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DMCAとは?通知方法や虚偽申告された場合の対処法
ホームページ制作や運営の中でDMCAという言葉を耳にすることがあります。DMCAは著作権保護を目的とした米国の法律で、日本のユーザーにとっても無関係ではありません。Google・YouTubeなど米国企業のサービスを利用する場合、DMCA通知を行なったり、削除申請の対象になることがあります。
本記事では、DMCAの概要から通知を送る方法、さらに虚偽申告を受けた際の対処法までを解説します。ホームページを安全に運営するために知っておきたいポイントをわかりやすくまとめました。
目次
DMCAとは
DMCA(デジタルミレニアム著作権法)は、1998年に米国で制定されたインターネット上のコンテンツを著作権侵害から守るための法律です。米国の法律ですが、米国企業が運営するサービスを利用する場合には、日本のユーザーにも適用されます。
そのため、DMCAの概要を理解しておくことが大切です。自社のコンテンツが盗用された場合に削除申請を行えるようにしておけば、著作権トラブルを防ぎ、安心してホームページ運営を継続できます。
DMCAの概要を理解しておくことが、ホームページ運営におけるリスク対策の第一歩となります。
日本人が知っておきたいDMCAの基礎知識
DMCAは米国の法律ですが、米国企業が運営するサービスを利用する限り、日本のユーザーにも影響します。ここでは、日本人が知っておきたいDMCAの基礎知識を紹介します。
米国の法律だが日本でも適用される
DMCAは米国の法律ですが、GoogleやYouTube、Xなど米国企業が提供するサービスを利用する際には、日本のユーザーにも適用されます。
つまり、米国企業のサービスで、著作権侵害が疑われるコンテンツがある場合は、DMCA通知を行って削除を求めることができます。
コンテンツを削除すれば問題はない
DMCA通知を受けた場合、管理者が該当コンテンツを削除することでトラブルが解決するケースが多いです。
ただし、通知内容が正当かどうかを確認せずに削除してしまうと、本来削除する必要のない正当なコンテンツまで消してしまい、ホームページの評価や収益に悪影響が出る可能性があります。
そのため、削除に応じる前に必ず通知内容を確認し、慎重に判断することが重要です。
DMCA通知でコンテンツが削除されることがある
DMCA通知が送られると、プラットフォーム側が該当コンテンツを削除することがあります。
特にGoogleやYouTubeなどのサービスでは、利用規約に基づき迅速に対応が取られるため、管理者が対応する前にコンテンツが削除・公開停止となってしまうことがあります。
このようなリスクを理解しておくことで、「なぜ突然コンテンツが公開されていないのか?」と慌てる必要がなくなり、正しい対応を検討できます。
虚偽申告者が多い
DMCA通知は、不正に利用されるケースも少なくありません。競合他社や悪意のある第三者が、虚偽の申告を行って正当なコンテンツを削除・非公開にしようとする事例があります。
ただし、虚偽申告が原因で実際にコンテンツが削除・非公開にされるケースは滅多にありません。多くの虚偽申告は内容に不備があるため、プラットフォーム側の確認段階で受理されないことが多いからです。
それでも削除されてしまった場合は、反対通知を提出して正当性を主張し、復旧を求めることができます。また、悪質な虚偽申告が繰り返される場合には、法的措置を検討することも重要です。
虚偽申告への対応策をあらかじめ把握しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
DMCA通知を送る方法
著作権侵害が疑われる場合、DMCA通知を行うことが効果的な対応策の一つです。ここでは、通知を送るための手順を解説します。
1. まず相手に削除依頼を出す
DMCA通知を送る前に、まずは直接相手に削除を依頼することが推奨されます。その方がやり取りがシンプルで、余計な手間や時間を省け、早期解決につながる可能性があるからです。
削除依頼を出す際には、侵害コンテンツの詳細を明示し、誤解が生じない言葉で伝えることが重要です。
2. フォームからDMCA通知を行う
相手が削除依頼に応じない場合、プラットフォームが提供するDMCA通知フォームを利用します。
それぞれのプラットフォームには専用のフォームがあり、侵害されたコンテンツのURLや侵害の詳細を記入して申請します。フォームを送信する際には、自身の情報や、通知が正当であることを示す具体的な文章を記載する必要があります。
以下は代表的なDMCA通知フォームです。
3. Lumenを確認する
