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キービジュアルとは?役割や作り方、Webデザインの事例を紹介
ホームページに訪れたときに、最初に目に入るキービジュアルは、ユーザーの第一印象を大きく左右します。ブランドの世界観やメッセージを視覚的に伝える重要な役割を持っています。しかし、キービジュアルとは何か、どんな役割があるのかと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、キービジュアルの役割や作り方、注意点を解説します。また、ホームページ・アニメ・Vtuber・映画などでの活用シーンにも触れ、実際のデザイン事例を紹介します。
特に企業のホームページ制作では、適切なキービジュアルを設計し、視覚的な印象を最大限に活かすことが重要です。本記事を参考に、効果的なデザイン設計を考えましょう。
目次
キービジュアルとは
キービジュアル(Key Visual)とは、ブランドやサービスのイメージを、視覚的にわかりやすく伝えるための中心的なデザインのことです。
ホームページや広告、ポスター、パンフレットなど、さまざまな媒体で使われ、見る人に印象を残し、ブランドメッセージを直感的に伝える役割を持ちます。
ホームページにおけるキービジュアルは、トップページやキャンペーンページなど、ブランドイメージを伝えたいページのファーストビューに表示される大きな画像や、広告で使われる印象的なグラフィックがあたります。
キービジュアルは「そのブランドらしさ」を象徴する存在であり、見る人に強く印象を与えるため、ブランディングにおいて非常に重要な要素です。
キービジュアルとその他ビジュアルの違い
キービジュアルはよく似たデザイン用語と混同されがちです。それぞれの違いを理解することで、目的に合った適切なデザインを選び、より効果的にメッセージを伝えることができます。ここでは、キービジュアルとその他ビジュアルの違いを解説します。
ティザービジュアルとの違い
キービジュアルとティザービジュアルは、どちらも強い訴求力を持ちますが、目的や使われるタイミングが大きく異なってきます。
項目 | キービジュアル | ティザービジュアル |
目的 | ブランドやサービスの世界観を統一し、一貫したイメージを伝える | 新商品やサービス発表前にユーザーの期待感を高める |
使用期間 | 長期間(数ヶ月〜数年) | 短期間(リリース直前まで) |
使用場所 | 公式サイトのトップページ、サービス紹介ページ、広告、パンフレット | ティザーサイト、キャンペーンページ、リリース前の広告 |
情報開示度 | ブランドの特徴や価値を明確に表現する | 詳細を隠し、断片的な情報で興味を引く |
デザインの特徴 | 企業の世界観を象徴的に示す | キャッチコピーや抽象的な表現で想像をかき立てる |
キービジュアルは長期的にブランドを支える要素、ティザービジュアルは短期的に話題を作る仕掛けとして棲み分けるのが効果的です。
メインビジュアルとの違い
メインビジュアルは、そのページで最も目立つビジュアルを指しますが、キービジュアルとは適用範囲や役割が大きく異なってきます。
項目 | キービジュアル | メインビジュアル |
表現対象 | ブランドやサービス全体 | ページ単体 |
使用場所 | トップページ、ブランドサイト全般 | 個別ページや特集ページ |
訴求力の方向性 | ブランドの世界観を広く浸透させる | ページ固有の目的を達成する |
運用上の特徴 | ブランドカラーやトーンを一貫する | ページの内容に合わせて柔軟に変更する |
メインビジュアルはページ単位で最適化されるのに対し、キービジュアルはブランドらしさを象徴する軸になります。両者を混同するとブランド全体の統一感が損なわれるため注意が必要です。
アイキャッチ画像との違い
アイキャッチ画像はブログ記事やSNS投稿などで目を引くための要素であり、キービジュアルとは役割も設置場所も大きく異なってきます。
項目 | キービジュアル | アイキャッチ画像 |
目的 | ブランドの世界観やメッセージを象徴的に伝える | 記事や投稿に興味を持たせ、外部サイトからの集客を増やす |
使用場所 | ホームページのファーストビュー、広告、キャンペーンページ | 記事ページ、ブログ一覧、SNSシェア時のサムネイル |
デザインの自由度 | ブランドトーンに沿った統一感が必須 | 比較的自由で記事ごとに変えられる |
