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SEOの検索順位変動はなぜ起きる?下がる原因と対処法を解説
SEOの検索順位が急に変動することは珍しくありません。これは、Googleのアルゴリズムの更新やサイト内部の問題、外部環境の変化など、さまざまな要因が影響しているためです。原因を正しく理解し、適切に対処することで、検索順位の安定と流入数の回復が見込めます。
本記事では、検索順位が変動する主な原因と分析方法、安定したSEOの考え方までを解説します。
SEOで検索順位が変動する原因と対処法
検索順位は、さまざまな要因によって日々変動しています。SEOに取り組むホームページにとっては、意図しない検索順位の低下が大きな課題となります。ここでは、検索順位が下がる主な原因と、それぞれに対する適切な対処法について解説します。
記事を公開したばかりで評価が安定していない
新しく公開した記事は、検索エンジンによる評価が定まっておらず、一時的に検索順位が大きく上下する傾向があります。検索エンジンは新規コンテンツを一定期間観察しながら評価を調整していくため、公開直後の順位変動は自然な現象です。
この段階で過度に検索順位の上下に一喜一憂する必要はありません。安定化のためには、内部リンクの整備やサイトマップの送信など、クロール促進のための対応が効果的です。
最低でも数週間から2ヶ月の時間をかけて評価を見守る姿勢が求められます。
重複URLが生成されている
重複したURLが意図せず生成されていると、検索エンジンがどのページを評価すべきか判断しづらくなります。たとえば、パラメータ付きURLや末尾スラッシュの有無など、内容が同一でも異なるURLが存在する場合、評価が分散してしまい、検索順位が不安定になることがあります。
これを防ぐには、canonicalタグの設定や、URL設計の見直し、不要なページのnoindex指定など、技術的な対応が必要です。重複の原因を明確にし、クローラーが適切にページを認識できる環境を整えましょう。
Googleのコアアップデートによって順位が変動した
Googleは定期的に検索アルゴリズムの大規模な更新、いわゆるコアアップデートを実施しており、そのたびに多くのホームページの検索順位が変動します。
このアップデートは、検索結果の品質を高めることを目的として実施されるもので、特定のホームページを狙ったものではなく、Googleが考える「ユーザーに有益な情報」をより正しく上位に表示するための調整です。
アップデート期間中は評価基準が調整され続けているため、検索順位が日々大きく変動します。この時期に慌てて大きな修正を加えてしまうと、アップデートが終了した時点で本来評価されるはずだったコンテンツの検索順位をかえって下げてしまう可能性もあります。
そのため、まずはアップデートが完了するまで状況を見守り、アップデート後に順位が安定した段階で、自社のコンテンツがユーザーにとって十分に有益か、情報の信頼性や専門性が確保されているかといった点を、E-E-A-Tの観点で見直すとよいでしょう。
安易に手を加えるよりも、正しいタイミングで本質的な改善を行うことが、長期的なSEO効果につながります。
他社サイトの評価が上がり相対的に下がった
自サイトに特に問題がなくても、競合サイトが強化されたことによって順位が下がるケースがあります。たとえば、競合が新しい情報を追加したり、被リンクを獲得したりしたことで評価が上がり、相対的に自サイトの順位が下げられるという形です。
このような場合には、現状のコンテンツを見直し、ユーザーにとってより有益な情報を追加したり、内部リンクや構造を改善したりすることで対応します。競合分析を行い、どの要素で差が開いているのかを客観的に把握することが重要です。
ユーザーニーズや情報の変化に対応できていない
検索ユーザーのニーズや関心は、時間の経過とともに変化していきます。かつては評価されていたコンテンツであっても、現在のユーザーが求める情報や検索意図に合致していない場合、検索エンジンはそのページの価値を見直し、順位が下がる可能性があります。
古い手法を紹介したまま放置されていたり、法改正に対応していない情報が含まれていたりすると、ユーザー満足度を損ねる要因となります。
こうした変化に対応するためには、定期的にコンテンツを見直し、必要に応じてリライトを行うことが欠かせません。単に日付を更新するのではなく、現在の検索意図や上位表示されているページの傾向を分析し、内容そのものを再構築する意識が重要です。
情報の鮮度と正確性を保つことで、検索順位の安定化とユーザーからの信頼獲得につながります。
Googleからペナルティを受けている
Googleのガイドラインに違反する行為を行っていると、検索順位が大きく下がることがあります。これはペナルティと呼ばれ、大きく分けて手動ペナルティと自動ペナルティの2種類があります。
