ホームページを制作しても、期待したほど問い合わせにつながらないケースは珍しくありません。特に限られた予算や人手で運営する中小企業や個人商店では、制作段階での設計と、公開後の運用による継続的な改善を両輪で進めることが欠かせません。
本記事では、制作時に取り組むべき具体的なポイントと、公開後の運用で成果を伸ばす方法、取り組む際に注意すべき点を解説します。
ホームページ制作の仕方で問い合わせ数が変わるのか
ホームページ制作の仕方によって、問い合わせ数は変わります。
ただし、特定の施策を取り入れればすぐに問い合わせが増えるわけではありません。制作段階で意識すべきなのは、訪問者の目線に立ち、知りたい情報へ迷わずたどり着ける状態を作ることです。訪問者が求める情報に自然にアクセスでき、無理なく問い合わせへと気持ちが向かう流れができているかどうかが、問い合わせが生まれやすいホームページかどうかを左右します。
一方で、問い合わせ数を実際に押し上げていくのは公開後の運用です。集客対策やコンテンツの更新を継続して初めて、制作段階で整えた土台が動き出し、アクセスが問い合わせへと変わっていきます。運用を止めてしまえば、どれだけユーザー目線を意識した制作を行っていても効果は発揮されません。
つまり、制作は訪問者が自然に問い合わせへ向かう状態を作る工程であり、運用はその状態を維持しながら成果へつなげる工程です。この2つがそろって初めて、問い合わせが安定して増えるホームページが実現します。
問い合わせが増えるホームページの制作法

問い合わせが増えるホームページにするには、公開前の設計段階で成果につながる要素を組み込んでおくことが欠かせません。制作時に押さえるべきポイントを紹介します。
具体的な数値目標を設定しておく
問い合わせが増えるホームページにするには、公開前の段階で具体的な数値目標を設定しておくことが欠かせません。
月間の問い合わせ件数やアクセス数など、達成すべき基準を数字で決めておくことで、公開後にどの程度成果が出ているかを客観的に判断できるようになります。目標値を業種や規模に見合った数字に設定するには一定の経験や過去のデータが必要になるため、自社だけで判断が難しい場合は、制作会社に相談しながら決めるのも一つの方法です。
目標は一度決めて終わりではなく、公開後の状況を見ながら定期的に見直していく前提で設定しておくと、無理のない運用につながります。
サイト全体とページごとに目的とターゲットを明確にする
ホームページ制作でまず取り組むべきは、サイト全体で何を実現したいのかという目的と、誰に向けて情報を届けるのかというターゲットを定めることです。
加えて、各ページにも個別の目的とターゲットを設定しておく必要があります。サイト全体の方向性に沿いながら、そのページがどの検討段階にいる訪問者に向けて、何を伝えるためのページなのかを明確にしておくことで、内容にばらつきが生じにくくなります。
目的やターゲットが曖昧なままページを増やしていくと、サイト全体で何を提供している会社なのかが伝わりにくくなります。サイト全体の軸とページごとの役割の両方が定まっていれば、検索エンジンからの評価を得やすくなり、訪問者にも自分の悩みを解決してくれる会社だと感じてもらいやすくなります。
ターゲットが使いやすいWebデザインを作成する
デザインは見た目の印象だけでなく、訪問者が情報を心地よく読み進められるかどうかを左右します。
文字サイズや行間、配色のコントラストを、ターゲットの年齢層や業種のイメージに合わせて調整することが重要です。高齢者が中心の業種では文字を大きめにし読みやすい配色を選び、若年層向けのサービスでは洗練された配色を取り入れるなど、想定する利用者像に合わせて視覚的な印象を調整します。
また、スマートフォンでの閲覧が主流になっているため、画面サイズに応じてレイアウトが崩れず、ボタンや文字が見やすいまま表示されるかどうかも確認してください。
デザインがターゲットに合っているかどうかは、離脱率にも直結し、問い合わせにつながる第一歩になります。
E-E-A-Tを意識してコンテンツを作成する
E-E-A-Tとは、経験・専門性・権威性・信頼性の4つの観点から、Googleがコンテンツの質を評価する考え方です。実体験に基づく情報かどうかは年々厳しく評価される傾向にあります。
