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重複コンテンツとは?SEOへの影響と改善方法
Webサイトを運営していると、知らないうちにページが重複していることがあります。こうした重複コンテンツは、検索エンジンからの評価に影響を及ぼし、順位低下やインデックスの問題につながることもあります。
このページでは、重複コンテンツの定義や基準、SEOに与える影響とその対策について解説します。
目次
重複コンテンツとは
重複コンテンツとは、同じような内容のページが複数存在する状態を指します。内容が完全に一致していなくても、意味や構成が似通っていれば検索エンジンから重複と判断されることがあります。これは、同一サイト内だけでなく、他サイトとの類似ページにも当てはまります。
検索エンジンは、ユーザーにとって最も有益なページを優先的に表示するため、似たようなページが多いと評価が分散されたり、インデックスされないページが出てきたりする可能性があります。
重複コンテンツの状態が長く続くと、SEO上の不利益につながることがあるため、早期の対応が重要です。
なお、コピーコンテンツと呼ばれる悪質な転載行為とは異なる場合もあるため、違いを知っておくことも大切です。詳しくは、コピーコンテンツとは?の解説をご覧ください。
重複コンテンツの状態
重複コンテンツとは、見た目や意味が似通っているページが複数存在する状態を指します。ここでは、どのような状態が重複とみなされるのかを解説します。
完全一致または意味が酷似している
重複コンテンツとみなされる典型的な例は、テキストが完全に一致している場合です。たとえば、同じ商品説明や文章を複数ページに掲載していると、検索エンジンはそれらを重複と判断します。また、文字列がすべて一致していなくても、伝えている内容が似ていれば、同様に重複と見なされることがあります。
言い回しや表現を少し変えた程度では評価をしてもらえず、検索エンジンにとってはほぼ同じ情報として扱われます。結果として、どのページを検索結果に表示すべきか判断しづらくなり、SEO評価が分散したり、インデックスされないページが出てきたりする原因になります。
そのため、ページごとに独自の情報や視点を盛り込み、検索エンジンから見ても明確に異なる内容であると判断されるようにすることが重要です。
悪意の有無は関係がない
重複コンテンツとみなされるかどうかに、意図の有無は関係ありません。たとえ運営者が意識せずに作成した場合でも、検索エンジンのアルゴリズムは同様に重複として処理します。
たとえば、共通の定型文を複数ページで使っていたり、カテゴリーページや絞り込み検索の結果ページが自動生成されていたりするケースでも、重複と見なされることがあります。悪意がないからといって問題が起きないとは限らず、SEOへの影響を防ぐには、サイト設計の段階から重複を避ける工夫が求められます。
重複コンテンツが及ぼすSEOへの影響
重複コンテンツは、検索エンジンの評価やインデックス処理に悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、3つの影響について解説します。
Googleペナルティを受ける
重複コンテンツが意図的に作成された場合や、検索順位を不正に操作しようとする行為とみなされた場合、Googleから手動ペナルティを受けることがあります。たとえば、他サイトの文章をコピーして大量のページを量産した場合や、複数のドメインでほぼ同じ内容を展開する場合などが該当します。
このような重複はガイドライン違反と見なされ、該当ページの検索順位が大幅に下がったり、インデックスから除外されたりすることがあります。特に検索流入に依存しているサイトでは致命的な影響となるため重複は避けるべきです。
クローラビリティが低下する
Googleなどの検索エンジンは、ウェブサイトを巡回する際に、クロールバジェットと呼ばれるリソースの範囲内でページを読み取っています。重複したコンテンツが多数存在すると、検索エンジンのクロールが効率的に行われず、本来インデックスしてほしいページが後回しになったり、巡回されなかったりする可能性があります。
特にページ数が多いサイトでは、無駄な重複ページがクローラビリティを下げる原因となるため優先して整理すべき対象です。
SEO評価が分散する
重複コンテンツがあると、検索エンジンはどのページを優先的に評価すべきかを判断しづらくなります。その結果、評価が特定のページに集中せず、複数の類似ページに分散されてしまうことがあります。
