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Webサイト制作を発注する前に知っておきたい基礎知識
Webサイトを制作するにあたって、知っておくべき基本的な知識は数多くあります。仕組みを理解せずに発注すると、理想と違う結果になったり、運用がうまくいかなかったりすることもあります。
このページでは、Webサイト制作を依頼する前に押さえておきたい基礎知識を段階ごとに紹介します。読み進めることで、自社にとって必要なポイントが見えてきます。
目次
インターネットに関する基礎知識
Webサイトを発注する前に、インターネットやWebに関する基本的な仕組みを知っておくと、制作会社とのやり取りがスムーズになります。ここでは、インターネットに関わる基礎的な用語や考え方を解説します。
インターネットとWWWの役割
インターネットは、世界中のコンピュータやスマートフォンをつないで、情報をやり取りできる仕組みです。メールを送ったり、動画を見たり、Webサイトにアクセスできるのは、このインターネットがあるからです。
そのインターネットの中で、Webサイトを見るための仕組みがWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)です。WWWは、Webページを見られるようにするための仕組みで、Googleや企業のホームページもこの仕組みの上で動いています。
つまり、インターネットが情報を運ぶための道路だとすると、WWWはその道路を通ってWebページを届けるための配送サービスのようなものです。インターネットとWWWは別のものですが、どちらもWebサイトを見るためには欠かせない存在です。
ドメインとサーバーの役割
ドメインとは、Webサイトの住所のようなもので、たとえばexample.comのように入力することでサイトへアクセスできます。サーバーは、Webサイトのデータを保存し、インターネットを通じて閲覧者に表示する役割を担っています。
Webサイトを公開するには、ドメインを取得し、ドメインとサーバーを正しく連携させる必要があります。適切なドメイン名や信頼性の高いサーバーを選ぶことは、Webサイトの安定性と信頼性に大きく関わってきます。
SSL証明書の役割
SSL証明書は、インターネット上でやり取りされる情報を暗号化し、第三者に見られないようにするための仕組みです。名前や住所、パスワード、クレジットカード番号などの個人情報を安全に送るために使われています。
SSLが導入されているWebサイトでは、URLがhttpsから始まり、ブラウザには鍵のマークが表示されます。これにより、利用者はそのサイトが安全であると判断しやすくなります。また、検索エンジンでもSSL対応は評価の対象になっており、SEO対策としても重要な要素です。
検索エンジンの役割
検索エンジンとは、GoogleやYahoo!など、ユーザーが入力したキーワードに対して関連するWebページを探し出して表示する仕組みです。検索エンジンはインターネット上の情報を自動で収集し、評価し、検索結果として並べています。
Webサイトを制作する際には、この検索エンジンに正しく情報を届けることが重要です。HTMLの構造やページタイトル、キーワードの使い方など、検索エンジンに理解されやすいサイト設計が求められます。
Webサイト制作を発注する前に知っておきたい基礎知識
Webサイト制作を発注する前に、基本的なポイントを理解しておくことが大切です。ここでは、失敗しないために事前に知っておきたい重要な知識について紹介します。
CMSの実装は必須
現在のWebサイト制作では、CMSの導入が一般的です。CMSを使うと、専門的な知識がなくても自社でページの更新や修正が簡単にできるようになります。代表的なCMSにはWordPressがあり、世界中の多くの企業や個人サイトで利用されています。
CMSが導入されていないサイトでは、ちょっとしたテキストの変更でも制作会社に依頼する必要があり、更新の手間やコストがかかります。特にブログやお知らせなどで、情報発信を頻繁に行いたい企業にとっては、CMSの導入は欠かせない要素です。
効率的な運用のためにも、制作段階からCMSを取り入れることをおすすめします。
スマホ対応の重要性
今やWebサイトの閲覧は、パソコンよりもスマートフォンからのほうが多くなっています。スマホ対応ができていないサイトは、スマートフォンで画面が崩れたり、文字が小さくて読みづらかったりして、閲覧者がすぐに離れてしまう原因になります。
また、Googleもスマホ対応しているWebサイトを優先的に評価しており、検索順位にも影響します。デザインの見た目だけでなく、操作のしやすさや読みやすさも含めて、スマートフォンで快適に使えるかどうかを意識した設計が必要です。
理想通りの制作会社の探し方
制作会社によって得意なジャンルや対応スタイルは異なります。実績だけでなく、ヒアリングの丁寧さや提案力、制作後のサポート体制まで確認することが大切です。また、自社の目的や課題をしっかり伝えることで、ミスマッチを防げます。
複数の会社に相談し、見積もりや対応を比較するのが有効な方法です。
見積もり金額だけで決めるのはNG
Webサイト制作の見積もりは、単なる金額だけで比較してしまうと、必要な機能が抜けていたり、対応の質が低かったりすることがあります。
見積もり内容に何が含まれているのか、修正回数や納品範囲、運用サポートの有無などを細かく確認しましょう。安さだけで判断すると、結果的に追加費用がかかるケースも少なくありません。コストと内容のバランスを見極めることが大切です。
