- 公開日: 最終更新日:
リピート率が伸びなかったネットショップがやった対策
ネットショップの売上を安定させるには、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客のリピートを促すことが欠かせません。しかし、リピート率を上げようと対策を実施しても、思ったような効果が得られないことがあります。
この記事では、リピート率が伸びなかったネットショップが実際に行った対策と、その結果をもとに見えてきた改善の考え方を解説します。リピーター対策に行き詰まりを感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
リピート率が伸びないネットショップの対策
リピート率を上げようと、さまざまな対策を実施しても、思うような効果が得られないことは少なくありません。ここでは、実際に制作実績のネットショップが行ったものの、十分な成果が得られなかった対策をいくつか紹介します。
とりあえず会員登録を導入する
「まず会員登録をしてもらうのが基本」と考え、購入前の会員登録を必須にしてしまうケースがあります。
しかし、初めて訪れたユーザーにとっては、いきなり個人情報の入力を求められることは離脱の原因になりやすく、高いハードルに感じられることがあります。
さらに、メリットが明確に伝わっていない場合は、会員登録すらしてもらえず、リピートどころか初回購入すらされないという本末転倒な結果になりがちです。
クーポンを乱発してしまう
「再購入につなげるために割引を」と、クーポンを頻繁に配布してしまうと、ユーザーが値引きに慣れてしまい、定価で買わなくなる恐れがあります。
その結果、「次回もクーポンがあるはず」と期待するようになり、クーポンなしでは購入されにくくなるという悪循環に陥ってしまいます。
また、クーポン目的だけで来る価格に敏感な顧客が増えることで、長期的なファンが育ちにくくなります。
メルマガを一斉配信する
メルマガはリピートの促進に効果的な対策ですが、全員に同じ内容を配信しているだけでは効果は限定的です。
たとえば、すでに購入済みの商品を何度も紹介していたり、興味のないカテゴリの情報を送ってしまったりすると、開封率が下がり、最終的には配信停止されてしまうこともあります。
ユーザーの状況に合わない内容を送り続けてしまうことで、かえって距離を取られてしまう可能性もあるため注意が必要です。
商品レビューを放置している
商品レビューは、購入者の信頼を得るための重要な情報源です。
しかし、レビューがほとんどなかったり、ネガティブな内容がそのまま放置されていたりすると、初回購入のハードルが上がり、リピートにもつながりにくくなります。
信頼感が薄れた状態では、継続的な購入につながりにくく、リピートを妨げる要因になってしまいます。
リピート率を伸ばす対策の考え方
リピート率を高めるには、単に対策を行うだけでなく、ユーザーの体験や行動の背景を理解したうえで、戦略的にアプローチすることが重要です。ここでは、リピートを生み出すための考え方を紹介します。
購入中の体験からリピートは始まっている
リピート対策では、購入後の対応ばかりが注目されがちですが、実は購入中の体験から始まっています。
商品ページの分かりやすさ、購入手続きのスムーズさ、配送や梱包の丁寧さなど、購入プロセスそのものがストレスのない良い体験であることが、リピートの大きな動機になります。
初回購入の時点でどれだけ満足してもらえるかが、その後のリピートにつながるかどうかを左右します。
顧客の再購入の理由を想像する
「なぜまた買ってくれるのか?」という再購入の理由を深く考えることは、リピート対策の基本です。
商品の使用頻度や消費タイミング、再購入の必要性、比較検討の有無など、ユーザーの状況や行動パターンを具体的にイメージすることで、適切なタイミングやコンテンツでのアプローチが可能になります。
やみくもにプッシュするのではなく、再購入のきっかけを見極めることが重要です。
ターゲット別にアプローチを変える
すべてのユーザーに同じアプローチをすると、リピートにはつながりにくくなります。
初回購入者とリピーターでは、求めている情報や関心のあるポイントが異なります。たとえば、初回購入者には安心感や商品の使い方を丁寧に伝えることが重要ですが、2回目以降の顧客には、特典や上位商品の提案といった内容のほうが響きやすくなります。
このように、ユーザーの購買ステージに応じてコミュニケーションを変えることが、リピート率を高めるうえで効果的です。
メルマガや特典より先に信頼を設計する
リピートの根底にあるのは、「このネットショップなら大丈夫」という信頼感です。
どれだけクーポンやメルマガを配信しても、ホームページや商品に対する信頼がなければ、再購入にはつながりません。レビューの透明性、問い合わせ対応、商品品質、配送トラブル時の対応など、基本的な信頼感の積み重ねが、リピートを支える土台になります。
売る前に信頼を設計しておくことが、長期的な成果につながります。
リピートを習慣にする仕組みを考える
一度きりの購入ではなく、習慣的に買ってもらうことができれば、リピート率は自然と安定します。
そのためには、商品ジャンルや利用シーンに応じたリピートのリズムを設計することが重要です。たとえば、消耗品であればリマインドや定期便の導入、ファッションやギフト系なら季節イベントに合わせた提案など、「自然に繰り返し買う理由」がある仕組みを作りましょう。
ホームページの導線やUXを見直す
せっかく訪れてくれたユーザーでも、目的の商品にたどり着けなかったり、マイページが使いにくかったりすると、購入にはつながりません。これは再訪ユーザーだけでなく、初回訪問の段階でも同じです。
使いづらいと感じた時点で、他のネットショップへ移動されてしまう可能性があります。カテゴリ構成、検索機能、カートや決済の操作性など、ユーザーがストレスなく使えるように設計することが重要です。
特に、リピーターがよく利用するマイページの使いやすさを意識して見直すことで、リピート率の底上げが期待できます。
まとめ:ネットショップの成功にはリピート率が重要
ネットショップの売上を安定させ、継続的に成長させていくためには、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客にもう一度購入してもらう仕組みづくりが欠かせません。リピート率を高めるためには、表面的な対策だけでなく、ユーザーの体験や行動を深く理解したうえで、戦略的に設計していくことが大切です。
今回ご紹介した内容を参考に、自社の対策を見直しながら、長く愛されるネットショップを目指しましょう。