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サーチコンソールのCTRを高めるメリットと改善する方法
サーチコンソールで確認できるCTRは、SEOにおいて欠かせない指標のひとつです。CTRを高めることでGoogleからのアクセス数を大きく伸ばせるため、SEO効果を最大化できます。
本記事では、CTRを高めるメリットと確認方法、具体的な改善方法を解説します。
目次
サーチコンソールのCTRとは
サーチコンソールで確認できるCTRとは、自然検索の結果に表示された回数に対して、実際にクリックされた割合を示す指標です。計算式は以下のとおりです。
CTR = クリック数 ÷ 表示回数 × 100
たとえば、ページが検索結果に100回表示され、そのうち10回クリックされた場合、CTRは10%になります。
CTRを確認することで「どのページやキーワードがユーザーに選ばれているのか」「逆に見られているのにクリックされていないのはどこか」を判断できます。
つまり、CTRは「ユーザーが検索結果の中でどれだけ自サイトを選んでいるか」を示す指標であり、クリックされにくいページを特定して改善の優先度を決める手がかりとなります。
サーチコンソールのCTRを高めるメリット
サーチコンソールで把握できるCTRを高めることは、検索順位だけではなく、SEOにおいて様々な価値があります。ここでは、サーチコンソールのCTRを高めるメリットを解説します。
アクセス数が増える
CTRが高まれば、同じ検索順位でも獲得できるアクセス数が大きく伸びます。
たとえば、あるページが検索結果で月1,000回表示されている場合、CTRが2%ならクリック数は20回ですが、5%になれば50回に増えます。順位を変えなくても、クリック率を改善するだけで流入数が数倍に拡大する可能性があるのです。
SEOは検索順位を上げることに注目されがちですが、既に獲得している表示機会を無駄にしないことが重要です。CTRを高めることは、コストをかけずに流入を増やせる即効性のある方法といえます。
検索順位が高まる可能性がある
GoogleはCTRがランキングにどう影響するかについて、明確な答えを出していません。
しかし、検索結果でよくクリックされるページはユーザーに支持されていると判断されやすく、その評価が順位に影響を及ぼす可能性は十分に考えられます。
実際にCTRが極端に低い場合には「ユーザーに選ばれていないページ」と見なされ、長期的に順位が下がるケースがあります。逆に、CTRを改善できれば、評価が高まり、順位の向上につながることがあります。
つまりCTRを高めることは、短期的にはアクセス増加、長期的には検索順位が向上する可能性があります。
ブランディングにつながる
CTRが高いということは、検索結果の中で他の競合ページよりも多くのユーザーに選ばれているという証拠です。これは単にアクセスが増えるという効果にとどまらず、ホームページや企業の信頼性やブランド力を高めることにつながります。
たとえば、ユーザーが検索するたびにホームページが表示され、他のページよりも選ばれる回数が多ければ、「この会社はよく見かけるし、信頼できそうだ」という印象を与えることができます。
こうした積み重ねは、指名検索やリピーターの獲得につながり、結果としてブランド力の強化に直結します。
検索順位におけるCTRの平均値
検索順位とCTRは密接に関係しており、順位が1つ違うだけでアクセス数に大きな差が生まれます。
以下は、seoClarityが検索結果において、7,500億回以上のインプレッションと300億回以上のクリックデータをもとに算出した検索順位ごとの平均CTRです。
検索順位 | CTR |
1位 | 13.94% |
2位 | 7.52% |
3位 | 4.68% |
4位 | 3.91% |
5位 | 2.98% |
6位 | 2.42% |
7位 | 2.06% |
8位 | 1.78% |
9位 | 1.46% |
10位 | 1.32% |
参考:2021 CTR Research Study(seoClarity)
このデータから、1位と2位のCTRには約2倍の差があることがわかります。また、3位以下になるとCTRは5%を切り、1位との差は3倍以上に広がります。つまり、検索結果でより上位に表示されることが、クリック数を大きく左右するのです。
ただし注意したいのは、検索クエリや検索結果の表示形式によってCTRは大きく変動するという点です。たとえば、ニュースや動画などが上位に表示されるクエリでは、通常のリンクのCTRが低くなるケースもあります。
あくまでこの表は平均値であることを踏まえ、自サイトのキーワードや業界に応じた分析が求められます。
サーチコンソールのCTRを確認する方法
サーチコンソールでCTRを確認するには、まずログイン後、左側メニューから「検索パフォーマンス」 → 「検索結果」をクリックします。すると、クリック数・表示回数・平均CTR・平均掲載順位といった指標が並んで表示されます。
初期状態では「クリック数」と「表示回数」のみが表示されているため、「平均CTR」にチェックを入れることでCTRを確認できるようになります。
さらに、表示されるデータはページごと/検索クエリごと/デバイスごと/日付ごとに切り替えて分析することが可能です。これにより「どのページのCTRが高いのか」「どの検索クエリではクリックが少ないのか」「モバイルとPCでCTRに差があるのか」といった具体的な比較ができます。
このようにサーチコンソールでは、単にCTRの平均値を見るだけでなく、条件を細かく絞り込むことで改善すべきポイントを発見できます。そして、その改善を重ねることで確実にアクセス数を増やすことができます。
サーチコンソールのCTRを改善する方法
