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フィッシングサイトの見分け方!有名ブランドをかたる手口と対処法
フィッシングサイトは有名ブランドを装い、偽サイトに誘導して個人情報を盗み取る手口です。メールやSMSで本物そっくりのURLを送るケースが多く、気づかずに情報を入力してしまうと、不正ログインや金銭的被害につながる可能性があります。
昨今では、ホームページを制作した企業から、自社のサイトがフィッシング詐欺に悪用されるのではないかや、顧客が偽サイトに騙されないかといった相談が増えています。
そこで、本記事ではフィッシングサイトの特徴や見分け方、被害を防ぐための対策を解説します。さらに、フィッシングサイトのURLを開いてしまったときのリスクや、被害に遭ったときの対処法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
フィッシングサイトとは
フィッシングサイトとは、偽のウェブサイトを使ってユーザーの個人情報を盗み取る詐欺の一種です。特に有名ブランドや金融機関を装ったサイトが多く、メールやSMSを通じて偽サイトに誘導する手口が一般的です。
フィッシングサイトは、公式のページと非常によく似たデザインやドメインを使っており、URLの一部を変えるなどの細工が施されているため、一見すると本物と区別がつきにくいのが特徴です。
フィッシングサイトは単に怪しいサイトとして片付けられるものではなく、最新の手口や対策を知ることが、安全なインターネット利用につながります。
フィッシングサイトが使う主な手口
フィッシングサイトの最も一般的な手口は、メールやSMSを利用してユーザーを偽サイトへ誘導する方法です。有名ブランドを装い、アカウントに不審なログインがありましたや支払い情報を更新してくださいといったメッセージを送信します。
以下は、当社に届いたフィッシングメールの例です。
メール内のURLやアンカーテキストリンクをクリックすると、本物そっくりの偽サイトに誘導され、ログイン情報やクレジットカード番号を入力させられ、情報が盗まれてしまいます。
有名ブランドをかたるフィッシングサイトの見分け方
昨今、フィッシングサイトの手口はますます巧妙になっており、有名ブランドをかたる詐欺サイトが増加しています。正規サイトと見た目がほぼ変わらないケースも多く、ホームページを開いただけでは判別が難しくなっています。ここでは、フィッシングサイトを見分けるポイントを紹介します。
よく見るフィッシングサイトの一覧
フィッシングサイトは、特定の有名ブランドの信頼を悪用し、ユーザーを騙します。特に以下のようなブランドをかたる詐欺サイトが多く確認されています。
- 金融機関:銀行やクレジットカード会社
- ECサイト:Amazonや楽天などの大手ECサイト
- 通信キャリア:携帯電話会社
- メールサービス:LINEやGmail
- その他:国税庁やえきねっと、ビッグカメラ
詳細については、フィッシング対策会議の緊急情報で確認できます。
どのブランドを装っているかを知ることで、該当するメールを確認する際に、普段よりも注意深く確認することが大切です。
メール送信者のアドレスを確認する
フィッシングサイトに誘導するメールは、送信元のアドレスを本物に見せかける手口が多く使われます。一見すると正規の企業からのメールに見えますが、以下のポイントを確認することで、不審なメールを見破れます。
- 送信元のドメイン:公式のドメインと異なる場合は要注意
- 不自然な文字列:info@amaz0n.comなどの似たようなスペルを使用
リンクをクリックする前にURLを確認する
フィッシングサイトの多くは、本物のサイトと酷似したURLを使用し、ユーザーを騙そうとします。クリックする前に、以下の点を確認することで、不正なサイトへのアクセスを防ぐことができます。
- 正規ドメインかを確認:amazon.co.jpではなくamaz0n.coなどの類似ドメインに注意
- SSL証明書の有無:HTTPSであっても偽サイトの可能性があるため油断は禁物
- 短縮URL:URLを分からないようにしているケースがある
最近では、URLをそのまま掲載せず、アンカーテキストを利用する手口も増えています。パソコンでは、リンクにカーソルを合わせるとURLが表示されるため、必ず確認しましょう。
また、正規のURLと見分けがつきにくい偽サイトも増えているため、メールやSMSのリンクを不用意にクリックせず、公式サイトをブックマークして直接アクセスするのが安全です。
メールやホームページの文章を確認する
フィッシングサイトは、正規の企業のデザインやロゴを模倣しており、一見すると違いがわかりにくいですが、メール本文やサイトの文章を確認することで、不審な点を見つけることができます。