制作段階では、代表者やスタッフのプロフィール、保有資格、施工事例やお客様の声など、自社ならではの経験を裏付ける情報を掲載できる構成をあらかじめ用意しておくことが重要です。運営者情報や問い合わせ先を明記し、誰が発信しているホームページなのかを明確にしておくことも欠かせません。
他社の情報をまとめただけの内容ではなく、実際に対応した件数や具体的な事例を盛り込める設計にしておくことで、訪問者にも検索エンジンにも信頼される内容に仕上げやすくなります。
運用のしやすいホームページを制作する
問い合わせを増やすには公開後の運用が欠かせないため、制作段階で運用しやすい仕組みを用意しておく必要があります。
スタッフブログや施工事例、お客様の声など、定期的に追加できるコンテンツをあらかじめ設計に組み込んでおきましょう。更新の仕組みがないホームページは、公開後に新しいページを追加しづらく、集客対策を進めたくても手を加える場所が限られてしまいます。
WordPressなどのCMSを導入しておけば、専門知識がなくても自社で更新作業を行える環境が整い、公開後の運用を無理なく継続できるようになります。将来的にサービスの幅が広がる可能性も考え、新しいカテゴリーを追加しやすい構造にしておくと安心です。
運用にかかる費用をあらかじめ理解しておく
ホームページの公開後には、コンテンツの修正やページの追加、CMSのバージョンアップなど、さまざまな更新作業が発生します。
制作会社に依頼する場合、1ページあたりの追加費用や、月額の保守費用の相場を事前に確認しておくことが大切です。費用の目安がわかっていれば、あらかじめ予算を確保できるため、必要なタイミングで迷わず依頼できます。更新頻度の想定と合わせて確認しておけば、年間でどの程度の予算が必要かも見積もりやすくなります。
修正の都度見積もりが必要なのか、月額に含まれる範囲なのかも、契約前に確認しておくと安心です。費用感を把握しないまま運用を始めてしまうと、改善の必要性を感じても予算の確保が間に合わず、対応が後回しになりがちです。
コンバージョン導線を意識する
訪問者が問い合わせに至るまでのページの流れを、あらかじめ設計しておくことが重要です。
問い合わせボタンを目立つ場所に置くだけでなく、訪問者が次に何を知りたいかを想定して、ページ同士をリンクでつないでおく必要があります。サービスページを見た訪問者が次に気になるのは料金や事例であることが多いため、そこへのリンクを設置し、内容に納得した段階で問い合わせページへ案内する流れを作ります。
1つのページに1つの行き先だけを用意するのではなく、検討段階に応じて複数の道筋を用意しておくことも有効です。各ページに問い合わせへの直接リンクも設置しつつ、回遊させる設計にしておくことで、公開後の問い合わせ数に大きな差が生まれます。
問い合わせを増やし続けるためのホームページ運用法

制作段階で問い合わせが増える仕組みを整えたら、次は運用で成果を伸ばしていく段階です。どれだけ優れたホームページを制作しても、公開後に放置してしまえば問い合わせは増えません。ここでは、問い合わせを増やし続けるために取り組むべき運用のポイントを紹介します。
スケジュールに基づいて更新作業を継続する
ホームページの運用で最も大切なのは、スケジュールを決めて更新作業を継続することです。
思いついたときだけ更新するやり方では、気づけば1ヶ月以上手つかずになっていることも珍しくありません。更新を継続するとコンテンツが増え、検索エンジンからの流入キーワードが広がるためSEOの効果が高まります。また、新しいコンテンツをSNSで発信すれば、検索経由とは異なる層の訪問者も集められます。さらに、コンテンツが増えるほど、さまざまなニーズを持った訪問者がホームページに訪れるようになり、問い合わせの増加につながります。
週に1回や月に4回など、無理のないペースでスケジュールを立て、それを守り続けることが基本です。
アクセス解析の結果をもとに改善を繰り返す
ホームページを公開したら、アクセス解析のデータを定期的に確認し、改善を繰り返すことが大切です。
Googleアナリティクスやサーチコンソールを使えば、どのページがよく見られているか、どのページで離脱が多いか、どんなキーワードで訪問者が来ているかを把握できます。例えば、アクセスは多いのに問い合わせにつながっていないページがあれば、導線やコンテンツの内容に課題がある可能性が高いです。逆に、特定のページ経由で問い合わせが多く発生しているなら、そのページと同じ構成で別のテーマのコンテンツを増やすことも有効です。
