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ヒーローヘッダーの役割と作り方、参考サイトを紹介
ヒーローヘッダーは、ホームページの第一印象を大きく左右する重要なデザイン要素です。特にファーストビューでユーザーの関心を引きつけるために、ホームページ制作でよく使われます。
本記事では、ヒーローヘッダーのメリット・デメリットを解説し、HTMLとCSSによる作り方、実装時の注意点、参考サイトまでを紹介します。
目次
ヒーローヘッダーとは
ヒーローヘッダーとは、ホームページの最上部に配置される大きな画像や動画を使った目立つデザインエリアのことです。英語では「Hero Header」と表記され、海外のホームページでも一般的に使われています。
ヒーローヘッダーには、ヒーローイメージと呼ばれるインパクトのある画像や動画を背景として使用するのが一般的です。その上にキャッチコピーやCTAボタンを重ねて表示することで、ページを開いた瞬間にユーザーの注目を集め、強い第一印象を与える役割を果たします。
よく混同されますが、ヒーローヘッダーとファーストビューは同じではありません。ファーストビューは、Webページを開いた際にスクロールせずに見える画面全体を指します。その中で、ヒーローヘッダーは背景に大きな画像や動画を使ったエリアを指し、ナビゲーションメニューやロゴなどは含まれません。
ファーストビューについて詳しくは、ファーストビューとは?の記事をご覧ください。
ヒーローヘッダーは、ブランドの世界観を直感的に伝える手段として効果的です。ランディングページやコーポレートサイト、ECサイトなどでも広く採用されており、訪問者の関心を引きつける重要な要素となっています。
近年では、スライドショーやアニメーションなど動きのある表現を取り入れたヒーローヘッダーも増えており、印象的なファーストビューを構成する方法として注目されています。
ヒーローヘッダーのメリット
ヒーローヘッダーは、ホームページの第一印象を大きく左右する重要な要素です。視覚的なインパクトで、訪問者にコンセプトや目的を直感的に伝える役割があります。ここでは、ヒーローヘッダーを取り入れるメリットを紹介します。
サイトテーマを明確に伝えられる
ヒーローヘッダーは、ホームページのテーマやブランドメッセージを直感的に伝えるのに適しています。背景画像や動画と組み合わせることで、ユーザーに視覚的な印象を残しやすくなります。
特に、スライドショーやアニメーションを取り入れることで、複数の情報を効果的に伝えることも可能です。たとえば、製品の特徴を強調したいECサイトでは、ヒーローヘッダーに新商品の画像やプロモーション情報を配置することで、ユーザーの関心を引きつける効果が期待できます。
ユーザーに良い印象を与えられる
洗練されたデザインのヒーローヘッダーは、Webサイト全体の印象を向上させます。
統一感のあるデザインや視覚的に魅力的な画像を使用することで、プロフェッショナルな印象を与え、信頼感を高めることができます。また、CTAボタンを適切に配置することで、ユーザーが求める情報に素早くアクセスできるようになり、ホームページの使いやすさが向上します。
特に、ファーストビューの中で明確に誘導を促すことで、コンバージョン率の向上が期待できます。
今どきのホームページに見える
近年のWebデザインでは、ヒーローヘッダーを取り入れたレイアウトが一般的になっています。
特に、大きな画像や動画を使ってインパクトのあるビジュアルを見せる設計は、ユーザーの印象に残りやすく、今どきの洗練されたホームページとして認識されやすくなります。
また、動画背景やパララックスエフェクトなど、モダンなデザイン要素を加えることで、より動きのある魅力的なホームページに仕上げることができます。
トレンドに合わせてヒーローヘッダーをカスタマイズすれば、洗練されたホームページに仕上げられます。
ヒーローヘッダーのデメリット
ヒーローヘッダーには、適切に活用しなければ、ユーザー体験や表示速度に悪影響を与えるリスクがあります。ここでは、導入時に注意すべきデメリットを解説します。
メインコンテンツに到達するのに時間がかかる
ヒーローヘッダーは、ページの最上部に大きく配置されるため、ユーザーがスクロールしないと本来のコンテンツにたどり着けなくなります。
ファーストビューが画像や動画のみで構成されている場合、訪問者が求める情報をすぐに見つけられずに離脱する可能性が高まります。また、スマートフォンでは画面が小さいため、ヒーローヘッダーの面積が相対的に大きくなり、目的の情報にアクセスしづらくなります。
特に、情報を素早く取得したいユーザーにとっては、煩わしさを感じさせる原因となります。
画像の使い方によってページが重くなる
ヒーローヘッダーは、大きな画像や動画を使用することが一般的ですが、これによりページの読み込み速度が遅くなるというデメリットがあります。
特に、解像度が高すぎる画像を画面サイズに合わせずにそのまま表示したり、ファイル形式を最適化していなかったりすると、ファイルサイズが無駄に大きくなり、表示速度が低下します。
読み込みが遅いと、ユーザーのストレスが増し、離脱率の上昇やSEO評価の悪化につながるおそれがあります。 また、モバイル環境では通信量が増えることで、表示の遅れがさらに顕著になる点にも注意が必要です。