Webサイト制作中の基礎知識
Webサイト制作が始まった後も、依頼側が理解しておくべきポイントがあります。ここでは、制作中に注意すべき基本的な考え方を紹介します。
制作会社に任せきりにしない
制作会社はプロですが、クライアントの事業や顧客については当然ながら詳しくありません。任せきりにしてしまうと、意図とは異なる方向に進んだり、伝えたいことがうまく伝わらないまま公開されてしまったりすることがあります。
デザインや文章の確認、方向性のすり合わせなどには、依頼主も積極的に関わることが大切です。やり取りの回数が多いほど、納得のいく成果につながります。
こまめにコミュニケーションを取る
制作期間中は、進行状況の共有や確認事項が頻繁に発生します。そのため、こまめな連絡やレスポンスがとても重要です。
連絡が滞ると、スケジュール遅れや、誤解が生じる原因になります。チャットやメール、オンラインミーティングなど、連絡手段を明確にしておくとスムーズです。特に修正点や要望はできるだけ具体的に伝えましょう。
競合と差別化を行う
自社のWebサイトを作るときには、同業他社のサイトを参考にするだけでなく、どう差別化するかを考えることが重要です。たとえば、同じようなサービス内容でも、見せ方や言葉の選び方で印象は大きく変わります。
競合サイトと同じ内容や構成では、ユーザーに選ばれる理由をつくれません。自社の強みや独自性を明確に打ち出すことで、ユーザーの印象に残るサイトになります。
集客を意識した構成にする
見た目だけが整っていても、訪問者が集まらなければWebサイトとしての役割は果たせません。制作中から誰に、何を伝えるかを意識した構成にすることが重要です。
検索エンジンでの流入を意識したキーワード設計や、ユーザーが知りたい情報にたどり着ける導線設計など、集客を見据えた設計が成果を左右します。コンテンツの質や見せ方は、Webサイトの目的達成に直結します。
Webサイト公開後の基礎知識
Webサイトは公開して終わりではなく、その後の運用や改善がとても重要です。ここでは、公開後に取り組むべき基本的なポイントを紹介します。
年単位で更新スケジュールを立てる
Webサイトは情報を更新し続けることで、信頼性やユーザーの利便性が高まります。しかし、その場しのぎの対応では抜け漏れが起きやすくなります。
そこで、あらかじめ1年単位の更新スケジュールを立てておくと効果的です。たとえば、季節に合わせたコンテンツの見直しや、サービス内容の更新時期、ブログやお知らせの投稿頻度などを計画しておくことで、継続的な情報発信がしやすくなります。
スケジュール管理は、社内での役割分担や外部パートナーとの連携にも役立ちます。
アクセス解析を導入して課題を発見する
Webサイトの成果を正しく把握するには、アクセス解析の導入が欠かせません。Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのツールを使えば、訪問者の数や流入経路、ページごとの滞在時間など、さまざまなデータを確認できます。
これらのデータから、どのページが読まれていないか、どこでユーザーが離脱しているかといった課題を見つけることができます。数字をもとに改善点を見つけることで、より成果につながるWebサイトが実現できます。
PDCAサイクルを回す
Webサイトの運用でも、ビジネスと同じようにPDCAサイクルを意識することが重要です。まず目的を設定し(Plan)、施策を実行し(Do)、その結果を分析し(Check)、必要に応じて改善する(Action)という流れを繰り返します。
このサイクルを回すことで、感覚的な運用ではなく、根拠のある改善が可能になります。たとえば、問い合わせ数を増やしたいという目標があるなら、ボタンの配置やキャッチコピーを検証しながら改善を進めていくという考え方です。
成果が出るWebサイトに成長させるための基礎知識
Webサイトは作って終わりではなく、継続的な改善によって成果を伸ばしていくものです。ここでは、集客や効果測定に関して意識しておきたいポイントを紹介します。
SEO対策だけに集客を依存しない
SEOはWeb集客の基本ですが、それだけに頼るのはリスクがあります。検索順位の変動やアルゴリズムの変更によって、アクセス数が急に落ちる可能性もあるためです。SNSでの情報発信、メールマガジンの活用、外部サイトとの連携など、複数のチャネルを組み合わせて集客することが重要です。
顧客と直接つながる手段を持つことで、検索エンジンに依存しない安定した集客が可能になります。
定期的にサイト全体を見直す
一度作ったWebサイトでも、時間が経つにつれて情報が古くなったり、デザインが時代遅れになったりすることがあります。そのまま放置すると、ユーザーからの信頼を失い、検索順位の低下にもつながります。
定期的に全ページを見直し、不要な情報の削除や表現の調整、新コンテンツの追加などを行うことが大切です。特に、トップページやサービス紹介などのコアページは、内容の正確さと更新頻度を保つようにしましょう。
まとめ:基礎知識を身につけて納得のWebサイト制作を行なおう
Webサイトを制作するには、インターネットの基本的な仕組みから、発注時の判断ポイント、制作中の関わり方、公開後の運用方法まで、幅広い知識が求められます。これらの基礎知識を押さえておくことで、制作会社とのやり取りがスムーズになり、目的に合ったWebサイトを形にしやすくなります。
一度きりの制作で終わらせるのではなく、公開後も改善を重ねて育てていくことで、Webサイトは本来の価値を発揮します。知識を持って主体的に関わることが、成果につながるWebサイト制作への第一歩となります。