名サイト
日本語ドメインを実際に運用している有名サイトは多くありません。
カカクコムが運営する求人検索サイト「求人ボックス」は「求人ボックス.com」で実際に運用されているサービスのひとつです。また、JPドメインの管理を行う株式会社日本レジストリサービスは「日本語.jp」を運用しています。
総務省や日経、ローソン、小学館といった大手企業が日本語ドメインを取得した事例はありますが、現在はリダイレクトや運用停止になっているケースがほとんどです。日本語ドメインは商標権対策として取得されることが多く、メインの運用は英語ドメインで行うのが一般的です。
日本語ドメインの効果的な使い方
現実的な日本語ドメインの使い方は、実際のホームページ運用は英語ドメインで行い、日本語ドメインは301リダイレクトで転送する方法です。
日本語ドメインが強みを発揮できるのは、名刺や看板、電話でのご案内など、文字を目で見て読む場面や、口頭で伝える場面は日本語ドメインで記載し、そのページへアクセスしたユーザーを該当の英語ドメインのページへとリダイレクトします。この活用法であれば、覚えやすさや内容の伝わりやすさをそのまま活かせます。
ただし、昨今では、スマホのカメラやボイスレコーダーを使って記録するケースも増えており、従来ほど日本語ドメインを有効活用するケースはなくなっています。
まとめ
日本語ドメインは、覚えやすさや検索結果での視認性の高さといったメリットがある一方、ピュニコード変換やメールアドレスの使いにくさなど、運用面でのデメリットも存在します。SEOへの影響も限定的で、取得しただけで検索順位が上がるわけではありません。
実際に日本語ドメインをメインで運用している企業は少なく、実際のホームページ運用は英語ドメインで行うのが一般的です。名刺や看板などの場面に限って日本語ドメインを活かし、301リダイレクトで英語ドメインへ転送する方法が現実的な使い方といえます。
ホームページ制作会社の実務目線では、日本語ドメインを積極的に推奨するケースはほぼありません。運用面での使いにくさを踏まえたうえで、導入するかどうかを判断することが重要です。