HTMLとCSSを使ったヒーローヘッダーの作り方
ヒーローヘッダーを作成するには、HTMLで基本構造を組み立て、CSSでデザインを調整する必要があります。ここではHTMLとCSSを使ったヒーローヘッダーの作り方を解説します。
HTMLの記述例
ヒーローヘッダーの基本的な構造は、<header> タグを使用して作成します。この中に背景画像を設定し、キャッチコピーや説明文、CTAボタンなどの要素を配置するのが一般的です。
<header class="hero-header">
<div class="hero-content">
<h1>あなたのビジネスを加速させるWebサイト</h1>
<p>魅力的なデザインで訪問者を引きつけましょう。</p>
<a href="/contact/" class="btn">お問い合わせ</a>
</div>
</header>
この例では、<h1> にキャッチコピー、<p> に説明文、<a> にCTAボタンを設定しています。
CSSの記述例
ヒーローヘッダーのデザインは、CSSで背景画像やレイアウトを整えることが重要です。特に、各デバイスで適切に表示されるよう、レスポンシブ対応も意識する必要があります。
.hero-header {
position: relative;
width: 100%;
height: 100vh;
background: url('hero-image.jpg') no-repeat center center/cover;
display: flex;
align-items: center;
justify-content: center;
text-align: center;
color: #fff;
}
.hero-content {
max-width: 800px;
padding: 20px;
}
.hero-header h1 {
font-size: 2.5rem;
margin-bottom: 10px;
}
.hero-header p {
font-size: 1.2rem;
margin-bottom: 20px;
}
.btn {
display: inline-block;
background: #ff6600;
color: #fff;
padding: 10px 20px;
text-decoration: none;
border-radius: 5px;
font-size: 1rem;
}
このCSSでは、background プロパティで背景画像を設定し、height: 100vh によって全画面表示にしています。また、display: flex によって、中央揃えのレイアウトを実現しています。
レスポンシブ対応
スマートフォンなどの画面が小さいデバイスでは、文字サイズやレイアウトを調整して、見やすさと操作性を保つことが重要です。以下は、画面幅が768px以下の場合のスタイルを指定する例です。
@media screen and (max-width: 768px) {
.hero-header h1 {
font-size: 2rem;
}
.hero-header p {
font-size: 1rem;
}
.btn {
padding: 8px 16px; font-size: 0.9rem;
}
}
このコードでは、見出しや説明文のフォントサイズを小さくし、ボタンの大きさもスマートフォン向けに最適化しています。どのデバイスでもヒーローヘッダーが見やすくなり、快適に閲覧できます。
ヒーローヘッダーをホームページに実装するときの注意点
ヒーローヘッダーを効果的に活用するには、表示速度やユーザビリティに配慮した実装が重要です。以下のポイントに注意することで、より快適で魅力的なホームページに仕上げることができます。
表示速度を意識する
ヒーローヘッダーには高解像度の画像や動画を使用することが多く、ファイルサイズが大きくなりやすいため、ページの表示速度に悪影響を及ぼす可能性があります。
特にスマートフォンでは、通信環境の影響で読み込みが遅くなりやすいため注意が必要です。
画像は、画面サイズに合わせて適切な解像度とファイルサイズに調整し、必要に応じて軽量な形式を選びましょう。動画を使用する場合は、ビットレートや解像度を最適化して、容量を抑えるようにしましょう。
PCとスマホの両方で確認を行う
ヒーローヘッダーは、PCとスマートフォンで表示領域が大きく異なるため、デバイスごとに表示を最適化することが重要です。
テキストの可読性や画像のトリミングに配慮し、レスポンシブデザインで崩れのない表示を目指しましょう。また、スマホではタッチ操作を前提に、ボタンサイズや配置にも注意が必要です。
ヒーローヘッダーの下のコンテンツを重視する
ヒーローヘッダーは見た目のインパクトが大きいため、デザインばかりに目が向きがちですが、実際に重要なのはその下に続くコンテンツです。どれだけ印象的なビジュアルでも、ユーザーが必要とする情報にたどり着けなければ意味がありません。
キャッチコピーなどで関心を引き、自然にスクロールしてもらえるように構成を整えることが大切です。
ヒーローヘッダーに関するよくある質問
ヒーローヘッダーの設計や使い方に関して、ユーザーから寄せられるよくある質問にお答えします。
スライドショーを入れた方がいい?
