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パンくずリストとは?設置方法やSEO効果を解説

パンくずリストは、ユーザーに今どのページにいるかを知らせるための案内表示です。ページの位置関係を整理して伝えることで、使いやすさと検索エンジンからの評価の両方に役立ちます。

この記事では、パンくずリストとは何かを紹介し、種類、デザイン、設置方法、SEO効果までを解説します。適切に設置すれば、訪問者の回遊や検索順位の向上にもつながるため、ぜひ参考にしてください。

パンくずリストとは

パンくずリストとは、ユーザーが今どのページにいるのかを示すためのリンクです。一般的には、トップページから現在のページまでの階層を「トップ > カテゴリ > ページ名」のように表示します。

名前の由来は童話「ヘンゼルとグレーテル」で、道に迷わないようにパンくずを落とした話にちなんでいます。

パンくずリストは、ユーザーが現在の位置を視覚的に把握できるという効果があり、あわせて前の階層へ簡単に戻れるナビゲーションの役割も果たします。サイト内の構造を理解しやすくなることで、ユーザーの移動がスムーズになり、離脱防止につながります。

また、検索エンジンにとってもページ構造を把握する手がかりとなり、SEOの観点でも有効です。特にコンテンツ量の多いホームページでは、ユーザー体験の向上とSEO効果の両面から設置メリットが大きいといえます。

パンくずリストの種類

パンくずリストにはいくつかの種類があり、ホームページの構造や目的に応じて使い分けることができます。ここでは代表的な3つの種類について解説します。

位置型パンくずリスト

位置型パンくずリストは、サイト内の階層構造をそのまま表現するタイプです。

一般的なコーポレートサイトやECサイトでもっとも多く使われており、ユーザーが「現在のページが全体のどこに位置しているか」を視覚的に把握しやすいのが特長です。

たとえば、「トップ > 商品一覧 > 家電 > 冷蔵庫」といった表示になります。この形式はナビゲーションとしても機能し、上の階層にすぐ戻れる利便性があります。検索エンジンにもページの構造を伝えやすいため、SEOの観点でも優れた形式といえます。

情報量が多く、カテゴリ構造が明確なホームページほど、位置型パンくずリストが効果的です。

属性型パンくずリスト

属性型パンくずリストは、商品の属性や特徴を軸に構成されるパンくずリストです。

たとえば、「トップ > メンズ > アウター > ブラック」のように、階層ではなく商品の持つ情報や分類を順に表示します。ECサイトなどでユーザーが属性ごとに絞り込んでいく導線設計に適しており、ユーザーが自分の選んだ条件を把握しやすくなるのがメリットです。

ただし、ページの階層構造とは一致しないことが多いため、ナビゲーションというよりはフィルター機能に近い役割を持ちます。ユーザー体験には効果的ですが、SEO目的での内部リンク最適化にはやや向いていないため、用途に応じて使い分ける必要があります。

パス型パンくずリスト

パス型パンくずリストは、ユーザーがたどってきたページ遷移の履歴をもとに構成されるタイプです。

たとえば、「トップ > 特集ページ > 商品一覧 > 商品詳細」といった表示になりますが、これはあくまでそのユーザーがたどった道順であり、他のユーザーには同じ構造で表示されるとは限りません。

パス型パンくずリストは再訪や戻り操作には便利ですが、サイト全体の階層構造とは無関係であるため、検索エンジンにとっては明確な構造を示しづらく、SEOの効果は限定的です。

また、ユーザーによって内容が変わるため、実装の難易度もやや高めです。多くのホームページで、この形式はあまり使われていませんが、特定の動線設計やコンバージョン導線で活用されることがあります。

パンくずリストのデザイン例

パンくずリストは単なる機能要素としてだけでなく、視認性や操作性を高めるデザインによって、ユーザー体験の向上につながります。ここではよく採用されているデザインパターンを紹介します。

