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ホームページリニューアルが失敗する原因と回避策

ホームページリニューアルは、新しいデザインや機能で成果を高める大きなチャンスです。しかし準備や対応を誤ると、検索順位が下がったり、外部リンクがエラーになったり、問い合わせが減ってしまうなど、思わぬ失敗につながることがあります。
本記事では、ホームページリニューアルでよくある失敗例と、その原因、そして回避策を紹介します。リニューアルを検討している方や、準備段階で不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
目次
ホームページリニューアルでよくある失敗例
ホームページリニューアルは、対応を誤ると検索順位やアクセス数、コンバージョン数に悪影響を及ぼすことがあります。ここでは、特に多いホームページリニューアルでよくある失敗例を紹介します。
検索順位が下がった
リニューアル後に検索順位が大きく下がると、これまで上位に表示されていたページが検索結果から消え、アクセス数が減少します。たとえば、会社名や商品名で検索しても表示されにくくなり、これまで自然に訪れていたユーザーとの接点を失ってしまいます。
検索順位が下がると広告費を追加で投下しなければならなくなるなど、集客コストが急激に増えてしまうリスクがあります。
外部サイトからのリンクが404エラーになった
業界記事や提携先の紹介ページから自社サイトへのリンクをクリックした際に、404エラーが出てしまうケースがあります。これまで安定してアクセスを運んでいたリンクが使えなくなると、機会損失になるだけでなく、ユーザーに管理が甘い会社という印象を与えてしまいます。
特に採用ページやサービス紹介ページがエラーになると、信頼性の低下やビジネスチャンスの喪失につながる深刻な問題です。
コンバージョン数が減少した
アクセスはあるのに、問い合わせや購入といったコンバージョンが下がってしまうケースもあります。たとえば、問い合わせボタンが目立たなくなったり、購入フォームの入力項目が増えたりするだけで、ユーザーは途中で離脱してしまいます。
成果を落ちるリニューアルは、企業にとって致命的と言えます。
ホームページリニューアルが失敗する原因
リニューアルが思うような成果につながらない背景には、必ず理由があります。ここでは、ホームページリニューアルが失敗する原因を紹介します。
目的をあいまいにしたまま進めた
「とりあえず見た目を新しくしたい」「古くなったから変えたい」といった曖昧な動機でリニューアルを始めてしまうのは典型的な失敗です。
目的がはっきりしていないと、制作会社との打ち合わせでも判断軸がぶれ、デザインや機能の方向性が定まりません。その結果、社内で「誰のためのホームページなのか」「最終的に何を達成したいのか」が共有されず、完成したホームページが中途半端になります。
リニューアルは目的の明確化がすべての起点です。これを怠ると、何のためにリニューアルしたのかが分からないホームページになってしまいます。
旧サイトの課題を分析せずに進めた
改善のゴールは現状の弱点を克服することです。
しかし、アクセス解析やヒートマップを確認せず、感覚やデザイン重視でリニューアルすると、根本的な課題が解決されません。たとえば、直帰率の高いページや離脱が集中している箇所を分析すれば、改善すべきポイントは一目瞭然です。
こうしたデータを無視すると「リニューアルしたのに成果が変わらない」「むしろ使い勝手が悪くなった」といった結果につながります。
旧サイトの分析はリニューアルの設計図です。これを飛ばすと改善の筋道が見えないまま作業が進んでしまい、成果を期待できません。
デザインを優先しすぎた
見た目にこだわりすぎるあまり、使いやすさが犠牲になることも失敗の大きな原因です。文字が小さくて読みにくい、色のコントラストが弱い、アニメーションが多く操作が分かりづらいなど、デザイン偏重はユーザー体験を損ないます。
結果として、おしゃれだけど使いづらいホームページが完成し、ユーザーは途中で離脱してしまい、問い合わせや購入につながりません。
デザインは本来、情報を整理して目的地へスムーズに導くための手段です。直感的に使えるかを第一に考えなければ、成果を生むデザインにはなりません。
URL変更時にリダイレクトを設定しなかった
リニューアルでURL構造を変更するときに、旧URLから新URLへリダイレクトを設定しないのは致命的です。