サーチコンソールのCTRは、検索順位や検索結果の見え方によって大きく変化します。改善に取り組むことで、より多くのユーザーに選ばれるページへと成長させることができます。ここでは、CTRを高めるための具体的な方法を解説します。
検索順位を高める
検索結果では、上位に表示されるページほどクリックされやすくなります。実際に、1位と2位だけでもCTRは倍近く異なり、3位以下になると急激に下がる傾向があります。そのため、根本的なCTRの改善策としては検索順位を高めることが欠かせません。
とはいえ、すべてのページを一度に改善するのは現実的ではありません。
そこでまずは表示回数が多いのにCTRが低いページや、平均掲載順位が上位なのにクリックされていないページを優先的に見直しましょう。
検索意図と内容がずれていたり、タイトルやメタディスクリプションが弱かったりするページは選ばれにくいため、改善効果が出やすい対象です。
検索順位を大きく動かすのは簡単ではありませんが、改善対象を絞って取り組むことで効率的にCTRを高め、アクセス数を増やすことが可能です。
タイトルとメタディスクリプションを魅力的にする
ユーザーが検索結果で目にするのはタイトルとメタディスクリプションです。これらが他社のホームページよりも魅力的であれば、同じ検索順位でもCTRを高めることができます。
タイトルを作成するときのポイントは「検索キーワードを自然に含めること」「ベネフィットを明確に伝えること」「数字を効果的に使うこと」です。たとえば「5分でできる」「初心者でも安心」といった具体的な言葉は目を引きやすく、クリックを促します。
メタディスクリプションは、タイトルを補足する要素として重要です。検索意図に沿った内容を120文字前後でまとめ、ユーザーが得られる情報や解決できる悩みを明確に示すことで、クリック率の改善につながります。
検索クエリを確認して調整する
サーチコンソールでは、ページごとの検索クエリと、そのCTRを確認できます。CTRが低い場合、そのクエリに対してコンテンツが十分に合っていない可能性があります。
たとえば、「価格」「比較」といった検索クエリで表示されているのに、ページ内に料金表や他社比較がなければ、ユーザーはクリックしても意味がないと判断し、CTRが伸びにくくなります。
実際のクエリを分析し、それに合わせて見出しや本文を調整することでCTRの改善につながります。
サイトリンクを表示させる
検索結果の下にページへのリンクが複数表示されるサイトリンクは、CTRを高める強力な要素です。
サイトリンクはGoogleが自動で生成するため直接操作はできませんが、表示されやすくする工夫は可能です。
具体的には、サイト構造を整理して階層を明確にすること、主要ページへ適切に内部リンクを張ること、重複や曖昧なページを避けてユーザーにとって分かりやすいナビゲーションを整備することが重要です。
サイトリンクは一度表示されれば長期的に機能し続けるため、安定してCTRを底上げできる対策といえます。
サーチコンソールのCTRに関するよくある質問
サーチコンソールのCTRについて、多くの方が共通して疑問に感じる点をまとめました。ここでは、サーチコンソールのCTRに関するよくある質問と回答を解説します。
目安はどれくらいですか?
CTRの目安は検索順位やクエリの種類によって大きく異なります。
たとえば、seoClarityの調査では検索順位1位の平均CTRは約14%、2位は7%台、3位は5%以下と報告されています。つまり、1位と2位だけでも倍近い差があるのです。ただし、この数字はあくまで目安にすぎません。
実際に、当社の制作実績で見ると、SEO効果を出しているホームページでもCTRが1%前後のケースもあれば、10%を超えるケースもあります。
CTRに正解の数値はなく、大切なのは現状に満足せず、少しでも改善して高めていく姿勢です。
結局のところ、平均値にとらわれるよりも、自サイトのページごとのCTRを確認し、少しずつでも改善していくことがSEOの成功には不可欠です。
改善すればすぐに効果が出ますか?
CTRを改善した効果が出るスピードは対策内容によって異なります。
たとえば、タイトルやメタディスクリプションを最適化した場合は、早ければ数日〜1週間ほどでCTRの変化が見え始めます。一方で、検索順位そのものに影響するような大規模リライトやコンテンツ追加は、効果が出るまでに数週間〜数ヶ月かかるケースもあります。
CTRの改善は短期的に結果が見える対策もありますが、本質的には継続的に取り組むことで成果が積み上がる分野だと理解しておくと良いでしょう。
やってはいけない対策はありますか?
CTRを上げることだけを目的に、ユーザーを誤解させるようなクリック誘導は避けるべきです。
たとえば、「必ず無料」や「最安値保証」といった実態と異なる表現を使えば、クリックされても直帰率が高まり、最終的に検索順位の低下につながります。また、過度にキーワードを詰め込んだ不自然なタイトルや、スパム的な記号の乱用も逆効果です。
ユーザーの検索意図に合ったコンテンツと整合するタイトルとディスクリプションを設定することが、長期的に評価を高める安全な方法です。
まとめ:サーチコンソールのCTRを定期的に確認して改善しよう
サーチコンソールのCTRは、ホームページが検索結果でどれだけ選ばれているかを示す重要な指標です。
数字を見るだけでは意味がありませんが、定期的に確認して改善を繰り返すことで、アクセス数やSEO効果を着実に高めることができます。
特に、表示回数は多いのにクリックされていないページや、検索順位が高いのにCTRが低いページは改善のチャンスです。タイトルやメタディスクリプションの工夫、検索意図に沿ったリライトなど、小さな取り組みを積み重ねることで大きな成果につながります。
CTRは一度改善して終わりではなく、継続的に取り組むべきテーマです。定期的にデータを確認し、改善サイクルを回すことが、検索流入を伸ばし続ける近道になります。