リンクを強調したデザイン

リンクを強調したパンくずリストの画像

リンクを強調するパンくずリストは、ユーザーに対して「どこがクリック可能か」を明確に伝えることを目的としたデザインです。階層構造の中でリンク可能な部分に目立つ色やアンダーラインを付けて、視覚的な差別化を行っています。

たとえば、ZOZOTOWNでは、現在地をグレーで非リンク化し、それ以外の階層には青色のリンクカラーを採用しています。これにより、ユーザーはパンくずリスト内のどこをクリックできるかを直感的に判断でき、上位ページへのスムーズな移動が可能になります。

特にECサイトや多階層のコンテンツを持つホームページでは、こうしたデザインの工夫がユーザーの離脱抑止につながります。

現在地を強調したデザイン

現在地が分かりやすいパンくずリストの画像

現在地を強調するデザインは、ユーザーが今どのページを閲覧しているかを瞬時に理解できるようにする工夫です。パンくずリストは全体の階層構造を示す役割を持ちますが、そこにおいて「現在のページ」がどれなのかを強調することで、サイト内での自分の位置が明確になります。

たとえば、レシピサイトのクラシルでは、現在地を太字で表示し、それ以外の階層は通常フォントで表現しています。このような工夫により、ユーザーは視線の流れの中で自然に現在地を認識でき、戻るや別カテゴリに移動するなどの次の行動を取りやすくなります。

UIデザインの一部として、特に情報量の多いメディアサイトやブログなどで効果的です。

パンくずリストの設置場所

パンくずリストは、設置する位置によってユーザー体験にもSEOにも影響を与えます。どこに表示するかは、見やすさと役割を踏まえて判断することが重要です。ここでは、設置場所ごとの考え方を紹介します。

トップページには含めない

パンくずリストは、現在地や階層構造を示すための要素ですが、トップページには表示しないのが一般的です。トップページはホームページの起点であり、他のページと違って上位階層が存在しないため、パンくずリストを設置しても機能しません。

また、トップページにパンくずリストを置くことで、視覚的なノイズが生まれ、デザインの整合性を損ねる恐れもあります。ユーザーの導線を考慮しても、トップページではパンくずよりもメインビジュアルやナビゲーションの明確さが重視されるべきです。

必要な情報だけを残すことで、ページ全体の分かりやすさと操作性が高まります。

ページの上部に設置

ページの上部に設置したパンくずリストの画像

パンくずリストは、多くの場合コンテンツの上部に設置されます。主にメインビジュアルやタイトルのすぐ上に表示されているのが一般的です。ユーザーがページを開いた瞬間に現在位置を把握しやすく、すぐに上位階層へ戻る選択肢を得られる点がメリットです。

また、検索エンジンのクローラーもHTML上の早い位置で構造情報を取得できるため、SEOの観点でも効果があるとされています。特にカテゴリ構造が複雑なホームページでは、パンくずリストを上部に配置することで、回遊性を高める効果も期待できます。

視認性や導線設計を重視するなら、ページ上部への設置が適しています。

ページの下部に設置

ページの下部に設置したパンくずリストの画像

一部のホームページでは、パンくずリストをページ下部に設置するケースも見られます。

特にスクロールの長いコンテンツや記事ページで、読み終わったあとに次の行動として上位階層に戻りたいユーザーにとって便利な位置です。また、モバイルファーストの設計では、ページ下部に回遊要素を集約するデザインとしても相性がよいとされています。

ただし、パンくずリスト本来の「現在地を示す」役割はページ上部にある方が効果的であるため、下部にしか設置しないのではなく、上部と下部の両方に設けるケースもあります。

ユーザーの行動パターンやデバイス環境に応じて、適切な配置を検討することが大切です。

パンくずリストの設置方法

パンくずリストは、HTMLとCSSを用いたマークアップに加え、SEO対策として構造化データを併用することで効果を最大限に発揮します。ここでは、基本的な設置方法を解説します。

