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Lazyloadとは?メリット・デメリットと実装方法を紹介
Webページの表示速度を改善する方法として、画像やコンテンツを遅延読み込みするLazyloadが注目されています。導入のハードルは比較的低いものの、仕組みや効果を正しく理解しておくことが重要です。
このページでは、Lazyloadの基本的な仕組みから、メリットとデメリット、実装方法までを解説します。
Lazyloadとは
Lazyloadとは、画像や動画、iframeなどのコンテンツを、ユーザーがスクロールしてその要素に近づいたタイミングで読み込む仕組みのことを指します。
日本語では遅延読み込みとも呼ばれ、ページ表示の初期段階では必要なコンテンツだけを読み込み、それ以外はあとから順次表示していくことで、読み込み負荷を軽減する役割を果たします。
とくに画像の多いWebページでは、すべての画像を最初から読み込もうとするとページの表示速度が遅くなり、ユーザーの離脱や検索エンジンでの評価に悪影響を及ぼすことがあります。Lazyloadを使えば、こうした課題を解消し、ユーザー体験とホームページのパフォーマンスを両立させることが可能です。
実装はそれほど難しくなく、HTMLにloading="lazy"属性を加えるだけの方法や、JavaScriptライブラリ、WordPressのプラグインを使った方法など、目的や技術レベルに応じた選択肢があります。
これからLazyloadを導入したいと考えている方は、そのメリットと注意点を正しく理解することが重要です。
Lazyloadのメリット
Lazyloadを導入することで、Webページの表示速度やユーザー体験に良い影響を与えるさまざまな効果が期待できます。ここでは代表的なメリットを紹介します。
ページの表示速度が向上する
Lazyloadを使う最大のメリットのひとつが、ページの表示速度を改善できる点です。通常、Webページに掲載された画像や動画は、ページの読み込み時にすべて読み込まれますが、Lazyloadを導入すれば、実際にユーザーがスクロールして表示されるタイミングまで読み込みを遅らせることができます。
これにより、初期表示時に読み込むデータ量が減り、結果としてページ全体の読み込み速度が向上します。
通信量を抑えてユーザーの負担を軽減できる
画像や動画などのメディア要素は、モバイル環境では通信量の負担が大きくなりがちです。Lazyloadを使えば、ユーザーが実際に閲覧しない部分の画像は読み込まれないため、無駄なデータ通信を避けることができます。
これは、通信制限のあるスマホユーザーにとって大きなメリットです。必要なタイミングでのみリソースを読み込むことで、ユーザーの通信コストを抑えると同時に、Webページ全体の効率的な運用につながります。
サーバーへの負荷が軽くなる
すべての画像を一度に読み込む構成では、アクセス集中時にサーバーに大きな負荷がかかることがあります。Lazyloadは、必要なタイミングでのみ画像を読み込む仕様のため、サーバーへのリクエスト数が分散され、アクセスが多いタイミングでも安定した表示を保ちやすくなります。
また、読み込みにかかる帯域が減るため、共有サーバーを使っているホームページでも安定性を維持しやすくなるというメリットもあります。
ユーザー体験が向上して離脱率の改善につながる
表示速度が速くなり、ページを開いた瞬間に余計な読み込みが発生しないことで、ユーザーがストレスを感じる要因が減少します。
特にモバイル環境においては、表示の遅さがユーザー離れの大きな原因となるため、Lazyloadの導入によって快適にコンテンツを閲覧できるようになることは、結果として離脱率の改善や再訪問率の向上につながります。
ユーザーの満足度を高めたいホームページにとって、体験の質は大きな差別化ポイントです。
SEOに良い影響を与える可能性がある
Googleはページの表示速度をランキング要因の一つと明言しており、特にコアウェブバイタルなどの指標が重要視されています。Lazyloadを導入することで、LCPなどの数値が改善される可能性があり、検索エンジンからの評価も高まることが期待されます。
また、ユーザー体験の向上は、直帰率や滞在時間の改善にもつながり、これらも間接的にSEO効果をもたらす要素となります。
Lazyloadのデメリット
Lazyloadは多くのメリットを持つ一方で、導入にあたって注意すべきデメリットも存在します。ここでは代表的なリスクや課題について解説します。
ファーストビュー以外の画像が表示されるまでに遅延が起こる
Lazyloadはスクロールに応じて画像などを読み込む仕組みのため、ユーザーの操作がなければ画像が表示されません。そのため、ファーストビュー以外に配置された画像が表示されるまでに一瞬の遅延が発生します。
この遅延はネットワーク環境や端末性能に依存することが多く、特に表示タイミングが重要な構成のページでは違和感を与える可能性があります。ページを開いた瞬間に見せたい画像は、遅延させずに最初から表示させる設定にしておくと、ユーザーに違和感を与えにくくなります。
JavaScriptに依存しているため動作しない環境がある
Lazyloadの多くはJavaScriptを利用して実装されています。そのため、ブラウザでJavaScriptが無効になっている場合や、スクリプトの読み込みエラーが発生した場合には画像が表示されないことがあります。
通常のWebブラウジング環境ではJavaScriptが有効なことが多いものの、ユーザーや検索エンジンの一部では正しく読み込めないリスクも考慮すべきです。JavaScriptに依存する設計である以上、フォールバック対策や十分な動作確認が求められます。
Googleなどの検索エンジンに正しくクロールされない場合がある