役割 | サイト全体の第一印象を形成 | 個別ページの入口として目を引く |
アイキャッチ画像はあくまでページや記事の入り口を演出するもので、ブランド全体を象徴するキービジュアルとは役割が全く異なります。両者を区別して使うことで、ユーザーに正しい期待感を与えられます。
キービジュアルの役割
キービジュアルは、視覚的にブランドの印象を決定づける重要な要素です。ただのデザインではなく、ターゲットにメッセージを伝え、ブランドの価値を高める役割を果たします。ここでは、キービジュアルが持つ役割について解説します。
第一印象を決定づける
ユーザーがホームページを訪れた際に、最初に目に入るのがキービジュアルです。
ここでの印象が、その後の行動やホームページの滞在時間に大きく影響します。たとえば、信頼感を与えるデザインであれば、問い合わせやサービス利用につながりやすくなります。一方で、視認性が悪かったり、訴求力のないデザインだと、ユーザーはすぐに離脱してしまう可能性があります。
そのため、色使いやレイアウト、コピーなどを工夫し、ターゲットに響くデザインを意識することが重要です。
サイトのコンセプトを視覚的に伝える
ホームページには、それぞれ目的やターゲットが存在します。
キービジュアルは、そのコンセプトを視覚的に伝える役割を持ち、サイト全体の雰囲気を決定づけます。たとえば、テクノロジー企業のホームページであれば、近未来的なデザインやクールな色調が使われることが多く、ナチュラル系の商品を扱うECサイトなら、温かみのある色や自然を感じさせるデザインが適しています。
コンセプトに合ったキービジュアルを設定することで、ユーザーに伝えたいメッセージがより明確になります。
主要な情報やメッセージを強調する
キービジュアルは、単に目を引くだけでなく、サイト全体で伝えたい主要な情報やメッセージを強調する役割を持ちます。
たとえば、企業理念やブランドの特徴などを視覚的に表現すると、訪問者に瞬時に理解させることができます。これにより、サイトコンセプトが明確になり、ユーザーが目的の情報をスムーズに得られるようになります。
また、サイト内の各ページにおいても、キービジュアルが持つデザインやトーンを統一することで、ブランドの一貫性を保つことができます。これにより、どのページを訪れても統一感のあるデザインが保たれ、ユーザーに安心感や信頼感を与えることができます。
ブランディングの強化に繋がる
ブランドの世界観を統一するために、キービジュアルは重要な役割を果たします。
統一感のあるデザインを採用することで、企業のイメージを確立し、認知度を高めることができます。たとえば、有名な企業やブランドは、一目見ただけで、この会社だと分かるようなデザインを持っています。こうした一貫性のあるデザインが、信頼感の向上やファンの獲得につながります。
もちろん、ホームページだけでなく、広告やSNSなどのプロモーションにも同じキービジュアルを活用することで、ブランドの認知度をさらに高めることができます。
キービジュアルが利用されるシーン
キービジュアルは、ブランドや作品の印象を視覚的に伝える重要な役割を担います。そのため、さまざまな分野で活用され、見る人に強い印象を残すために工夫されています。ここでは、どのようなシーンでキービジュアルが使用されるのかを紹介します。
ホームページ
ホームページでは、キービジュアルがページの上部に配置され、訪問者が最初に目にする要素となります。
企業サイトでは、ブランドの世界観や信頼性を伝えるために、統一感のあるデザインが求められます。一方で、ECサイトでは、商品やサービスの特徴を強調し、ユーザーの興味を引くことが重要になります。
視覚的に情報を補強することで、購入や問い合わせといったアクションにつなげやすくなります。
アニメ
アニメの公式サイトでは、キービジュアルが作品の魅力を伝えるために使われます。
登場キャラクターや世界観が一目で伝わるデザインが採用されることが多く、作品の印象を決定づける要素となります。また、放送時期や配信情報を併せて掲載し、視覚的な訴求力を高める工夫も見られます。
Vtuber
Vtuberの活動においても、キービジュアルは欠かせない要素のひとつです。
Vtuberの個性やキャラクター設定を視覚的に伝え、ファンの興味を引きつける役割を果たします。YouTubeのチャンネルアートや配信サムネイル、公式サイトのメインビジュアルとして活用され、Vtuberのブランディングに直結します。
映画