HTMLの記述例

パンくずリストは、<nav>タグと<ol>タグ、そしてそれに含まれる<li>タグで構成されるのが一般的です。以下は基本的なHTML構造の例です。

<nav aria-label="breadcrumb">
<ol>
<li><a href="/">トップ</a></li>
<li><a href="/category">カテゴリ</a></li>
<li aria-current="page">現在のページ</li>
</ol>
</nav>

この例では、ナビゲーション要素として<nav>を使い、スクリーンリーダーに対してパンくずリストであることを伝えるためにaria-label="breadcrumb"を付けています。

リストの各階層には<li>を使い、リンク可能なページには<a>タグを設定します。現在地はリンクではないため、リンクを除外したうえでaria-current="page"で示すのが適切です。

CSSの記述例

HTMLだけではパンくずリストは視認性に欠けるため、CSSでデザインを調整します。一般的な実装例では、リストマークを非表示にし、各項目の間に「>」を表示して階層構造を視覚的に分かりやすくします。

nav ol {
list-style: none;
display: flex;
padding: 0;
margin: 0;
}
nav ol li + li::before {
content: ">";
margin: 0 8px;
color: #999;
}
nav ol li a {
color: #007bff;
text-decoration: none;
}
nav ol li[aria-current="page"] {
font-weight: bold;
color: #333;
}

このスタイルでは、リスト項目の先頭には区切り記号を付けず、2つ目以降の項目にだけ「>」を表示するためにli + li::beforeセレクタを使っています。

また、現在地である要素には太字と濃い色を指定して、他のリンクと区別しています。リンクカラーや余白はサイト全体のデザインに合わせて調整が可能です。

構造化データの記述例

Googleをはじめとする検索エンジンにパンくずリストを正確に伝えるためには、構造化データの導入が重要です。特にJSON-LD形式で記述することが推奨されています。以下は具体的なコード例です

<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "BreadcrumbList",
"itemListElement": [
{
"@type": "ListItem",
"position": 1,
"name": "トップ",
"item": "https://example.com/"
},
{
"@type": "ListItem",
"position": 2,
"name": "カテゴリ",
"item": "https://example.com/category"
},
{
"@type": "ListItem",
"position": 3,
"name": "現在のページ"
}
]
}
</script>

このコードでは、各階層の情報をitemListElement配列として記述し、それぞれにリストの順番であるposition、表示名のname、リンク先のitemを記載しています。最終階層となる現在地にはitemを記述しないことで、リンクされていない状態を示すことができます。

適切に設定することで、Googleの検索結果にパンくずリストが表示されやすくなり、クリック率の向上につながります。

パンくずリストのSEO効果

パンくずリストは、ユーザーの利便性を高めるだけでなく、検索エンジンにとってもサイト構造を理解しやすくする重要な要素です。ここでは適切に設置されたパンくずリストのSEO効果を紹介します。

検索エンジンが構造を理解しやすくなる

パンくずリストは、ホームページの階層構造を検索エンジンに伝えるために有効な要素です。HTMLや構造化データでマークアップすることで、各ページの親子関係が明確になり、Googleなどの検索エンジンがサイト全体の構成を正しく把握しやすくなります。

とくにカテゴリページや詳細ページのような下層ページでは、パンくずリストを通じて上位ページとの関連性が示されるため、インデックスの精度やクロール効率の向上につながります。

構造が明確に伝わることで、検索エンジンからの評価が安定し、SEOの基盤強化に貢献します。

関連性のある内部リンクを獲得できる

パンくずリストには、上位階層へのリンクが含まれており、これが内部リンクの最適化に大きく寄与します。

検索エンジンは、内部リンクを通じてサイト内のページ同士の関連性や重要度を判断しますが、パンくずリストを活用することで、主要なカテゴリや親ページへのリンクが自然に形成されます。その結果、特定のページにリンクが集まりやすくなり、サイト全体の評価分布も整います。