- 不自然な日本語:自動翻訳を使用したような不自然な表現や誤字脱字がある
- 必要以上に緊急性を煽る:すぐに対応しないとアカウントが停止されますなどの文言が多い
- 正式な企業名が記載されていない:会社情報や連絡先が不明瞭な場合がある
特に、自動翻訳ソフトを使用したフィッシングメールが多くあり、日本語が不自然なケースがあるので、文章の違和感にも注意が必要です。
フィッシングサイトの被害を予防する対策
フィッシングサイトによる被害を防ぐには、日常的に注意すべきポイントを把握し、適切な対策を講じることが重要です。特に、メールのリンクやパスワード管理には細心の注意を払い、不審なメッセージには対応しないことが基本的な予防策となります。ここでは、フィッシング詐欺を未然に防ぐための対策を紹介します。
メールのリンクをクリックしない
フィッシング詐欺の多くは、偽のメールやSMSを使ってユーザーを偽サイトに誘導する手口を用いています。銀行やECサイトを装い、支払い情報を更新してくださいなどのメッセージを送り、偽のログインページに誘導しようとします。
そのため、メールに記載されたリンクはクリックせず、公式サイトを直接開くことが安全な対策です。不審なメールを受け取った場合は、リンクを開く前にドメインや送信元を慎重に確認し、必要なら公式のカスタマーサポートに問い合わせましょう。
また、短縮URLを利用したフィッシング詐欺も多いため、URLが明確でない場合は特に注意が必要です。
携帯電話会社やプロバイダのセキュリティ設定を行う
フィッシング詐欺の多くはメールやSMSを通じて届くため、不審なメールを受信しないように設定することが重要です。携帯キャリアやインターネットプロバイダでは、迷惑メールフィルターを活用することで、フィッシングメールを一定程度ブロックできます。
たとえば、携帯キャリアでは、迷惑メール対策の設定を強化することで、フィッシングメールの受信を減らすことが可能です。プロバイダも、スパムメールをフィルタリングする機能を提供している場合があるため、設定を確認して有効化しましょう。
ただし、これらのフィルターは完全ではなく、すべてのフィッシングメールをブロックできるわけではありません。フィルターを通過するケースもあるため、不審なメールは自分で見分ける意識を持つことが大切です。
IDやパスワードを使い回さない
フィッシングサイトで盗まれた情報が他のサービスで悪用されるケースが多いため、異なるサービスごとにユニークなパスワードを設定することが重要です。特に、ネットバンキングやECサイトでは、パスワードの使い回しを避けることで、万が一の情報漏洩時にも被害を最小限に抑えられます。
異なるサイトごとに強力なパスワードを設定し、パスワード管理ツールを活用することで、安全に管理できます。また、定期的にパスワードを変更する習慣をつけることで、セキュリティをより強化できます。
ワンタイムパスワードを活用する
ワンタイムパスワードは、一度限り有効なパスワードを利用することで、アカウントのセキュリティを強化する仕組みです。銀行やECサイトなどのサービス提供側が設定している場合に利用できます。
仮にフィッシングサイトでパスワードを盗まれたとしても、ワンタイムパスワードを設定しているサービスであれば、不正アクセスを防ぐことができます。可能な場合は、ECサイトや銀行の設定を確認し、ワンタイムパスワードを有効にしましょう。
また、SMSで送られてくるワンタイムパスワードは、第三者に知られないよう慎重に管理することが重要です。
フィッシングサイトのURLを開いたときのリスク
フィッシングサイトのURLを開いただけで、すぐに個人情報が盗まれるわけではありません。しかし、場合によっては被害につながるリスクがあるため、慎重に対応する必要があります。
特に、悪意のあるサイトではマルウェア感染や不正な通知の許可、セッションの乗っ取りなどが発生する可能性があるため、クリックしないことが最も安全な選択肢です。
ここでは、フィッシングサイトを開いてしまった際に起こりうるリスクについて解説します。
マルウェア感染
フィッシングサイトの中には、マルウェアを仕込んだものもあります。URLを開いただけでは感染しないケースが多いですが、サイト内の操作によってウイルスに感染するリスクが高まります。特に、以下のような手口がよく使われます。
- ウイルスを仕込んだファイルを強制ダウンロードさせる
- 最新のプラグインが必要ですなどの偽メッセージを表示してインストールを促す
- 広告をクリックさせて別の悪意のあるサイトへ誘導する
これらの手口を使い、ユーザーにファイルを開かせたり、ソフトウェアをインストールさせたりすることで感染を広げます。一度感染すると、個人情報が流出したり、端末の操作を乗っ取られたりする可能性があります。