DMCA通知を送信した後は、Lumenに記録されている内容を確認します。
Lumenは、DMCA通知の内容を公開するデータベースで、透明性を確保する目的で運営されています。
通知内容に誤りや不備がある場合は、再送するなどの対応が必要です。
DMCA虚偽申告をされた場合は反対通知を行う
DMCAは、悪意を持った第三者によって虚偽申告が行われるケースも存在します。たとえば、競合他社が意図的に虚偽の通知を送信し、正当なコンテンツを削除・非公開にしようとする場合があります。
虚偽申告でコンテンツが削除・非表示されてしまった場合は、反対通知を送ることで対応できます。反対通知とは、通知を受けた側がその内容に異議を申し立て、削除されたコンテンツの復旧を求めるための手続きです。
反対通知には、次のような情報を含める必要があります。
- 削除されたコンテンツの情報
- 自身の連絡先
- 申告内容が虚偽である理由を明記した文章
- 自分のコンテンツが著作権侵害ではない理由
反対通知は、対象となるプラットフォームを通じて送信できます。この手続きにより、正当なコンテンツが削除された場合でも、復旧を求めることが可能です。
虚偽申告は一度で終わるとは限らないため、同様のトラブルを繰り返さないための準備も重要です。必要に応じて弁護士や専門家のアドバイスを受け、適切に対応できる環境を整えることをおすすめします。
以下は代表的な反対通知の送信フォームです。
DMCAに関するよくある質問
ここでは、ホームページ運営者が実際に抱きやすい疑問をよくある質問としてまとめました。DMCA通知の仕組みや注意点を理解しておくことで、いざというときに迷わず対応できます。
DMCA通知は誰でも送れる?
結論から言えば、誰でも送れるわけではありません。
DMCA通知を送信できるのは、著作権者本人か、著作権者から正式に依頼を受けた代理人に限られます。もし権利を持たない人が送信した場合、それは虚偽申告となり、逆に法的責任を問われる可能性があります。
つまり、正しい権利者であることを前提に送る仕組みなので、気に入らないから消したいという理由では絶対に使えないという点に注意が必要です。
DMCA通知の効果が出なかったらどうすれば?
DMCA通知を送ったのにコンテンツが削除されない場合には、いくつかの理由が考えられます。
- 通知内容に不備がありプラットフォームが受理していない
- 対象が米国企業のサービスではなくDMCAが適用されない
- プラットフォームが著作権侵害にあたらないと判断した
この場合は、まず通知内容に誤りがないか確認し、不備があれば修正したうえで再送します。
それでも解決しない場合は、弁護士に相談し、著作権法に基づく削除請求や訴訟など別の手段を検討することになります。
つまり、DMCA通知は強力な手段ではありますが万能ではありません。効果が出なかったときの次の一手を用意しておくことで、安心してホームページ運営が行えます。
Lumenに自社サイトが出ているけど大丈夫ですか?
Lumenは、送信されたDMCA通知を公開するためのデータベースです。そのため、自社サイトのURLが掲載されていても、違法サイトとみなされているわけではありません。掲載されているのは「著作権侵害の申し立てがあった」という事実にすぎません。
重要なのは、その申告が正当かどうかです。掲載自体は珍しいことではなく、著作権侵害を行っていなければ、心配する必要はありません。
DMCA通知を送ると相手に個人情報が伝わる?
DMCA通知や反対通知を送る際には、氏名や住所、連絡先などを記載する必要があります。
通知がプラットフォームに受理されると、これらの情報は相手に共有されます。つまり、正当な手続きである以上、自分の個人情報が相手に伝わる仕組みになっているのです。
さらに、送信された通知はLumenに反映され、申告の内容とともに通知者の氏名が公開されます。Lumenには住所や電話番号といった詳細な個人情報は公開されませんが、誰が申告したかは見られる状態になります。
個人情報の公開に不安がある場合は、弁護士などの代理人を立てて通知を行う方法も検討できます。
まとめ:DMCAを理解してホームページの安全性を守ろう
DMCAは、デジタルコンテンツを著作権侵害から守るために欠かせない法律です。
米国企業のサービスを利用する以上、日本のユーザーにとっても無関係ではありません。正しくDMCA通知を活用すれば、自社のコンテンツを守り、不要なトラブルを未然に防ぐことができます。
ただし、悪意のある虚偽申告によって、正当なコンテンツが消されてしまうリスクもあります。
ホームページ運営を安心して続けるためにも、DMCAの基本を理解し、必要に応じて通知や反対通知を活用できるようにしましょう。