ホームページを訪れたユーザーが見づらいと感じる原因の多くは、情報の整理が不十分なことにあります。LATCHの法則は、情報を5つの基準で整理する情報デザインの手法です。LATCHの法則をホームページに活用することで、ユーザーが必要な情報にたどり着きやすくなり、離脱率の改善や問い合わせ率の向上につながります。
当ページではLATCHの法則の概要と、ホームページへの活用例をわかりやすく解説します。
LATCHの法則とは
LATCHの法則は、1996年にアメリカの建築家・グラフィックデザイナーであるリチャード・ソール・ワーマンが提唱した情報整理の手法です。
Location(場所)・Alphabet(アルファベット順・五十音順)・Time(時間)・Category(カテゴリー)・Hierarchy(階層)の5つの基準の頭文字を取ってLATCHと呼ばれています。
別名「究極の5つの帽子掛け」とも呼ばれ、情報デザインの分野で広く活用されています。世の中に存在するあらゆる情報はこの5つの基準のいずれかで整理できるという考え方で、ホームページ制作においても情報設計の基本として取り入れることで、ユーザーにとって見やすく理解しやすいホームページを実現できます。
LATCHの法則のホームページへの活用例

LATCHの法則をホームページに活用する際は、掲載するコンテンツの性質に合わせて5つの基準から最適なものを選ぶことが重要です。以下では各基準の特徴と具体的な活用例を解説します。
Location(場所)
Location(場所)は、地理的な位置関係を基準に情報を整理する方法です。
LATCHの法則の中でも特にユーザーの直感に沿いやすい基準で、お問い合わせフォームの都道府県選択肢を北海道から沖縄の順に並べたり、複数の店舗情報を地域ごとにまとめて表示したりする際に活用できます。
ユーザーが場所の順序をあらかじめ把握していることが前提になるため、日本国内向けのホームページであれば47都道府県順を基本に設計するとよいでしょう。逆にランダムな並びや五十音順で都道府県を表示すると、ユーザーが選択肢を探す手間が増えてフォームの離脱につながるケースもあります。
Locationの基準を正しく活用することで、ユーザーがストレスなく操作できるホームページの実現に近づきます。
Alphabet(アルファベット順・五十音順)
Alphabet(アルファベット順・五十音順)は、名称や項目名を辞書順に並べて整理する方法です。
LATCHの法則の中でも特に認知負荷が低く、ユーザーが目的の項目をすぐに見つけやすい基準です。会社案内の取引先一覧やスタッフ紹介ページで五十音順に並べることで、ユーザーがスムーズに情報を探せるようになります。項目数が多いページほど効果が高く、ランダムな並びと比べて離脱率の改善が期待できます。
また、商品名やサービス名を五十音順で表示することで、ユーザーが特定の項目を探す際の手間を大幅に減らすことができます。
Alphabetの基準は、項目数が増えるほど威力を発揮するため、コンテンツの拡充を見越して早い段階から取り入れておくことをおすすめします。
Time(時間)
Time(時間)は、時系列を基準に情報を整理する方法です。
LATCHの法則の中でも特に変化や流れを伝えるコンテンツとの相性がよく、ニュースやブログ記事を新しい順に並べたり、会社の沿革を年代順に掲載したりする際に活用できます。
新着ページ一覧を新しい順に並べることでユーザーが最新情報にすぐアクセスできるようになり、ホームページの回遊率向上にもつながります。一方、沿革のように歴史的な経緯を伝えるコンテンツは、古い順から並べることで出来事の流れが伝わりやすくなる場合もあります。
目的に応じて昇順・降順を使い分けることが、Timeの基準を最大限に活かすポイントです。
Category(カテゴリー)
Category(カテゴリー)は、情報を種類や属性ごとにグループ化して整理する方法です。
LATCHの法則の中でも特に情報量が多いホームページで効果を発揮する基準で、サービス紹介ページや商品一覧ページでの絞り込み機能、ブログ記事のカテゴリー分けなどに活用できます。
適切なカテゴリーを設定することでユーザーが目的のページへ最短ルートでたどり着けるようになり、問い合わせや購入といったコンバージョンにつながりやすくなります。カテゴリーの粒度が大きすぎると目的の情報が埋もれ、細かすぎると分類が複雑になってユーザーが迷いやすくなります。
ユーザーの視点でカテゴリーを設計することが、Categoryの基準を正しく活用するうえで重要なポイントです。
Hierarchy(階層)
Hierarchy(階層)は、重要度・価格・人気度などの尺度を基準に情報を順位付けして整理する方法です。
LATCHの法則の中でもユーザーの意思決定を促す力が強い基準で、料金プランを安い順・高い順に並べたり、おすすめサービスをランキング形式で掲載したりする際に活用できます。
ユーザーは上位に表示された情報を重要なものと認識する傾向があるため、最も問い合わせにつなげたいサービスを意図的に上位に配置することで、コンバージョン率の向上が期待できます。
ただし、順位付けの基準が不明確だとユーザーの信頼を損なうケースもあるため、「人気順」「価格順」など基準を明示したうえで活用することが大切です。
LATCHの法則を利用する時の注意点

LATCHの法則はホームページの情報整理に役立つ手法ですが、正しく活用するにはいくつかの注意点を押さえておく必要があります。
コンテンツごとに基準を統一する
同じコンテンツ内で複数の基準が混在すると、ユーザーは情報の規則性を掴めずに混乱してしまいます。例えば、取引先一覧を五十音順で並べている途中からランダムな順番に切り替わっていると、ユーザーは目的の企業を探しにくくなります。
LATCHの法則を活用する際は、コンテンツごとに基準を一つに絞り、最後まで統一して使うことが重要です。
ユーザー目線で基準を選択する
どの基準を選ぶかは、制作者の都合ではなくユーザーの使いやすさを優先して判断する必要があります。例えば、都道府県の並びを五十音順にすると制作者にとっては簡単ですが、ユーザーにとっては探しにくい場合があります。
LATCHの法則の5つの基準の中からユーザーが最も直感的に理解できるものを選ぶことが、見やすいホームページ制作につながります。
効果測定を必ず行う
LATCHの法則を取り入れたからといって、必ずしもすべてのユーザーに伝わるとは限りません。実装後はアクセス解析やヒートマップを活用して、ユーザーの動きを確認することが大切です。
離脱率や滞在時間などのデータをもとに基準の選択や見せ方を改善していくことで、LATCHの法則の効果を最大限に引き出すことができます。
まとめ
LATCHの法則は、Location・Alphabet・Time・Category・Hierarchyの5つの基準で情報を整理する情報デザインの手法です。
ホームページに活用することで、ユーザーが必要な情報にたどり着きやすくなり、離脱率の改善や問い合わせ率の向上につながります。重要なのはコンテンツの性質とユーザーの行動に合わせて適切な基準を選ぶことです。
実装後は効果測定を繰り返しながら改善を重ね、ユーザーにとって見やすく使いやすいホームページへと育てていきましょう。