Lazyloadによって読み込みが遅れる画像は、検索エンジンのクローラーに認識されない場合があります。特にJavaScriptベースの実装では、Googlebotが画像の読み込みを実行できないケースもあるため、画像SEOの面で不利になる可能性があります。
ただし、近年のGoogleはJavaScriptのレンダリング能力が向上しており、正しく実装されていれば問題ないことも多いです。それでも、画像検索からの流入を重視するホームページでは、Lazyloadの設定が画像SEOに与える影響を検証する必要があります。
loading="lazy"がすべてのブラウザで完全に動作するわけではない
HTMLの属性であるloading="lazy"はシンプルな実装手法ですが、すべてのブラウザがこの属性に対応しているわけではありません。たとえば古いバージョンのブラウザや一部の特殊な環境では、属性が無視されてしまうことがあります。
また、対応していても実装の挙動がブラウザによって微妙に異なるケースもあるため、開発段階での検証が不可欠です。より確実に制御したい場合は、JavaScriptライブラリを併用する方法も検討しましょう。
Webパフォーマンスツールでスコアが下がることがある
Lazyloadの導入は基本的にページの表示速度を改善し、LCPやCLSといった指標の向上に役立ちます。しかし、適用方法によっては逆にパフォーマンス測定ツールでスコアが下がるケースもあります。
たとえば、ファーストビュー内の重要な画像まで遅延読み込みの対象にしてしまうと、実際の表示タイミングが遅れてしまい、PageSpeed InsightsなどでのLCP評価が悪化する可能性があります。これはSEOにとってマイナスになり得ます。
そのため、Lazyloadはすべての画像に一律で適用するのではなく、ページ構成や表示タイミングを考慮しながら、重要な画像は除外するなどの設計が必要です。うまく使えば効果的ですが、使い方次第では意図とは逆の結果になることもあります。
Lazyloadの実装方法
Lazyloadは、HTMLの属性を使った方法から、JavaScriptライブラリ、WordPressプラグインまで、さまざまな手段で導入できます。ここでは代表的な実装方法を紹介します。
HTMLにloading="lazy"属性を追加する方法
もっとも手軽な実装方法は、HTMLの画像タグにloading="lazy"属性を追加するやり方です。これはブラウザがネイティブに対応している遅延読み込み機能で、画像やiframeの読み込みを自動で遅らせることができます。
使い方は非常に簡単で、以下のようにimgタグに属性を付けるだけです。
<img src="example.jpg" loading="lazy" alt="サンプル画像">
この方法はJavaScriptの知識が不要で、静的なページやページ数の少ないホームページに向いています。ただし、すべてのブラウザで対応しているわけではないため、表示確認を行った上で導入することが望まれます。
また、ファーストビューに表示される画像には使用しないよう注意が必要です。
JavaScriptライブラリのLazyLoad.jsを使う方法
より高度な制御を行いたい場合は、JavaScriptライブラリであるLazyLoad.jsを利用する方法があります。このライブラリは、スクロール位置に応じて画像や動画、iframeなどを柔軟に読み込むことができ、設定もカスタマイズ可能です。
実装にはライブラリの読み込みと、対象要素にclass="lazyload"を付けるのが一般的です。たとえば、以下のように使います。
<img data-src="example.jpg" class="lazyload" alt="サンプル画像">
<script src="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/vanilla-lazyload/17.8.3/lazyload.min.js"></script>
<script>
var lazyLoadInstance = new LazyLoad();
</script>
この方法は複数の画像を対象にしたい場合や、条件に応じて読み込み動作を変更したいケースに向いています。読み込み対象を柔軟に設定できるため、CMSや動的なコンテンツとも相性が良いのが特徴です。
初期設定だけで機能し、細かく挙動を制御したい場合はオプションのカスタマイズも可能です。
WordPressのプラグインでLazyloadを導入する方法
WordPressサイトを運用している場合は、プラグインを利用することでLazyloadを簡単に導入できます。
LiteSpeed CacheやAutoptimize、a3 Lazy Loadなどが代表的なプラグインで、それぞれ画像の遅延読み込みに対応しています。プラグインを使えば、コードを直接編集することなく、管理画面からチェックボックスひとつでLazyloadを有効にできる点が魅力です。
テーマや他のプラグインとの競合が発生することもあるため、導入後は表示確認を行いながら設定を調整することが大切です。また、必要に応じて特定の画像を除外する設定が可能な場合もあり、柔軟に運用できます。
まとめ:ページの表示速度を高めるためにLazyloadを実装しよう
Lazyloadは、ページ表示の高速化や通信量の削減、ユーザー体験の向上といったさまざまなメリットをもたらす技術です。
HTMLの属性を追加するだけの簡単な方法から、JavaScriptライブラリやWordPressのプラグインを使った柔軟な実装まで、導入のハードルも高くありません。
一方で、すべてのケースで効果的とは限らず、ファーストビューの画像やJavaScript非対応の環境などでは注意が必要です。実装の際には、表示速度だけでなく、コンテンツの見え方やSEOへの影響も考慮しながら、最適な形で設定を行いましょう。
ホームページのパフォーマンスは、ユーザーの満足度や検索順位に直結します。Lazyloadをうまく活用することで、より快適で効果的なWebサイト運営を目指すことができます。