検索エンジンはURLごとに評価を蓄積するため、引き継ぎをしなければ検索順位がおちてしまいます。さらに、外部サイトやSNSからのリンクもすべて切れてしまい、ユーザーが404エラーに直面します。これはSEOだけでなく、会社の信頼性も失う大きな損失です。
URLの変更は慎重さと正しい設定が不可欠です。見落とすと、長年積み上げた集客基盤を失ってしまいます。
コンテンツ量を減らし過ぎた
情報を整理するという名目で、ページや文章を大幅に削ってしまうのも失敗の一因です。検索からの流入を支えているのはコンテンツであり、むやみに減らすと表示回数や流入が一気に落ち込みます。
特に、アクセスや被リンクの多いページを削除してしまうと、SEOへのダメージは計り知れません。また、ユーザーが必要としていた情報がなくなることで、欲しい情報が見つからないホームページになり離脱を招きます。
コンテンツは資産です。削除するのではなく、リライトや統合によって質を高める発想が欠かせません。
ホームページリニューアルの失敗を防ぐ回避策
リニューアルを成功させるためには、公開前にやるべきことを整理し、確実に実行することが欠かせません。ここでは、ホームページリニューアルの失敗を防ぐ回避策を紹介します。
リニューアル前にアクセス解析レポートを作成する
リニューアルは現状の正確な把握から始めることが重要です。数値を見ずに進めると、成果を出していたページを改悪てしまう恐れがあります。
まず直近3ヶ月のデータを集め、ページごとのアクセス数・直帰率・検索クエリ・コンバージョン貢献度などを確認しましょう。そのうえで「残す・更新する・統合する・削除する」の方針を決めます。
この作業をまとめたレポートをチームで共有すれば、効果的なページを守りつつ、改善が必要な部分に的確に手を入れることができます。
リニューアルの要件定義書を作成する
成功の基準を文書に落とし込むことで、迷走を防げます。
目的やゴールが曖昧なままでは、制作の途中で判断がぶれやすく、完成後に誰のためのホームページなのかが分からなくなります。
要件定義書には、ターゲットユーザー、達成したい行動、主要な導線設計、必要なページの構成、計測方法を明確に記載します。長文でなくてもかまいませんが、判断基準が一目でわかるようにしておくことが大切です。
これにより、関係者全員が同じ方向を向き、リニューアル後の成果測定もスムーズに行えます。
確認作業を徹底する
公開直前のテスト不足は、最も多い失敗のひとつです。
フォームが送信できない、スマホで表示が崩れるといった不具合は、ユーザー離れを招きかねません。事前にチェックリストを作成し、問い合わせや購入の完了までを実際に操作して確認します。
リンク遷移、検索機能、スマホとPCでの表示、管理画面での更新まで、漏れなく確認しましょう。人の手での確認を徹底することで、公開後の予期せぬトラブルを最小限に抑えられます。
301リダイレクトを正しく設定する
URL変更に伴うリダイレクト設定は、SEOとユーザー体験の両方に直結する重要な作業です。設定を怠ると検索順位の下落や、外部リンクからのアクセスが404エラーになるリスクがあります。
まず旧URLをすべてリスト化し、新URLとの対応関係を明確にします。そのうえで301リダイレクトを一対一で設定し、実際にアクセスして正しく転送されるか確認しましょう。
ページ削除よりも改善で対応する意識を持つ
リニューアルでは不要なら削除という発想に陥りがちですが、まず考えるべきは改善です。ページは単なるデータではなく、これまで積み上げてきた検索評価やユーザーからの信頼が詰まった資産でもあります。
内容が古くなっているなら最新情報に更新し、分かりにくいなら構成を見直す、競合に劣っているなら情報量を補強することが大切です。こうした改善を重ねることで、既存ページがより強い武器に生まれ変わります。
もちろん役目を終えたページは削除しても問題ありませんが、まずは改善で活かす姿勢を持つことが重要です。改善を前提に取り組むことで、資産を守りつつ成長につなげられます。
まとめ:失敗を防ぎ成果につながるリニューアルをしよう
ホームページリニューアルは、成果を伸ばす大きなチャンスである一方で、やり方を誤ると失敗につながるリスクもあります。だからこそ「なぜリニューアルするのか」を明確にし、現状を正しく把握したうえで進めることが大切です。
目的を決めずに進めたり、旧サイトの課題を調べなかったり、使いやすさより見た目を優先したりすれば、思わぬ落とし穴にはまります。逆に言えば、これらを意識して準備を整えれば、多くの失敗は避けられます。
リニューアルは単なるデザイン変更ではなく、事業の成果を左右するプロジェクトです。ひとつひとつの判断を丁寧に積み重ねることで、成果につながるホームページを実現できます。