手動ペナルティは、Googleの担当者がホームページを確認したうえで違反を判断し、Googleサーチコンソールに通知が表示されるのが特徴です。一方、自動ペナルティはアルゴリズムによって機械的に適用されるため、通知が表示されることはなく、順位が突然大きく落ちることで気づくケースが多いです。
よくある原因には、不自然な被リンクの獲得、コピーコンテンツの多用、キーワードの過剰な詰め込み、隠しテキストやクローキングなどが挙げられます。
手動ペナルティの場合は、サーチコンソールで通知内容を確認し、違反箇所を修正したうえで再審査リクエストを送る必要があります。自動ペナルティに対しては、原因を推測して根本的な改善を行うしかありません。
どちらも、ガイドラインに則った運用を徹底することで、検索順位の回復につながります。
セキュリティの問題がSEO評価に影響している
ホームページにセキュリティ上の問題が発生している場合、検索エンジンはユーザー保護の観点からそのホームページの評価を下げることがあります。特に、SSL未対応やマルウェアの感染、スパム的な改ざんなどが発生していると、警告が表示されたりすることがあります。これにより順位が大きく低下することもあります。
サーチコンソールのセキュリティの問題セクションを定期的に確認し、問題が発覚した場合は速やかに修正を行う必要があります。ホームページの信頼性を保つための基本対策です。
HTTPエラーやクローラビリティの問題が放置されている
Googleのクローラーがページにアクセスできない場合、そのページは検索結果に表示されなくなります。
404エラーやサーバーエラー、robots.txtの設定ミスなど、技術的な問題が原因でクロールが妨げられることがあります。また、サイト構造が複雑でクロール効率が悪い場合も、ページのインデックスに影響を与えます。
サーチコンソールのカバレッジレポートを活用し、エラーの発生箇所を早期に特定し、適切な修正を行うことがSEOの基盤となります。
メタタグやインデックス設定などのミスがある
メタタグの設定やインデックス制御のミスによって、ページが検索結果から除外されるケースがあります。
たとえば、noindexタグの誤設定やタイトルタグとdescriptionの重複などが原因で、ページの評価が下がることがあります。特にCMSを利用している場合、自動生成されるメタ情報の見直しが不十分だと、こうしたミスが起きやすくなります。
定期的にメタ情報をチェックし、検索エンジンが適切にページの内容を認識できるようにすることが重要です。
低品質なコンテンツをそのままにしている
質の低いコンテンツがサイト内に多く残っていると、個別のページだけでなく、サイト全体の評価に悪影響を与える可能性があります。検索エンジンはサイト単位で有益かどうかを判断するため、ある程度の割合の低品質なページが蓄積されると、突然検索順位が大きく下がるケースがあります。
たとえば、情報量が少ないページや、他ページと内容がほとんど重複しているページ、検索意図とずれていてユーザーにとって意味のない内容が含まれるページは、Googleにとって有益でないコンテンツと判断される対象になります。
このようなページは、放置せず、削除や統合、リライトのいずれかで改善することが重要です。サイト全体の品質を底上げすることで、検索エンジンからの評価が安定し、結果として検索順位の向上につながります。
定期的なコンテンツを見直し、低品質なコンテンツを見逃さない運用が求められます。
検索順位の変動を分析する方法
検索順位の変動が発生した際は、焦って対応を始めるのではなく、まずその変動が一時的なものか、明確な原因があるのかを正確に把握することが大切です。ここでは、検索順位を正しく分析するために意識すべきポイントを紹介します。
検索順位は日々変動していることを理解する
検索順位はリアルタイムで常に変化しており、多少の上下は自然な現象です。
特に新しい記事を公開した直後や、Googleのアルゴリズムが微調整されるタイミングでは、順位が一時的に下がることがあります。しかし、それだけでコンテンツの問題を疑い、即座に修正を加える必要はありません。
むしろ、冷静に状況を見守ることが重要です。検索順位が安定するまでには2ヶ月かかることもあるため、一定期間の推移を観察し、継続的に評価する姿勢が求められます。
日々の変動に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で順位の傾向を把握しましょう。
1ページにつき1キーワードを軸に順位を確認する
検索順位を分析する際には、ページごとに焦点を当てるキーワードを明確にすることが大切です。一つのページが複数のキーワードに対して評価されることはありますが、それらをすべて均等に分析して対策するのは現実的ではありません。
