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ホームページの改修とは?リニューアルとの違いや費用を解説
ホームページを改善したいとき、「改修」と「リニューアル」のどちらが適しているのか、判断に迷うこともあるかもしれません。どちらを選ぶかによって、費用や作業の規模、効果の出方が大きく変わってきます。
この記事では、ホームページの改修とは何か、リニューアルとの違い、改修の進め方や費用感について整理しています。自社にとってどちらが適しているかを考える際の参考にしてください。
目次
ホームページの改修とは
ホームページの改修とは、現在運営中のホームページに対して、課題や目的に応じた部分的な見直しや改善を行う対策のことを指します。
ホームページの改修の対象は多岐にわたり、たとえば、見た目のデザイン調整、ユーザー導線の整理、コンテンツの追加・修正、表示速度の改善などが含まれます。こうした改修を通じて、ユーザビリティの向上や成果の最大化を図るのが目的です。
改修の大きな特徴は、既存のホームページを活かしながら対応できる点です。SEO評価や既存のアクセスデータを継承したまま改善を行える点は、集客効果や成果を維持したい企業にとって重要なポイントと言えます。
ホームページの改修とリニューアルの違い
ホームページの見直しを検討する際に、よく混同されがちなのが改修とリニューアルの違いです。
リニューアルはサイト全体の構造やデザイン、コンテンツを一新する大掛かりな対応であるのに対し、改修は既存のホームページを活かしながら部分的に改善していく方法です。
たとえば、デザインの調整や導線の見直し、コンテンツの追加といった対応は改修にあたります。一方、サイト全体の設計やCMSの入れ替えを含むようなケースはリニューアルと呼ばれます。
それぞれにメリットと注意点があり、目的や状況に応じた使い分けが重要です。
ホームページを改修するか迷ったときの判断ポイント
ホームページを見直す際に、全面的なリニューアルにするか、部分的な改修にするかで悩む方は多くいます。ここでは、改修を選ぶべき代表的な判断ポイントをご紹介します。
SEO効果を維持したい
検索エンジンからの集客を維持しながら改善したい場合は、改修の方が適しています。
リニューアルではサイト構造やURLが大きく変わることが多く、検索順位の変動リスクが高くなります。
一方、改修であれば既存のSEO評価を活かしつつ、問題点だけを改善できます。たとえば、内部リンクの整理やコンテンツの追加、構造化データの導入など、検索パフォーマンスを下げずに強化することが可能です。
費用や時間をかけたくない
スケジュールや予算に制限がある場合は、改修を選ぶことで無理のない対応ができます。
リニューアルはゼロからの設計・制作になってしまうため、数ヶ月単位の期間と数十万円〜百万円以上の費用がかかるケースがあります。
対して、改修であれば必要な部分に絞って段階的に進められるため、初期費用を抑えつつ実施することが可能です。また、運用中のホームページを止めずに対応できる点も大きなメリットです。
現状の効果測定のデータを活用したい
現サイトで蓄積してきたアクセス解析のデータをもとに改善を進めたい場合は、改修の方が適しています。
リニューアルではサイト構造やURLが大きく変わることがあり、過去のデータと正確に比較しにくくなるケースがあります。
一方、改修であれば変更範囲が限定されているため、改修前後の数値を比較しながら改善を進めやすいのが特徴です。Googleアナリティクスやヒートマップなどの計測ツールを継続して使える点も、改修の強みです。
データの流れを途切れさせずに改善できるのは、リニューアルにはない改修ならではのメリットと言えます。
ホームページの改修の目的
ホームページを改修する際には、目的を明確にすることが重要です。ここでは、代表的な目的を紹介します。
SEO効果を高める
検索エンジンからの流入を増やしたい場合、ホームページの改修は有効な手段です。たとえば、検索キーワードを意識したコンテンツの追加や、内部リンク構造の最適化、モバイルフレンドリーへの対応など、SEOの基本的な対策を反映することで、検索順位の向上が期待できます。
特に古いコンテンツを最新の情報に更新するだけでも、評価が向上するケースは少なくありません。現状の流入状況を分析したうえで、必要な箇所に絞って改修すると、効果的にSEO強化が図れます。
ブランディングを強化する
企業やサービスの印象をより良く伝えたい場合にも、改修は役立ちます。
古くなったデザインや不統一なビジュアル要素は、信頼感や一貫性を損ねる原因になります。配色やフォント、写真のテイストなどを整理し、ブランドイメージに合ったデザインへと調整することで、企業としてのメッセージ性や魅力を強化できます。
また、コーポレートアイデンティティの刷新やロゴの変更に合わせて改修を行うケースも多くあります。
ユーザエクスペリエンスを向上させる
ユーザーが使いやすいと感じるサイト設計に見直すことで、直帰率や離脱率の改善が期待できます。たとえば、グローバルナビゲーションの配置、スマートフォン表示での操作性、読み込み速度の向上といった技術的な改善も改修の一部です。
ユーザー行動を分析し、どこで離脱しているのか、どの導線が使いにくいのかといった課題を見つけ、それに対する具体的な対策を講じることが、満足度の高いホームページづくりにつながります。
コンバージョン率を高める
問い合わせや資料請求、購入などのコンバージョンを増やしたい場合にも、改修は効果的です。たとえば、CTAボタンの配置や文言の見直し、フォームの最適化、導線の整理など、成果に直結する要素を改善することで、ユーザーが次のアクションを起こしやすくなります。
特に、アクセス数はあるのに成果が出ていないホームページでは、コンバージョン導線の最適化だけでも大きな改善が見込めます。