たとえば、同じような内容を持つページが3つある場合、1ページに集まるはずの被リンクやキーワード評価が分散され、どれも上位表示されない状態になることがあります。これは、いわゆるカニバリゼーションと呼ばれる現象で、コンテンツの統合やcanonicalタグの活用などで回避する必要があります。
重複コンテンツの基準
検索エンジンは、さまざまな基準でコンテンツの重複を判断しています。ここでは、代表的な3つのパターンを紹介します。
サイト内の類似コンテンツ
1つのWebサイト内で、内容が似ているページが複数存在する場合、検索エンジンから重複とみなされることがあります。たとえば、同じ商品を色やサイズ違いで個別ページにした場合や、説明文の一部をテンプレート化して複数ページに使用しているケースなどが該当します。
こうしたコンテンツは、検索エンジンにとって同じ情報を繰り返していると判断されやすく、評価が分散したり、インデックスされにくくなったりする原因になります。特に大規模サイトでは、カテゴリーページや絞り込み検索などの自動生成ページにも注意が必要です。
ただし、ページごとに明確な目的があり、ユーザーの利便性に貢献している場合は、たとえ構成が似ていても重複コンテンツとみなされないこともあります。検索エンジンは内容の質とユーザーへの価値を重視しており、単に構成が似ているだけでは問題にはなりません。
外部サイトとの類似コンテンツ
自社サイトのコンテンツが、他のWebサイトの内容と酷似している場合、検索エンジンは重複として判断します。他サイトからの引用や転載、製造元の説明文をそのまま掲載している場合などが典型例です。
とくにECサイトやアフィリエイトサイトでは、商品情報やレビューなどが他サイトと重複しやすいため注意が必要です。オリジナリティのないページは、検索エンジンから低評価を受けやすく、表示順位が上がりにくくなります。外部と重複しない独自性のある記述が重要です。
サイト構造の問題で発生している
URLの構造やCMSの仕様によって、意図しない重複コンテンツが発生するケースもあります。たとえば、同じページに異なるURLでアクセスできる状態です。また、印刷用ページの生成やフィルタ機能付き一覧ページなども、内容が同一にもかかわらず別ページとして認識され、重複扱いになることがあります。
こうした技術的な重複は、サイト設計段階での対応が求められます。
重複コンテンツの調べ方
自分のサイトに重複コンテンツが存在するかどうかを確認するには、いくつかの方法があります。ここでは代表的な調査手段を紹介します。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、Googleが提供する無料の公式ツールで、サイトのインデックス状況やエラーの検出に役立ちます。重複コンテンツに関しては、カバレッジレポート内にある重複しています。といったメッセージが該当します。
このメッセージが表示されているページは、検索エンジンが内容の重複を検出し、別のページを優先してインデックスしていることを意味します。また、正規ページが選択されていませんと表示されることもあり、canonicalタグの未設定が原因となるケースもあります。
こうした指摘は、インデックスされない原因として非常に重要なヒントになります。
コピーコンテンツチェックツール
Web上には重複コンテンツの有無を確認できるチェックツールがいくつか存在します。代表的なものとしては、CopyContentDetector、こぴらんなどがあります。
これらのツールを使えば、他のサイトとの類似性や、自サイト内でのコンテンツの重複箇所を検出できます。特に他サイトからの引用や委託記事を多く扱うサイトでは、無意識のうちに似た内容になってしまうことがあるため、定期的なチェックが推奨されます。
無料版には制限があるツールも多いため、必要に応じて有料プランを活用するのも一つの選択肢です。
重複コンテンツの対策方法
重複コンテンツと判断されたページは、検索順位の低下やインデックス除外につながる可能性があります。ここでは、SEOの観点から有効な対策方法を紹介します。
canonicalタグの利用
canonicalタグは、複数の類似ページが存在する際に、検索エンジンに対して、どのページを正規ページとして評価すべきかを明示するHTMLタグです。
たとえば、URLパラメータが異なるだけで内容がほぼ同じページが複数存在する場合、canonicalタグで1つの正規URLを指定することで、重複評価を回避できます。