映画のプロモーションにおいても、キービジュアルは重要な役割を持ちます。
ポスターや公式サイトに使用され、映画のテーマやストーリーを視覚的に伝えることを目的としています。登場キャラクターや象徴的なシーンを用いたデザインが多く、観客の興味を引きつけるために作り込まれています。
ホームページごとのキービジュアルの使い方
キービジュアルは、同じ大きな画像であっても、ホームページの種類によって役割やデザインが異なります。ここでは代表的なホームページのタイプごとに、効果的な活用方法を解説します。
コーポレートサイト
コーポレートサイトのキービジュアルは、企業の信頼性やブランド価値を第一印象で伝える役割を担います。
たとえば、落ち着いた色調や、象徴的なシンボル、企業理念を想起させる写真を配置することで、「この会社は安心できる」「社会的に信頼されている」といった印象を与えられます。
また、採用や投資家への情報提供の入り口にもなるため、訪問者の幅広さを意識して「万人に受け入れられるデザイン」にすることが重要です。具体的には、派手な演出よりもシンプルかつ品のあるキービジュアルが好まれ、ブランドカラーやロゴとの統一感を持たせると効果的です。
ECサイト
ECサイトでは、キービジュアルは売上に直結する要素で、商品の魅力を短時間で伝えられるかどうかがポイントになります。
たとえば、新商品のプロモーションや季節ごとのキャンペーンでは、キービジュアルで強力に訴求し、購買意欲を喚起します。重要なのは、誰に向けて何を伝えるかを明確にすることです。
主力商品の使用シーンをリアルに見せたり、割引や限定キャンペーンを視覚的に強調することで、訪問者をすぐに購入ページへ誘導できます。
さらに、スマホユーザーが多いことを考慮し、テキストは最小限にしつつ視覚的に理解できるキービジュアルが効果的です。
採用サイト
採用サイトのキービジュアルは、「ここで働きたい」と思わせることが最大の目的です。
単にオフィスの外観や集合写真を掲載するだけでなく、社員の自然な表情や実際の働くシーンを取り入れると、応募者が具体的に自分が働く姿をイメージしやすくなります。
また、ミスマッチを防ぐために社風や価値観が伝わることも重要です。たとえば、スタートアップ企業なら活気あるチームワークの写真、大企業なら安定感や規模感を表すキービジュアルが適しています。
こうした工夫は、応募者にポジティブな印象を与えるだけでなく、企業と求職者の相性を高めるメリットにもつながります。
ランディングページ
ランディングページにおけるキービジュアルは、ユーザーを迷わせず行動させるための重要な要素です。
広告やSNSから流入してきたユーザーは数秒で離脱することが多いため、ファーストビューで「自分に必要な情報だ」と瞬時に伝える必要があります。
そのため、キービジュアルは必ずキャッチコピーやCTAと連動させるべきです。たとえば、「無料体験はこちら」といったボタンを視線誘導に沿って配置したり、商品のメリットを端的に伝えるコピーを重ねると効果的です。
結果的に、コンバージョン率の向上に直結する強力な武器となります。
キービジュアルの作り方
キービジュアルを作成する際には、単に魅力的なデザインを作るだけでなく、ブランドの世界観やメッセージを的確に伝えることが重要です。視覚的な要素がユーザーに与える影響は大きいため、ターゲットや目的に沿った設計が必要です。ここでは、キービジュアルの作り方を解説します。
ターゲットと目的を明確にする
まず最初に、キービジュアルのターゲットと目的を明確にします。
誰に向けたキービジュアルなのか、どのような印象を与えたいのかを整理することで、デザインの方向性が決まりやすくなります。
たとえば、コーポレートサイトであれば、信頼性やブランドの価値を伝えるデザインが求められます。一方で、エンターテイメント系のコンテンツであれば、インパクトのある色使いやダイナミックな構図が効果的です。
写真やイラストを選定する
キービジュアルに使用する画像は、視覚的なインパクトを与える重要な要素です。
写真やイラストを選ぶ際には、ブランドのトーンやターゲットの好みに合ったものを選定することがポイントです。高品質な画像を使用することで、ユーザーの印象が向上し、ブランドイメージの強化にもつながります。
また、オリジナルのイラストを取り入れることで、より独自性のあるデザインに仕上げることが可能です。
配色・余白・情報量を検討する
キービジュアルは、色やレイアウトのバランスによって大きく印象が変わります。