そのため、まずは1ページごとにメインキーワードを定め、そのキーワードの順位変動を中心に観察する方法がおすすめです。複数のキーワードで変動を追おうとすると、原因が分かりづらくなり、誤った修正を加える可能性も高まります。
ターゲットキーワードを一つに絞り、そこから派生する関連語句や共起語を補完的に分析することで、より精度の高い改善が可能になります。
検索順位チェックツールを活用して変動を把握する
検索順位の正確な変動を把握するためには、専用の検索順位チェックツールの活用が欠かせません。
基本的にはサーチコンソールで主要な情報を確認できますが、検索クエリの詳細な推移や順位の微細な変化を継続的に追うには、専用の有料ツールを併用することが効果的です。
たとえば、特定のキーワードでの検索順位の履歴、競合との比較、変動のタイミングなどを視覚的に確認することで、変化の背景にある要因を把握しやすくなります。
順位が下がった際には、その直前にどのような対策を行ったかを振り返る材料にもなるため、日常的にツールで状況を記録する運用が推奨されます。
検索順位が安定するSEOの考え方
検索順位の変動を最小限に抑え、安定した評価を得るためには、一時的な対策だけでなく、長期的な視点でSEOに取り組む姿勢が求められます。ここでは、順位の安定化につながるSEOの基本的な考え方を紹介します。
ユーザーファーストの視点でコンテンツを作成する
SEOの基本として、検索エンジンに向けた最適化よりも、まずユーザーの課題や疑問に対して正確で価値ある情報を提供することが重要です。
検索順位は、検索エンジンが「ユーザーにとって有益かどうか」を判断することで決まります。そのため、ユーザーファーストの視点でコンテンツを設計することが、結果的に検索順位の安定につながります。
読みやすさやページの目的が明確であるかを意識し、検索意図に対して的確に答えているかを定期的に見直すことが必要です。検索エンジンに評価されるコンテンツは、常にユーザーの満足から生まれるという原則を意識しましょう。
定期的にコンテンツをリライトして情報を最新に保つ
一度作成したコンテンツも、放置してしまえば徐々に評価が下がっていく可能性があります。検索ユーザーは常に最新の情報を求めており、検索エンジンも情報の鮮度を重視しています。
法改正や業界のトレンドが変わった場合、古い情報を掲載したままではユーザーの信頼を損ねかねません。したがって、定期的に過去のページを見直し、内容が現状に合っているかどうかを確認し、必要に応じてリライトを行うことが求められます。
リライトの際には、情報の更新だけでなく、構成や見出しの見直し、読者にとっての分かりやすさも含めて全体を再設計する意識が重要です。
自社の経験や専門性をコンテンツに反映する
Googleは、単に情報が正確であることだけでなく、その情報がどのような立場から書かれているかという点も重視しています。とくにYMYL領域では、信頼性や専門性が評価の軸になります。
自社が実際に提供しているサービスや、経験を通じて得た知見を文章に落とし込むことで、独自性と説得力のあるコンテンツを生み出すことができます。また、社名・執筆者・実績などの情報を補足することで、E-E-A-Tが高まり、Googleからの評価向上につながります。
実体験に基づいた内容こそが、検索エンジンとユーザーの両方に信頼される要素となります。
コンテンツだけでなく技術的なSEOも定期的に見直す
SEOはコンテンツの質だけで成り立つものではありません。検索エンジンが正しくページをクロールし、インデックスできる状態であることも、順位の安定には欠かせない要素です。
たとえば、メタタグの設定、構造化データ、モバイル対応、ページの表示速度、URL設計などの技術的な要素が整っていなければ、どれほど良質なコンテンツであっても正しく評価されない可能性があります。
また、CMSやテーマのアップデートによって技術的な問題が発生している場合もあるため、定期的にチェックを行い、必要に応じて調整を加えることが重要です。
SEOの成果を安定的に継続させるためには、コンテンツと技術の両面からの見直しが必要です。
まとめ:正しいSEOを行うことで検索順位は安定する
検索順位の変動にはさまざまな要因が関係し、単一の原因だけで判断することはできません。しかし、ユーザーの検索意図に正しく応え、技術的にも適切なサイト運営を継続することで、順位は徐々に安定していきます。
短期的な変動に一喜一憂するのではなく、情報の更新や構造の最適化、ユーザー視点のコンテンツづくりを積み重ねることが、結果として長期的な成果につながります。
今回ご紹介した原因と対策を参考に、自社サイトの現状を見直し、改善を継続することで、より安定したSEO効果を期待できるでしょう。