怪しいサイトを開いてしまった場合は、不審なポップアップが表示されても操作せず、すぐにウイルススキャンを実施し、不審なファイルがダウンロードされていないか確認しましょう。
不正なブラウザ通知
最近では、フィッシングサイトが通知の許可を求めるケースが増えています。
たとえば、このサイトの通知を許可してください、セキュリティ警告!問題を解決するには通知を許可してくださいなどです。
このようなメッセージが表示されると、つい許可してしまう人もいますが、これが新たな詐欺の入り口になることがあります。通知を許可すると、怪しい広告やフィッシング詐欺のポップアップが定期的に表示されるようになり、誤ってクリックすると、さらに被害が拡大する可能性があります。
もし誤って通知を許可してしまった場合は、ブラウザの設定から通知の管理を開き、該当のサイトを削除することが重要です。
フィッシングサイト被害に遭ったときの対処法
万が一、フィッシングサイトで個人情報やアカウント情報を入力してしまった場合は、できるだけ早く適切な対処を行うことが重要です。放置すると、不正アクセスや金銭的被害につながる可能性があるため、迅速な対応を心がけましょう。ここでは、被害に遭った際の対処法を解説します。
盗まれた情報に関連する会社に連絡する
まず、盗まれた可能性のある情報を使用している銀行、クレジットカード会社、ECサイトなどのサービス会社に連絡し、被害を防ぐための措置を取ることが最優先です。
クレジットカード情報を入力した場合は、カード会社に連絡し、不正利用の有無を確認してもらいましょう。必要に応じて、カードの利用停止や再発行を依頼することも重要です。
銀行の情報を入力した場合は、ネットバンキングの不正ログインを防ぐため、すぐに銀行に相談し、口座の利用制限やパスワード変更を行います。
また、Amazonや楽天などのECサイトのアカウント情報を入力してしまった場合は、カスタマーサポートに連絡し、不正な注文がないか確認しましょう。
被害を最小限に抑えるためには、できるだけ早く公式サポートに連絡を取ることが大切です。
本物のサイトでアカウント情報を変更する
フィッシングサイトにログイン情報を入力してしまった場合は、すぐに本物のサイトでパスワードを変更してください。特に、パスワードを他のサイトと使い回している場合は、関連するすべてのサービスで新しいものに変更することが必要です。
また、不正ログインを防ぐために、二段階認証を設定できる場合は有効にしましょう。さらに、アカウントのログイン履歴を確認し、身に覚えのないアクセスがないかをチェックすることも重要です。不審なアクセスが見つかった場合は、速やかにサービス提供元に報告し、対応を依頼してください。
フィッシング110番に報告する
フィッシング詐欺の被害に遭った場合は、フィッシング110番に報告することも重要です。
この機関では、報告されたフィッシングサイトの情報をもとに調査を行い、対策を講じています。特に、大手企業をかたるフィッシングサイトの場合、他の被害者を増やさないためにも、情報提供が役立ちます。被害の詳細や受け取ったフィッシングメールの内容を可能な限り正確に報告しましょう。
フィッシング対策協議会に報告する
フィッシング詐欺に関する情報は、フィッシング対策協議会にも報告することができます。
この協議会は、フィッシングサイトの監視や対策を行っており、公式サイトではフィッシング詐欺の情報を公開しています。報告を行うことで、他のユーザーにも注意喚起ができ、被害の拡大を防ぐことにつながります。
フィッシングメールを受け取った場合や、不審なサイトを見つけた場合は、できるだけ早く報告しましょう。
フィッシングサイトのまとめ
フィッシングサイトは、有名ブランドを装い、ユーザーから個人情報を騙し取る詐欺の手口です。特に、金融機関やECサイトをかたるケースが多く、メールやSMSを通じて偽サイトに誘導する手法が主流となっています。
フィッシング詐欺を防ぐためには、メール送信者のアドレスやリンク先のURLを慎重に確認し、不審なメールのリンクは絶対にクリックしないことが重要です。また、携帯電話会社やプロバイダのセキュリティ設定を活用し、迷惑メールをブロックすることも有効です。
万が一、フィッシングサイトで個人情報を入力してしまった場合は、すぐに関連するサービスの公式サイトでパスワードを変更し、クレジットカード情報を入力した場合はカード会社へ連絡しましょう。さらに、フィッシング110番やフィッシング対策協議会に報告することで、他の被害者を防ぐことにつながります。
ホームページを運営している企業にとっても、自社のブランドがフィッシング詐欺に悪用される可能性があるため、公式サイトのなりすまし対策やドメイン管理を徹底することが求められます。インターネットを安全に利用するために、フィッシングサイトの手口を知り、適切な対策を行いましょう。