感覚ではなくデータに基づいて改善を進めることで、問い合わせ数を着実に伸ばしていけます。
自社のコンテンツを多くの人に届ける
ホームページにコンテンツを公開したら、検索エンジンからの流入を待つだけでなく、自ら届ける取り組みも行いましょう。
例えば、新しく公開した施工事例を取引先に紹介してリンク付きで掲載してもらったり、業界の関連サイトに情報を提供したりする方法があります。こうした取り組みによってコンテンツが多くの人の目に触れれば、ホームページへの訪問者が増えるだけでなく、外部サイトからのリンクを獲得できる可能性も高まります。外部リンクが増えることでSEOにも良い影響を与えるため、検索順位の向上にもつながります。
コンテンツを作って終わりにせず、届ける努力をセットで行うことが大切です。
定期的にCMSやPHPのバージョンアップを行う
見落とされがちですが、CMSやPHPのバージョンアップを定期的に行うことも、問い合わせを増やし続けるために必要な取り組みです。
古いバージョンのまま放置していると、セキュリティの脆弱性が生まれ、ホームページが改ざんされたりマルウェアに感染するリスクが高まります。実際に被害が発生すると、警告が表示されて訪問者が激減し、問い合わせどころではなくなります。また、バージョンが古いことでホームページの表示速度が低下し、ユーザーが離脱する原因にもなります。
ただし、自社で対応するとレイアウトが崩れたり不具合が発生する恐れがあるため、制作会社に依頼するのが安全です。制作会社にバージョンアップの頻度や費用を確認し、定期的に対応してもらえる体制を整えておきましょう。
ホームページの問い合わせ数を増やす時の注意点

問い合わせ数を増やすための取り組みを進める際に、注意しておくべきポイントがあります。ここを見落とすと、正しい方向で取り組んでいても途中で判断を誤る原因になります。
成果が出るまでに時間がかかることを理解する
ホームページで問い合わせを増やす取り組みは、すぐに結果が出るものではありません。
特にSEOを中心に集客を行う場合、検索順位が安定するまでに半年から1年以上かかることもあり、その間は問い合わせがほとんどない状態が続くこともあります。この期間に成果が出ないからと運用をやめてしまうケースが非常に多いのですが、途中でやめてしまうと、それまでの取り組みがすべて無駄になります。
ホームページの運用は、継続することで少しずつ集客力が高まり、問い合わせにつながる流れが生まれていきます。最低でも半年から1年は成果が出なくても運用を続ける前提で、アクセス数や検索順位の推移を見ながら改善を重ねていくことが大切です。
問い合わせ数だけを指標にしない
問い合わせ数を増やすことが目的ではありますが、問い合わせ数だけを見て成果を判断するのは危険です。
問い合わせ数は、アクセス数やコンバージョン率など複数の要素が掛け合わさった結果であるため、数字が伸びないときに原因を特定できなくなります。例えば、訪問者数は増えているのに問い合わせが増えない場合は、導線やコンテンツの内容に課題がある可能性が高いです。逆に訪問者数自体が少なければ、問い合わせ数以前に集客対策を見直す必要があります。
問い合わせ数だけではなく、アクセス数や検索順位、問い合わせページへの到達率なども合わせて確認し、どこにボトルネックがあるのかを把握することで、改善すべきポイントが明確になります。
まとめ
問い合わせが増えるホームページにするには、制作段階で仕組みを整え、公開後の運用で成果を伸ばしていくことが重要です。
制作時には、サイト全体とページごとの目的とターゲットの明確化、ターゲットに合わせたデザイン、E-E-A-Tを意識したコンテンツ、目標設定、コンバージョン導線の整備、更新しやすい仕組みづくりまでを一貫して行います。運用時には、スケジュールに基づいた更新やアクセス解析による改善、外部への情報発信、CMSやPHPのバージョンアップを継続することが欠かせません。
成果が出るまでには時間がかかりますが、問い合わせ数だけでなくアクセス数や検索順位も含めて確認しながら取り組みを続ければ、問い合わせは着実に増えていきます。