スライドショーは、限られたスペースに複数の情報を表示でき、視覚的なインパクトを高めたい場合に効果的です。たとえば、新商品の紹介やキャンペーンの告知など、複数の訴求内容を見せたいときに適しています。
ただし、すべてのユーザーがスライドを最後まで閲覧するとは限らないため、重要な情報は1枚目にしっかりまとめておくのが望ましいです。
また、画像が多すぎると表示速度に悪影響を及ぼす可能性があるため、枚数や容量の調整も必要です。加えて、切り替え速度が速すぎると内容が伝わりにくくなるため、ユーザーが読み取れるスピードに設定しましょう。
スライドショーが本当に必要かどうかは、ホームページの目的やユーザーの閲覧行動とニーズに応じて慎重に判断することが大切です。
ヒーローヘッダーに使う画像のサイズは?
ヒーローヘッダーに使う画像や動画は、画面サイズに合わせて適切な横幅と縦幅を設定することが大切です。
一般的に横幅は1920px程度が目安とされ、縦幅は800〜1000px前後になることが多いです。また、画像のファイルサイズが大きすぎるとページの表示速度に影響するため、JPEGやPNGなどの形式では圧縮して100KB〜300KB程度に抑えるのが理想的です。
用途に応じて複数サイズの画像を用意し、<picture>タグやsrcset属性を使って最適な画像を読み込むことで、画質と表示速度のバランスが取れた表示が可能になります。
SEOに悪影響はありますか?
ヒーローヘッダー自体がSEOに悪影響を与えるわけではありませんが、表示速度の低下やテキスト情報の不足が間接的に影響を与えることはあります。
たとえば、画像や動画の読み込みに時間がかかると、ユーザーの離脱率が上がり、検索順位にも悪影響を及ぼすことがあります。また、ヒーローヘッダーが画像だけで構成されていると、検索エンジンにページの内容が伝わりにくくなります。
対策としては、画像や動画の最適化を徹底し、ヒーローイメージ内にテキスト情報を含めることが効果的です。
ヒーローヘッダーを活用した参考サイト
ヒーローヘッダーは、ホームページの第一印象を決定づける重要な要素です。ここでは、ヒーローヘッダーを効果的に活用している参考サイトを紹介します。
代官山綜合法律事務所
シンプルで洗練されたヒーローヘッダーを採用し、落ち着いた色合いと明瞭なフォントで信頼感を演出しています。法律事務所としての専門性と誠実さを表現し、訪問者が迷わず相談へ進めるようデザインされています。
東京日本橋の公式サイト
ヒーローヘッダーにスライドショーを活用し、地域の魅力を多角的に伝えています。美しいビジュアルとダイナミックな動きを取り入れることで、日本橋の活気と伝統を印象付けています。
KOBE CHOCO
高品質なチョコレートのブランドイメージを強調するため、洗練されたヒーローヘッダーを使用しています。シンプルながらもインパクトのあるビジュアルと統一感のあるカラー設計で、上質な世界観を演出しています。
日本フクラ
インテリアブランドとしての上品さを表現するため、大きなビジュアルと余白を活かしたデザインを採用しています。ヒーローヘッダーを通じて、ブランドの洗練されたスタイルや製品の魅力を伝えています。
まとめ:ヒーローヘッダーは第一印象を左右する要素
ヒーローヘッダーは、ホームページの第一印象を大きく左右する重要な要素です。視覚的なインパクトで訪問者の注目を集め、ブランドのメッセージを効果的に伝える役割を担います。
ただし、デザインや実装が不適切だと、ページの読み込み速度が低下したり、ユーザーの離脱を招いたりする恐れがあります。表示速度の最適化、PC・スマホ両方での表示確認、適切なコンテンツ配置を意識して設計することが大切です。
また、スライドショーを使う場合は、情報が伝わる切り替え速度や構成かどうかも確認しましょう。
ヒーローヘッダーは、あくまで訪問者を惹きつける入口です。ホームページの目的やユーザーのニーズに合わせて最適なデザインを選び、効果的なホームページ制作に活かしましょう。