ホームページの改修の費用相場
ホームページの改修にかかる費用は、対応範囲やホームページの規模によって大きく異なります。ここでは、費用に影響する要素と、規模別の費用相場を紹介します。
改修費に影響を与える要素とは
改修費用は、一律ではなくさまざまな要素によって変動します。主な要因としては、改修するページ数、CMSの有無、改修範囲、納期、機能の増減などが挙げられます。
たとえば、静的なHTMLサイトで数ページのみのデザイン変更であれば比較的安価に済みますが、CMSで制作されているホームページでは、テーマの改修やプラグインの調整などが発生し、工数が増える傾向にあります。
また、ページ単位ではなくサイト全体の構成や導線を見直す場合や、スピード重視の短納期案件では、追加費用が必要になることもあります。費用を正確に見積もるためには、何を・どこまで改修したいのかを明確にしておくことが重要です。
小規模な改修の費用相場
小規模な改修とは、主に既存ページのテキスト修正、画像の差し替え、軽微なデザイン調整などを指します。このレベルの改修であれば、費用は数万円〜30万円程度が相場となります。
たとえば、会社概要やサービス紹介ページの内容の更新、バナーの差し替え、スマートフォン表示の一部修正などが該当します。既存の設計や構造を活かしながら作業できるため、コストを抑えつつ迅速な対応が可能です。
大規模の改修の費用相場
中から大規模の改修では、サイト全体の設計の見直し、デザイン刷新、導線改善、CMSの再構築や機能追加などが含まれます。この場合の費用相場は100万円以上になることが一般的です。
たとえば、20ページ以上のコンテンツを持つ企業サイトで、トップページの再設計に加え、全ページの構成見直しや、検索機能の追加、多言語対応などを行う場合、規模に応じて200万円〜300万円に達することもあります。
このようなケースでは、改修というよりリニューアルに近いプロジェクトとして扱われることもあるため、目的と費用対効果を慎重に検討する必要があります。
ホームページの改修の進め方
改修を成功させるには、目的の明確化から実施後の効果測定まで、段階を踏んで進めることが重要です。ここでは、代表的なホームページの改修の進め方を紹介します。
改修の目的を明確にする
改修を始めるにあたっては、まず「何のために改修するのか」という目的をはっきりさせることが重要です。目的が不明確なままでは、取り組むべき課題や優先順位があいまいになり、効果的な改善につながりません。
たとえば、「お問い合わせ数を増やしたい」という目的があれば、それに応じて導線の見直しやCTAの強化といった対応が必要になります。「スマートフォンでの使い勝手を良くしたい」「企業の印象をもっとよく伝えたい」といった目的も、改修の内容を検討するうえで重要な判断軸になります。
目的が明確になれば、改修の方向性がブレず、社内の合意形成や制作会社とのやり取りもスムーズになります。
ホームページの課題を抽出する
改修の目的が明確になったら、それを妨げている現状の課題を把握することが次のステップです。
まずは、設定した目的に照らしてアクセス解析を確認しましょう。たとえば、「お問い合わせ数を増やす」が目的であれば、直帰率が高いのはお問い合わせページへの導線上のどこかもしれませんし、「検索流入を増やしたい」のであれば、検索順位が伸びていないキーワードや流入の少ないページが課題になります。
こうした数値に表れる問題点を、目的に関連づけて客観的に確認することが重要です。
さらにヒートマップを活用すれば、どの要素がクリックされているか、どこまでスクロールされているかといったユーザーの行動が視覚的に把握でき、ページ構成や導線設計の見直しに役立ちます。
加えて、「内容がわかりにくい」「必要な情報が見つけにくい」といったユーザーアンケートで得られる声も、定量データでは見えにくい課題を発見するヒントになります。
こうした多角的な視点から目的に沿った課題を洗い出すことで、改修の的を絞り、限られた予算や時間の中で効果を最大化することが可能になります。
改修の内容を定める
課題が明確になったら、それに対してどのような改修を行うかを具体化していきます。たとえば、トップページのファーストビューを改善する、お問い合わせフォームの項目を見直す、FAQページを新設するなど、実施内容をリストアップしましょう。
この段階で、必要に応じてデザイナーやエンジニアと協議し、技術的な可否や必要な工数を確認しておくと、実行段階でのトラブルを防げます。
見積もりを取る
改修内容がまとまったら、外部に依頼する場合は制作会社に見積もりを依頼します。見積もりの際には、目的や作業内容を詳細に伝えることで、正確な費用感と納期を把握することができます。
複数社から相見積もりを取ることで、費用対効果の高い制作会社の選定が可能になります。また、自社で対応可能な作業と外注すべき範囲を切り分けることも、予算を最適化するうえで重要です。
改修を実行して効果測定を行う
改修を実行した後は、必ず効果測定を行いましょう。Googleアナリティクスやサーチコンソールなどを使って、改修前後のアクセス数やコンバージョン率の変化を確認します。
また、ユーザーからのフィードバックや問い合わせ内容の変化も、定性的な評価材料となります。効果測定の結果をもとに、必要であればさらなる改善を行うことで、ホームページを継続的に育てていくことができます。
まとめ:改修でホームページを育てるのも重要な選択
リニューアルは一から作り直す大きな選択ですが、必ずしもすべてのケースで最適とは限りません。現在の資産やSEO効果を活かしつつ、費用や時間を抑えて課題を解決したい場合は、改修という選択肢が効果的です。
明確な改修の目的を持ち、段階的に改善を重ねることで、ホームページはより成果につながる存在へと成長していきます。自社の状況に合わせた最適な方法を見極め、賢くホームページを育てましょう。