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ページ削除時にやるべきSEOとは?301リダイレクトとリライトの考え方
ページを削除したあとに301リダイレクトを設定すれば、SEOへの影響は少ないと考える方は多いかもしれません。たしかに301リダイレクトは一定の効果がありますが、状況によっては期待したほどの効果が得られないこともあります。
本記事では、301リダイレクトのSEO効果とそのリスク、そしてページ削除よりもリライトが効果的である理由について解説します。
目次
ページ削除時に301リダイレクトがSEOに効果的とされる理由
301リダイレクトは、ページ削除時によく使われる処理であり、SEOの観点からも一定の効果があるとされています。ここでは、SEOに効果があるとされる理由を解説します。
検索エンジンからの評価を80%譲渡できる
301リダイレクトは、旧URLのSEO評価を新しいURLに引き継ぐ手段として広く使われています。検索エンジンはリダイレクトを恒久的な移転と判断し、旧ページが持っていたSEO評価の多くを、新しいページへ転送する仕組みです。一般的には、最大で80%程度のSEO評価が引き継がれるとされています。
80%というのは、業界関係者の経験に基づくものであり、Googleが正式に数値を明示しているわけではありません。ただし、すべてのリダイレクトで同じ評価が移行するわけではなく、リダイレクト先のコンテンツの質や関連性、内部リンク構造などによって実際の引き継がれ方は異なります。
そのため、リダイレクトはSEO効果を維持するための手段ではあるものの、過信は禁物です。適切なページ設計とあわせて使うことで、評価損失を最小限に抑えることができます。
ユーザー導線を維持できる
SEOでは検索エンジンだけでなく、ユーザー体験も評価の対象とされています。301リダイレクトを設定することで、古いURLにアクセスしたユーザーを自動的に新しいURLへ転送できるため、リンク切れや404エラーによる離脱を防ぐことができます。
特に、外部サイトからの被リンクやSNSでシェアされたURLが多い場合、正しくリダイレクトを設定しないとユーザーを逃してしまう恐れがあります。リダイレクトはユーザー導線を保ちながらサイト全体の信頼性を維持できる点で、SEOで重要な役割を果たします。
SEOで失敗しないための301リダイレクト運用リスク
301リダイレクトはSEOで効果的な手段ですが、運用には注意が必要です。適切に使わなければ、期待していた効果を得られないどころか、評価を損なう可能性もあります。ここでは、よくあるリスクについて解説します。
301リダイレクトの解除がしづらい
301リダイレクトは、一度設定すると恒久的な転送として検索エンジンに認識されます。そのため、古いURLは時間の経過とともにインデックスから削除され、新しいURLが正規のページとして扱われるようになります。
この特性が問題になるのは、大量のページを削除し、リダイレクトを設定した後に、そのリダイレクトを解除しようとしたときです。リダイレクト元のページがすでに検索エンジン上から消えている状態であっても、リダイレクトを切ると、転送先に流れていた評価が失われ、検索順位が一気に下がるケースがあります。
Googleの公式見解では、リダイレクトはおおむね1年程度維持すれば良いとされていますが、実際の運用ではそれでは不十分なケースも少なくありません。弊社で運営しているホームページでは、2年以上保持していたリダイレクトを約200件解除したところ、主要なキーワードの検索順位がまとめて落ちる事態が発生しました。
このように、リダイレクトは、設定よりも解除の方がはるかにリスクが高いことを念頭に置く必要があります。削除や構成変更を行う際には、単にリダイレクトを設定するだけでなく、その後の運用期間や解除時期も含めた長期的な視点で設計することが重要です。
コンテンツが一致しないと評価は引き継がれにくい
301リダイレクトは、旧ページの評価を新しいページへ引き継ぐための仕組みですが、その効果はページ間のコンテンツの一致度に大きく依存します。
検索エンジンは、リダイレクト元と先の内容がどれだけ関連しているかを見て、評価をどの程度引き継ぐかを判断しています。
たとえば、旧ページがフレンチレストランのディナーメニューを紹介していたにも関わらず、リダイレクト先がカフェのモーニングメニューだった場合、テーマが大きく異なるため、Googleは関連性が低いと判断します。
その結果、旧ページに蓄積されていたSEO評価や被リンクの効果は、新しいページにうまく引き継がれません。むしろ、意図的な評価移転と見なされ、逆効果になるおそれもあります。
リダイレクトを設定する際には、旧ページと新ページの内容がどれほど一致しているかを重視する必要があります。テーマやキーワード、ユーザーの検索意図まで含めて整合性を取ることで、初めてリダイレクトのSEO効果を十分に活かすことができます。
SEOではページ削除後の301リダイレクトよりもリライトが効果的
ページを削除して301リダイレクトを設定するという対応は、一見するとSEOにおいて合理的な選択肢に見えるかもしれません。
確かにリダイレクトによって、ある程度の評価を新しいページへ引き継ぐことは可能です。しかし、ページ削除という判断そのものが、貴重なコンテンツ資産を失う行為であるという点に注意が必要です。
実際のところ、検索エンジンはページを削除して評価を移すよりも既存のページを継続的に更新することを高く評価する傾向があります。リライトによって内容を刷新し、検索ニーズに合わせて再構成することで、既存ページの評価を維持したまま検索順位の改善が期待できます。
さらに、リライトされたページは、過去に得た被リンクや内部リンク構造を保ったまま運用できるため、SEO的な損失がありません。一方で、301リダイレクトは内容の関連性によって引き継がれる評価が左右されやすく、場合によっては検索順位が下がることすらあります。
つまり、ページがまだ検索意図に対して一定の価値を持っているのであれば、削除してリダイレクトするのではなく、リライトして活かす方が、SEO効果ははるかに高いということです。
安易な削除ではなく、継続的な改善を前提としたホームページ運用こそが、長期的な上位表示を維持するための基本方針です。
まとめ:SEOではページ削除後の301リダイレクトは最後の手段
ページを削除し、301リダイレクトで評価を移すという方法は、あくまで必要に迫られたときの最終的な対応策と考えるべきです。実際のSEOでは、コンテンツを活かしてリライトする方が、評価の継続性や安定性の面で優れています。
リダイレクトは、正しく使えばSEOに効果的な手段ですが、解除や運用ミスによるリスク、引き継ぎの不確実性を抱えています。特に削除が前提となる場合、検索エンジンからの評価だけでなくユーザーの導線にも影響が出るため、慎重な判断が求められます。
サイト全体のSEOを長期的に高めていくためには、削除とリダイレクトよりも継続的な最適化という姿勢が基本です。迷ったときは、ページをどう活かすかを検討することが、SEOで成果を出す近道です。