検索エンジンは指定されたURLを優先的にインデックスし、評価もそのページに集約されます。ページを統合せずに管理したい場合に有効な手段です。
ページを削除する
明らかに重複しており、SEO上の価値がないと判断できるページは、削除を検討することも一つの対策です。削除したページは、404といったステータスコードで返すことで、検索エンジンに存在しないことを伝えることができます。
不要なページが多数存在している場合、サイト全体の評価やクローラビリティにも影響するため、思い切って整理することが効果的なケースもあります。
noindexタグを使用する
ページを削除したくないが、検索結果には表示させたくない場合には、noindexタグの使用が有効です。このタグをHTMLのhead内に設置すると、検索エンジンはそのページをインデックスから除外します。
たとえば、絞り込み検索や印刷用ページなど、内容が本質的に他ページと重複するが、ユーザーには必要なページに対してよく使われます。SEO評価を無駄に分散させたくないときに便利な手法です。
301リダイレクトを行う
重複しているページが明確に一本化できる場合には、301リダイレクトを使って、正規のページへ転送することができます。これにより、ユーザーも検索エンジンも適切なページへ誘導され、評価も一箇所に集約されます。
特に古いURL構造から新しいURL構造へ移行した場合や、内容が完全に一致している場合には、もっとも効果的な方法といえます。ただし、リダイレクトの多用はユーザー体験に影響するため、設計には注意が必要です。
定型文をリライトする
同じようなテンプレート文や説明文を多用している場合は、ページごとにリライトして差別化を図ることが重要です。たとえば、商品紹介やサービス説明などで同じ表現を使い回していると、検索エンジンに情報の重複とみなされる可能性があります。
各ページの目的や特徴に合わせて、具体的なキーワードや補足情報を盛り込むことで、オリジナリティが高まり、重複リスクを下げることができます。
特殊なケースの重複コンテンツ
一般的なページ構成以外にも、意図しないかたちで重複コンテンツとみなされるケースがあります。ここでは、特に見落とされやすい2つの事例を取り上げます。
サブドメインのコンテンツ
メインドメインとサブドメインの両方に同じ内容を掲載していると、それぞれが別サイトと判断されるため、重複コンテンツとみなされる可能性があります。
たとえば、www.example.comとblog.example.comにほぼ同じ記事や商品情報を掲載している場合、Googleはこれを別のサイト同士の重複と判断し、SEO評価が分散してしまいます。特に、テスト用サブドメインや多言語展開時のコンテンツ共有などにおいて、無自覚に同一内容を展開してしまうことがあるため注意が必要です。
対策としては、canonicalタグの設定やrobots.txtによるクロール制御、もしくはnoindexの活用が有効です。
画像の使い回し
ページごとの文章は異なっていても、画像素材が使い回されている場合、それが重複コンテンツにつながることは稀ですが、注意すべき点はあります。
特にalt属性がすべての画像で同一だったり、画像自体がメインコンテンツとして機能している場合、検索エンジンに類似ページとして判断されやすくなることがあります。ECサイトなどで商品の画像や説明文が同じまま複数ページに展開されているケースでは、テキストと画像の両面から評価が分散するリスクがあります。
対策は、alt属性の工夫や画像のバリエーションを追加、画像を補足する独自テキストの挿入などが有効です。
まとめ:重複コンテンツを改善してSEO効果を高めよう
重複コンテンツは、意図しない形で発生することも多く、気づかないうちにSEOに悪影響を与えているケースがあります。完全一致のページだけでなく、内容や構成が似ているだけでも検索エンジンから重複と判断されることがあるため、日頃からのチェックと対策が重要です。
Googleサーチコンソールやチェックツールを活用すれば、重複の有無を可視化することができ、canonicalタグの設定やページの整理、リライトなどで適切に対応すれば、検索順位やインデックスの改善も期待できます。
コンテンツの独自性を意識し、ユーザーにとって価値ある情報を提供することが、結果的に検索エンジンからの評価向上にもつながります。サイト全体の品質を保つためにも、重複コンテンツへの対応は継続的に取り組むべきテーマといえるでしょう。