特にカテゴリページは、集客面でも重要な役割を果たすため、そこへのリンクをパンくずリストで確保することはSEOの基礎対策として有効です。

ユーザー行動が最適化される

SEOにおいて、ユーザーの行動データは検索順位に間接的な影響を与える重要な指標です。

パンくずリストを適切に設置することで、ユーザーは自分がどの階層のページを見ているのかをすぐに把握でき、目的のページへ戻りやすくなります。これにより、離脱を防ぎながら回遊率や滞在時間の向上が期待でき、SEOでプラスに働きます。

特にスマートフォンでは画面サイズが限られるため、ページ内での位置関係が分かりやすくなると、ストレスなく目的の情報にたどり着きやすくなります。

パンくずリストはユーザーの行動を円滑にし、サイト全体の利便性や評価向上につながる要素です。

パンくずリストを設置するときの注意点

パンくずリストは便利なナビゲーションツールですが、設置の仕方によってはかえって使いにくくなったり、SEO効果を損なったりする可能性もあります。ここでは、パンくずリストを設置する際に気をつけたい注意点を紹介します。

階層を深くし過ぎない

パンくずリストは、ユーザーに現在地と上位階層への道筋を示すための導線です。しかし、階層が深すぎると、かえって情報量が増えすぎてしまい、ユーザーの視認性や操作性が下がる原因になります。

また、SEOにおいても、無理に細かく分類しすぎることで、1ページあたりの評価が分散しやすくなるというデメリットがあります。カテゴリ設計は必要十分な深さにとどめ、ユーザーが直感的に理解できる構造にすることが、パンくずリストの効果を最大限に引き出すために重要です。

現在地にはリンクを貼らない

パンくずリスト内で現在地となるページには、リンクを設けないのが一般的です。表示中のページに再アクセスする必要がないため、リンクを付けても意味がなく、ユーザーにとって紛らわしく感じることもあります。

また、SEOの観点からも、不要な内部リンクを避けることでリンク構造の最適化が図れます。現在地はテキストのみで表示し、マークアップ上はaria-current="page"属性を付けることで、スクリーンリーダーなどにも正しく認識されやすくなります。

視覚的にも構造的にも、現在地を明確に示す設計が求められます。

スマートフォンでの見やすさに注意する

モバイルファーストが重視される中、パンくずリストもスマートフォンでの見やすさを考慮する必要があります。画面幅が狭いため、文字が小さすぎたりリンク間の余白が不十分だと、誤操作や視認性の低下を招きます。

また、パンくずの横スクロールが必要なデザインはユーザビリティを損なうため、避けた方が無難です。適切な文字サイズや行間、クリックしやすいタップ領域の確保など、モバイル環境に適したUI設計を行うことで、ユーザー体験の向上と回遊率の改善が期待できます。

アンカーテキストにSEOキーワードを利用する

パンくずリストに使われるアンカーテキストは、単なるリンク名ではなく、SEOにおけるキーワード要素として重要です。

たとえば、「商品一覧」よりも「スキンケア商品一覧」のように、カテゴリの内容が明確に伝わるテキストにすることで、検索エンジンにページの内容を伝えやすくなります。

ただし、キーワードを詰め込みすぎると不自然になり、逆効果になるため、あくまで自然な範囲での最適化がポイントです。ユーザーと検索エンジンの両方にとって分かりやすい表現を心がけることが大切です。

まとめ:パンくずリストで使いやすいホームページを目指そう

パンくずリストは、ユーザーの利便性を高めると同時に、検索エンジンにサイト構造を正しく伝えるための重要な要素です。種類やデザイン、設置場所、HTML構造や構造化データまで意識して実装することで、ユーザー体験の向上とSEO対策の両立が可能になります。

設置時には階層の深さやスマートフォンでの見やすさ、リンク設計といった注意点も忘れずに考慮することが大切です。小さな工夫がサイト全体の評価に繋がるため、パンくずリストを効果的に活用し、使いやすく成果につながるホームページを目指しましょう。

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