色の選定では、ブランドカラーやコンセプトに合った配色を使用し、統一感を持たせることが重要です。また、余白を適切に配置することで、視認性が向上し、情報が伝わりやすくなります。
情報量が多すぎるとユーザーにとって分かりにくくなるため、伝えたい内容を整理し、シンプルなデザインを心がけましょう。
実装後に調整する
キービジュアルはデザインだけでなく、実際にホームページに実装した際の見え方も重要です。
異なるデバイスや画面サイズでの表示を確認し、どの環境でも適切に表示されるように調整する必要があります。また、ユーザーの反応を分析し、必要に応じて微調整を加えることで、より効果的なキービジュアルに仕上げることができます。
キービジュアルを作るときの注意点
キービジュアルは、ブランドの印象を決定づける重要な要素です。しかし、ただ美しいだけのデザインを作るだけでは、効果的なキービジュアルとは言えません。ここでは、キービジュアルを作る際に注意すべき点について解説します。
素材の著作権に気を付ける
キービジュアルに使用する画像やイラストは、著作権をクリアしたものを選ぶことが重要です。
インターネット上の画像を無断で使用すると、著作権侵害となり、企業の信頼を損ねるリスクがあります。写真やイラストは、商用利用が可能な素材を選ぶか、自社で撮影・制作するのが安全です。
また、フリー素材を利用する場合でも、利用規約を確認し、クレジット表記が必要かどうかを事前に把握しておきましょう。
多すぎず少なすぎない情報量を考える
キービジュアルには、ユーザーに伝えたいメッセージを分かりやすく表現することが求められます。
しかし、情報を詰め込みすぎると、視認性が低下し、伝えたい内容が埋もれてしまう可能性があります。一方で、シンプルすぎるデザインにすると、何を伝えたいのかが不明確になることもあります。
適度な情報量を意識し、テキストとデザイン要素のバランスを取りながら、直感的に内容が伝わるキービジュアルを心がけることが大切です。
サイト全体の一貫性を保つ
キービジュアルは、サイト全体のデザインやコンセプトと調和していることが重要です。
キービジュアルだけが目立ちすぎると、サイト内での統一感が損なわれ、ユーザーに違和感を与えてしまう可能性があります。色使いやフォント、レイアウトなどを統一し、サイト全体のデザインと一貫性を持たせることで、より洗練された印象を与えることができます。
キービジュアルを使ったWebデザインの事例
キービジュアルは、ブランドの世界観を統一し、ユーザーに強い印象を与える重要なデザイン要素です。多くの企業やブランドが、自社のコンセプトに沿ったキービジュアルを活用し、視覚的な統一感を持たせています。ここでは、キービジュアルを効果的に活用しているWebデザインの事例を紹介します。
任天堂
任天堂の公式サイトでは、各ゲームタイトルごとに異なるキービジュアルが使用されつつも、全体として明るく親しみやすいブランドの世界観を統一しています。
たとえば、スーパーマリオやゼルダの伝説のページでは、それぞれの作品の個性を反映したキービジュアルが展開され、ユーザーにとって分かりやすいデザインになっています。
資生堂
資生堂の公式サイトでは、高級感のあるキービジュアルを活用し、スキンケア・コスメ商品のブランドイメージを確立しています。
特に、光や透明感を意識したデザインが多く採用され、上品な印象を与えるデザインになっています。
ANA
ANAの公式サイトでは、飛行機や旅の魅力を伝えるキービジュアルが使用されており、青を基調とした統一感のあるデザインになっています。
目的地ごとに異なるデザインを用いながらも、ブランド全体のコンセプトを統一することで、ANAらしいデザインに仕上げています。
まとめ:Webブランディングの強化に繋がるキービジュアルは重要
キービジュアルは、ブランドの世界観を統一し、視覚的な印象を強化する重要な要素です。ユーザーの第一印象を左右し、企業のメッセージを効果的に伝えるために、適切なデザインが求められます。
ホームページでは、キービジュアルを活用することで、統一感のあるデザインを実現し、ブランド価値を高めることが可能です。適切なターゲット設定やデザイン設計を行うことで、より訴求力のあるホームページ制作につながります。
キービジュアルを設計する際には、サイト全体のデザインとの一貫性を保ちつつ、視覚的に伝わりやすい要素を取り入れることが重要です。ブランドの強化を意識し、ターゲットに適したキービジュアルを選定することで、より魅力的なホームページ制作が実現できます。